アクロス、テ―ロスというこの次元において人が生活する数多くある街の一つであり、この場所には犯罪者が投獄される刑務所がある。犯罪者はその場所で一定期間の労働を行い、晴れて放免となった暁にはその労働に見合った対価を渡され在る程度の資金を元手に新たな生活を開始する事になる。
仕事内容は様々で、家々を構成する石材を切りだしたり、開拓地域の荒れた部分を清掃したりと様々な雑務を請け負う事になる。
その雑務に従事する人々の中に、二人の男の姿が見えた。
一人は少年、キテオンという名で知られるその少年は今、木製の機械を動かして運搬の手伝いをしていた。重く足腰に負担の掛かる仕事ではあるがサボれば鞭打ち、酷ければ独居房で反省を強いられるのだから傍目を気にして真面目を装い従事している。
そして、その少年の背後で今しがた砂袋を三重にして抱え、顔や肌が汚れる事を厭わずに人力の仕事に従事する者こそ衛宮士郎だ。
「まったく…アンタの所為だぜ、捕まったの」
何度目かになるキテオンからの文句に、肩に担いだ砂袋を調整しながら士郎は嘆息した。
「またその話か…私とて、突然この世界に放りだされて身よりも無く困っているのだから、少しは言葉を選んで欲しい物だ」
周りの囚人が元気な奴らだと感想を持つのも仕方の無い事、この刑務所に入れられて早三日、キテオンと士郎はこのやり取りを毎日の様に繰り広げていた。二人は明らかに互いを貶し合うというのに、何処か仲の良さそうにも見えるその関係性は不思議な物だった。
「(まったく…アハト翁の言う事を真に受けた結果がこれだ。この世界は何だ?マナに満ちていて魔術を行使するのが非常に楽なのは助かるが、地球上の何処でも無い…それに)」
衛宮士郎は困惑していた。自身が置かれた状況、それは囚人というあらぬ罪によって投獄された結果だ。
「(身分の証明をしろなどいきなり言われて…出来る訳も無かろうに…)」
身元不明、間諜として疑われ投獄された士郎は何度も尋問され同じ牢のキテオンには愚痴を叩かれ、精神的に参り始めていた。
とはいえ、キテオンとの関係性が嫌いなわけでは無い、憎まれ口を叩きながらも自身の反省を忘れないキテオンの前向きさは、今の士郎に活力を与えた。
「第一陣!休憩時間だ!」
従事を監督する監査官からの言葉で、囚人達は作業を中止して思い思いの場所へと腰を掛けた。
士郎とキテオンも他に漏れず、日陰を見つけると置かれたままになっている石材に腰掛けて配給されている水袋で喉を潤した。
「くそ…疲れた…」
キテオンの悪態に士郎は言葉にし無いながらも賛同し、自分の持つ水袋をキテオンに渡した。キテオンは水袋を受け取って自分の水袋を振ってみると、何故士郎が気が付いたのかは分からないが空になっている事を知った。
「ありがとよ…ほんと、アンタは不思議な奴だよな、本能的に悪いヤツじゃないってのは分かるんだけどさ」
「ふん…君こそ何故衛兵に追われていたのか分からぬ程に善意の心を感じるが」
「生きる為だよ、俺も含めて、生きて行く為に必要だったんだ」
吐き捨てるように投げたキテオンの言葉に士郎は眉を動かした。
「生きる為ならば仕方あるまい、自分の成した行動に意味が明確に定められるのならば間違いはないさ」
「…変わった奴だな」
二人は日陰で涼みながら、互いに下らない事を話し合った。
十三歳のキテオンと二十を超える士郎の会話はミスマッチでありながら、キテオンは士郎から様々な事を教えてもらい吸収していった。
そこへ、一人の人物が声を掛けた。
「よぉキテオン、俺のリーダー、元気に従事してるか」
褐色肌の男、士郎のソレと比べるとより濃く。生まれからの色である事が窺える。
「ドラサス、どうしたんだよこっちまで来て」
男の名はドラサス、キテオンの旧知であり、キテオンが市街で構成しているキテオン不正規軍の一人だ。キテオンとは三つ歳が離れており、ドラサスは三年も前からこの刑務所で従事している。癇癪持ちである彼は衛兵の一人とやり合ってしまい、その際にお縄に付いた。
