再び分離したヒデキヨのザクⅠのビームの雨が四方から降り注ぎ、覚醒したバルバトスが高い反応速度を武器に飛び回って回避していき、回避しきれない分を覚醒エネルギーのバリアで受け止める。
反撃のためにテイルブレードで分離しているパーツに切りかかる、ビーム砲で攻撃するが、一発も当たる気配がない。
「くっ…やっぱり、分離している状態で攻撃してもラチがあかない…!」
反撃をあきらめ、テイルブレードを戻して回避に専念する勇太は頭の中で彼を倒す手段を描き続ける。
相手はジム・ストライカーとザクⅠ・スナイパータイプのハイブリットで、おまけにターンXの合体分離機能付き。
攻撃面では隙が無いように見える。
だが、唯一決定打を与えかけたタイミングはある。
(でも、少しカメラにダメージを与えただけじゃだめだ。確実にこちらから注意をそらすことを考えないと…!)
「どうした?その程度のものか?覚醒の力というのは!!」
覚醒したことで、更に歯ごたえのある戦いができるかと思ったヒデキヨは失望したように叫ぶ。
その叫びは確かに勇太の通信機からも聞こえるが、その声を頭の中でシャットアウトする。
今必要なのはただ、彼を撃破することだけだ。
綾渡商店街ガンプラチームの勝利のために。
(ビームショットガンは弾切れ。破砕砲はまだ使えるけど…隙を突かないと発射もできない…覚醒したおかげで、ある程度反動を軽減することはできるけど…)
だが、1発を胸部に撃ち込むことができれば、倒せる確証はある。
あとはどうやって隙を作り、破砕砲を叩き込むかだ。
(そのためには…一度合体してエネルギーチャージをしてこないと話にならない。とてもじゃないけど、分離しているザクに破砕砲を叩き込む自信はないから…)
そのことを考えている間にザクⅠが再合体を果たし、再び狙撃の構えに入る。
それが見えたのと同時に、バルバトスは破砕砲の弾倉を1つ手にし、それを握った状態で覚醒エネルギーを送り込む。
「イメージは固まった…!頼むよ!!」
握っている勝利のピースに願うようにつぶやくと、その弾倉をアンダースローで投げ、バルバトス自身は物陰に隠れる。
「ふっ…隠れたか。だが、隠れたとて、再び分離攻撃の餌食にするだけだがな」
エネルギーチャージまでのタイムラグは十数秒。
覚醒したガンプラの破壊力は知っているため、ここは無理をせずにじわじわとせめて覚醒の限界時間を待つことをヒデキヨは既に決めている。
だが、なぜか熱源反応に妙な動きが見えた。
(うん…?2つの熱源?2つとも止まっているが…どうなっている?)
2つとも、こちらの弾が貫通するレーザー発振器の後ろに隠れており、その正体をうかがうことはできない。
気になるのはどちらも熱源反応が同じだということだ。
どちらもガンダム・フレーム並みの出力の熱を感知している。
「攪乱のつもりか?ならば、どちらも…む?」
2時方向の反応が徐々に大きくなっていく。
バルバトスのテイルブレードには原作とは異なり、ビーム砲が装備されている。
もし熱源が大きくなるとしたら、ビームを撃ってくる可能性が高い。
「そこにいるか!!」
大きくなっている方に向けて、ヒデキヨはスナイパーライフルを発射する。
レーザー発振器を貫いたビームが熱源の正体に迫る。
だが、見えてきたのは破砕砲の弾倉で、ビームが接触すると同時に中に火薬が引火し、大爆発を起こす。
「何!?」
「もらった!!」
完全に注意がそれただけで十分だった。
既に発射体制を整えていたバルバトスがザクⅠに向けて破砕砲を発射する。
こちらに気付き、回避のために分離しようとしたザクⅠだがすでに遅く、弾丸が胸部を撃ち抜く。
破砕砲を付けたザクⅠはバラバラに吹き飛ぶと同時に、爆散した。
「はあ、はあ、はあ…うまく、いった…!」
深呼吸するとともに覚醒が終わり、バルバトスを包む青いオーラが消えていく。
勇太がやったのは覚醒エネルギーを送り込んだ弾倉の熱を高めて、ヒデキヨの寝る現センサーを誤認させた。
以前にカドマツが言っていた、サイコフレームやバイオセンサーがついたモビルスーツが見せたような想定外の現象を引き起こすことができるという言葉を思い出したから、この作戦を立てることができた。
イメージを固めることはできたが、やはりそうした乞った芸当を見せるとなるとそれ相応のエネルギーが必要となる。
そのため、ザクⅠを撃破したと同時に覚醒も解除されてしまい、勇太も疲労を覚える。
