ガンダムブレイカー3 彩渡商店街物語   作:ナタタク

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第24話 訓練と混乱

「うおおおお!!」

ロストマウンテンで覚醒したバルバトスが宙返りを披露した後で、クシャトリアを足払いし、一回転させる。

そして、あおむけに倒れたクシャトリアのコックピットを青いオーラが光る拳によって、一撃で粉砕し、撃墜した。

同時にまとっていたオーラが消え、右横のモニターのカウントが止まる。

「はあはあ…覚醒持続時間は3分…。デストロイモードよりも短い…)

特定の条件を除いて、デストロイモードを発動した場合はパイロットへの負担への考慮という設定で、持続時間が5分に制限されている。

覚醒によるサイコフレーム搭載モビルスーツに相当する性能が発揮できる時間が3分とすると、これではデストロイモードの方が継続戦闘能力が高い。

たっぷりと深呼吸をし、シミュレーターに接続しているハロに今回の戦闘データを送ってガンプラバトルを終了する。

 

「勇太君、お疲れさま!はい、スポーツドリンク」

シミュレーターを出た勇太にミサは自販機で買ったスポーツドリンクを渡す。

その間に、ミサは勇太から借りたノートパソコンをハロと接続し、今回の戦闘データを見はじめ、ロボ太はフルアーマー騎士ガンダムに慣れるため、シミュレーターに乗り込む。

群馬での温泉旅行を終え、彩渡商店街に戻ってからは、2人と1機は再びジャパンカップのための特訓の日々に戻った。

「ふぅーん、覚醒していると、オーラがある程度バリアとしても使えるんだね。あ…!持続時間も3分に伸びてる!」

「まだ足りないよ。兄さんの場合は覚醒を5分以上持続させていたし、最終的には10分まで伸ばしてた。どうやったら、これだけ時間を延ばせるんだろう…」

エクシアやデュナメスなどの00の第3世代ガンダムのトランザムと違い、覚醒が終了になったとしても性能低下は起こらない。

しかし、それでも3分しかその状態を維持できないとなると、タイミングを吟味しなければならないし、勇太の体力にも関わることから、1度のバトルで覚醒できるのは1回だけ。

それだけでなく、覚醒はガンプラそのものにも影響を与えており、覚醒の前と後を比較すると、バルバトスの太刀でなければ切断すら難しいほど頑丈なはずのフレームに金属疲労が発生していることがすでに分かっている。

バルバトス・レーヴァテインの場合、ガンプラそのものへの負荷を軽減するために両肩にある放熱ユニットに加えて、頭部にも放熱ユニットを追加したうえ、フレームにも市販されている高齢者用の関節サポーターを参考にしたシーリング処理などを施したが、それでも対症療法としての解決策にしかならず、フレームそのものへのダメージを防ぎきれていないのが現状だ。

「煮詰まると何も思いつかなくなっちゃうし。ちょっとだけ休憩したら?」

「そうするよ。ふう…」

ソファーに座り、背もたれに身を任せた勇太は眠気を覚え、そのまま眠ってしまう。

1分休憩をはさみはしたものの、10回連続でシミュレーターに入り、それらの戦闘で1回ずつ限界まで覚醒を行ったことを考えると、ここまでクタクタになるのは当然だ。

夏が近づき、だんだん暖かくなっており、外はだんだん熱くなってきている。

ミサも特に暑い昼間はジャケットを脱いでいて、オレンジのノースリーブのシャツとホットパンツという露出の多い服装になる。

ただ、それでも女性の色気を感じられないのが悲しいところだ。

勇太に関しては、冬服と夏服を変えるのがめんどくさいからか、相変わらず春と同じ服装のままだ。

「さーてっと…サクラに勝つためにも、頑張らなくちゃ!」

先日、ミサは名古屋へ帰ることになったサクラとジャパンカップで決着をつける約束をした。

それが彩渡商店街に活気を取り戻すことと含めて、彼女のモチベーションを高める大きな要素となっている。

「さあ、行くよー!ロボ太!」

「心得た!ふう…長らくシミュレーターから離れていたから、声がちゃんと出ないか心配だったぞ」

アザレアパワードとフルアーマー騎士ガンダムがサイド6リボーコロニー内部に次々と現れるザクⅡ改やグレイファントムから発進するジムや量産型ガンキャノンと交戦を始める。

