「ミサちゃん、損傷は!?」
「装甲が若干傷ついてるけど、フレームは大丈夫!?すぐに修理できるよ!勇太君は!?」
「バックパックに被弾してるところがある。今のうちに修理するよ!」
声を掛け合いながら、勇太とミサは手に入れた5分のアドバンテージで可能な限りガンプラの修理、及び若干の改造を施し始める。
グランザムとの戦闘で、弾幕をかいくぐって戦った勇太の場合、どこかに被弾している場所があってもおかしくない、
特にバックパックへの損傷はテイルブレードの制御やスラスター出力の低下に直結しやすい。
急いでバックパックを取り外し、損傷している個所のパーツを交換する。
そして、塗料を筆で丁寧に塗り始めた。
ガンプラの出来栄えは性能に直結するというのはその通りで、ナノラミネートアーマーなどの特殊装甲も色塗りの完成度の高さによって耐久度が上下する。
細かいところまで塗りながら、勇太は被弾個所をハロに入力していく。
どういうところが被弾しやすいのかを客観的に数字で見えるようにし、今後の特訓の判断材料にすることができる。
「お疲れさん、ほら飲み物だ」
ジュースを買ってきたカドマツは2人に渡し、ロボ太のガンプラ修理を手伝う。
集中して作業をしているとあっという間に時間が経つもので、気が付くと再出撃まであと40秒という状態になっていた。
「時間ぎりぎりだ!お前ら、行ってこい!」
「了解!!」
「うーん、マガジンを別のにしたかったけど、もうこれでいい!!」
タイムキーパーを勤めたカドマツの一声で勇太たちは急いでシミュレーターに入り、ガンプラをセットする。
「これが…ジャパンカップ…」
この5分の間、ガンプラの修理をしていたミサはこのわずかな時間の間で見えたアザレアの破損個所を思い出す。
勇太もそうだが、実際に損傷がリアルに再現されるのは初めてで、愛着を持つアザレアが本当に傷つくのはミサにとってつらいことだった。
もし、タウンカップやリージョンカップでその損傷が再現されていたとしたら、もしかしたらもっと大きく傷ついたり、バラバラになったアザレアを見ることになったかもしれない。
そして、自分で作ったガンプラが壊れるのが嫌になり、ガンプラバトルを投げ出していたかもしれない。
しかし、今は勇太やカドマツ、ロボ太という仲間、そして自分が守りたい彩渡商店街がある。
もっとアザレアをパワーアップさせて、彼女の強さを証明したいという欲望がある。
コックピットに腰掛け、ヘルメットを治したミサはじっとハッチが開くのを見る。
「沢村勇太、バルバトス・レーヴァテイン!」
「ロボ太、フルアーマー騎士ガンダム!」
「井川美沙、アザレア・パワード!!彩渡商店街ガンプラチーム!」
「出るよ」
「んもう、勇太君。三日月みたいに『出るよ』、じゃなくって、ここは行きまーすとか元気よく!!」
シャイな勇太が大声でそういうことを言うような人じゃないことはミサも分かっている。
シミュレーターの中で、この声はチームメンバー以外誰にも聞かれないということを分かっているとしても。
しかし、これからバトルをすることになるため、ここは景気よくやってほしかった。
だが、行ってしまったものは仕方なく、3機とも再びソロモン宙域に飛び出す。
「…!?敵機!ビームが来る!!」
出撃したばかりの3機の中央を通るように、大出力のビームが直線を描く。
射線上のデブリは爆発とともに消滅し、ロボ太が真上を向く。
「主殿、ミサ!モビルスーツが2機!ストライクノワールベースが1機、GNアーチャーベースが1機!先ほどのビームはGNアーチャーのものだ!!」
先ほどのビームの犯人であるGNアーチャーベースのガンプラはバイザーやフレームの色の一部がオレンジに変更されていて、ランチャーストライクの主力武器である320mm超高インパルス砲「アグニ」を装備した、後方支援型となっている。
もう1機のストライクノワールベースのガンプラはストライクに近い色彩に戻されていて、背中にはトライブレードとシュベルトゲベールが装備された、GNアーチャーベースと対照的に接近戦型の仕上がりとなっている。
「2機だけ…。もう1機は!?」
大型のモビルアーマーやPG機体で参戦する場合、編成できるガンプラは2機までという制約がかけられている。
2人の機体は勇太たちと同じくHG機体で、本来なら3機編成にするのがスタンダードなはずだ。
