第11話「角笛」
モビルアーマーを追って、タービンズとともに地上に降りた曉。
アーヴラウにて、元政治家であるラスカー・アレジの仲介により、ジュリエッタ・ジュリスと接触する。
「フフフ!!まさに飛んで火にいる夏の虫、というべきだなぁ。ウィリアム・スターク!!」
奪い取った機体と一緒に潜入した仲間の機体のガフランとGN-Xがスローネドライとセレネスを襲う中、バイラスも距離を置いた状態でドラグーンシステムを発射する。
「いやな感じのするドラグーンだ…。サクラ、こいつに当たるなよ?」
「ええ…まったく、ドラグーンというだけでも厄介なのに!」
ガフランの1機を左腕の鋏で握りつぶしたサクラはハンドガンを手にし、ドラグーンに向けて撃つが、ドラグーンそのものの装甲が強固になっているせいなのか、それともハンドガンの出力の問題なのか、いくら撃っても損傷する気配がない。
だが、サクラもそれでドラグーンをつぶせるとは思っていない。
彼女が気になるのはそのドラグーンの動きで、確かにビームを撃っているが、それは徐々に距離を詰めていっている。
接近するドラグーンと周囲にいるほかのチームのものと思われる機体。
「そういうことね!!」
近くでこちらにライフルで攻撃してくる紫になったステイメンベースのガンプラを左鋏を伸ばして捕まえ、近づいてくるドラグーンに向けて投げつける。
投げられたステイメンとぶつかる形になったドラグーンがそれに突き刺さり、空いていた右鋏に内蔵されたGNキャノンを発射する。
ステイメンが大出力のビームの中に消えていき、ドラグーンもそれに巻き込まれる形で消滅する。
「ちっ…腕利きを組み込んでいたか」
「まったく…陰湿なことをするね、あなたは!」
バイラスは明らかにターゲットをウィルに集中しており、ドラグーンや機体の数もサクラを狙っているものよりも多い。
セレネスを拘束しようとするドラグーンを日本刀で両断し、そのあとで背後からの警告音に従い、大きく機体の高度を下げてビームライフルを避ける。
「君の行いのほうが、よほど陰湿だろう!!」
「僕は正義をなしただけさ」
「私は君のせいで会社も、財産もなくした!!私だけじゃない!ここにいる者たち全員だ!!」
「あくどいビジネスをしているからさ!」
同じ経営者として、会社を発展させ、存続させるためにあらゆる手を尽くすことについては否定しない。
だが、そのために数多くの人々を不幸にする悪行を行うような輩を許すことはできない。
それに鉄槌を下す必要があり、そのための力がある。
間違っていることに罰を与えるのは至極当然のことだとウィルは考える。
たとえそれで何もかもを失うことになっても、何も同情する必要はない。
「バイラス、君はコンピュータウイルスの自作自演。それで君の会社はもうかるだろうが、その代わりにどれだけの経済損失が世界中で出たのかな?ノブリス・ゴルーグ、君は兵器を戦争中の両軍に売っていたね。ヴィルヘルム・フォークナー、君は小惑星不動産詐欺。これについてはさすがの僕も驚いたよ。地球に接近する小惑星のレアメタルへの先物取引を呼びかけるなんてね。そして、植村隆治、君はニュース記事の捏造。何百本も会社ぐるみでありもしない過去の事件を捏造して、国家間の関係を破綻させた。実にばからしいことをしたね。みんな相当の報いを受けて当然さ」
いずれも多くの人を不幸にしたもので、大手メディアに賄賂を贈る、もしくは忖度させて事実をもみ消してきた。
SNSによる人々の声とタイムズユニバースが作る独自の情報網。
それに基づいて真実を突き止め、そのことごとくをつぶしてきた。
「すべてビジネスさ!!善悪で語られるものじゃない!!」
「黙れ!薄汚い金の亡者どもが!!士魂商才の言葉を知らないようだね!」
ビームサーベルを手に、接近してくるガフランを日本刀で両断する。
続けて突っ込んでくるGN-Xに切りかかる。
だが、GN-Xは撃破されることを承知の上で間合いを詰めて胴体に刃を受け、その状態でセレネスに抱き着く。
「何?!」
「それでいい、そのまま抑えろ!!」
「自爆するつもりか!しつこい!!」
「ウィリアム!!」