量産型ガンキャノンから発射されるキャノン砲をシールドで受け止め、反撃としてビームマシンガンを発射した。

キャノン砲発射のために足を止めていた量産型ガンキャノンがハチの巣となり、爆発した。

(それにしても、ロボ太ってすごいなぁ…。自分のガンプラのメンテナンスまで教えなくてもできるようになってるし…)

ロボ太と一緒に戦うようになり、もうすぐ1カ月がたとうとしている。

シミュレーターの音声データを合成し、スピーカーを使ってしゃべれるようにしたところはかなりびっくりしたが、ロボ太が見せる驚くべき性能はそれだけでは終わらなかった。

バトルを重ねることで、少しずつ動きや命中率、回避率も伸びてきているうえ、勇太やカドマツのパソコンを使って戦術などを自力で調べる用にもなっている。

昨日はなぜかロボ太が将棋に興味を持ち、両親からそれを駒の動かし方だけ教えてもらっている勇太と1度だけ対局をした。

トイボットとはいえ、ロボ太はAIであり、人間はAIとのチェスや将棋で勝ったためしがほとんどないことから、ロボ太が勝つだろうと思っていた。

しかし、結果は勇太の勝利で、なんでAIである彼が負けるのか疑問に思い、一緒に観戦したカドマツに相談した。

彼の考察によると、ロボ太はデータだけではなく、直感でも駒を動かしているところがあるらしい。

そこまでいくと、もはやロボ太はただのAIではなく、人間に近づいていると言っていい。

そのようなことはカドマツも想定外らしく、商品としてはもはや不採用になるだろうと落ち込んでいた。

しかし、同時に自分がそんなAIを作ってしまったことを恐ろしくも思った。

「ミサ!敵増援が来る!こちらの援護を!」

「りょ、了解!!」

フルアーマー騎士ガンダムが増援として出現したケンプファーの軍団に向けて突撃し、アザレアパワードはフラッシュバンを使って、ケンプファーの視界を封じた。

 

「えー、であるからして、この在原業平の和歌、唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふはこれほど深い意味のあるものであるわけで…」

数日後、彩渡高校2年A組の3時間目の授業は担任の教師による古文だ。

平安きってのプレイボーイ、在原業平が主人公の伊勢物語を題材にしており、現代とは違う平安貴族の常識に興味のある人はびっくりしつつ、質問をしながら理解を深めていく。

しかし、興味のない生徒がいることは否定できず、そうした生徒は教科書などを使い、隠れて早弁をしている。

(覚醒…どうしたら、もっと長く使うことができる…)

数日間、毎日シミュレーターに入って練習を続けたが、あれから3分以上維持できたためしがない。

バルバトスの追加武装が完成し、今日は気分転換としてそれのテストをした後で覚醒の特訓をすることになる。

あの武装があれば、バルバトスはより変幻自在な攻撃が可能になる。

ただ、その武装を手に入れたからといって、覚醒の時間制限の問題を解決できるわけではない。

(ガンプラの問題か…それとも、僕自身の問題?)

特訓の後、家ではハロに保存されている勇武のバトルのビデオを見ている。

しかし、徹夜してすべて見たとしても、なぜ勇武が自分よりも長く覚醒状態を維持できたのかが全く分からなかった。

彼がそのために特別な特訓をしたのかを考えるが、結果は同じだ。

「勇太君、ずっと悩んでる…」

隣の席で勇太の様子を見ていたミサは彼を心配する。

ミサは覚醒を使うことができないため、助けようにもどのようにすればいいのかわからない。

こういうことについては、サクラなどの同じ覚醒が使えるファイターにしかできないうえ、覚醒の感覚はニュータイプなどと同じく、言葉で表現しにくい。

勇太もミサから覚醒をどうしたら使えるようになるかアドバイスしたときも、頭の中で種が砕けるような感じとキラなどのSEED覚醒の演出のような表現で説明しており、実際にどうすればいいのか結局何もわからなかった。

だが、チームリーダーとして、エースである勇太をこのままにするわけにはいかない。

(アドバイスとかはできないけど、気分転換とかなら…)