見落としがないか、ミラージュコロイドやジャミングで感知できていないのか、判断に迷う勇太にストライクノワールが迫る。
「勇太君!」
「…!!」
反応が遅れ、危うくシュベルトゲベールで両断されかけた誠だが、その前に超大型メイスで刃を受け止める。
「へえ…そのバルバトス、かっこいいな!めらめら燃えてるって感じで!」
「まさか…本当に2機だけってことか!」
「勇太君!キャ!!」
勇太を援護しようとしたミサだが、ミサイルが飛んできてそれをバルカンで撃ち落とす。
その間にビームが飛んできて、わずかに後ろに下がったことで直撃は避けることができたが、高熱のビームの光でモニターが白く包まれてしまう。
「ツキミの邪魔はさせないわ!私と…この、ガンティライユが!!」
「ナイスだ、ミソラ!」
「接近戦仕様って分、パワーはあるみたいだけど…!」
ツインリアクターを搭載したガンダム・フレームであるバルバトスもパワーでは負けていない。
パワーを上げていき、鍔迫り合いでは勝てないと踏んだ両者は互いに距離を取る。
すかさず超大型メイスを離すと、バックパックからサブアームで右手に持ってきたビームショットライフルをストライクノワールベースのガンプラ、エンハンスドデファンスに向けて連射する。
拡散して次々と飛んでくるビームにかすりながらも、ツキミはバルバトスの周囲を旋回するように回避していく。
「ツキミ!ここは私と…!」
「駄目だ、今これを使うわけにはいかないだろ…」
あくまで今はこのままで戦えるだけ戦う。
バルバトスが覚醒使いで、それを使われたら一気に性能を高めることは分かっている。
だとしたら、覚醒する前に倒せばいい。
「速いな…」
ビームショットライフルの残弾やこれからの戦いを考えると、このままやみくもに連射をするわけにはいかない。
「ロボ太!ミサの援護を!」
「心得た!」
電磁スピアを手にしたフルアーマー騎士ガンダムがアザレアに攻撃を続けるガンティライユに接近する。
「SDガンダム!?」
後ろから飛んでくる小型のガンダムにミソラは驚きを見せる。
ガンティライユはあくまで遠距離支援を重視したガンプラで、近接戦闘オプションが限られている。
しかし、彼女とツキミは沖縄代表としてジャパンカップに進出した猛者。
バックパックに内蔵されているGNミサイルを後方に向けて次々と発射していく。
「この程度の弾幕など!!」
広範囲に舐めるように飛ぶミサイルを網目をくぐるように回避していき、回避できないものについては内蔵されているビームガンで撃ち落とす。
だが、真上から次々とビームが飛んできて、ロボ太の霞の鎧に命中する。
「ぐう…!?奇襲か!」
「うわわわ!こっちにもきたぁ!」
真上からモビルドールのトーラス5機とビルゴⅡ3機が迫ってきており、無差別に攻撃を始めている。
「CPU!?」
「なら!」
ビームショットライフルをしまい、超大型メイスを回収したバルバトスは前衛となっているビルゴⅡに接近していく。
阿頼耶識システムの恩恵によって実現したパターンに頼らない直感的な動きは動きの単調なモビルドールにとっては対処しづらいようで、何度ビームを撃っても命中しない。
肉薄したバルバトスは超大型メイスをプラネイトディフェンサーを展開するビルゴⅡに向けて突きさす。
複数のユニットで立体フィールドを形成し、ユニットから発生する電気フィールドで防御するそのシステムは指向性の高まった一点集中の攻撃に弱い。
ツインリアクターによる力任せな突きによって突破され、胸部に大穴を開けられたビルゴⅡは機能を停止した。
「うわあ…さすがは鉄華団の悪魔…」
「感心してる場合じゃないわよ!」
モビルアーマー形態に変形したガンティライユの上に乗ったエンハンスドデファンスはアグニを手にし、プラネイトディフェンサーが展開されていない角度からそれを発射する。
ガンティライユのブースターには追加のバインダーが装着されたことで、原型ではできなかったサブフライトシステムとしての運用も可能になっている。
また、これは多くのチームで行われていることだが、マニピュレーターを統一することで互いの武器の使用も可能だ。
「1VS1の勝負に水を差すとは…万死に値する!!」
「あの2人に負けてられない!!」