おまけにやむを得ないとはいえ、ストックの弾倉を一つ使ってしまったため、破砕砲の弾を無駄にすることがより一層できなくなった。
「慣れないことはやたらめったらやるものじゃない…よね…?」
疲労感だけでなく、吐き気まで覚えてしまう。
ヒートロッドの電撃を受けて嘔吐してしまったイオ・フレミングのように、この空間で嘔吐までが再現されることはないが、それでもかなり気持ちが悪い。
その不快感を少しでも取り除こうと、コックピット内に酸素を充満させ、ヘルメットを脱ぎ捨てた。
「はあ、はあ…網膜投影モード、肉眼に変更。ふうう…」
ヘルメットを脱ぎ、息苦しさが和らいだことで少しだけ気分が楽になる。
「サクラさんはミサちゃんに任せる…僕は…!」
「主殿とミサ、そしてサクラ殿とヒデキヨ殿の戦いの邪魔はさせん!!」
ロボ太が電磁スピアを振り回し、スグルはフェザーファンネルを飛ばして2機のギラ・ズール、そしてガンダムXベースのガンプラ、G4Sと交戦していた。
それらのギラ・ズールは勇太たちがグランザムと戦うときに手伝ってくれたロクトのチームのガンプラで、彼らも決勝に進出していた。
(まさか、あの時協力してくれたチームとこのような形で戦うことになるとは…)
グランザムとの戦いでは、ロクトの協力がなければ勝つことができなかったと思っている。
その点では彼に恩があるものの、今は決勝で、勝たなければならない思いは同じである以上は戦うしかない。
「くそぉ!どうして別チームの2機が協力して俺たちを攻撃してるんだよ!?」
「いや、別に反則じゃないよ。決勝ではよくある話さ」
焦りを見せる後輩2人に対して、G4Sに乗るロクトは冷静にこの状況を受け止めていた。
彼の言う通り、決勝戦でこうしてチーム同士が一時的に手を組んで他のチームと戦うようなことは珍しくなく、第4回ジャパンカップ決勝戦では2つのチームが他のチームすべてを倒すために手を組んだという話がある。
その時はそれを認めるか否かで賛否が分かれたものの、現在ではルール上認められている。
「もらったぁ!!」
フェザーファンネルから身を護る中で、ロボ太に対して隙だらけになったギラ・ズールに電磁スピアを突き立てる。
「直撃…しまっ!!」
最後まで言い終わらぬうちに機体が爆発し、フィールドから消滅する。
「トオル!?くっそぉ!!」
飛んでくるファンネルのうちの2機をどうにかビームマシンガンで破壊したシンヤは破壊された仲間のギラ・ズールを見て悔しさで操縦桿を握る力を強める。
ロクトもバスターライフルに追加オプションで装備されているビームマシンガンでファンネルをけん制しつつ、Iフィールドでビームから自らの身を守り続ける。
「あの2機…必死になっているな。この先で何かをやっているということか?」
モニターで全容が見える観客たちとは異なり、ロクト達ファイターは乗っているガンプラのセンサーの範囲内のことしか分からない。
その『何か』で思いつくことがあるとしたら、ファイターとしての性質故に起こる真剣勝負だろう。
勇太とサクラの関係についてはロクトも少しだけ耳にはさんだことがある。
「もしそれが本当だとしたら、少し気が引けるけど…!」
だが、シンヤのギラ・ズールの反応も突然飛んできた炎の中でロストし、ロクト一人になってしまった。
これでロボ太とスグルが圧倒的に有利になったように見えるが、実際はそうではない。
2人には一つだけ見誤っていることがある。
自分たちがそうした手を使うとしたら、相手も同じような手を使ってくる可能性があるということを。
「うん…?センサーに反応、これは…!!」
「このぉ!!」
グリプス内部で、アザレアが放つビームライフルをブリッツはギガンティックシザースで受け止める。
対ビームコーティングが施された巨大な鋏であれば、ビームライフル程度の火力ではびくともしない。
(さすがね…ミサ。想像以上に強くなってる)
始めてから数分で、サクラはミサが想像以上に強くなっていることを実感した。
ビームさライフルの精度や機体の動きだけでなく、ガンプラそのものの出来栄えも。
おそらく、サクラとの特訓が終わった後も勇太と一緒に特訓を繰り返していたのだろう。
サクラに勝ち、ジャパンカップで優勝するために。
(成長スピードでは、もしかしたら私や勇太以上。もしかしたら、勇太とも対等に戦える時が来るかもしれないわね…けど、今は!)