「さて…沢村!この在原業平の和歌は何を意味しているか訳してみろ!沢村…沢村ー!寝ているのか!?」

「あ…勇太君、当たってるよ!!」

「え…?」

ちょんちょんとミサに腕を触られた勇太の堂々巡りの思考が止まり、正気に戻る。

黒板を見て、今が古文の授業であることを理解し、今の教師の怒っている表情を見て、今の自分の状況を理解した。

「ええっと、その…すみません。聞いてませんでした…」

「沢村…。お前が井川と同じく東京代表としてジャパンカップに出場する、というのは私としても誇らしいことだ。だが、学生の本分は勉強!授業くらいはしっかり聞け!」

「す、すみません…気を付けます」

勇太が怒られるのを見た周囲の生徒は驚きの表情を見せていた。

おとなしくまじめな彼がこれほど怒られるのは初めて見る光景で、実際怒ることになった教師自身も少し驚いている。

「まあいい…。じゃあ、井川。チームメイトの代わりに答えてくれるな?」

「え、あー…。唐衣って中国の…」

「いや、唐衣は十二単の一番上に着る服、いわば女性用の着物だぞ」

「ああ!!じゃあ、着物を着た…」

教科書を見て、ノートをペラペラめくりながらミサはゆっくりと答えを出していった。

 

「カドマツさんー。昨日お願いしてたプログラムのチェック、終わりましたかー?」

「ああ。こいつだ。持って行ってくれ」

「ありがとうございます!じゃあ、上へもっていきますね」

ハイムロボティクスロボット開発部で、カドマツから渡されたプログラム入りUSBを持った新入社員の男性が部室を出る。

彩渡商店街ガンプラチームとハイムロボティクスガンプラチームのメカニックを務めるカドマツの本業は商業用ロボット作り、インフォのようなワークボットが中心だ。

今回渡したデータはキャビンアテンダントのワークボットにテスト用として使われ、来月のテストで合格したら、それが実際に商品に使用される。

会話パターンや聞こえた声や音のデータ化による理解など、ロボットのプログラム作りは地味なうえにやることが多いために時間がかかる。

幼いころにロボットとかかわる仕事をしたいと思って、専門学校でプログラムの勉強をしたカドマツだが、ここまで地味な仕事だとは思わなかった。

昔は真夜中まで残る、もしくは家に持ち帰って仕事をするケースが多いブラックな職種というイメージが強かった。

今ではプログラム作りがよほど複雑なものではない限りはある程度簡易型の教育型AIのサポートを受けることでより短時間でできるようになってきている。

今の時代に生まれてきてよかったと思いながら、カドマツはテレビをつける。

普段はネットで配信されているニュースを見るカドマツは基本的にはテレビをつけることがない。

今では老若男女問わず、インターネットを扱えるようになった時代だから、カドマツのような人はあまり珍しくない。

おもむろにテレビをつけ、見たチャンネルには彼にとって興味深い内容のニュースが出ていた。

「次のニュースです」

最近売り出し中の若手フリーアナウンサーの声がスピーカーから響き、カンペとなっている手元の紙が動く音が聞こえた。

「ここ数日被害が報告されている新型のコンピュータウイルスですが、さらに感染が拡大している模様です。コンピュータのAIプログラムに対し、誤った命令を割り込ませるそのウイルスは自立型ロボットに対して特に大きな脅威となります」

「新型ウイルスか…。ったく、迷惑なことをやってくれるぜ」

机に置いてある缶コーヒーを飲みつつ、うんざりした表情を見せながらテレビを見る。

そのコンピュータウイルスについてはハイムロボティクスの取引先でも話題となっており、先日は納品したばかりのワークボットがそのウイルスに感染してしまった。

本当ならば、そうしたロボットに搭載されているウイルス対策ソフトによって撃退することができるのだが、性質が悪いことに今回のウイルスは新型のソフトであればともかく、それ以外のソフトでは通用しない手の込んだものになっている。

しかも、その新型ソフトのアップデートデータができたのは3日前で、それをまだインストールできていないロボットがいても不思議ではない。

幸い、納品したばかりであることからフォーマットを早急にすることができた。

問題は長い間使われているもので、それについてはフォーマットしづらい。

佐成メカニクスでも、このウイルスが大きな問題になっており、一昨日一緒に彩渡商店街へ飲みに行ったモチヅキがそのウイルスのせいでせっかく作ったロボットが台無しになったと大泣きしていた。

その泣き顔を思い出して苦笑していると、机の上に置いてある携帯が鳴り始める。

ガンダムSEEDの『あんなに一緒だったのに』の着メロが流れ、カドマツは電話に出る。

「もしもし…?わかった、すぐ向かう」

「先輩!頼まれてたマニピュレーターの制御プログラムができました!チェックを…」

「ああ、悪い!ちょっと用事ができた。データは用事終わった後でチェックするからな!それから、足の方も頼むぞ!」

上着代わりの白衣とカバンを手にし、カドマツはプログラムが入ったUSBメモリを受け取って、仕事場から出ていった。

外に出ると、手を挙げて近くにあるタクシーを呼ぶ。

黄色いタクシーが止まり、カドマツは走ってそれに乗った。

「どちらまで?」

「彩渡商店街まで急いでくれ!」

ハイムロボティクスは彩渡商店街と同じ町にあるため、普段は自転車で職場とそこを行き来するが、今回は事情が違った。

 

