阿良々木月火は完璧な妹を目指したい   作:月日火

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少し時間が出来たので、暦視点です
年末はちょくちょく出来ると思います
これからも亀ではありますが、ちょくちょく見てもらえると作者が怪異化します


つばさファミリーその2

ふと最近考える、『羽川翼は異常である』と僕があの時気付いていればと

今更、何を言ってももう遅いかも知れないが、それでも誰かを見返りなしに助

けたかった当時の阿良々木暦を考えると僕にとって羽川翼は最大の後悔の象徴とも言えるだろう

さて、前置きこれぐらいにそろそろ僕の後悔の物語をここに語ろうと思う、猫を踏んだら二叉になって仕返しに来た物語、その序章を

 

誰もが傷を負い自分の馬鹿()を疑い、その疑念も記憶の彼方に溶けていそうになってきたゴールデンウィーク、僕はというとその前日を理由に己の惰性を発散していた

別段何か特別な理由も無く、唯羽川を新学期で見た時に年柄も無く高鳴ってしまったのが原因である、敢えて言い訳を言うなら新学期の羽川と体育倉庫で見たあの豊満な肢体を晒してくれた羽川を重ねて見てしまった事つまりこれは羽川の性と言っても過言では無い気がする、とどのつまり僕が全ての元凶では無い・・・嫌よそうこんな事を考えていては何故からいつのまにか羽川と繋がりを持っていた妹に殺されかねない・・妹・・あの月火は実際なんだったのか、吸血鬼になっていたのか、はたまた自分の親しいものに変化する怪異に出会っていたのか想像が頭をよぎり消えていく、まぁどんな事があろうとアレは僕の妹で僕はアレの兄だ、それさえ分かっていれば別に心配する必要は無いと自分を落ちつかせた

 

 

そしてその翌日、ゴールデンウィーク初日2人の妹達に起こされそれでもまだ眠くベットの上で怠惰を極めようと眠りについて数分、声が聞こえた

 

「ほら・・起きなさい暦・・起きないと・・その頬に口付けするわよ?」

 

それはいかにも胸部が豊満そうな女性の声だった、強いて言うなら大食いな空母のような・・

 

「それとも・・あの時の続きでも・・する?」

 

待てよ、今の台詞は僕が昨日読んでいた禁書の冒頭と一致している・・そこから到達する答えは・・

 

「ねえ・・暦?」

 

 

 

案の定妹だった、というか禁書をそのままにしていた自分を今は心底恨んでいる、というか僕のような一匹狼に春が来るはずもない盛大な勘違いである

後、井◯さん似の声だからといって、加◯さんの声を出すのは反則だと思う

 

 

あの後は僕の輝かしい恋なのか性欲なのかわからないナニカを爆砕され、前話へ至る

 

「そーいえばお兄ちゃん以前は見るも絶えないニートボディーの身体だったけど、いつからそんなになったの?」

 

「ニート言うな、僕はまだ学生だ後そんなのってなんだ?」

 

「セミ腹」

 

「あー実はさ、今腹筋に凝っててな」

 

「ふんふん、それで?」

 

「ほら、『思い立ったが吉日』が僕の心情じゃん?」

 

「それは私がお兄ちゃんと出会った13年の中で初めて聞いたけど・・というかお兄ちゃんの場合『思い立ったが吉日』じゃなくて『思い立ったがまた明日』じゃん」

 

ぐうの音も出ない

 

「それでな、ビリーズブートキャンプを腹筋プログラムだけやってる」

 

「何故そんな偏った肉体改造を・・ちゃんとバランス良く改造した方が未来の為だと月火ちゃんは思うのだけど」

 

本当の事を言わない為の嘘を、心配された挙句駄目出しまでされる兄がここにいた、というか僕である

 

「まぁ、お兄ちゃんがいいなら私もとやかくは言わないけど・・・」

 

「まあ、実の所腹がよじれる程の面白ギャグを思いついてしまったのでお前達にそれを披露する為の下準備の訳なんだがな」

 

「へぇ、自分でそんな事を言うのはアレだけど楽しみに待ってるよ、うーむそうなると月火ちゃんもビリーズブートキャンプとかコアリズムとかした方が良いのか・・・」

 

「嫌、お前にそれは要らないだろ」

 

そう、こいつ月火は剣道もやってた(現在は段を取り、自身の先生を倒してしまったので卒業という形と相成ったのだが)のもあって兄である僕がいうのもあれなのだが、かなりいい体型をしているそれこそ女の敵であるぐらいには

