艦CORE 黒い鳥は海を舞う   作:紅月黒羽

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第6話 過去に縛られた者

「電です。どうか、よろしくお願いいたします」

 

 光が収まり、代わりに現れたのは小さな少女だった。これが小学生と言われても疑わないほど少女は幼く、可愛らしかった。

 

「……本当にこれでできるとは。妖精ってのは本当に謎だな」

「多分、一番近くにいる私でもわからないんですもん。いくら時間があってもこれは解明できませんよ」

「まぁ、既に数年以上も経っている今でも分からないならそうなんだろうな」

「あ、あの……」

 

 斬夜と明石が論議を繰り広げているている最中取り残された電は不安そうに二人を見ている。

 ようやく絞り出した声はおどおどしたか細い声だったがようやく気付いた斬夜が電へと歩み寄る。

 

「悪いなほっといて。俺がここの提督の霧雨斬夜だ。これからよろしく頼む」

「は、はい!こちらこそ、よろしくお願いいたします!」

 

 軽い挨拶を済ませ、ようやく自分の鎮守府に艦娘が着任したことを実感し残りの艦娘たちが建造されるのを待つ。

 電と話している間にも建造は進んでいたためすぐにでもできあがるだろう。

 

「提督、もう全部終わりますからちゃんと自己紹介してくださいね?提督は他人と話すのはあまり得意ではなさそうですし」

「わかってる。明石もそんな親みたいな言い方をしないでくれ。俺ももうそんな歳じゃない」

「それは失礼しました。以後気を付けますね」

 

 二人が話している間にも白い塊が次々へと人型へと変わっていく。

 確かに他人と接することは得意ではない斬夜だがこれからどんな艦娘が着任するか期待に胸を膨らませていることは事実だった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「改めて自己紹介となるが、俺がこの鎮守府の提督だ。まだ二十歳(はたち)にもなっていないがお前たちの力を貸してくれることを願っている」

 

 建造が終わった後、艦娘たちにそれぞれの部屋の場所を教え、一度宿舎へ行ってもらいそれから執務室へと来てもらっていた。

 今斬夜の目の前には先ほど建造した駆逐艦『電』それから軽巡洋艦、重巡洋艦、戦艦、軽空母が並んでいた。

 その中の一人戦艦『山城』へ視線を向け斬夜は言葉を並べる。

 

「この鎮守府はまだできたばかりでお前たち以外に艦娘はいない。大本営に資材の補給を頼むがそれまでは君たちがこの鎮守府の全戦力となる」

 

 そこで一息つくと生真面目そうな表情を崩し先ほどとは打って変わって気楽な声へと変わる。

 

「といってもここはそれほど危険なところでもないし、当分は鎮守府近海にまた出てきた少数の深海棲艦の殲滅だ。それ以前にまずは体を慣らしてから出撃するから特に焦ることもない。というわけで出撃する際、旗艦を山城に任せたいんだが頼めるか?」

「私……ですか?」

「あぁ。あくまで俺は素人だが戦艦だしそれなりの経験があると思ってな。無論お前の過去も知らないわけではないが……。どうだ、やってくれるか?」

 

 山城は斬夜の問いにすぐには答えられなかった。山城の性格は正直言って明るくない。当時の言われようからこんな風になってしまったのかもしれないがそれが正しいかは本人にしかわからない。

 山城は、こんな内気な性格で、自分は当時竣工前から欠陥呼ばわりされていた曰く付きだ。そんな自分が旗艦をやるなど想像もできない。

 やがて開かれた口からでたのは──

 

「不幸だわ……」

「「えぇ……」」

 

 思わずその場にいた大淀を含む全員が困惑したが、深いため息とともにだされた言葉はなぜかすごく重みのあるように聞こえた。

 

「私には荷が重すぎます。それに……扶桑姉さまもいないのに」

「山城それはもったいないと思うぜ?折角の機会だ。やってみるのも悪くないと思うけどね~」

 

 陰陽師を彷彿とさせるような衣装を纏った艦娘、軽空母『隼鷹』は気楽な声で山城へ持ちかける。しかし、ただ単に山城に任せようとしているわけではなく自分も力を貸すことが言葉の裏に読み取れる。