「なに、お前らを良く思って無いヤツがいるんでな、注意をしにきたんだよ」
忠告、その為に来たという割にドラサスは陽気に言った。この刑務所にも派閥はある。キテオンと士郎の二人は入ったばかりが故に詳しくは知らないが幾つにも別れ、現在の休憩時間であっても派閥ごとに場所を分けて休憩している事が窺えた。
「ドラサス、そんな事をして君は平気なのか」
「心配してもらわなくても平気だぜ士郎さん、俺は前から一匹オオカミ、俺のリーダーはコイツだけなんでね」
飄々と風に揺られる紙片の様な気質のドラサスの答えは、それでいて一本気のある男前な物だった。
「それで、俺達を良く思って無いって、目立つ様な事をした覚えも無いけど」
「あぁ、下らない貢物さ、お前らリストスに貢物してないだろ」
「リストス?」
ドラサスもまた二人の横に腰を降ろすと、何処に隠し持っていたのか乾燥した肉を取り出して口の中に放った。キテオンが唾を飲み込む音が聞こえ、ドラサスは満足気に話しを続けた。
「そう、ここの看守長の名前は分かるか?」
「確か、ヒクサスと言ったか」
うろ覚えの記憶を手繰り寄せて、士郎は強面の男を連想した。刑務所に連れて来られて一番最初に演説染みた事を行った男だ。眼に曇りが無く。不正や欺瞞とは無関係であることが窺える看守長として職を任せられている事も頷ける芯の通った男だ。
だが、その名はヒクサス、それがリストスとどう関係してくるのかが分からなかった。
「正解、全体の権限を持っているのはヒクサスに違い無いんだがな、俺達、囚人に対しての絶対者ってなると話しは違ってくる。法の番人であるヒクサスと違って、力の番人とでもいうのかな、同じ囚人何だが、恵まれた体躯と異常なまでのセンスで牛耳っている奴がいる…それが」
「リストスってワケか」
ヒクサス、看守長は全てを統括していて、様々な業務を行っている。それが為に、囚人達の実質的な様子までを知っている訳では無い、そうした事は全て下の者が管理している。
リストス、囚人の中で自ら王を名乗る尊大にして傲慢な男、持って生まれた魔力を使用して理不尽なまでの暴力で支配をしている。
本来であれば、看守長よりも下の者達であろうともリストスの様な存在は見過ごせない、しかし、リストスは暴力は振るえども無作為にという訳では無い、彼は統治をしているのだ。この狭い刑務所の中で囚人達を統治し、揉め事が極力少ない様に尽力している。
「そう、そのリストスへの貢物、お前らした事無いだろ」
その統治の一環が上下関係を分からせる為の配給物資の貢物である。
かつて、リストスはドラサス、今二人の目の前にいる青年と諍いを起こした事があった。その際にドラサスは派手にやられ、それ以来あまり目立った行動が出来ずにいた。
だが、ドラサスは知っていた。自身の所属する不正規軍のリーダーたる少年の強さを、キテオン・イオラ、その少年が持つ強かなる戦いを。
「あぁ、何故労働の対価を他人に開け渡さねばならない」
「士郎の言う通りだぜ、働いた分を食うのは社会の…ルールだろ」
ふと、自分の捕まった理由を省みて言葉を濁したキテオンに士郎は苦笑し、後頭部を掻いてどうしたものかと悩むドラサスに頷いてみせた。
「とはいえ、そうした野蛮な輩がいる事を知れたのは助かる。感謝するよドラサス」
「いいってことよ…というよりも、アンタ誰だ?街で見た事無いが新しい仲間か?」
自己紹介を欠いていた事に気付いた士郎は頬を掻いて空を見た。鷹が一羽、まるで囚われの身である彼等に自身の自由を見せつけるが如く飛んでいた。
「私は衛宮、衛宮士郎だ…すまない、挨拶を忘れていたな」
「士郎だな、俺はキテオンの仲間のドラサス、此処は長いから何か困った事があったら言ってくれ、力に慣れると思うぜ、それじゃあな」