 

「そう?」

 

「そう」

 

「でもやるとするならおすすめはモテレッチかな」

 

「モテレッチ!?」

 

どうにか話はそれで納得してくれたらしく「うーん、わかったよ」と頷いてくれた、正直羽川に会う前までは僕の知る限りの人でもトップクラスの頭脳のこいつでも、兄の行動の全部を詮索する術は無いようだ、まぁそういう奴だから何も言わずに相談も引き受けるいい奴でもあるのだが

 

「まぁ、なんにせよありがとな月火ちゃん」

 

「私は何もしてないよ、結局の所結論を決めるのはお兄ちゃんだし・・っとじゃそろそろ私もお兄ちゃんのベットを洗濯しますかね!」

 

と、いつものように扉の向こうに置いていた籠の中に僕の布団を突っ込んでいく、そんな妹を背後に最後に僕は尋ねた

 

「なぁ、月火ちゃん」

 

「なぁに?」

 

「今回は、僕の勘違いだったっていう結論が出た訳だけど、僕みたいな人間でも、いつか誰かと恋に落ちるなんて事があると思うか?」

 

そんな言葉を聞いて、何を思ったのかどんな表情だったのかは定かでは無いけどどこか嬉しいそうな声色で

 

「うん、きっとできるよお兄ちゃんならね」

 

と言ってみせた

 

 

玄関先へ降りるともう1人の妹の姿を見つけた・・見つけたのだが・・どうにもそいつは雨でも浴びたのかと思うぐらい全身が濡れていた、おかしいなさっきまで吸血鬼には嫌になる程の晴天だったはずなのだが・・

 

「お、漸くお目覚めかい兄ちゃん、嫌〜月火ちゃんに1人残して兄ちゃんを起こすってえ大役を押し付けちゃったからなぁ、ちょっと心配だったけどなんだうまくやってみてーだな」

 

まぁ、僕の白い事情がバレるという大きなダメージを負ったわけだがな、まぁ揺らされて起きるよりはマシか

 

「で、火憐ちゃんなんでそんなに濡れてんだ?傘とか持ってなかったのか?」

 

「んにゃ?」

 

火憐が怪訝そうに目を細める

 

「嫌別に雨とか降ってねーし、必要無かったと思うけど?」

 

「じゃあお前なんでそんなにずぶ濡れなんだ?」

 

「あー、兄ちゃん勘違いしてると思うけどこれ汗だぜ?」

 

ほらっ

 

と、火憐は僕に抱きついてきた、火憐の言葉を信じるならばつまりそれは・・

 

「気持ち悪っ!不快感がはんぱねえ!そして汗臭っ!」

 

そう、汗が発する効果をモロに受けることに他ならない

 

「おいおい兄ちゃん、自分の妹にそんな事を言うもんじゃ無いぜ?ほらほら〜」

 

「言われたくなかったら離れろよ!というか気付いて無いかもだけど火憐ちゃん!今お前は胸で僕の顔面を挟み込んでるんだぞ!」

 

「え?本当?やだぁもー恥ーずーかーしーいーっ!」

 

指摘されて漸く気付いたのか、あっさりと僕から離れ自分から近づいてなにも関わらず恥じらいの表情を見せる火憐

僕の命は助かったが、恥ずかしいぐらいなら初めからやるなと思わざるを得なかった

しかし、火憐の恥じらいの基準が良く分からない

 

「それが全部汗なんだよな・・うん、確かに汗だ」

 

僕の体に着いた水分を掬い取って舌で検分するに、本当に、正真正銘の汗である

 

「うわっ、妹の汗を舐めるなよ・・キモい兄だな」

 

「濡れ女みたいな姿のお前には言われたく無い」

 

「つーか、ジョギングでそんなに汗かくってどんだけ走ったんだ?」

 

「んーペース配分わかんなかったから適当に全速だったんだけどな」

 

なるほどね

しかし、明らかに火憐の体重量を超えた汗の量なんだが?