バルカンを連射して抵抗するウィルを援護するため、サクラはGN-Xの腕をハンドガンで攻撃して拘束を緩めさせると、そのまま蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされたGN-Xが地面と激突して爆散し、残った日本刀をセレネスは回収する。
何機かの機体とドラグーンをつぶしたとはいえ、相手はまだまだ数がある。
「このまま…ジワジワなぶってやるぞ!!いけぇ!!」
どんなに強力な相手だったとしても、圧倒的な物量をぶつけ続ければいずれ力尽きる。
そして、こちらはチートも使って期待を強化しているため、負ける要素自体が見つからない。
だが、それはあくまでも二人だけが相手ならという話。
ここで横槍が入ると話も変わってくる。
ウィルに向けてビームライフルを連射して接近する3機の黒いゼダスRをどこからか飛んできた大出力のビームによって焼き尽くしていく。
「何!?伏兵がいるというのか!?」
「この出力のビーム、けど…この機体番号は!」
「ミサ…?」
接近してくる機体はいずれもサクラにとっては覚えのある機体。
乱入してくるSD機体を含めた3機を見つけた紫のドーベン・ウルフが光信号で注意を呼び掛ける。
「なんだ…?どうして助けに来たんだ?こそこそと隠れていればよかったのに…」
仮に自分が逆の立場なら、放っておいたかもしれないのに。
敵に塩を送る勇太達の動きをまだウィルは理解できなかった。
「このまま僕は前に出る。ミサちゃんは冷却が終わり次第、動いて」
「ん…今のアザレアの状態だともうブラスターは使えないけど、トランザムなら1回だけ使える!いけるよ」
2回目のアザレアブラスターを使うことは想定していなかったミサは分離を行いながらアザレアの状態を確認する。
もうアザレアブラスターに耐えられる状態ではないが、それを行わない限りはまだまだ戦うことができる。
ハンドガン2丁を連射して体勢が崩れたダナジンがバーサル騎士ガンダムの電磁スピアでコックピットを貫かれて破壊される。
アザレアも狙撃モードに切り替えたビームマシンガンでマラサイを撃ち抜く。
「ええい…私の邪魔をするな!貴様らにとっても、これは絶好のチャンスだろう!?」
機体照合によって、余計な邪魔をしてきた相手が彩渡商店街ガンプラチームだと知り、激高したバイラスはドラグーンを放つ。
両者の関係についてはすでに自分のスポンサーの情報網から収集済みだ。
ここは協力してウィルを倒せば、彩渡商店街を守ることができる絶好のチャンスだというのに、どうしてそのチャンスをむざむざ捨てる真似をするのか。
ドラグーンに警戒して、勇太とウィルが自然に背中合わせの格好となり、接触回線が開く。
「おい、どういうつもりだ!?」
「どういうつもりって…?」
「僕は敵で、僕が勝てば商店街がどうなると思っているんだ?」
「わかってる。けど…こんな勝ち方しても、うれしくないからね!!」
これはミサともロボ太とも合致した意見だ。
隠れて見逃すという手も取れたが、それでは二人ともすっきりしない。
サクラがいることもあるが、それ以上に2人がジャパンカップが終わってから特訓してきたのはウィルに勝つため。
こんなバカな形でその機会を失うわけにはいかない。
「はあ…馬鹿なやつ。気をつけろ。あの親玉のレジェンド…あいつにはどんな武器も効かないからな」
「なら、どう倒せばいい?僕が覚醒を使うとか?」
「それもいい。けど…もっと効果的なものもある。あんまり使いたくないけど」
セレネスの左腕に外付けされたガントレッドにメインカメラを向けたウィルはフゥとため息をつく。
決勝のためにも、あんまり手の内を明かすことなく勝利したいという気持ちはあるが、この状況では仕方がない。
「まあ…使うには蛆虫が邪魔だ。2人でつぶすぞ!」
「…わかった」
蛆虫という言い方にとげを感じるが、荒くなっている口調からウィルが本気でバイラス達を嫌がっていることは分かった。
勇太も口に出さないが、ガンプラバトルに汚いものを持ち込む彼らを許すつもりはなかった。
まずはドラグーンのけん制をすべく、左手のハンドガンをしまうと予備弾倉を手に取って上空に向けて投げる。
それを右手のハンドガンで撃ち抜くとザクⅡのSマインのように弾丸が月の重力に引っ張られて落ちていく。