去っていくドラサスの立てる砂を蹴る音がリズムを奏でる様に軽快で、キテオンは過去の仲間が上手くやっていることに安心して無意識に口元が緩んでいた。傍でそれを見る士郎も釣られて笑みを零し、誤魔化す様にして水袋を口元に運びソレを隠した。
炎天下の従事中であることを忘れさせる穏やかなひと時、それを打ち壊す足音がドラサスと入れ替わりにやってきた。
髪を剃り上げた輝かしい男だ。輝きを放つ頭部には傷が刻まれており、痛々しくも格好良さのワンポイントとして機能している。その手には籠を持っており、中には半分にされたパンが幾つも入っている。食べ盛りはとうに過ぎたであろう年齢でありながら何故それほどまでにパンを抱えているのか、士郎とキテオンは訝しみながら近づいてくる男に注意を払った。
「もうすぐで貢物の時間だ新入り!分かってんだろうな…」
思わず顔を見合わせた士郎とキテオンは互いに苦笑した。沼地にいる蛙ですら噂をしてからこうも早くに鳴き声を上げはしない。
貢物の時間、ということはもうすぐで配給が始まるのだろう。士郎とキテオンは剃り上げを残してその場から去り、既に出来ていた配給の行列に並んだ。
「おい見ろよ士郎、配給の行列の横、段々と小さな列が出来ていってるぜ」
見れば、先程の剃り上げの男が列を管理するかの如く正面に立ち、先程抱えていた籠に他の者から配給物資を徴収している。囚人達は配給で受け取ったパンを半分に千切り、それを籠の中へと放り投げている。
「さてキテオン、君はどうする?」
「馬鹿らしい、あんなもん入れるかよ」
「同感だ」
配給物資を受け取った二人は先程の日陰へと戻る為に足を向けた。しかし、剃り上げの仲間と思われる男がその二人の眼前に立ち塞がった。
「おい待てよ新入り、貢物だよ貢物、忘れてねぇか」
弁論者の様に身振りを踏まえて声を大にする男に、キテオンと士郎は囚人よりも宗教家が向いているのではと共通の認識を抱いた。同時に、大きく溜息を吐いて互いに眼で合図を出した。息の合う相手を見つけたとキテオンは喜び、士郎もまた同じ意見を持ち頷きを返した。
「貢物貢物って、ソレをした所で何かあるのか?」
キテオンの直球な質問に、弁論者は眉を寄せた。その皺に細い木の棒ならば挟む事が出来そうだと士郎は想像し少し笑みを零した。
「黙れ小僧、生意気な口を聞いてるんじゃあ無い、その喉に蹴りを入れられたいか、王は貢物をご所望だ」
「(そんな答えを返すのなら入れろよ)」
とキテオンは感想を持ったが、言葉にして相手を成長させてやるのも馬鹿だろうと口を噤んだ。しかし、王という言葉に反応する男が居た。
「王だと…お前がリストスか?」
「あぁ?」
「いや、そんなハズは無いか…お前の背後にいるあの男がそうなのだろうな」
「ぐっ…そうだよ、分かったら貢物を寄越しやがれ」
背後を見て奥場を砕くほどに噛み締めた。悔しさの滲み出た顔は歪められ、今ならば日本の扇子を眉の間に挟む事が出来そうだ。
腕を伸ばし無理やりにキテオンのパンが入った袋を奪い取り、背後から近付いて来た籠を持った男へと投げ渡した。
しかし、そのパンが籠の中に入るよりも素早くキテオンは剃り上げの向う脛に蹴りを入れた。
苦悶に表情を歪めて声を荒げる剃り上げが反撃するよりも速く。その顔面に向けて素早く突きを入れた。身体の中をエネルギーが駆け巡り、キテオンは笑みを浮かべた。戦いの中に身を置いた事で彼の身体は空腹を忘れ、浮かび上がってくる拳の痛みを忘れさせた。
「テメェの頭蓋骨でワインを飲んでやる!」
剃り上げの荒げた声を無視してキテオンは相手を分析した。
「(こいつもアクロスの街の路地にいる悪漢と何も変わらない、牢獄生活の長いゴロツキ野郎が!)」
喋るよりも手を動かせ、それを言葉にする時間すら惜しみ追撃の拳を叩きこんだ。剃り上げの上体が大きく後ろに仰け反り、好機と見たキテオンは大きく踏み込んで腕を目一杯伸ばして鼻っ柱を叩き折った。
