Fate of the Magic   作:スペイン

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Fase.4 決闘~リストス その2~

3ターン目

 

士郎 手札5枚 墓地1枚 LP18

土地 山 山(タップ)

盤面 【ゴブリンの栄光追い 高名1(発動中)威迫(発動可)2/2】

 

 

リスリト 手札3枚 墓地1枚 LP19

土地 沼 沼 沼(全タップ)

盤面 【グールの戦墓 2/2】 

   【ハグラへの撤退】

 

 硫黄に似た。しかし確実に違う臭いが辺りを漂っている。集中を欠く様なその臭いに士郎は辟易としながらも、進んでいく決闘(デュエル)の流れを把握しようと務めた。対するリストスは、そんな事はお構い無しと言わんがばかりに唾を散らしながら宣言をする。

 

「俺のバトルフェイズ!戦墓のグールでテメェの面へ攻撃だ!」

「ブロックはしない、来い」

 

 飛び掛かってくる戦墓のグールに対してブロックの宣言はせず、ライフで受けた士郎は戦墓のグールによって顔を強く抉られた。しかし、実際に怪我をしている訳では無い、その痛みだけが襲い来る。

 

「ぐぅ…」18→16

 

 残りのライフは16、このライフの何処からがデッドゾーンに差し掛かるのか分からない士郎は常に危機感を持って戦っている。その研ぎ澄まされた集中力は常にリスリトの肌に鍛冶場の様な熱を感じさせていた。

 

「さぁ、俺のターンは終わりだぜ、地獄の一歩手前を楽しみな」

 

 手を気色悪く動かしながら促してくるリスリトに苛立ちを覚えながら士郎は山札からカードを引き寄せた。

 

「場のカードをアンタップし、ドロー…なるほど、これは面白い」

 

 士郎はその手からカードを足元に、突き刺さったカードがその場に影響し、士郎の背後の火山帯がさらに遠くへと追いやられ、士郎の周辺は平らな土地が広がった。何処からか出現した輝かしいまでの太陽がその平地を照らしだし、目の前の陰鬱な景色と比べて対照的な絵面となった。

 

「平地をセット…平地と山から2マナを呼び、立ち上がれ前兆の壁!」

 

 両者の間、隔てる形で地面から岩石が隆起した。そして、段々と付着している岩が崩れ落ちて行き最後にははじけ飛び白磁の壁が姿を現した。

 

【前兆の壁 (1)(白) クリ―チャ―・壁

防衛(このクリ―チャ―は攻撃する事は出来ず。ブロックフェイズ時に敵クリ―チャ―によるアタックをブロックすることが出来る。)

前兆の壁が戦場に出たとき、カードを1枚引く。 0/4】

 

「壁…防御に徹したクリ―チャ―カードか、良い物を引き当てやがって、テメェの敗北の前兆か?」

「違うな、これは貴様の敗北の前兆だ。効果により一枚、カードを山札からドローする。とはいえ、これでは相手の場が見えないな…と、成程、都合の良いシステムをしている」

 

 カードを一枚引いて手札に加えた後、つまりは効果が解決されたその時に前兆の壁は存在こそしているが段々と透け始め、両者が視認出来る程度に透明化した。

 

「俺の敗北?すぐにその壁を消してやるよ、頑丈だろうがソイツが消える時がテメェの敗北の瞬間だ」

「よく吠える…さて、それではバトルフェイズだ。ゴブリンの栄光追い、頼む」

 

 駆け出したゴブリンの栄光追いは前兆の壁をよじ登り、その壁上から飛び降りてリスリトへと斬り掛かる。

 

「ぐぉ…お、おい、さっきより全然痛いじゃねぇか」LP19→17

「そこは知らんよ、1/1から2/2に上がっているからじゃないか?」

「あー…そういや、クリ―チャ―の動きによってライフに喰らうダメージは同じなのに痛みが違うとかってのを聞いた事があるな」 

「難儀な…」

 

 バック転をしながら壁上に戻ったゴブリンの栄光追いが誇らしげに鼻から息を出している様子は、その痛みの違いを理解して今の行動を取った事を示していた。

 

「おい、テメェのクリ―チャ―性格悪くねぇか!?」

「それこそ知らんよ…私に言われても困る。ターンエンドだ」

「チッ…アンタップし、ドロー!生意気な褐色野郎が、生き地獄を味合わせてやる!3マナ解放、ハグラへの撤退をもう一枚追加だ!」

 

【ハグラへの撤退 (2)(黒) エンチャント

 上陸―土地がつあなたのコントロール下で戦場に出るたび、以下から1つを選ぶ。

 ・クリ―チャ―1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+0の修正を受けるとともに接死を得る。

 ・各対戦相手はそれぞれ1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。】

 