「はあはあ…やっぱり、サクラってすごい!いくら攻撃しても、傷一つ付けれないなんて…」
やれる限りのことをすべてやったうえで臨んだつもりでいたが、想像以上にサクラという壁が高いことを実感する。
特訓の際にサクラが一度もブリッツを使わず、その場で自分が作った新しいガンプラで相手をしていたこともあるのかもしれない。
あくまでもライバルチームのファイターである以上、そのすべてを見せて特訓の相手をするほどお人よしではない。
だから、こうして本来のブリッツに乗るサクラと戦うのをミサは内心楽しみにしていた。
そうして戦うことで、ようやく彼女に自分が強くなったことを認めてくれた気がするから。
2機はどちらもライフルやサーベルで戦っているものの、今この段階ではほかの兵装やシステムを使う気配がない。
どちらも、それを使うときが決着がつく時だと感じているからだろう。
再び2機がビームサーベルで鍔迫り合いを始める。
「どうしたの?あなたの力はまだまだその程度なの!?」
「そんなことないよ!!というより、サクラも出し惜しみしてないで、全部出して…よ!!」
ビームサーベルの出力が上昇していき、アザレアが徐々にブリッツを押していく。
「この出力…ZZのハイパービームサーベル!?」
「そういうこと!!最大出力なら、隕石だって斬れるんだよ!!」
「その勝負に付き合いたいところだけど…今は!!」
ミサが動き始めたというなら、自分も本気で相手をしなければならない。
ようやく楽しみの時がやってきたことに笑みを浮かべたサクラは覚醒を発動する。
その瞬間、桜の花びらのエフェクトがブリッツを包み込み、アザレアのモニターをピンク一色に包みこんでいく。
「覚醒!!これをやってきたということは…!!」
初めてサクラと戦った時の苦い記憶を呼び起こす。
あの時、ブリッツは覚醒エネルギーで分身を作り出して、自分を翻弄していた。
そして、インパクトダガーによる攻撃で一方的にやられてしまった。
エフェクトが収まり、モニターの景色が元の冷たい鉛色の空間へと戻っていく。
正面にはピンク色のオーラに包まれたブリッツがいて、アザレアに向けてビームライフルを発射する。
「なら!!」
左腕のシールドでしのぎ、反撃のビームライフルを撃つが、命中すると同時にその姿がゆがんでいき、消えてしまう。
そして、コックピット内に警告音が響くとともに左肩のGNキャノンに爆発が起こる。
「GNキャノンが!!」
「火力の有る武器は危険よ。排除させてもらうわ!!」
火力を生かした後方支援を得意とするアザレアの得意分野を奪っていき、得意の接近戦に持ち込む。
破壊され、使い物にならなくなったGNキャノンを強制排除し、姿勢制御プログラムが自動的に変更されていく。
「今の攻撃…きっとインパクトダガー。そして、ここからは…!」
「そう…ここからよ」
今度は4機のブリッツが一列に並んで側面に出現し、インパクトダガーを投擲してくる。
飛んでくるナイフのどれが本物かわからないミサは横倒しにするように機体を側面へステップさせて回避するが、壁や床などに当たったナイフはいずれも爆発することなく、消えてしまう。
それらのナイフはすべて幻影、現れていたブリッツも同じくそれだろう。
次の瞬間、真上に姿を現したブリッツがギガンティックシザースを広げ、アザレアの右肩をGNキャノンごとはさ、む。
「しまった…!!」
「ナイフばかりで攻撃するだけが…覚醒したブリッツの戦い方じゃあ…ないのよ!!」
バキバキバキと装甲が砕ける音が響き、モニターには右腕と右肩のGNキャノン部分が赤く光っているアザレアのシルエットが表示される。