地球の重力と比較すると十分な効果が発揮されているとは言えないが、それでもドラグーンの動きを制限することはできる。
軌道パターンを限定させたことで、右手のハンドガンを2発撃ちこんでドラグーンの1基を破壊した。
対してセレネスは散弾を放てる装備はないが、後ろ越しにマウントしているビームトーチガンをマシンガンのように連射することで破壊していった。
「くそ…ドラグーンでは無理か!各機、数で押しつぶせぇ!!」
仲間の機体、そして操っている機体の多数を一斉に2機に襲わせる。
接近してくる機体を見た二人はともに飛び道具を捨て、それぞれの主力武器である刀を抜く。
「へえ…やっぱり2本使うんだね。それで、盾についているレリーフ、まさかとは思うけど…」
「今は関係ないでしょ!負けないでよ!!」
「ああ…。まったく、大した余裕だよ。盾だけとはいえ、ノロケ込みだなんてね!!」
こうなったら、徹底的に八つ当たりをしてやろうと考えたウィルは襲い掛かる敵機を次々と斬っていく。
斬られた味方機の消える姿を見た生き残りの機体たちがたじろぐが、それでもウィルは容赦しない。
「ど素人め…そんな腕で僕に勝てると思うなよ?」
「くそ…数が多いうえに機体性能も…!!」
ヤクト・ドーガと剣で鍔迫り合いを演じるロボ太の周りには彼が既に撃破し、徐々に消えていく機体の姿が4機あった。
勇太とウィルの大立ち回りが始まったことで、ミサたちを襲う機体の数は減ったものの、それでもまだまだ残っている機体だけでも十倍の差がある。
いくら3機でもこれ以上戦い続けると限界がある。
「もうもうもう!!そんなにアイツに仕返ししたいなら、ガンプラバトル以外でやってよぉ!!」
「疑似太陽炉の限界稼働時間を考えると、このまま戦い続けるのは…」
だとしたら、ここから敵を一網打尽にするしかない。
その武器はミサが持っているが、それをやり遂げるには相手の身動きや連携を断つ必要がある。
幸い、それを可能にする武器が今のサクラのガンプラにはある。
「ミサちゃん、ロボ太、時間を稼いで。大逆転の一手を打つわ」
「大逆転!?何々??」
「いいから、これは準備が必要なの!!敵を近づけないで!!」
「りょ、了解!!」
両肩のシュツルムファウストが発射され、接近しようとしていたギラ・ズールとグスタフ・カールを吹き飛ばす。
2機に守られたスローネダブルシザースのスカートアーマーから発射されたGNファングが彼女を中心に円陣を組む。
コックピット側面に格納されたキーボードを出したサクラはシステム調整と計算を開始する。
「味方への被害が及ばず、敵機に最大限の効果を発揮する粒子放出量…放出限界時間を計算…」
ウィルのものについてはあらかじめ計算しているが、勇太達については共闘を想定しておらず、SDガンダムと太陽炉搭載機、エイハブ・リアクター搭載機と種類も異なるために計算が想像以上に困難だ。
「くっ…電磁スピアがもうもたない!!」
GN-Xに突き刺したと同時に嫌な音が聞こえ、大きなひび割れも見えたことでバーサル騎士ガンダムはやむなく電磁スピアを手放し、残ったバーサルソードを構える。
小型機であるものの、接近戦主体といえるバーサル騎士ガンダムはどうしても被弾してしまうために、霞の鎧もバーサルソードもひび割れ、左肩の力の盾はすでに失われていた。
「まだまだあああああああ!!!!」
しかし、ロボ太の闘志は冷めておらず、それにこたえるようにバーサルソードが赤々と燃え上がる。
それがエピオンのハイパービームソードのように長い刀身となり、それを振るったことで複数の敵機を焼き尽くしていく。
「サクラさん、まだなのぉ!!」
「もうちょっと…よし、これならいける!!いくわ…トランザムミラージュ!!」
疑似太陽炉から一気にGN粒子が放出されていき、同時にスローネダブルシザースとGNファングが赤く光り始める。
桜の花びらのような形となったGN粒子がまさに桜吹雪のようにフィールドを包み込んでいく。
宇宙空間ではありえないその空間の中で、ドラグーンの毒牙にかかり、その奴隷となり果てていたガンプラ達は動きを止め、バイラスの仲間たちが乗る機体にも異常が生じる。
「な、なんだ!?どうなってる!!センサーが反応しない!敵機も消えたぞ!!」