「2枚目…だと!?」

「そして沼をセット、選ぶ効果は勿論2番目だ!ライフドレイン!!」

 

 セットされた沼のカード、その到来を喜ぶかの様にバラクの腰元にあるハグラへの撤退のカードが震え出し、何事かと身構えた士郎へとカードから飛び出した紫紺の腕が襲い掛かった。

 

「ぬ…」

 

 咄嗟に腕で身体の前面を防いだ士郎だったが、紫紺の腕はそんなことは関係無いと言わんガばかりに勢い良く士郎の身体をすり抜けた。

 

「何が…うおっ!?」

 

 何も起きていない、そう思った矢先、士郎の身体を強烈な倦怠感が襲った。まるで、精神に直接作用したと思わせる程に実感が湧く効果だった。

 そして、対する様にリスリトは悦に浸った表情を浮かべていた。強面の所為もあって非常に不気味な様相を呈しているが封印指定されてもおかしくない絵面だった。

 

「(くっ…今の倦怠感よりもその後に見た光景の方がダメージがデカイ…)」LP16→14

「はぁぁあぁあぁあ、やっぱり相手のライフを吸い取る時は最高に気持ちが良いぜ」LP17→19

 

 戦墓のグールが身体を小刻みに震わせて笑う様な動作をしているのは気持ち悪さからなのか、それともプレイヤーの感情に共感しているからなのか、どちらにせよ二つ揃って気持ちの悪い光景だ。

 

「バトルは行わずにターンエンド、さぁ、毎ターン俺に貢物を捧げな!地獄は始まったばかりだぜぇ!」

 

 決闘(デュエル)は1ターンごとに進行する。それを1ターン毎に命を削られる残酷な物だと捉えるか、猶予を持たされる優しい時間と考えるかは人による。しかし、中には絶望的な状況でなお自身を信じて勝利を渇望する者もいるのだ。衛宮士郎の様に。

 

「地獄だと…?この程度の状況を地獄と呼ぶのなら、私が経験してきた災禍は奈落とでも称した所か…だが、心象を具現化するというのなら、より規模の大きな地獄でこの底なしの沼を消し去ってくれる!アンタップ、ドロー!!」

 

 鋭い眼で引き当てたカードを確認し、士郎は笑みを浮かべた。そう。キテオンという少年と同じ様に、獰猛な笑みを。

 

「まずは平地をセット、そして山から2マナ、平地から1マナで3マナを開放し地獄を展開する!」

 

 何処からか、焔が吹き荒れた。そして共に、温泉地などで嗅ぐ事のある臭いも充満し始める。

 

「硫黄の渦!」

 

【硫黄の渦 (1)(赤)(赤) エンチャント

 各プレイヤーのアップキープの開始時に、硫黄の渦はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。

 プレイヤーがライフを得る場合、そのプレイヤーは代わりに1点のライフも得ない。】

 

 二人を囲むように現れた焔は渦を描きながら天へと昇り、上空まで脱出不可能な檻を作り出した。

 

「ば、馬鹿な、テメェは俺が土地を置くだけで2点削られるってのに、ライフの回復まで出来なくするなんて頭がおかしいんじゃねぇのか!?」

「だがこれで、貴様もライフの回復は出来まい」

「なっ…!?」

 

 損得の勘定、それは個々人によって違った物になってくるのは当然であり、衛宮士郎の場合は最終的な勝利にこそ得があるとこの場面で見出した。結果、そこに至るまでに負うであろう傷を良しとした。それまでの事だった。

 

「(野郎の残り手札は4枚、そこに何かが隠されているのだとしたら、この状況は一瞬で逆転が可能な場に変化する!よりにもよって野郎は赤、ふざけた程の火力を引き当てる可能性もある…だとすれば代償を必要とするカードの多い俺は不利になる…この野郎、本当に初心者かよ!?)」

「バトルフェイズだ!ゴブリンの栄光追いで攻撃を仕掛ける!」

「ふざけんじゃねぇ!戦墓のグールでブロックだ!ライフを減らされちゃたまったもんじゃ無ぇ!」

 

 先程と同じ様に飛び掛かるゴブリンの栄光追いに対して、関節が、そして皮膚に制限が無いのか腕を伸ばして宙にいるゴブリンの栄光追いを戦墓のグールは捕まえに掛かった。

 だが、その戦墓のグールの胸元を一振りの刃が貫いた。

 

 誰かが刺したのでは無く。何処からか射出されたその刃は白い輝きを放っていた。

 

「インスタント発動、貴様のブロック宣言に対して正義の一撃を発動する」

 