普段ならば子供たちがにぎわい、時にはイラトへの抗議の声が響き渡ることで知られるイラトゲームセンター。

だが、今日底から響くのは壁や機械を壊す音だった。

「お仕事、大好きー!」

壁に大きな穴が開き、モニターが砕けたり操作スティックが引き抜かれたりして、無残な姿をさらすアーケードゲーム機に囲まれたインフォが更にボロボロになったゲーム機を踏みつけていく。

手足はそうした破壊行動を起こし続けたために塗装が剥げていたり、傷がついている個所が数多く見受けられ、ツインアイは緑から赤に変わっている。

ロボ太が後ろから羽交い絞めにして彼女を止めようとしたが、投げ飛ばされ、頭がUFOキャッチャーにめり込んだ状態になっていて、現在勇太が引き抜こうとしている。

「いい加減にしないか、このポンコツが!!」

普段は黙々とイラトに従い、仕事をこなすインフォがこんなことをするとは夢にも思わなかったのか、イラトは驚きを抱きながら彼女を叱る。

「おほめにあずかり、うれしいDEATH」

「しっかりして、インフォちゃん!」

小さいころからこのゲームセンターに通い、インフォとも長い付き合いであるミサが呼びかける。

こうして呼びかけることで、もしかしたら元に戻ってくれるかもしれないという希望があった。

だが、そんな真っ白な希望にインフォが泥を塗りたくる。

「お前のペチャパイこそしっかりしろよ」

ミサのコンプレックスをインフォの言葉がソーラ・レイのごとく貫く。

「今なんつった!!」

両拳に力がこもり、ツインテールが浮き上がったミサが鬼の形相となる。

ロボ太を助け出した勇太は今のミサの表情を見た瞬間、涙目になって震えた。

そんな中、タクシーから降りたカドマツがゲームセンターに入ってくる。

「待たせたな!…ってひどいなこりゃ」

すっかりボロボロになった店内を見たカドマツはぼやく。

シミュレーターへの被害はないものの、このまま放置すると、このゲームセンターを飛び出して彩渡商店街中を壊して回るという可能性がないとは言えない。

「カドマツ…もう手遅れだよ。インフォちゃんを殺して私も死ぬ!!」

「駄目だって、ミサちゃん!」

怒りで頭の中がいっぱいになったミサがインフォに向かってとびかかろうとするが、勇太が先ほどのロボ太がインフォにやったのと同じように後ろから羽交い絞めにして停める。

「勇太君、放して!!」

「落ち着いてよ!今のインフォちゃんに近づいたら駄目だ!」

「そうだ。ペチャパイくらいで命を粗末にするな!」

「パイは命よりも重い!!」

「ゴルフゥ!?」

ミサの肘が勇太の鳩尾にクリーンヒットする。

鈍い痛みでフラフラとその場に倒れ、ミサは自由の身となった。

だが、ミサの言いたいことも分からないことはない。

女にとってパイは大事で、同時に女性の象徴でもあるからだ。

そんな彼女にインフォがとどめの一撃をかます。

「アップルパイにはアップルが入ってるけど、ペチャパイには何が入ってるのー?」

「何も入ってねーんだよー!!」

「カドマツ、このままだとインフォよりも先にこの娘が壊れちまうよ」

今のミサはジェリドに名前を馬鹿にされたカミーユと同じくらいひどい状態になっている。

殴ってMPに連行されるのであればまだいいが、そこにいるのはジェリドではなくワークボットのインフォだ。

本来なら接客用のワークボットは人を傷つけないために、出力についてはリミッターをかけている。

今はリミッターが解除されており、ロボットの金属製の体も相まって、このような破壊行動が可能になっている。

これは店内に入ってきた強盗などから客や従業員を守るための自衛モードへの変更で可能となるが、今はその自衛モードでのリミッターを超えた出力を出している。

バーサーカーモードとなったノーベルガンダムのごとく襲い掛かったとしても、そんなインフォの前ではロボ太のように返り討ちになって終わりだ。

「ばあさん、こいつのバックアップデータはあるか?」

「ねえよ」

「フォーマットすっかなぁ…」

即答され、頭を抱えながらカドマツはセカンドベストのプランを考える。

バックアップデータがあれば、感染した個所のデータを抹消し、そのあとでそのデータをコピーすることができる。