せっかくのチーム同士のバトルに水を差されたことに怒ったミサとロボ太もCPU部隊との戦闘を開始した。
「CPU機体は数多く登場する…。ライバルと一時共闘してピンチをしのぐか。それとも危険を覚悟でみつどもえに持ち込むか…すべては君たち次第だ!その選択の数だけ存在するドラマを私に見せてくれー!!ふぅ…」
しゃべり終え、のどがカラカラになったミスターガンプラはパイプいすに腰掛けて差し入れのコーヒーを飲み始める。
「お疲れ様です、ミスターガンプラ」
「いやぁー、今回はどうも気合が入ってしまってねぇ。…おかげでらしくないことをしてしまったよ」
天井を見上げるミスターガンプラはあのリージョンカップの後にやった行動を思い出す。
コネのある運営委員に依頼して、ジャパンカップ優勝者への副賞として自分とのバトルを無理やり入れてもらった。
もともと、ミスターガンプラは大会にはイメージキャラクターとしては参加するものの、運営そのものはノータッチな態度を貫いていて、依頼された運営委員の男も耳を疑っていたようだ。
「でも、私は楽しみですよ。未来のチャンピオンと世界初のプロファイターの戦い…あなたの復帰戦を」
「復帰戦…か。よしてくれよ。私はファイターを引退してるからね。1度だけさ」
「残念ですね。私…あなたのガンプラバトルが忘れられなくて、この仕事を引き受けたんですから…」
8年前、ハルがまだ中学生の頃、史上初のプロファイターとなったミスターガンプラは世界中の大会で活躍し、その姿は日本中で注目されていた。
ガンプラは男の遊びで、女である自分には関係ないと思っていたハルもその光景に魅了され、なんらかの形でガンプラバトルにかかわっていきたいと願うようになっていった。
そして、大学卒業後はインターネット配信を中心として、ガンプラバトルの中継に数多くかかわることのできる新興の放送局である冨野インターネット放送にアナウンサーとして入社し、今に至る。
残念だったのは8年前にミスターガンプラがプロファイターを引退してしまったことだ。
公式戦でミスターガンプラのバトルを中継したいという思いが強かった分、それが彼女にとっての悔やみとなっている。
「ミスターガンプラ、あなたはなぜ引退したんですか?まだとても若いのに…」
ミスターガンプラを名乗ってからは年齢不詳となっているが、引退したときはまだ20代後半。
まだまだ現役としてはいくらでも活躍できる年代だ。
結婚や親族の死のような、環境が一変するような話も少なくともハルの耳には入っていない。
「プロとして戦う以外にも、ガンプラを世界に広める手段があるんじゃないか…そう思っただけさ」
「ぐ…!?なんや、このブリッツは!?」
ギアナ高地でホウスケのケストレル・フィルインがブリッツ・ヘルシザースとビームサーベルで鍔迫り合いを演じていた。
他の味方のガンプラたちは別の相手と交戦していて、援護する余裕がない様だ。
「ミラージュコロイドが効かない相手がいるなんて…驚いたわ」
一度距離を置き、ギガンティックシザースのビームを発射したサクラもホウスケの実力の高さに驚いていた。
ケストレルの出力と全身のビームサーベルを過信した猪突猛進な相手とばかり思っていたが、勘が鋭いようで、ミラージュコロイドを利用したナイフやシザースでの接近戦ではどれもまるで分かっていたかのように回避されるか、わずかに掠る程度のダメージでとどまっていた。
更に反応速度もいいようで、今発射したビームも大きくジャンプして回避し、ガンダムエピオンのハイパービームソードのような大出力のビームサーベルを振り下ろしてくる。
本当は覚醒を使いたいところだが、サクラはまだ公式戦で覚醒を見せておらず、ここで覚醒できることをさらすわけにもいかなかった。
反応が遅れてしまい、横に回避するのが難しくなっていた。
「けど…負けるわけにはいかないわ!!」
ギガンティックシザースを開き、ビーム砲から大出力のビームの刃を生み出し、ケストレルのビームサーベルを受け止める。
「く…出力が互角って、どんな改造をしとるんや!?このブリッツは!!」
「あとは…!」
トリケロスを手放し、自由になっている右手でインパクトダガーを取ったブリッツはそれをケストレルに向けて投げようとする。
短期決戦型のブリッツのバッテリー残量を考えると、ここでトリケロスのビームライフルを使うわけにはいかなかった。