ゆっくりと後ろへ倒れていく剃り上げは遂に地面に横たわり、白眼を剥いて身体を痙攣させた。
「はぁ…」
背後で士郎の溜息が聞こえ、キテオンは図らずとも巻き込んだ事に気が付いた。への字に口を曲げた士郎の顔が頭に浮かび、なんだかんだで文句を言ってくるだけだろうと前向きに考える事にした。
視線を走らせてリスリトを探すと、その恵まれた体躯をした男はゆっくりとこちらに歩み寄ってきているだけで未だに見る姿勢である事が分かった。それはつまり、リスリトの配下が向かってきている事だとキテオンは気が付いた。
「(どこに―――!?)」
周囲を確認しようとした所で、キテオンの意識が彼の鼻と一緒に横から殴られた。空の彼方へ飛んで行きそうになる意識を手繰り寄せて、踏鞴を踏みながらも何とか堪えて持ち直した。
気が付けば周囲を悪漢が囲んでおり、傍目から見てもキテオンの勝利は絶望的だ。
しかし、獰猛な笑みを見せた。
狼や獅子とは違う。より明確な知性を持った人間が見せる笑みだ。
身体を走るエネルギーが痛みを忘れさせる。キテオンはそれが自身の魔術の源泉であるだろうと気が付いていた。キテオン自身、魔術という物を誰かに師事して学んだ事は無かった。だが、身体を動かしやすくしたり、傷を癒すという魔術を学ばずとも戦いの中で習得した。
天性、それがキテオンには備わっていた。
「士郎、俺は周りをやる!一番デカイ獲物はアンタに任せた!」
まるで舞いを躍るダンサーの様にキテオンは跳び出すと、一番近くに居た悪漢の顔面に蹴りを入れてアクロバティックな着地を決めて再びその拳を振るった。
勝手ながらも任された士郎は、悪漢の囲いをなぎ倒しながら突破するとリスリトの正面に立った。
「…叫んでいたから聞こえていただろう。どうにもそういう訳なのでな、私がキテオンに手を貸してやる義理も無いが、フッ…どうやら私はあの少年の味方をしたいと考えているらしい、相手をして貰うぞ」
眼前に立ち塞がる巨漢を前に、士郎は構えを取らずに拳を強く握った。だが、一方のリストスはそれなりの者だったが為に、自身との力量差をすぐさま感じ取った。
「(悔しいが勝てねぇ…腕力じゃ負けてる。だったら、やるしかねぇ)」
突然、リストスの身体から黒い靄が吹き出た。それが魔力であると気が付くのに時間は掛からなかった。
「テメェが誰なのかは知らねぇが、自称異世界人だって言うじゃねぇか」
「自称というよりも私が此処に居る時点で実証された事だと思うのだが?」
「うるせぇ!今はそんな事を聞いているんじゃねぇ…俺が言いたいのは、戦いってのは拳だけでする物じゃねぇんだぜって事だよ!」
そして、世界が白に染まった。
白、プリントに使う用紙の様な白さをしている。何も無い空間に突然放り出された。しかし、以前の様に別の世界へ移動したのとは訳が違うのだと士郎は理解した。何故なら、眼前にリストスは今もなお立ち塞がっているのだから。
「チッ…魔力は持ってやがるのか、だがこの戦い方は知らないだろ!己の心象を具現化し、カードを成して戦う。この精神空間を舞台として外の時間とは切り離された中で闘争を繰り広げる。それが今から俺達はやる―――
並べられた言葉の羅列から、士郎は理解に務めた。
「(成程…この世界の戦い方みたいな物か、その
その疑問に答えるが如く。リストスは言葉を並べた。
「此処で勝てば相手の心身共にかなりの負荷を掛けられる。中には
士郎にとっては非常に理解のし易い説明、そして僻みとしか取れない理由に一瞬感情を忘れながらも士郎はリスリトの挙動を注視した。カードを具現化する方法も
「Magic!」
リストスの全身を魔力が走り抜けたと思いきや、咆哮に応える様にして、カードの束が闇の靄に包まれてリストスの眼前に現れた。
「
