鬼哭血風録~相思相殺~【FGO×ドリフターズ・捏造コラボイベント】   作:みあ@ハーメルンアカウント

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土方(ドリフ)×沖田(Fate)外伝”咲いて結ばず”の後編です。ネタバレを防ぐために本来一話完結だったものを、その後半部分だけ”鬼哭血風録”のエンディング後に投稿させていただくことになりました。
少し性的なものを匂わせる描写も含まれます(R18にするほどではないですが)ので、苦手な方はご注意くださいませ。

この作品を持ちまして、”鬼哭血風録”としてひとつに纏めたお話を完結とさせていただきます。
この後もちまちま土方(ドリフ)×沖田(Fate)の健全小説を短編や短い連載ものとしてこちら、ハーメルンにも投稿させていただくと思いますが、ご興味をもたれた方は是非、今後とも宜しくお願い致します!


【鬼哭血風録~相思相殺~外伝】咲いて、結ばず(後編)

「ひじ、かた……さん?」

 

目を開ければ、少女が澄んだ琥珀色を瞬かせてそこにいた。

伸ばした筈の手は、確かにその細い手首を掴んでいる。しかし、布団の上に居た筈の沖田は、きょとんとした顔で土方を上から見下ろしていた。

視界が、逆転した?――違う。横になっていたのは最初から、己の方だ。

 

「えっと、悪い夢でも見ていたんですか?何だかひどく、うなされていたようだったので」

 

瞑目する。ああ――そうか。俺は地獄の底から、何の因果かこの“かるであ”という場所に喚ばれ、連れて来られたのだ。

夢と現の間を彷徨っていた記憶が、漸く手元に戻ってきた。安堵したように息を吐く土方の様子を見て、沖田は可笑しそうに肩を揺らして笑った。

 

「私、もう心配で心配で。本当はマスターとお出かけする約束があったんですけど、断っちゃいました。……後でしっかり、土方さんが埋め合わせして来てくださいね?」

「……お前の好きでそうしたんだろが。俺の知った事か」

 

憎まれ口を叩きながら、存在を確かめるように沖田の手首へ指先を滑らせる。滑らかで温かい、生気を帯びた女の肌が、現実のものとしてそこにあった。くすぐったそうに、沖田が身じろぐ。

 

「あは、くすぐったいです……さっきから、一体どうしたんですか?土方さんらしくもない」

「……美しい花ならば、ただ眺めているよりも……こうして触れて、愛でる方がずっと良い」

 

そのまま腕を引き寄せれば、あっ、と、愛らしい唇から小さな声が漏れた。その唇を奪って、ほっそりとした腰を抱きながら褥に引きずり込む。

 

抱きしめて、唇を吸って。

近藤の言う通り、意地など張らず――最初から、こうしていればよかったのかもしれない。

 

「もう、土方さんっ……まだ、日も高い時間ですよ?」

 

唇を尖らせる沖田だったが、胸元へ縋りついてくる指先を見るに、満更でもないようだった。その仕草を許諾の証と見て取ると、土方は大きな掌で着物の襟合わせを開きに掛かった。

何度抱こうが、沖田はその都度、生娘のように初々しい反応を返してくる。組み敷かれながら胸元を乱され、顔を赤らめ恥じらう少女の姿は、得も言われず愛いものだった。

 

「……仇花に、実を生らせてやりたくなってな」

「え……?」

 

――我ながら、馬鹿な冗談を言ったものだ。この娘の愚直さが、いつの間にか己にも移ってしまったのかもしれない。

 

ふ、と口元に微苦笑を滲ませると、土方はもう一度沖田の唇を塞いだ。己とよく似て頑固な妹分に、これ以上余計な言葉を言わされるその前に。

 

 

【咲いて、結ばず・完】

 




まずはここまで読んで下さった皆様に、多大な感謝を。本当に、本当に、ありがとうございました!

土方(ドリフ)×沖田(Fate)の一連のストーリー、いかがでしたでしょうか?
クロスオーバーカップルをメインに打ち出した作品ですから、かなり賛否両論分かれるものだったかと思います。様々な印象をもたれた方がいらっしゃるかと思いますが、それでもこのわたしの妄想カルデアを共に愛して下さる方がひとりでもいらっしゃいましたら、もうそれ以上望むものはありません。
どうか皆様の記憶の片隅に、ふたりの恋物語がかけがえのないものとして残ります事を。

それでは、また次のお話でお会いしましょう!
そして本作への沢山のお気に入り登録、評価などなど、ありがとうございました!

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