魔装機神 THE WIND OF STRATOS 作:バイル77
新西暦と呼ばれた時代
銀河を巻き込んだ大戦があった――
その大戦は銀河大戦と呼ばれ、様々な星系の人型機動兵器や生物兵器が入り乱れる大混戦となった。
混戦によって銀河に溢れたまつろわぬ霊が、太古、一つ前の宇宙にて滅んだ【霊帝】を復活させる事態となってしまった。
時空を超え現出した霊帝を打倒する為、異なる星系の人間たちは共に手を組んだ。
そして現れた【因果律の番人】や【光の巨人】の協力によって霊帝は再度打倒され銀河を巻き込んだ戦乱は終わりを告げた。
その後、小競り合い程度の争いは起こったが、確かに平和は戻ったのだ。
【再有生】と言う概念がある。
宇宙が新生する前、以前の宇宙と同じ存在として生まれ変わることを指す言葉だ。
俗に言われる【前世】と同じ様なものだ。
再有生は強固な因縁を結んだ存在であればある程顕著に、前世と全く同じ存在として生まれ変わる。
いくつかの【例外】は存在するが強固な因縁を持つ人間の場合、よりはっきりとした前世の記憶、虚憶を持つ。
本人が望む、望まないを選ぶことはできず、戦いのときは近い。
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20XX年
突如、日本に数千発という凄まじい量のミサイルが降り注ぐという前代未聞の事態が発生した。
自衛隊も突然の事態に困惑しつつ、迅速な迎撃行動を行ったが、数発ならばともかく千を超える量の前にはなすすべもなかった。
しかしこの事態は政府の発表では犠牲者を1人も出すことなく終息した。
【空を飛ぶ白銀の人型の機械】の活躍によって。
白銀の人型機は日本に降り注ぐミサイルの雨をその手に持つ、剣と粒子砲によって尽くを破壊した。
圧倒的なまでの力を示しつつ、犠牲者を1人も出すこともなかったこの人型機を人々は英雄と称え【白騎士】と呼んだ。
それに伴いこの事件も【白騎士事件】と呼称されるようになった。
この事件の後、政府にある人物からのメッセージが届けられた。
メッセージの送信者は当時高校生であった【篠ノ之束】と言った。
メッセージの内容は【白騎士】
正式名称【
【宇宙空間での活動を想定したマルチフォーム・スーツ】、そしてその可能性についてが公開されていた。
そして同じメッセージを世界中に送っている旨も記載されていた。
メッセージが世界中で確認されたと同時に、篠ノ之束から開発を促すために世界へ向けてISの核となる【コア】が合計467配布された。
日本はこれに対して、政府主導の下ISの研究を行うことを決定。
また他方面への応用についての研究も同時に進められることとなった。
同様の動きが世界中で実施され、世界は変化していく。
また白騎士事件では本当に犠牲者が全くでなかったのかネットの海の中では議論をかもし出すこともあった。
しかし犠牲者の目撃情報や遺族などの言葉も出てこないため時間が経つにつれて有耶無耶となってしまった。
――そして数年が経過した。
ISの用途は、本来の目的であった宇宙での活動、宇宙開発が遅々として進まないことから【軍事利用】にシフトしていた。
ISの軍事利用は【アラスカ条約】で禁止される事となったが、各国は暗黙の了解の下、ISの軍事利用を推進。
日本では純国産の量産型ISとして【打鉄】を開発した【倉持技研】がそのシェアを握っていた。
しかし【テスラ・ライヒ研究所】、【マオ・インダストリー】、【日出工業】等の有名企業がそのシェアを奪い返そうと日々技術の進歩が続いていた。
そしてISの普及に伴い、世界にはある思想が広がっていく。
それは【女尊男卑】の思想。
ISは女性しか動かすことができない。
故に女性のほうが男性より上の立場であると言う思想だ。
これに過剰に反応した女性権利団体のおかげで、女尊男卑の思想はあっという間に世間に広まってしまった。
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数年後 日本 緑川都立中学
時刻は夕方、日没の為か辺りは夕焼けに染まっていた。
そんな中、数百人は優に入場させる事のできる大きさの体育館の入口で、2人の学生服を着た男子生徒が会話をしていた。
1人は日本人としては珍しい緑髪で端正な顔の少年。
もう1人は同じく端正な顔の蒼い髪の少年だ。
「正樹先輩、また道に迷ったんですか?」
「ああ」
正樹と呼ばれた少年は日本人としては珍しい緑髪で端正なその顔に人懐っこそうな笑みを浮かべた。
