吹雪の苦悩-たけのこ鎮守府激闘録-   作:もじゃくろ

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前回のあらすじ

吹雪『ここが私の戦場か……。ククク、腕がなるぜ……』

吹雪「言ってないよ!?」


挨拶

「サンマァ~サンマァ~サンマァ~」ユラユラ

「なんだこの人たち!?なにしてんの!?」

 

吹雪の絶叫が、執務室に響き渡った。

それもその筈である。恐らく提督であろう人物と二人の艦娘であろう人物が火を囲んで謎の踊りをしていれば叫びたくもなろう。

 

「サンマァ~サンマァ~目覚めよ、サンマ神様よ~」キンキン

「サンマ神!?なんだその神様!?」

「サンマァ~サンマァ~サンマァ~」ユラユラ

 

サンマを頭上で打ち付けながら、部屋の中心に焚いた炎の周りを回り続ける。

 

「サンマァ~サンマァ~サンマァ~目覚めよ、サンマ神様よ~」ユラユラ

「ワシを喚ぶのは誰じゃあ~」

「なんか変なのでたぁぁぁぁーっ!?……大淀さん!?なんですか、これ!?なにしてんですか、あの人たち!?」

「……んだ」

「大淀さん……?」

 

吹雪が大淀に助けを求めて隣を見ると、大淀は静かに震えていた。

 

「大淀さん!?大丈夫ですか!?」

「……してんだ」

「え?」

「……何してんだぁぁぁ!!お前らぁぁぁぁ!!」

(大淀さんがキレたぁぁぁぁーっ!?)

 

キレた大淀は、素早い動きで距離をつめ跳び蹴りを放った。

 

「うらぁぁぁぁっ!!」バキィ

「ぎゃぁぁぁぁっ!!」

「「「サ、サンマ神様ぁぁぁぁーっ!?」」」

 

一撃でサンマ神を倒した大淀は、ゆらりと立ち上がると提督たちの方に向き直り、底冷えするような冷たい声で提督たちに問い掛けた。

 

「……何をなさってるんですか。提督?それに、長門さんと明石も……」

「……ち、違うんだ!!大淀!!これは、新しく着任する艦娘を歓迎するためにだな!!」

(あの謎の儀式は私のためっ!?)

「そ、そうなの!!長門さんの言う通り!!新しく来る吹雪のために、提督が」

「俺は止めたんだが、コイツらがどうしてもと聞かなくて……うぅ……やらなきゃ、お前の私室を砲撃するって……」ウルウル

「「提督てめぇーーーーーーっ!?裏切ったなぁーーーー!?」」

 

驚愕する長門と呼ばれた艦娘と明石と呼ばれた艦娘。

 

「……そうですか。二人とも、覚悟はできてますか?」スチャ

(鎖鎌っ!?)

(やだっ!?この子ったら殺る気満々!!)

「オラァァァァっ!!」ズバァ

「「ぎゃぁぁぁぁっ!!」」

 

(えぇー……。何これ……)

 

二人の艦娘の断末魔を背景に、何やら理解が追い付いてない吹雪。

そこに一人だけ制裁を逃れた提督が近づいてきた。

 

「お前が今日から、うちに配属になった吹雪か。」

「え?……あっ、はい!!吹雪型駆逐艦一番艦の吹雪です!!よろしくお願いします司令官!!」

話しかけてきた提督に、 姿勢を正し敬礼と共に挨拶をする吹雪。

 

「あぁ、よろしく。俺は提督の堤 幸敦《つつみ ゆきあつ》だ。」

 

堤と名乗った提督は、軍人らしく鍛え上げた体と短髪に爽やかな笑顔を持った20代後半くらいの男だった。

爽やかな笑顔を浮かべてはいるが先ほどの奇行を目撃する限りでは、変人奇人の類いであろう。

「俺の事は、司令官だの提督だの堅苦しく呼ばなくて良い。気軽にゆき兄ぃとでも呼んでくれ」

「え……じゃあ……ゆき兄ぃ」

「気安く呼ぶな!!小娘風情が!!」クワァ

(えぇー……)

 

そんなやり取りをしていると、制裁を終えた大淀が近づいてきた。返り血を浴びて真っ赤になりながら。

 

「それでは提督。私は、一旦、着替えるために失礼します。」

「おぉー」

 

失礼しますと、言い残し部屋を出ていった大淀を見送ると、今度は先ほど制裁を受けていた艦娘たちが近づいてきた。

 

「お前が吹雪だな。私が戦艦長門だ。この鎮守府では主に戦闘の指揮している。殴り合いなら任せておけ。」ドクドク

「は、はぁ……。よろしくお願いします……」

長い黒髪と鍛え上げられた体だが、しっかりと出るところは出ているこの凛々しい血まみれの艦娘は長門と云うらしい。

 

「私は、この鎮守府の建造・開発・修理を担当してます工作艦の明石です!よろしくね!」ドクドク

「……よろしくお願いします。」

と、もう一人の血まみれでピンク髪の艦娘は明石と云うらしい。こちらもスタイルは整っている。ちなみに、頭に鎌が刺さっている。

 

(なんだか凄いところに来ちゃったなぁ……)

 

血まみれの二人にひきながら吹雪はそう思った。無理もない。

 

「さて、明石、長門。吹雪に鎮守府を案内してやれ。あと、寮の部屋にも。頼んだぞ。」

「「了解です!!」」ドクドク

「その前に血を止めてください!!」

 

吹雪の苦難はまだ始まったばかりである。

 

 




勢いが足りませんでした。
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