「ぐぅ…!!」
インパクトダガーの存在に気付いたホウスケだが、ここで出力をほかに回すと競り負けてしまう可能性が高く、動くことができない。
「ホウスケさん!!」
「狙撃兵を前によそ見とは、いい度胸だ。特に俺と、このゴースト・ザクを相手にな」
ヒデキヨが乗る黒いザクⅠ・スナイパータイプのビームがホウスケに気を取られたケイコのアンヘル・ディオナ改の右腕に命中する。
右肩関節ごとえぐり取られる形となり、バランスを崩してノッセルから落ちてしまう。
ウェポンコンテナの存在から背中を向けて落ちるわけにはいかず、左腕が下になるように横へ向けて落ちた。
「この機体が積んでいる武器は脅威だ。この場で処分してやる」
スナイパーライフルの照準をディオナに向け、弾道を頭の中でイメージする。
「ゴーストが見えた…今なら!」
弾道を完全にイメージしたヒデキヨは引き金を引こうとする。
しかし、その前に上空から光の翼がはためくのが見えた。
ビームを発射するものの、落下したディオナは光の翼を展開したガンプラ、レコードブレイカー・ブルーシーによって上空へもっていかれ、ビームは彼女がいた場所を通過するだけだった。
「くそ…!」
「よくもうちのリーダーに手傷を負わせてくれたのぉ、狙撃野郎!!」
発射位置の逆探知に成功したレコードブレイカーがザンバスターを連射する。
上空へ高機動で飛びながらの射撃であるため、命中こそしなかったものの、それでも至近弾が多く、このままその場にいて当たらずに済む保証はない。
「く…狙撃ポイントを変更する!」
しかし、自分が倒せなくてもあとはサクラとスグルがいる。
チームが勝利することは撃墜スコアを稼ぐ以上に大事だと考えたヒデキヨはスモークを散布し、その場から姿を消した。
「ホウスケ!!ここで消耗したら生き残れなくなるわ!撤退よ!!」
「はぁ!?まだ戦えるで!あのブリッツさえつぶせば…」
「本選でも戦うチャンスはある。それに、そろそろガスがやばいんやないか」
ワタルの言葉にホウスケはハッとして推進剤の残量を確認する。
これまでの戦闘でかなり推進剤を消耗していたようで、あと少しで警告水準に達する。
高機動戦闘を重視するケストレルにとって、推進剤不足は致命的だ。
「…しゃあないなぁ!!」
バックパックのビームサーベルを1本引き抜き、上に向けて投げてから、腕のビームサーベルをビーム砲として発射する。
ビームが接触すると同時にビームサーベルの中にためていたメガ粒子が拡散し、周囲のガンプラの眼をくらませる。
『サンダーボルト』でイオが東南アジア海上で南洋連合と戦った際にドダイ改に乗っていたクローディアを捕縛するために行った目くらましを再現したものだ。
「潮時か…」
レコードブレイカーとケストレルの機動性を考えると、こちらの足では追いつけない。
スグルが乗っているガンダム・バエルH&H(ヘルアンドヘヴン)の飛行形態であれば追いつくことができる。
だが、この機体の出力ではサブフライトシステムとして乗せることができるのは1機のみで、残り1機を置いていくことになってしまう。
「放っておけ。あくまで今優先すべきことは生き残ること。撃墜スコアを稼ぐのは二の次だ」
「そうね…。けど、隠し玉を使う前に終わってくれて何よりだわ」
無論、それは相手チームも同じかもしれないが、と心の中で付け加えつつ、サクラはブリッツのバッテリー及び推進剤の残量を確認する。
推進剤はまだしも、ビームを使い過ぎたせいかバッテリー残量があと20%で、充電が必要だ。
「ギアナ高地の近くにある補給拠点は…ジャブローね。そこで補給ね」
「いや、ジャブローは既に奴らが向かっている可能性がある。ここはフロリダのケープケネディがいいだろう」
距離で考えると、ケープケネディはジャブローと大して変わりはない。
ジャブローは密林の中であるため、補給中でもそれを隠れ蓑にして補給できるため、できればそこでやりたかったが、やむを得ない。
「よし、スグルは俺を乗せてくれ。サクラ、行けるな?」
「大丈夫よ。ギリギリになるけど、なんとかなるわ」
いざとなればザクの推進剤を借りればいいと考える。
先ほどのような相手と再び遭遇しないことを願いながら、3機はケーブケネディへ向かった。