操縦桿を動かすが、もう右腕は操縦を受け付けていない。
そのまま右腕を引きちぎったブリッツはそれを明後日の方向へ投げ飛ばす。
ライフルもGNキャノンも失い、左腕だけで覚醒したブリッツと戦わなければならない。
「このままやらせてもらうわ!!」
再び自由になったギガンティックシザースで今度はコックピットをつぶすべく、胴体を狙ってくる。
「私だって、このままじゃ…終われない!!」
叫びと共にトランザムを発動し、頭上のブリッツに向けて左拳でアッパーを放つ。
出力がアップしたアザレアの拳は予想以上に重く、それを受けたギガンティックシザースの鋏の上側がへしゃげてしまう。
「く…やるわね、ミサ!!」
「まだまだぁ!!」
スラスターを全開にしてその場を離れたミサはバックパックのミサイルを全弾発射する。
フェイズシフト装甲のおかげで、受けてもダメージは大したことはないが、エネルギーの問題から何度も受けるわけにはいかない。
コンテナの後ろへ逃げ込み、ミサイルから身を護るが、その間にミサが距離を離していく。
(あの子のこと…逃げるなんてことはしないはず。もしかしたら…!)
ギガンティックシザースで引きちぎったアザレアの右腕を思い出す。
まだビームライフルを握っており、おそらくそれはまだ生きている。
それを回収するつもりなのかもしれないが、サクラは無作為にそれを投げているため、どこへ行ったかは彼女も分からない。
それに、トランザムの時間制限や残った武装を考えると、むしろ接近した方がミサにとっては有利だ。
考えられるとしたら、ミサと一緒に飛んでいたバルバトスが装着していたブースターだ。
「あれに武器が積んであったとしたら…まずいわね」
こちらも覚醒のタイムリミットが迫っており、先ほどのアザレアのアッパーのせいで最大火力のギガンティックシザースにも不具合が発生している。
物陰から飛び出したブリッツは最初に勇太たちが降りてきた場所へと向かっていった。
「良かった…ちゃんと積んでた武器は残ってる。左手で使えるか不安だけど…」
分離された状態で放置されているブースターにたどり着き、その中にあるGNビームピストルを左手で握る。
搭載する武装として勇太が作ってくれたもののようで、利き腕でなくても少しなら使える上に取り回しも利く。
銃身には対ビームコーティングがされているうえにビームサーベルの機能まである。
「作ってくれた勇太君に感謝しないと…」
既にトランザムは終了し、通常稼働状態に戻っており、再びトランザムを発動するには時間がかかる。
おそらく、サクラもこちらへ向かっているかもしれないが、少なくともその時にはもう覚醒が限界になっているだろう。
だが、また覚醒を使ってこないとは限らない。
勇太が複数回覚醒した姿を見たことはないものの、それができる可能性もあり得る。
「…!!敵機の反応、来る!!」
「ミサ!!」
覚醒を解除したブリッツが迫り、ビームライフルを撃ってくる。
撃たれたのはブースターで、推進剤に引火すると同時に爆発を起こし、まだ残っている武装が道連れとなっていく。
「これでもう、武器の補給はできないわ!」
「くぅぅ!!」
GNビームピストルを連射するが、やはりビームライフルほどの出力がなく、装甲で弾かれていく。
そして、ブリッツが残ったインパクトダガーを投げつけてくる。
それをピストルで撃ち抜いていくが、その間にビームサーベルを展開したブリッツが懐に入り込む。
バッテリーが限界まで来ていて、確実に倒すとしたらサーベルくらいだ。
今のサクラはもうジャパンカップで優勝できるかどうかなどすっかり頭から抜けていた。