 

「駄目です。私にはそれをやれるだけの力も意志もありません。すみませんが提督、他の()に任せてください。私はこれで失礼します」

「あっ、山城さん!」

「いいんだ大淀。今はほっといてやれ」

「……はい」

 

 勝手に立ち去ろうとした山城を大淀が止めようとしたが斬夜はあえてそれを止めた。今の山城になにを言っても無駄だろうし、ここに着任してまだ一日も経過していないのに相手のなにがわかるというのだろうか。

 山城のことは気にかかる斬夜だったがとりあえず今後についてこの場にいるメンバーで話し合うことにした。

 

「まぁ、あんな風に言われたら無理にも頼めないしな。消去法の様で悪いが高雄、お前に旗艦を頼んでもいいか?」

「はい。それはもちろんよろしいのですが……。提督はよろしいのですか?山城さんが旗艦でなくて?」

「……それについてはこれから少しずつ山城が前向きに考えられるようにしていくしかない。だから、それまでと言ってはなんだがお前に任せたいと考えた」

「わかりました。それでは高雄にお任せください」

 

 スタイルのいい女性らしい起伏が豊かな艦娘、重巡『高雄』は意志のこもったはっきりとした口調で返した。

 途中、軽巡『川内』が「夜戦はもちろんあるんだよね!」と言い始め宥めるのに時間がかかった。

 それからは自由行動とし、解散としたが斬夜の表情はどこか納得していないように見えた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 斬夜と大淀だけが残った執務室。そんな中斬夜は椅子に座り真剣みを帯びた表情をしながら考え込んでいた。

 

「少しずつ変えられるようにとは言ったが、やっぱりあの性格はどうにかしたいな」

 

 先ほど自身の口からほっといておけと言ったばかりだがやはり納得はしていなかった。せめて旗艦にならなくても前向きな気持ちにはなって欲しいと斬夜は思う。

 そのためには他人から何らかのアプローチが必要だ。しかし斬夜は他人を励ますようなことは片手で数えるほどしかない。

 しかもその内容は(かける)がしょうもないことで落ち込んだときに適当に励ましただけだ。

 

「一体どうすればいいか……」

 

 うめき声をだしながら必死に考えをだそうとする斬夜だがこれといった案が浮かんでこない。

 そこへ大淀が苦笑を浮かべながらお茶を運んでくる。

 

「確かに山城さんの性格はあまりいいとは言えません。でもそこまで深く考える必要はないと思います」

「でも、なにもしないわけにもいかないだろ?」

「ただ一緒にいたり、話したりするだけでも変わってきますよ。親しみやすい誰かがいるだけで人は安心できるんです」

 

 あまり馴染みのない話だと思ったが、そういえばとフランやロザリィがいたときのことを思いだす。

 フランの場合はどちらかというならあっちが安心してるような感じがしていたが、ロザリィは確かに頼りがいがあり色々と助けてもらっていた。あの頃の世界は企業との件もあり中々激しい世界だった。それを生き残れたのはやはりロザリィの存在があったからだろう。

 

(ロザリィの性格も結構大きかっただろうな)

 

 あの大雑把というか姉御肌というか、とにかく自分の欲求に前向きだったロザリィは回りの人間を引っ張っていくのが上手かった。

 

「そうか……。そういうもんか。俺も、俺なりにやってみるよ」

「頑張ってくださいね。提督」

 

 どうせ考えていたところ慣れていない自分ではロクなアイデアも出ないだろうしここにいたところでなにも始まらない。

 だったら自分ができることをやりきるだけだ。それで駄目ならまた別なことをすればいい。

 

(そうだな……まずは)

 

 

 

 ◇

 

 

 

(おかしい……絶対におかしい)

 

 食堂へ向かう途中山城は今日までの記憶を思い出していた。

 山城が着任してから二週間が経ち、近海にでたり鎮守府内で演習も行った。決まった時間に起き、決められたスケジュールをこなせば後は自由ということを繰り返してきた。

 しかし──

 