あとはカドマツが持ってきた最新型のウイルス対策ソフトのアップデートデータをインストールすることで解決する。

だが、バックアップデータがないのであれば、もうそれをやらざるを得ない。

「そりゃ困る!またゼロから仕事を覚えさせるのかよ!?」

それで困るのはイラトの方だ。

ワークボットは接客のための基本的なデータは初期データとして入っている。

しかし、店ごとに接客に関して事情が違ってくる。

そのため、教育型コンピュータを使ってそれを覚えさせる。

インフォの場合は接客だけでなく、顧客データの登録とゲーム機のメンテナンスもしている。

入れなければならないデータ、覚えさせなければならない仕事が多く、今のイラトにとってはきつい。

だったらバックアップデータを用意しとけと心の中で突っ込みながら、カドマツはカバンの中に入れている機材を見る。

これはまだ未完成の部分があり、実証実験も終わっていない。

幸いなことにそれを使う際の人手については特に問題はない。

「仕方ねえ。ちょっと時間がかかるが、待ってろ。お前たちにも手伝ってもらうからな…って、さすがにコイツはまずい!!」

シミュレーターに目を向けたインフォを見たカドマツはそれだけは阻止しようととびかかる。

「お仕事の…邪魔ー!」

カドマツの気配を感じたインフォが彼に向けて右手のディスプレイを凶器に殴りつけようとする。

「まずい、カドマツさん!!」

鳩尾を手で抑えながら、勇太が叫んだ瞬間、インフォはなぜかイラトの方向に目を向けた。

「よし!!」

何が起こったかわからないが、これはチャンスだ。

カドマツはインフォの後頭部にある電源スイッチに手をかけ、彼女を停止させた。

「やった!あれ…でも、どうしてイラト婆ちゃんに?もしかして、心はウイルスに感染してなくて…」

「そんなのねーよ。これじゃ」

そういいながら、イラトは手元にある100円玉を床に落とす。

チャリーン、という音が響き渡り、彼女の足元には100円玉がもう1枚転がっていた。

「…まさか、イラト婆ちゃん。インフォちゃんにこうした落ちたお金に反応するように…」

守銭奴であるイラトならやりかねない。

ジト目になってイラトを見つめる中、カドマツはカバンから機材を出し、インフォの後頭部に接続用のソケットを仮設する。

そして、シミュレーターにも同じ規格のソケットを取り付けると、インフォとシミュレーターを接続する。

「あ、カドマツ!ウイルスがあるインフォちゃんをシミュレーターに接続したら…!」

「このウイルスはロボットに対して有効なモンだ。それに、このシミュレーターはここにとって貴重な稼ぎ頭だ。ウイルス対策ソフトは万全になってる。あとは…お前ら3人だ」

「僕たち…ですか?」

「ああ。これでシミュレーターでこいつの中に入って、ウイルスを直接消去できるようになってる。そして、それを駆除するのがお前らだ」

「私たちでウイルスを消去って…どうやって?」

「とりあえず、シミュレーターに入れ。俺が外から誘導してやっから」

 




機体名:フルアーマー騎士ガンダム
形式番号:ASGT-02SDFA
使用プレイヤー:ロボ太
使用パーツ
射撃武器:なし
格闘武器:炎の剣
頭部:騎士ガンダム
胴体:フルアーマー騎士ガンダム
バックパック:騎士ガンダム(電磁スピアをマウント)
腕:フルアーマー騎士ガンダム
足:フルアーマー騎士ガンダム
盾:力の盾

カドマツが用意した三種の神器が騎士ガンダムに装備されたもの。
星を動かす力が宿っているという設定があるだけのことがあり、それを装備した騎士ガンダムの性能が出力を中心に上昇していて、電磁スピアを薙ぎ払うことで自身よりも重量があるモビルスーツを一回転させることができるほど。
また、バックパックには電磁スピアを装備するためのウェポンラックが増設されており、その都合でマントは取り外されている。
ただし、マントはフルアーマー化に合わせて対ビームコーティングを施しており、状況によってはそちらを装備して出撃することも可能になっている。
なお、電磁スピアそのものの性能に変化はない。
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