あるのは目の前のライバルであるミサに勝つこと、それだけだった。
それさえ叶えば、サクラは満足だった。
「これで…終わりよ!!」
「やられる!!」
GNビームピストルで受け止めるには間に合わず、このままでは突っ込んでくるブリッツのビームサーベルでコックピットを貫かれる。
機体を動かすにしても、わずかにずれるだけでコックピットを破壊される点は変わりない。
「でも…まだだぁぁぁぁ!!」
「!?これって…!!」
ミサが叫ぶとともに、急にアザレアがピンク色の光を放つと同時にトランザム並みの機動力を見せる。
ビームサーベルの突きを回避するとともに、最小限の動きでブリッツの背後に回り込む。
その時、ミサは何が起こったのか全く分からなかった。
トランザムを使った覚えはなく、粒子残量もトランザムを使えるだけの量は残っていない。
だが、今重要なのは『なぜ』ではない。
今はブリッツの背後を取ることができていて、左手にはGNビームピストルがある。
このチャンスを逃すと、もう勝ちはない。
ガンプラバトルの神様がくれたチャンスをこの最後に一撃に賭ける。
ミサがGNビームピストルの銃口をブリッツの背中に押し付ける。
そして、引き金を引くとともに次々とビームが発射されていく。
(そう…まさか、ミサも…)
ほんの数秒の動きで勝敗が決まり、自分の敗北を察したサクラ。
だが、悔しいという感情はわかず、むしろ楽しかったという思いが強かった。
あの勇太の背中を追いかけていた少女の見せたあの奇跡がこの戦いの何よりの収穫だった。
(ごめんなさい…スグル、ヒデキヨ…。でも、私は満たされてる)
ヘルメットを脱いだサクラは目を閉じ、パイロットシートに身をゆだねる。
ビームは次第に装甲を、機体内部を焼いていき、ブリッツそのものを貫通した後で収まる。
撃ち抜かれたブリッツは爆発を起こし、その爆発でアザレアが吹き飛ぶ。
「はあはあはあ…」
スラスターを噴かして機体の姿勢を調整し、左手のGNビームピストルを見る。
ゼロ距離発射し、爆発に呑まれたことで損傷はしているが、まだ数発なら発射できる。
それに、対ビームコーティングも生きているため、少しだけなら戦える。
だが、問題はミサ本人で、なぜかどっと疲れを感じている。
まるでいきなり疲れやすい体に知らぬ間に入れ替えられたかのように。
(ごめん、勇太君…ロボ太…。ちょっとだけ休んでいい…?すぐ、追いつくから…)
眠気を感じ、徐々にそのまどろみの中に包まれていく。
今も戦っているであろう勇太とロボ太が気になるが、今はその心地よさに身をゆだねていった。
「これは…バエルとフルアーマー騎士ガンダム!?」
グリプスを出たバルバトスのカメラが見たのは大破している2機のガンプラの姿だった。
バエルは左の翼を破壊されており、頭部と右腕を失っている。
フルアーマー騎士ガンダムも剣が折れており、盾は左腕ごと切り落とされている。
「ロボ太!!やられたの??」
動く気配はないが、少なくとも撃墜判定は出ていない。
フルアーマー騎士ガンダムに触れ、接触回線を開いて彼に尋ねる。
「ぐう…主殿。すまない、3機…来る!!」
「3機が!?」
「やぁ、やはり君が真っ先に出てきてくれたみたいだね」
「その声は…もしかして」
オープンチャンネルの通信を聞くと共に、3つの反応をバルバトスが拾う。
振り返ると、そこにはG4SがストライクノワールベースのガンプラとGNアーチャーベースのガンプラを引き連れて虚空に浮かんでいた。
「ロクトさん…」
「まさか、決勝まで生き残っているとは思わなかったけど、また会えてうれしいよ。沢村勇太君」