「よっ、山城。一緒に飯食いに行こうぜ」

(やっぱり……)

 

 斬夜が声を掛けた途端山城の表情が強張る。なぜそうなるかというと山城が着任した翌日からずっと斬夜に付きまとわれている。

 二週間ずっとだ。しかも昼食のときだけでなく──

 

『散歩か?今日は天気もいいしな……俺も一緒にいくかな』

 

 暇なときは鎮守府内をぶらついていたのだがその時も声を掛けられ、またあるときは──

 

『山城いるか?ちょっと話をしたいんだが』

 

 直接部屋にまで来て連れだそうとする始末だ。山城としては初日に執務室を勝手に抜けてしまったせいもあってばつが悪い。

 しかも斬夜自身はそれを気にしていないから尚更だ。

 

(私だって悪かったとは思ってるし別に嫌なわけじゃないけど)

 

 いかんせんくっつき過ぎている感があるのは否めないがこちらがそう言っても斬夜がやめる気配はない。

 

「またですか提督。そろそろセクハラで訴えますよ」

「俺は上司として部下であるお前と接しようとしてるだけだぞ?コミュニケーションをとるのも上司の仕事だ」

「じゃあパワハラで訴えます」

「……俺の話聞いてた?」

 

 顔をひきつらせ「冗談だよな?」と訊いてくる斬夜を無視し、食堂へ入っていく。

 お盆を受け取ったときに間宮に「あらあら」と言われたがもう気にはしなくなった。

 まだ鎮守府自体の人数が少ないので席は空いているが適当に探して座った。

 

「隣、座るぞ」

 

 やはりこうだ。どれだけ山城があしらおうとしても勝手に付いてくる。まるでこちらが断れないことをわかっているかのように。

 

「はぁ……、好きにしてください」

「じゃあ、そうさせてもらうよ」

 

 諦めた山城がもうどうでもいいようにため息をついた。それに対して斬夜は特になにも言うわけでもなく間宮の料理を食べながら一々賛辞をしていた。途中山城に振ったが「そうですね」と短く答えて黙々と食べ続けた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「はぁ……」

 

 食事を終え部屋へ戻った山城。しかし先ほどとのため息と違いこちらは憂いを含んでいるようだった。

 

「私が旗艦……。でも私なんて……」

 

 前向きにならなくてはと自分でも思ってはいる。だが、どうしても卑屈になってしまう。

 欠陥艦の自分が、大した成果も挙げず、ドックで改装される毎日だった自分ができるのかと。

 そう考えてしまうとやはり否定的に返事をしてしまう。

 

「私も皆みたいにできるのかしら……」

 

 その言葉は誰かに聞いているのだろうか、しかしその問いに答える人は誰もいなかった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「あれ?山城は?」

「そういえばまだ来ていませんね。いつもなら食べに来ている時間なのに」

 

 翌日昼食を取りに来た斬夜が山城を探したが姿が見えず間宮に尋ねていた。しかし間宮も山城の姿を見ておらず 疑問に思っていた。

 

「食べ終わったら部屋にでも行ってみるか」

「私からもお願いします。もし具合が悪かったら言ってくださいね。食べやすいものを作りますから」

「ありがとう間宮。それじゃもしものときは……」

 

 途中まで言いかけ不意にとある考えがよぎった。悪い方向に運ぶかもしれないがやってみる価値はあるだろう。

 

「間宮、少し貸して欲しいものがあるんだが……」

 

 

 

 ◇

 

 

 

「んっ……」

 

 正午を過ぎる頃、ようやく山城は目が覚めた。普段より寝過ぎたせいか少し体がだるく感じるが今日はこれといったこともないので気にはしない。

 

「寝過ぎたわ……ご飯食べに行かなきゃ」

 

 顔を洗うために洗面所へ向かう。

 ひんやりと気持ちのよい感覚が手に伝わり、それで一度顔を濡らす。

 

(私って、表情暗いのかしら……)

 

 鏡に写る自分の顔を見て不意に考える。あまり自分は笑ったりしないがそれでも人並みには感情をだしたりはする。

 