真似をする様に魔力回路を起動し、士郎も声高々に叫び自身の心象を求めた。
しかし、カードの束は現れない。
「ぷっ…あははははは!猿真似野郎が、カードも出せねぇのかよ、そんなんじゃ俺のターンがずっと続くだけになるぜぇ!」
「ターン制か、良い事を聞いた…だが」
実際、カードを出現させられなければこの空間ではどうしようも無い事にも気が付いた。カードの現象化と同時に剣を投影しようと試みたが、それすらも叶わず。自身が今立っている不思議な場所の周辺を解析してみた所、踏み入れば自身の精神に崩壊を招く危険性すらある事が分かった。
「(…どうすれば、いい)」
キテオンがいれば…そんな考えが頭を過り、今は彼も外で頑張っているのだと自身を奮わせた。
そして、一つの言葉が脳裏を過った。
『衛宮士郎、望め…さすれば開かれん』
何故、このタイミングでアハト翁の言葉を思い出したのか士郎には分からなかった。だが、現在の状況を打開するには充分な助言だと心中で感謝した。
「(望め――この場で戦う為の力を、今を切り開く強さを)」
再度、全身に魔力を行き渡らせ、確かな望みを持って再度吼える。
「Magic!」
飛来、空中から剣が飛来した。
士郎の眼前に突き刺さったその剣は鋭く柄の細さは実戦に足ると思えぬ程の物、求めた物では無くとも確かな力を感じた。
添える。
柄に指を添えた。寿司を手で食べる時の様に人差し指と中指、そして親指で支えて剣を引き抜いた。存在を確かめる様に士郎は剣を横へと振るう。そして、剣はその在り方を、姿を変えた。
剣の軌跡は光の粒子を残し、その粒子が剣そのものだと士郎には分かった。粒子となり小さくなったハズの剣、しかし、士郎のその手に存在するのは剣では無く。
「これが、カードか」
紙では無い、プラスチックでも無い、鉄でもダイヤでも無い、全く知らない素材で出来たカードの束がそこにはあった。
戦う術、それを手に入れた士郎は心の中に安堵が満ちるのを感じていた。
「(少しばかり焦っていたのかもしれんな…だが、もう大丈夫だ)」
戦う為の物であるならば、どの様な形をしていようともそれが衛宮士郎にとって剣である事に変わりは無い。
「準備は出来たぞ、自称王…私の剣の切れ味を教えてやろう」
挑発的な言葉に、リストスは額に血管を浮き上がらせながらも三白眼に力を込めて睨みを利かせてきた。
「チッ…ともあれ、経験不足のテメェと俺じゃどっちが有利なのかは分かり切った事だ」
「それはどうかな、幾多の戦場を超えた私に貴様が勝てるとでも?」
「ふざけんじゃねぇ、俺はこの獄の王だ!テメェなんぞに負けるはずも無ぇ!」
「大きな言葉を吐くだけでは実力の証明にはならんよ」
「いいぜ、今から見せてやる!叫びな、それが戦いの合図になる。分かんだろ言わなくても、さぁやろうぜ!」
壮絶なる掛け合いの後、放たれる言葉はただ一つ。
「「
今日の更新はここまで、次回からデュエル回です。
今回のあらすじ
キテオンは街において自身やドラサスを含めた身元の定かでない少年達でキテオンの不正規軍を作って日々を生きる為に活動していた。そこへ士郎が現れて驚き足が止まっていた所為で捕まってしまい、一緒に牢の獄へ、刑務所の中で不正規軍の一人にして既に捕まってしまっていたドラサスに出会いリスリトという刑務所の番長みたいな阿保の危険性を告げられ、よもや忠告とは何だったのか眼を付けられ騒動に勃発、キテオンが悪漢達を圧倒する中で、士郎に腕力では勝てないと感じたリスリトはこの世界において当然となっているカードを使用した決闘で勝負を挑むのであった。
捕捉2
決闘中に2人がいるのは互いの精神を同調させて作り上げた空間、心象をカードにするという言葉の通り、精神世界においてはカードの効果などが立体的にというか、ほぼ現実的に作用する。なのでクリーチャーも出てくるし、土地も周辺に影響を与えたりする。これが書くの難しい、けど楽しい。