「ステルスフィールドとかいうやつか!くっそおおおおおお!!!」
ガーガーと雑音ばかりが通信機から鳴り響き、味方機の反応も消えてしまう。
味方も敵の居場所もわからず、動けない敵機をすでにトランザムを発動したアザレアが捉えていた。
「いくよー…高濃度圧縮粒子解放!!」
膨大なGN粒子が大出力のビームに変換され、大蛇のような光と熱の本流が放たれる。
ビームに全身が包まれた敵機が文字通り蒸発し、ビームを維持したアザレアはそのまま薙ぎ払っていく。
やがてトランザムが解除され、ビームが収まると周囲には敵機の残骸だけが残り、そのいずれも熱を帯びていた。
「はあ、はあ、はあ…やった…」
「やったわね、けど…やっぱり疑似太陽炉にトランザムは…」
トランザムミラージュが終わったスローネダブルシザースの状態を確認したサクラはまだまだ改良の余地のある愛機に笑みを浮かべる。
粒子残量は動くだけの量は残っているが、再び元の稼働状態に戻るには時間がかかる。
トランザムミラージュの補助を行っていたGNファングもGN粒子を使い果たしていて、自力でスカートアーマーに戻ることができない状態だ。
「あとは…勇太とウィリアムがどう終わらせるか…」
「ちぃ…厄介なものを。まぁ、私のガンプラなら、あまり問題はないがな」
トランザムミラージュで次々と味方機が消えていくのを見たバイラスだが、余裕の態度をとっていた。
既に自動的にセンサーの調整が行われており、元通りになっている。
それに、この機体には無敵の装甲が搭載されている。
それがある限り、いつまでも戦っていられる。
限界のあるほかのガンプラとは大違いだ。
「バイラス、つまらない戦いはこれで終わりだ。観念してもらうよ」
味方機がいなくなり、ようやく動き出したヴェノムレジェンドだが、もう対象が動くには遅すぎた。
上空に飛ぶセレネスの左腕のガントレッドが変形し、長弓のようなレールガンへと変貌する。
その中央部にビームトーチガンが取り付けられ、照準がヴェノムレジェンドに向けられる。
「ふん!大仰な武器のようだが、そんなものでヴェノムレジェンドを…!」
「君ご自慢の装甲、これなら…撃ち抜けるよ」
頭の中で屈辱でゆがむバイラスの顔を想像しながら、ウィルは引き金を引く。
カチリとビームトーチガンの引き金から音が鳴るが、連動しているはずのレールガンから何かが発射される気配がない。
「ふん…こけおどしか…!?」
笑ってやろうと息を吸ったバイラスだが、取り込んだ酸素は次の瞬間、激しい衝撃と同時に追い出される。
何が起こったのか一切わからず、ただわかっているのは何らかのものを撃ち込まれたということ。
それにより機体に大きなひびが入り、そのままクレーターの壁にたたきつけられたことだ。
「ウィリアム…その武器は…」
「今は話しかけないでくれ。集中できないだろ」
まさかこんな奴のためにとっておきの隠し玉を、よもや勇太の前で披露することになるとは思わなかった。
だが、見せてしまった以上は存分にその破壊力を魅せるだけだ。
再びビームトーチガンの引き金を引き、それがヴェノムレジェンドの頭部を粉砕する。
「な、なんでだ!?なんでだなんでだなんでぇ!!チートを使っているのに!ビームも、GN兵装も、実弾も…ヴェノムレジェンドなら一切効かないのにぃ!!」
「残念だったね、バイラス…君はここで脱落だ。あとは警察と刑務所が君の舞台だ」
無様に叫ぶバイラスの声はウィルの耳には届かず、次の一射によってヴェノムレジェンドのコックピットが粉々に吹き飛んだ。
バイラスの部隊が全滅し、ウィルはレールガンをもとのガントレッドに戻した後で刀を抜き、それをゲーティアに向ける。
勇太もセレネスをにらみ、刀をウィルに向ける。
お互いにピリピリとプレッシャーを放ち、今にも互いに切りかかりそうな様子だ。
「勇太君…」
「ウィリアム…」
「主殿…」
戦いが終わり、2人のもとに駆け付けた3人はこれから何が起こるか、ピリピリと感じるプレッシャーに耐えながら見つめる。
だが、最初に刀を下ろしたのはウィルだった。
「やめた…。こんな状態でバトルをしてもただの消化試合だ。けれど、次に会ったときは必ず君と戦うよ」