身長は175cm程で、中学生では比較的大柄な体格だ。
後輩と思われる蒼い髪の少年がため息を付きつつ返す。
「ホント勘弁してくださいよ、何で3年通った学校で道に迷うんですか……。 卒業式の練習は今日で最後だったんですよ?」
「ホント悪かったって咲人……あ、やべ、時間がっ! んじゃ、俺用あるからっ!」
「あっ、ちょっ、先輩っ!? あー、もう、怒られるの俺なんですよぉ……」
咲人と呼ばれた少年が驚くが、すでに正樹は走り出していた。
かなりの速さで離れていく正樹を見て、咲人は深く肩を落とした。
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5分後 緑川都立中学 正門前
咲人と別れた正樹が鞄を抱えて、正門前で足を止める。
すると門の上にいた【黒猫】が彼の足元まで駆け寄ってくる。
それを見て、手に持った鞄の口を広げる。
すると黒猫は鞄の中に飛び込み、顔だけを鞄から出した。
そして正樹の顔を見て少々不機嫌そうに顔をゆがめた後――
『サキトには悪いことをしちゃったわね、マサキ』
人語を【黒猫】が発したのだ。
「んだよ、見てたのかよクロ……反省はしてるっての」
だが正樹は特に驚いた様子も見せずに、黒猫の言葉に返した。
まるでそれが【当然】の様に。
『全く……』
「今度ちゃんと謝っとくって……そんで【シロ】は?」
『シロは【テスラ研極東支部】よ、【簪】と一緒にいると思うニャ』
「りょーかい、んじゃ早速向かうぜ」
【クロ】と呼ばれた黒猫を収めた鞄を背負って正樹が歩き出す。
彼の持つ鞄には【安藤正樹】と刺繍が施されている。
「ようやく【IS】での【サイバスター】も形になったんだな」
『【魔装機】とは勝手が全然違うのに、色々と制限はあるとは言えまさか【魔装機神】を再現するニャんてね、流石【ウェンディ】……っと今は簪ね』
「だな」
いつも通っている通学路を歩きつつ、正樹の言葉にクロが返す。
下校時間であるが周りにほかの生徒は見えないため、遠慮なく会話することができている。
「しっかし……まさか死んだ後に学生として生活することになるとは思わねーよなぁ」
『マサキ、それ、何度目ニャ?』
「ほっとけ」
【安藤正樹】――いや、【マサキ・アンドー】は自身の
彼の記憶では、【新西暦】と呼ばれる時代が自身が生きていた時代なのだ。
【銀河大戦】と呼ばれる大戦が終結した後、地底世界【ラ・ギアス】の【神聖ラングラン王国】に帰還したマサキは【魔装機神操者】としての務めと、度重なる大戦で傷ついた国を守る責務をその命が尽きるまで果たした。
そして命が尽き、仲間達の見守る中、安らかなる眠りが訪れるはずであった。
――のだが、目を覚ましてみると自身は10歳の少年となっていたのだ。
しかも、テロ行為によって失われた両親も健在ときている。
生来の方向音痴で様々な【異世界】に転移したこともある彼であったが、流石に死んだはずの自分が少年になっているのには仰天した。
ある程度落ち着いたところで、調査を行ってみたところ、どうやら自身が生まれ変わった事と今いる世界が完全な別世界であることが分かった。
新西暦世界では【
閑話休題
「……さて、簪待たせるのも悪いし、急ぐぜ、クロっ!」
『ニャッ!? マサキ、急に走り出すのはやめてニャ!?』
正樹が走り出したため、担いでいた鞄が揺らされた事にクロが悲鳴を上げる。
それに悪い悪いと苦笑しつつも、正樹は目的地である【テスラ・ライヒ研究所極東支部】を目指して走り出した。
テスラ・ライヒ研究所、新西暦世界と同じく最先端の科学技術を扱う企業である。
この世界ではAMやPTではなく【IS】と呼ばれるマルチフォームスーツの開発/研究を主に行っている。
――このISには女性しか搭乗できないという欠点があるが、何事にも【例外】というものは存在しているものだ。
彼の運命が再び【戦い】に向かうまで――すでに数時間を切っていた。
ユの字「再有生と言う便利な言葉を出したのも……私だぁああああ」
OGMDでサイバスターに色々とフラグが建ってたけど性能が……横にいつでもネオ化できるグランゾンがいるせいでどうしても……。
第3次OGは久保やサキト君、W組と凄い楽しみな要素が目白押し。
サイバスターは精霊復活イベントがほぼ確定してるしあわよくばポゼッションも、そしてアサキムだって来るかもしれないし、第3次OGはよ…はよ…。
次回予告
風が呼んでいる、いつか聞いたあの声が――
「熱風! 疾風! サイバスター」