「……まぁ、仕方ないわね」

 

 他人がどう見るかなど自分にはわからない。それに他人に合わせて自分を変える必要もない。

 

 

 適当に支度を済ませ部屋を出ようとしたとき、誰かが扉をノックした。一体誰だろうかと考えた山城だったが最近のことを思い出すと思い当たる人物は一人しかいなかった。

 

「よっ、山城。熱でもあるのか?珍しく起きてこなかったし」

「やっぱり提督か……」

 

 案の定山城が扉を開けるとそこにいたのは斬夜だった。

 

「別に熱があるわけじゃないですよ。ただ寝過ごしただけです。それより私今から昼食を取りに行こうと──」

 

 そこで山城は気づいた。どこからか胃袋を刺激するようないい匂いがしてくるのだ。それも比較的近くから。

 しかしここから食堂まではそれなりには距離があるのに一体どこからしてくるのだろうと気になった山城だったが──

 

「ならちょうど良かった。昼飯持ってきたんだが食べるか?」

 

 そう言われ今更ながら斬夜がその手に生姜焼きが乗ったお盆を持っていることに気づいた。扉をしっかりと開いていなかったので気づきにくかったが先ほどからしているいい匂いはこれが原因だろう。

 そしてそれは、腹が減っている山城にはとても魅力的であり──

 

「食べます」

 

 すぐさま返事をしてしまっていた。

 

「邪魔するぞ~」

「別に料理だけ置いていってくれて良かったのに……」

「いやいや自分が作った(・・・・・・)料理を食べてるのを目の前で見たくな。それに評価も聞きたいし」

「え?」

 

 山城は今、自分が聞いたことが信じられなかった。

 机の上に置かれた料理はいずれも色とりどりで出来栄えがよく食欲をそそられる。

 正直言ってこれほどのものを目の前の人物が作ったとは思えない。

 そんな風に思われているとはいざ知らず斬夜は「ん?どうした食わないのか?」と呑気に聞いてくる。

 

「……いただきます」

 

 多少の懸念は残ってはいたが、自分が寝過ごしたせいでわざわざ作ってきてもらったのに、食べないというのは失礼と思い箸に手を伸ばす。正直に言って誰かに隣で食べている姿をこんなにまじまじと見られたことがなかったので、居心地の悪さはあったができるだけ気にしないようにした。

 最初に箸を伸ばしたのは先ほどから嗅覚を刺激する生姜焼きだった。

 焼き加減は丁度良く、肉とタレの絡み具合も見ただけで美味しそうと思ってしまう。

 そしてそれを口に入れたとき山城の口からは思わず──

 

「美味しい……!」

 

 想像以上の美味さに端的な言葉しか出なかったが、恐らく料理人からすれば最高の一言を山城は発した。

 それを聞いた斬夜は安心したような、嬉しそうな、どちらともつかない落ち着いた雰囲気で笑っていた。

 その間にも山城の箸は止まらず次々と平らげていく。一口一口噛みしめる際驚いたような表情をしているのが斬夜としてはなんとも面白かったが、邪魔にならないようにその様子を静かに見守っていた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「どうだ、美味かったか?」

 

 そんなに腹が減っていたのか、と思うほどの速度で全て平らげた山城は満足そうな表情をしていた。その表情に達成感を感じながらある程度は察せるが、料理の感想を尋ねる。

 

「提督が作ったとは思えないほどに美味しかったです。間宮さんと比較しても遜色がないほどに」

「流石にそれはないだろ。あいつとは料理に対する真剣さが違うよ」

「そうだとしても私はそう思ったんですよ?」

 

 「いやいや」と謙遜をする斬夜だが山城の言葉に一切の世辞など含まれていなかった。今の言葉には山城の率直な感想しかない。

 たとえ、それを知っても斬夜は譲らなかっただろうが山城としては素直に自分の言葉で言えたのでそれでいいことにした。

 