【正義の一撃 (白) インスタント

 攻撃かブロックしているクリ―チャー1体を対象とする。正義の一撃はそれに2点のダメージを与える。】

 

 何とか抵抗しようと手を伸ばそうとする戦墓のグールだったが、システムには敵わず指先から黒い靄へ変わるとリストスのデッキ横に浮かぶ墓地と思しき場所へと収まった。

 

「なっ、ばっ、馬鹿なぁ!!?」

「振り下ろせ、ゴブリンの栄光追い!」

 

 邪魔する者は何も居ない、ゴブリンの栄光追いは最高の勢いと最高の気分で手に持った刃を以てしてリスリトのライフを切り裂いた。

 

「ぐぁあぁあ!!」LP19→17

「ターンエンドだ」

 

「あ、アンタップ、ぐぅっ!?」LP17→15

 身体の痛みを抑えながら、リストスは自身のカード達をアンタップし、硫黄の渦による炎が身体を熱で苦しめた。

「ドローだ…まぁいい、3マナで骨読みを発動するぞ」LP15→13

 

【骨読み (2)(黒) ソーサリー

 占術2を行い、その後カードを2枚引く。あなたは2点のライフを失う。(占術2を行うには、あなたのライブラリの一番上から2枚のカードを見て、そのうちの望む枚数のカードを望む順番であなたのライブラリーの一番下に置き、残りを望む順番で一番上に置く)】

 

 山札から2枚のカードがリストスの前に浮き、それ等を値踏みする視線で見た後で片方のカードに小さく触れた。触れられたカードは山札の一番下へ送られ、残された1枚のカードと山札の一番上のカードがリストスの集中に収まった。

 

「中々に良いカードが引けたな…俺は沼をセットしてテメェのライフを2点失わせ、追加でこのカードを発動する」

 再度、カードから飛び出した腕が士郎を通り抜け倦怠感を与えられるが、一度喰らった攻撃という事もあり覚悟をしていたお陰でそれ程までに精神的なダメージは無かった。

「む…」LP14→12

 

【再活性 (黒) ソーサリー

 墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。あなたは、その点数で見たマナ・コストに等しい点数のライフを失う。】

 

「俺の墓地から血の公証人を蘇らせる」LP13→11

 

 黒い地面から腕が飛び出し、映画のワンシーンの様にそこから血の公証人が這い上がった。その劇的な光景に思わず少し興奮した士郎は感謝を言いたくなったが皮肉にしか聞こえないだろうと止めておいた。

 

「さらに最後の手札でよろめく機関を発動、墓地の戦墓のグールを指定し追放、ゾンビ・クリーチャー・トークンを戦場に起き上がらせる」LP11→11(硫黄の渦の効果で回復効果は破棄)

 

【よろめく帰還 (黒) ソーサリー

 墓地からクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。あなたは2点のライフを得る。】

 

 またも地面から這い出た腕、さらにその外見はホラー映画に出てくるゾンビそのもの、ハリウッドでもこうは質感を再現出来ないと評価したくなる程に映画的な演出だ。

 だが、感動していられる状況では無い、気が付けば場は元通り、さらにリストスの手札が無くなったことから血の公証人が効果を発揮するタイミングが出来上がったという訳だ。

 

「さぁ、俺のターンは終了だ」

 

「(場だけを見れば私の所に0/4と2/2のクリーチャーが、リストスの場には2/1と2/2のクリーチャー、お互いがライフを毎ターン2ずつ削られ、互いのライフは私が12に奴が11、ライフの回復が出来ない現状、此処からの逆転は不可能だと思えるが…私の方がこの決闘(デュエル)についての知識は疎い、油断は出来んな)」

 

 手札まで見てみれば士郎は3枚、リスリトは0枚、土地の数は士郎が4枚、リスリトが5枚、どちらに優位性があるかと問われれば大多数が士郎と答えるだろう。

 

「アンタップし…くっ、ドロー!」LP12→10

 

 硫黄の渦が肌を舐めるが、焔の熱さは士郎のこれまで体感した事がある最も恐ろしく。最も心を焚き付ける物と比べればどうということは無かった。

 

「平地をセット、平地から2マナ、山から1マナを出して剣歯虎を召喚する」

 

 背後の火山帯から何かが岩肌を飛び跳ねながら向かってくる。縞模様を持ち、その双眸は野生を宿している。虎の姿をしたクリ―チャ―が士郎の下へと駆け付けた。

 

【剣歯虎 (2)(赤) クリーチャー・猫

 先制攻撃(このクリーチャーの戦闘ダメージの計算時、通常の計算よりも先にこのクリーチャーのパワーと同じ値を対象となった相手へと与える。)】

 