「へぇー、補給拠点ってこんな感じなのもあるんだねぇー」
「宇宙は地球よりもはるかに大きいんだ。こうした補給拠点があるとわかると助かるよ」
ソロモンとテキサスコロニーの間あたりにある宙域の撃破されたムサイの格納庫で、勇太とミサは機体から降りて補給が行われる光景を見ていた。
『漫画版ミッシングリンク』でも、ペイルライダー・キャバルリーを奪取し、ソロモン宙域から脱出したスレイヴ・レイスは同じような場所で補給と整備を行い、ア・バオア・クーにいるペイルライダー、そしてグレイヴとの決戦に備えた。
なお、補給を行っているのは整備メカ『カレル』と小型のトロハチ、そしてそれに乗っているハロだ。
「それにしても、まさか敵チームと一緒に補給をするなんて…」
無重力下で火星ヤシを口にしながら、勇太は隣にいるツキミに目を向ける。
このムサイには勇太たち彩渡商店街ガンプラチームだけでなく、ツキミとミソラの2人だけで結成したORTSガンプラチームも入っていて、一緒に補給中だ。
なお。ORTSとは沖縄宇宙飛行士訓練学校で、そこはいうなれば宇宙飛行士にとってのPL学園だ。
宇宙飛行士としての訓練を積むことができ、宇宙飛行士を夢見る若人が日本全国から集まってくるらしい。
「でも、なんで2人でHG機体なの?それよりもPG機体を使えば…」
「PGを操作できるくらいのアセンブルシステムを作れなくてな。それに、数は不利だけど、俺たちは結構強いぜ」
「強い…か。確かに」
2人が強いことはソロモン宙域での戦闘でよくわかっている。
覚醒を使っていないとはいえ、勇太とツキミのこの戦闘での撃墜スコアは互角で、ミソラの支援攻撃も効果的だった。
一緒にCPUガンプラの部隊を叩き、その後では全力で戦えないと判断した2チームは一時休戦ということで、こうして一緒に補給することになった。
先ほど再出撃したばかりの勇太たちはツキミ達よりも早く補給が完了し、あとは出撃するだけだ。
「できる限り遠くまで行けよ?お前とは…本選で正々堂々と戦いたいからな」
「そうさせてもらうよ。ミサちゃん、ロボ太、行こう」
「了解!じゃあね、ミソラちゃん!」
「うん、私たちが言うのもなんだけど、頑張ってね。ミサちゃん」
勇太とツキミが話している間にすっかり仲良くなったようで、ミサはミソラとハイタッチをした後でアザレアに乗り込む。
カレルの手でハッチが手動で開き、3機は一斉に発進した。
「よし…ベースジャバーがある。あれを使って、次は月面へ行こう」
「月面?どうして?」
「ソレスタルビーイング、グラナダやアナハイム、エアーズ、フォン・ブラウン。補給できる場所が多いし、地球よりも重力は低いからね。それに、いざ地球へ向かうとなったら、そこのHLVを使ってもいい」
「なるほど…勇太君、そこまで考えて…」
ベースジャバーは3機あり、満タンになった推進剤なら、無補給でグラナダまで行ける。
3機はそれぞれベースジャバーに乗り込み、月へと向かった。
機体名:ゴースト・ザク
形式番号:MS-05LO
使用プレイヤー:青木秀清
使用パーツ
射撃武器:75mmスナイパーライフル
格闘武器:マニアゴナイフ
頭部:ザクⅠ・スナイパータイプ
胴体:ハイザック・カスタム(スモークグレネードラック装備)
バックパック:ガナーザクウォーリア
腕:ガンダムサバーニャ
足:トリアイナ
盾:なし
ザクⅠ・スナイパータイプをベースに遠距離狙撃のコンセプトを維持して改造したガンプラ。
頭部カメラはエコーズジェガンに装備されたスナイパー・バイザー・ユニットを取り付け、両肩にもカメラがあるガンダムサバーニャの腕を採用することでより高い精度で目標を見ることが可能となった。
また、バックパックがガナーザクウォーリアのものになっているため、出力はベース機とは段違いなうえ、スナイパーライフルの出力も高くなっている。
狙撃ポジションに隠密に移動し、更に移動を可能にするため、ステルス性に優れたトリアイナの脚部となった。
なお、パイロットであるヒデキヨは高いスナイピングセンスを持っているようで、弾道を完璧にイメージできる状態になるのを「ゴーストが宿った」と称したことから、機体名が決まった。
なお、この発言は彼がオリジナルではなく、とある兵士が日本の高校生となって女子高生の護衛をするロボット漫画に出てきた敵スナイパーのものだ。