「どうしてこんなに美味しく作れるんですか?」

「まぁ、一人暮らしをしていたこともあるが、一番は趣味かな。楽しかったんだよ。自分で考えて試行錯誤しながら作るのがさ」

「その年でそんな趣味なんて変わってますよ。もっと他にもあるでしょうに」

「もちろんあるぞ。プラモだったり読書だったりと。まぁそんなことより、やっと笑ってくれたな山城」

「えっ」

 

 最初はなんのことかわからなかった山城だが、斬夜が言っている意味がようやくわかった。自分が鎮守府に来てからどれだけ笑ったのだろうか、そもそも笑ったときなどあっただろうか。

 初日のいざこざからずっと自分はどうすればいいのだろうと考え、こんな風に素直な気持ちで会話をしたことがあっただろうか。

 

 恐らく斬夜は、今まで自分なりの方法で励まそうとしていたのであろうが、ちょうどいいときに前々からやろうとしていた『料理を作る』という機会がきた。

 誰だって美味い飯を食えばいい気分にはなる。なら山城もきっとそうだろうと思い、このような手段をとった。

 

「私を励ますためにこれを?」

「いやこれがメインって訳ではないんだが、ちょうどいい機会だと思ったしちょっと驚かしてみようと思ってな」

 

 結果はご覧の通り。食堂で食べているときは特に会話などはしていなかったが、今は二人しかいないので自然と口が動いてしまう。しかも斬夜が作ったという意外性があるので尚更だ。

 

「まぁ、そんな風に言ってくれるなら作った甲斐(かい)もあるが、そろそろ本題に入るとするか」

「本題……ですか?」

「あぁ。山城改めて言いたい、お前に艦隊の旗艦を任せたい」

「……」

 

 山城からの返答はない。ただ、なにか山城の中で迷いがあることだけは斬夜にはわかった。しかし、その重い口は未だに開こうとはしない。だから山城が自分から言うまでは斬夜は黙っていることにした。

 

「私は……怖いんです。自分が沈むことよりも、私のせいで他の()が沈むことが」

 

 やがて自分の胸の内を語り始める山城。そのときの表情はまるで、ほんの少しでも力を加えたら折れてしまうような儚さだった。

 

 

「扶桑型は超弩級戦艦として当時設計されました。でも扶桑姉さまが竣工された後、様々な問題が見つかったんです。それは二番艦である私も同じで、扶桑姉さまのこともあり竣工前から欠陥よばわりもされました。それから度重なる改修でほとんどドックで過ごし他の戦艦と比べて戦果も残していません」

 

 溜まっていたものを吐き出す。こんな愚痴のように言うようなつもりはなかったが、一度動き出した口は止まろうとはしてくれない。

 それとも、今まで自分が思っていたことを誰かに聞いてほしかったのだろうか。自分はそんな風になるつもりはなかった、もっと華々しい戦果を挙げるつもりだったと伝えたかったのだろうか。

 

「それは艦娘となった今でも残っています。私の速力や装甲が低いのはそれが理由です。だから……そんな自分が旗艦としてたっていいのか、それが不安なんです」

 

 (なるほど。当時の周囲からの悪評や戦果を気にしすぎて自分に自信が持てないのか。艦隊ってのはカバーしながら戦っていくものだから気にしなくていいとは思うが。でも山城が言っていることは事実でもある)

 

 自信を持ちすぎて傲慢になるよりかはいい。その代償はいつか自分や仲間にかかってくるのだから。だからといって気弱であってもいけない。

 己のある程度の所の見切りをつけて上手く気持ちを制御するのが一番だが、やれと言ってすぐにできるものではない。

 少なくとも山城は自分の直すべきところをわかっている。ただどうやって直せばいいのか、そのきっかけが掴めていないだけだ。

 

 

 

 だから斬夜は懐かしむように語りかけた。

 

「なぁ山城。昔話をするとしようか」

 

 

 

 




 今回は山城に深く入っていきました。扶桑型は一番好きなのでどんどん出していきますよ。恐らく次回もこんな感じです(ネタバレ)戦闘シーンはまだなので気長に待っててください!


 それと、地の文が読みづらかったと思いますが、いつも自分の頭に浮かんだ言葉をほぼそのまま書いてるので日々精進していきますのでこれからもよろしくお願いします。


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