「…ウィリアム。あのレジェンドもどきは集団で君を襲っていた。どうして…?」
「さあね。くだらない金儲けをしていた輩に正義の鉄槌を下していたらこうなった。いつものことだよ」
このような妨害はガンプラバトルに限った話ではない。
父の代からの取引相手が突然、これ以降の取引を打ち切ったり、ターゲットの会社の株を買収していた際にデマを流されて予算内で済まなくなるなど、陰からの嫌がらせもある。
ウィルにとってはそれが日常で、気にする話ではない。
むしろ、調査することで自分たちをターゲットにしてくださいと教えてくれるようなものだ。
「確かに、正義の元に行動を起こすことは素晴らしいことだ。だが、度が過ぎた正義は自分も他人も不幸にするぞ」
「…トイボットが何を言ってるんだ。ま、肝に免じてはおくけどね」
ロボ太のロボットらしからぬ言動と忠告に苛立ちを感じる中で、時間切れを告げるサイレンが鳴る。
「ここで…イレギュラーありの二次予選は終了しました。生存したチームは本線への進出となりますが、今回はこちらの脆弱性をつかれ、違法なチームの介入を招いてしまいました。彩渡商店街ガンプラチームとタイムズユニバースチームの活躍によって退けられました。しかし、不幸にも彼らに敗れたチームもあります。ですので、大会規定に従い、翌日に急遽敗者復活戦を行い、その翌日に本選を行うものとします」
「やれやれ、1日自由時間ができたか。これなら、もっとこいつの調整ができそうだ」
この秘密兵器の存在を勇太に見せることになったのは誤算だが、結果として戦闘データを手に入れることができた。
それを踏まえてさらに完成度を上げて、ゲーティアを叩き潰す。
「じゃあね、ミサちゃん。本選で戦えることを楽しみにしているわ」
「サクラさん…」
ウィルとサクラの機体がログアウトし、残った3機はじっと2機が消えた場所を見つめる。
(あの弓のような兵器からは、確かに何かを感じた…。たぶん、あれは…)
ウィリアム・スタークはかつて、現役時代のミスターガンプラを倒した力量を持つファイター。
だとしたら、彼もまた覚醒が使える可能性が高い。
しかし、今回のバトルで彼が覚醒を見せることはなかった。
あの弓を使ったためなのか、それとももっと別の理由があるのか?
ミサもまた、サクラの新たな機体の力を間近で見たことで焦りを感じていた。
「サクラさんも、ジャパンカップの時から格段に強くなってる…。それに、トランザムミラージュでセンサーをつぶされると、アザレアだと不利…」
ウィルと同じく、サクラもまた使えるはずの覚醒を使っていない。
トランザムミラージュと覚醒を併用してきたらどのような状況になるのか、想像するだけでも震え上がってしまう。
(明日の一日…きっとこの一日をどう使うかで、明暗がはっきりと分かれる。エイハブウィングもまだ完全には至っていない。必ず完成させて見せる!)
「こうなったら、かえって特訓だね!勇太君!」
「…うん、その前に、アザレアをしっかり調整してとね。ブラスターを2回使ったし、トランザムまで使ったから…」
「はーい…でも、ブラスターを使ったのは勇太君だからね!」
機体名:ガンダムスローネダブルシザース
形式番号:GNW-003DS
使用プレイヤー:凛音桜
使用パーツ
射撃武器:GNハンドガン
格闘武器:GNビームサーベル
シールド:なし
頭部:ガンダムスローネドライ
胴体:ガンダムスローネドライ(腰部にガンダムスローネツヴァイのスカートアーマー装備)
バックパック:ガンダムスローネドライ(GNコンデンサー装備)
腕:ガンダムアシュタロン・ハーミッドクラブ
足:カオスガンダム
世界大会参加のためにサクラが用意したガンプラ。
ガンダムスローネをベースとしており、攻撃力の不足と両腕のギガンティックシザースと追加装備されたGNファングで補っている。
現状、判明している最大の武器はトランザムミラージュで、桜吹雪のようなエフェクトとともに敵機のみのセンサーをピンポイントで使い物にならなくする。
なお、その時のGN粒子の調整をGNファングも行っていて、逆に言うとそれが破壊されると調整が難しくなる可能性が高い。
なお、覚醒も可能だが、おそらくその際には以前の愛機と同じく分身を使ってくる可能性があるだろう。