 

「以外と長かったな42・195キロ」

 

「お前フルマラソンを走ったのか!?」

 

「だってほら、今日ゴールデンウィークの開始祝いのジョギングでイメージは聖火ランナーだったから・・!」

 

「聖火ランナーはそんなに走んねえよ!」

 

「え、じゃあ聖火ランナーってどれくらい走ってるんだ?」

 

「当てたら何でも一つ奢ってやる」

 

「え!?マジで!月火ちゃーん!聖火ランナーってどれぐらい走んの?」

 

「おい!月火ちゃんを使うのは反則だぞ!」

 

ヒントも何もなしに正解を聞くようなものである、月火を使わないっていうルールを追加しておけば良かった

そして僕の布団を持った月火が降りてくる

 

「んー、オリンピックって距離がバラバラだから何と言えないけど・・2004年のアテネの時は約6・9キロ、北京の時は数がいっぱいいたから数百メートルぐらいしか無かった筈だよ?」

 

「さっすが月火ちゃん!って事兄ちゃん!なんかよろしくな!」

 

「あーはいはい分かったよ」

 

「ってか月火ちゃん、あたしが用意してくれって言っといたゴールテープが無いんだけど?」

 

「それならお風呂の浴槽に貼っておいたよ、後飲み物もお風呂に入るまでがゴールだからね」

 

成る程、それなら面倒くさいと理由もつけられない何せそこがゴールなのだから、阿良々木火憐にとってジョギングの終着駅なのだから

 

「さんきゅー月火ちゃん!じゃ行ってくる!」

 

「はいはい行ってらっしゃい」

 

そういうと火憐は服を脱ぎながら爆走していった、それを拾いながら月火が後をついて行く

そして僕は目的のサイクリングをする為に自転車の方へと向かった

 

「あ、お兄ちゃん今日の夕飯何がいい?」

という質問に僕は

 

「シチューを頼む」

 

と言っておいた

 

 

そんなこんなで予め小遣いを貰って置いた僕は目的の禁書を買いに向かった

え?さっきと目的が違うって?さっきの表向きなんだよ察しろ

とまぁそんなどうしようもない目的に僕は一種の自己陶酔を覚えペダルを一生懸命に回していたけどーーそんな道中、先程恋愛相談で話題になった少女を見つけた

 

もとい

 

羽川翼を見つけた

HANEKAWAさん

 

「・・っ」

特に理由もなく、しかし僕は本能に従って急ブレーキをかけタイヤを擦り切れせながら停止した

 

「うぉっ・・ふぅぅぅう」

なんてタイミングで出くわすのだろう、先程羽川に対する感情が恋では無くおおよそ友人に向けるものではない性欲と判明した直後に、散歩中であろう彼女を目にしてしまうとは、妙な偶然もあったものである

 

しかし・・羽川は一体何処へ向かっているのか?

図書館・・はゴールデンウィークなので閉まっている

という事は・・まさか参考書の為に書店に向かうのでは無いだろうか

それは不味い、もし偶然にもばったり会ってしまったらそれこそ一巻の終わり阿良々木暦の物語が終了のお知らせを迎えてしまう

だとしたら最悪だぞ、人間強度云々よりこれからの人生経路が致命的になる

嫌、羽川の事を疑うわけではないが、好感度は確実に下がるそれだけは阻止したい・・だが・・っ

 

「って・・・ああ、大丈夫か」

 

どうやら羽川は書店とは逆方向に向かって歩いて行くのが分かった、ならば安心と僕は書店に向かってチャリを漕いだ、結果的に羽川の背を追う形にはなったが、また声をかけて会話をしようとも思ったが、妹との問答を思い出し踏み止まる

今はまだその時では無いと

その時はきっと、ゴールデンウィーク後で僕は人間的に成長し、学校で羽川にこういうのだ「成長した僕にーー間違っても惚れるなよ?」と

キザにかっこよくいう為にここは羽川と話したいという気持ちを抑え、新たにペダルを踏もうとした時ーーー見てしまった

吸血鬼の視力のせいでは無く、もっと分かりやすい理由で

僕の足ーー動きは止まった

何故なら・・道の角を折れ、方向を変えた事で見えた羽川の左頰には

 

「・・・え?」

 

その顔には似つかわしく無い分厚いガーゼが見えたのだからーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「火憐だぜ!」
「月火だよ!」
「「2人合わせてファイヤーシスターズ!」」
「いや〜今年もあと少しで終わりだな!」
「そうだねーこうやって今年を振り返るとあの時は長く感じたのに今じゃそれが短く感じるよ」
「なー来年あたしはどうなってると思う?」
「きっといつも通りの元気な火憐ちゃんじゃ無いのかな」
「だよな!って訳で来年もまた宜しく!」
「「次回!つばさファミリーその3!」」
「また、遅くなるかもだけどゆっくり楽しんでくれると嬉しいぜ!」
「これからも月火ちゃんを宜しく!」

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