「おまちどうさま。アイスコーヒーよ」
あれ?一人分多いぜ?アクセルはそういって目の前に立つ女性に怪訝そうな目を向ける。
「いいのいいの。これは私のぶん。休憩時間の話し相手くらいなら、なってくれるわよね?」
はいはい。と軽く両手を挙げて苦笑してからアクセルはで?と口火を切った。
「タイムトリッパーの麻美としちゃあやっぱり今回の件は気になるか?今回もギアとやり合ったくらいしか特筆すべきことはないぜ」
「ン・・・怖いわね・・・まあ、そっちのお友達とか、聞いてみたいけどね」
ああ、といってアクセルがポケットから取り出したるは長い茶髪の頑健な体つきの男。具体的に言わせて頂ければギルティギアの主人公、ソル=バッドガイである。
「旦那はあいかわらずのつっけんどんな人だなあ・・・こないだなんて俺が持ってったガキんころの写真黙って置かせて焼かせやがった・・・ヴォルカニックヴァイパーやらタイランレイブやらガンフレイムやら・・・ドライン無しなだけありがてえといやありがてえけども・・・人間100パーの上体でエンリョ無し。ひっでーもんだよ」
まあもっとも。といってもう一枚。先程の話に出てきた旦那のガキのころの写真。
「燃やされたんじゃ・・・ないの・・・?」
「ニヒヒッ。さっきの話に出てきたのは囮よ。どーせ黙って置いてけ!…っとか言われんだろーし。そー思って2枚隠し撮りして1枚だけ見せといたのよ」
抜け目ないわね・・・と呟いて麻美はコーヒーを一口飲むと
「にしても法力に、ギアねえ・・・かなりぶっ飛んでて、正直ディズィーさんと初めて会ったときもびっくりしたわね・・・」
「だよなー。初対面でアレが実は一桁とか・・・まーずわかんねえよなー」
ゆるゆるの口調のアクセルである。相手もタイムトリッパーである麻美なので自重ゼロのフリーダムだ。
「そーいやここって境界みたいなモンだよなー」
境界?と首を捻る麻美。アクセルは掌をピタリと合わせてから、いいカンジの距離まで持って行く。
「ちょっと昔に魔術の時代、ちょっと未来にギアと法力、何もねえ、楽~な世界だよなあ。そんなこと思うの俺らぐらいだと思うけどな」
「笑うに笑えないわね・・・実際、青崎さんの影猫(仮)に仰天したり、テスタメントさんに鎌持って追いかけられたり、前に会ったのはいつだっけ?」
白亜紀。即答するアクセル。
「あー・・・肉食恐竜に襲い掛かられてた時に法力で助けてもらったんだっけ?」
「ン。んーあー…っつーか一度もめぐみのところに戻った試しがねえんだよなあ・・・ったく・・・どこにいるんだよ、俺を至る所に飛ばしてるやつ・・・」
やーっぱあの男ってのをどうにかするっきゃねーのかな-。などと呟きながら自分もコーヒーを一口すすり、頭の後ろで両手を組んで天井を仰ぐ。
「まあ、タイムスコープも使えないし、仕方がないんでしょうね。魔法使いにならどーにかできるかもしれないけど、私法術師でもなければ魔術師でもないし・・・」
「旦那みたいにバックヤード見たこともねーしなー。」
つーかさ。といって身を乗り出す。若干頬を赤くしながらな、何?とアクセルの話に応じる麻美。
「根源の渦って話、燈子さんだったり、荒耶だったりから聞いたことあるけどさあ」
「んーっと・・・この世界を形作る法則や、起源というか・・・結局根源的な何か・・・だっけ?」
「ま、多分大体合ってると思うけど、バックヤードだよ。世界の法則だかルールだかを世界そのものみてーにして内包してるってあそこ。アレってどうなんだろうな?」
「どうって?」
「どー違うんだ?ってことさ。あれよ。あんまし違いとかなさそうじゃん」
もう一口コーヒーをすすり、アクセルは続ける
「まーアレだ。よく分からんが、案外あの魔術師よりも俺達の方が根源に近いのかも知れねえと思ってよ。」
「両方が同一のものならね」
「どーだろーなー・・・ま、あんまし深く考えねえで、そうだな・・・ソルの旦那とか鳥の旦那とかに聞いて見りゃなんかわかんだろうけどなあ・・・んっ、んっ、んっ・・・ふーっ。ごっそーさん」
「もう行くの?」
「ああ。お代は置いとくかんな。縁がありゃ、また会えるだろ。」
ポケットに両手を突っ込んでふらりと店のドアに手をかける。カウベルをならしてドアを開けると
「んじゃーなー」
と、鞄から愛用の得物を取り出す。
「!・・・ええ。無事でいてね?」
「ったりめーよ」
目の前にいる怪しい男達に鋭い視線を向けてアクセルは鎖鎌を構えた。
「タイムパトロールもご苦労なこった。どーせ確保なんて出来ないのにな。んじゃまあ、麻美。行ってくるぜ・・・
百重鎌焼!」
こないだちょっと立ち読みしてこれ良いじゃん!と思い、気がつきゃ空の境界講談社文庫から出てる3冊の奴買ってきました。で、読んでて思ったのが根源の渦ってこれバックヤードじゃね?でした。
では今度こそ予備弾倉で会いましょう。
ちゃおちゃおー。