「ゴブリンの高名追いで攻撃を仕掛ける!威迫の効果でブロックするには2体のクリ―チャ―が必要になるが、どうする?」

「ふん、通すさ」LP11→9

 

 不思議な余裕を見せるリスリトに、士郎は表現のしようが無い不気味さを感じた。

 未知、何をしてくるのか分からないという人がかつて闇を恐れていた時と同じ恐怖や不安を士郎は感じていた。

 

「私のターンは…終了だ」

「アップキープ…くっ、血の公証人の効果も解消し、2枚ドロー!」LP9→6

 

 硫黄の渦に焼かれながら何を引いたのか、リスリトはこちらに三日月を思わせる笑みを向けると、手に持ったカードを足元へと叩きつけた。

 そしてそこから、ローブを纏った骸骨が現れ黒い靄をその手から生み出した。

 

「さぁ、目を抉り抜いて黒い穴からよぉく見やがれ、王の降臨の儀式だ!まず暗黒の儀式を発動する!」

 

【暗黒の儀式 (黒) ソーサリー

 あなたのマナプールに(黒)(黒)(黒)を加える。】

 

「マナを生み出す…ソーサリー!?」

「ソーサリーについては説明して無かったな、こいつは基本的に自分のターン中にのみ唱えられる呪文の事さ、そして…生み出された黒マナ3つと、俺が元から持っている黒マナ4つ、合わせて7つ!」

 

 黒い土地、リストスの支配する空間が段々と歪み始める。いや、割れているのか、それすらも区別がつかない程に混沌とし、支配する2体のクリーチャーは何かを崇めるかのように膝を折って頭を垂れている。

 

「ははははは!テメェさっき奈落がどうのとか言ってやがったな、拝ませてやるよ本当の奈落って奴を!我が王、我が化身、紅き体躯は血濡れの証、奈落より生まれし暴虐の王!力の王!」

 

 腕、太く血管が走るその腕が大地を砕いて現れた。そして空間を掴み、大地の底、奈落よりその姿を段々と露わにしていく。

 

「その名は、奈落の王!」

 

【奈落の王 クリーチャー・デーモン (4)(黒)(黒)(黒)

 飛行(このクリーチャーがアタックする際、同じ飛行を持つクリーチャーまたは、到達を持つクリーチャー以外にはブロックされない)

 トランプル(このクリーチャーがブロックされた時、そのパワーの値がブロックをしたクリーチャーのタフネスの値を上回っていた場合、アタック対象となっていたプレイヤー、またはプレインズウォーカーへとその数値分のダメージを与える。)

 あなたのアップキープの開始時に、奈落の王以外のクリーチャーを1体生け贄に捧げる。できない場合、奈落の王はあなたに7点のダメージを与える。 7/7】

 

 異形、悪魔を形にした。そんな姿をしている。深紅に染まったその身体は中央が顔の様にも見え、何本もの血管の集合体にも見えるグロテスクさを伴っている。

 地より出でたるその王は、自身の姿を全て地上に現すと風を伴いその重たい翼をゆっくりと広げた。

 

「パワー7、タフネス7で…貫通する能力を持っているうえに空を飛ぶクリーチャー…デカ過ぎる」

 

 周囲を囲む硫黄の渦による炎の檻も相まって、奈落の王の圧倒的な存在感が場を支配し、そこはこの世とは思えぬ光景を作り上げていた。

 

「俺のターンはこれで終わりだ…地面を這いつくばっていろ、次のターン、王による蹂躙でテメェは絶望を知る事になる」

 




 うちの近所でスターター売ってないから未だに霊気紛争のテゼレットが手に入って無い、アジャニとか4枚あるのにテゼレットだけ出ない、ちなみにスタンダードでの私のデッキはエネルギーデッキです。
 なんでも使って良いよって言われた時には容赦無くエムラをデッキにINして神座もりもりのエルドラージデッキに早変わりです。

 まだMTG歴浅いんだけどインスタントでリアニメイト繰り広げられるカードとか欲しく無い?欲しい…。

 ちなみに新フィレクシアからなのでマジで浅いです。大学期間は周りにプレイヤーもいなくてロクにやってなかったからギルド門侵犯とかドラゴンの迷路はちゃんとカード持ってないし、でもエルドラージだけは好きなので大量に持ってます。やっぱりエル度ラージのデカさはロマンだよね!

 昔のカードに関しては偶然売られている所を1980(値段間違えて無い)円で購入したシャンダー等から学んでおります。あのお店シャンダーの価値も分からないとかランボルのガルウィングを普通開きのドアに改造するレベルで意味が分からんわ。
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