とある無力の幻想郷~紅魔館の佐天さん~   作:王・オブ・王

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39,異変<イベント>

 黄泉川先生の聴取と言う名のお説教を終え、私こと佐天涙子は現在一度家に帰ることにした。金属バットこと私の相棒を布で包んで家まで持って帰り、玄関に置いて部屋に入る。

 いやぁ、それにしても疲れた。一日の始まりにあんな乱闘とは疲労困憊って感じだし……あぁ、意図せずまた初春だけ置いてきちゃったなぁ。

 これでも結構落ち込む、まぁ自業自得なんだけど。

 

 とりあえず私は布団でも干そうかと窓を開いてベランダを見た瞬間、私は固まった。

 

「な、なんぞ……!」

 

 ベランダに、引っかかっていたのは……人だ。

 

「人、いやこれ……」

「なにを見ているのかしら?」

「ゆ、紫さんッ!!?」

 

 正直、目が飛び出るほど驚くことってあるんですね。飛び出なかったけど……。

 

 

 

 まず私の目と違って“飛べるはず”の紫さんをベランダから引き上げて家に入れると、勝手にテーブルの前に座ったのでまぁいいやと思いながら私は紫さんの正面に座る。なんだか前に会った時と比べるとずいぶん冷たいっていうか敵対心の宿った目で私を見るんですね、はい。

 どういうことかな……。

 

「そ、そう言えば前回の異変のですけど」

「春雪異変の時、貴女はいなかったでしょう?」

「……そうですね」

 

 一瞬で事態を理解できた私を、私は褒めてあげたいと思う。でも幻想郷と学園都市を行き来している私にはわかった、確実に時間の流れがおかしいと思った。前回も今回もわずか数時間のことになっけど、それとも少し違う気がする。この紫さんは確実に永夜異変が起きるより過去から来ていた。

 だからこそ、永夜異変の時に紫さんは私にフレンドリーだったと考えるのが正解なの、かな?

 それにしてもこの紫さんは余裕が無い気がする……。いや、実際無いのかな、今まで見てきた紫さんは常になんらかの余裕を持っていた、はずだ。

 

「どうして学園都市に来たんですか?」

「……あら、なんでだと思う? まぁ貴女に答えることはないけれど」

「まぁ、そうですね」

 

 そう言って頷くと、冷たい紫さんは立ち上がって玄関へと歩いていく。

 

「ベランダから引き上げてくれたことは感謝するけれど、それだけよ」

 

 冷たく言うと、紫さんは部屋から出ていく。なんか勘違いされてるのかな、やっぱりさ……。どうにかできないかなぁ、でも永夜異変で紫さんがフレンドリーだったってことは仲良くなれるのかな?

 いや、でもタイムパラドックスって言葉があるんだから、同じように私が下手なことをすれば永夜異変の時みたいにフレンドリーにはならず、嫌われっぱなしの可能性も捨てきれない。どうすれば、良い?

 

「あぁもうわかんないなぁ、ていうか幻想郷からこっちに来たら飛べないのかな……というよりこっちじゃ弾幕も出せないんだけど、それに関しては紫さんぐらいになると出せたりする? あぁもう、わけわかんないなぁ~」

 

 まぁ、いざとなったら紫さんはどうにかこうにかして帰るだろう……ん、本当帰ることはできるの?

 私は一度も自分の意志でこちらに来れたことがない、同様に紫さんも自分の意志で来れなかったとしたらやはり内心では結構焦っていたりするはずだ。どうにもおかしなことばかりだ……。

 もう、なにがなんだか!

 

「とりあえず、出かけようやっぱり!」

 

 もやもやする心を振り払うために出かけることにした。

 とりあえず家を出てから初春と待ち合わせでもしようかと思ったけれど能力者狩り事件が終わったと言っても忙しいらしく遊ぶことはできないって言われた。じゃあ誰と暇つぶしをするか、姉御さんや重福さんでも誘おうかな……。

 なんてことを思ってから少しばかり、紫さんが心配になった。

 

 巫女さんとか平然と歩いている学園都市だけれど、あの服装はありなのだろうか? というか幻想郷に帰るならあの場で例のスキマを開いて帰れたはずだ。

 

「あぁもう!」

 

 気になってしまったものはしょうがないと思うんだけど、やっぱり私って不幸を呼ぶ性格してるのかなぁ。

 はぁ、私の家からまだそんなに離れていないはずだからっ……。

 路地裏を通っていくと案外、すぐに紫さんは見つけられた。

 

「貴方たちやめておきなさい」

「ひゅ-! コスプレブロンド!」

「はははっ、能力者だろうが、こいつを食らいな!」

 

 どこからか聞こえる甲高い音、これは確か能力者に効くっていう奴だけど、紫さんに効くはずもない。ヤバいヤバいヤバい、早く早く早く!

 男が手を振り上げた瞬間、私は地を蹴って跳ぶと、紫さんに手を出そうとしている男を蹴り飛ばして着地する。少し驚いた表情をしている紫さんと、めちゃめちゃ驚いているスキルアウトのみなさん。

 たとえ弾幕が出せなかろうが、妖怪の力ならスキルアウトのみなさんは見事に死にかねない。

 

「私もこの人もレベル0なんで早々にお引き取り願います!」

 

 私は私の顔は見えないけれど、多分相当切羽詰まった必死な形相で言っているに違いない。

 だけれどそんな私の提案を、仲間を蹴り飛ばされたスキルアウトの人が聞いてくれるはずもなく、腕を振り上げて私を殴りかかろうとする。腕を振り上げるなんて素人かっての。

 

「関係ねぇよ!」

「私にあるんだっての!」

 

 軽く体を回転させて、その勢いのままスキルアウトの人の顔側面を蹴って地に伏せさせる。左目が見えないのも随分慣れたなぁ、なんて思いながら残り人数を確認―――あと三人。

 

「こんの野郎!」

「野郎じゃないって見てわかるでしょうがっ!」

 

 走りかかってくる男の人。私は背後に跳んで背後の壁を蹴るって宙に舞うと、ジャケットからバタフライナイフを二本取り出して展開させると投げる。掠るナイフだけれど幻想郷からセットで帰ってきたものだから魔法の力が残ってるのか痛みと服が切れるだけで実際の怪我は無い。

 非常に便利、公の場で使うと色々と問題になるから出せないけど。倒れる男の人を確認して、私はバタフライナイフをすぐに拾うとジャケットの中に入れ、サバイバルナイフを逆手で持って構える。

 

「まだ、やりますか?」

「わ、悪かった……か、帰るぞ!」

 

 そう言うと、男の人はしっかりと倒れている男の人を拾って戻っていった。ついでにあの音が鳴る元を断っておきたいところだけれど今現在はそんな状況じゃなく、私はすぐに紫さんの方を向いてサバイバルナイフをジャケットの中にしまう。

 紫さんは相変わらずコスプレかと疑われそうな服装でいるけれど……とりあえず私を睨むのをやめてほしい。

 

「あのですね紫さん、とりあえず幻想郷に戻れるかだけ聞かせてくれませんか?」

 

 私はできるだけ、当たり障りないように聞く。そうすると紫さんは幻想郷に居た時のような余裕のある表情では無く、ものすごい警戒している様子で私を見る。

 

「……今は、戻らないわ」

 

 戻れないじゃなくて、戻らないですか……はいはい、ならそれで良いですよ。

 

「じゃあとりあえず、佐天さんの家でも来ませんか~……なんて」

 

 紫さんは、コクリと頷いた。結局戻る。

 

 

 

 まぁどういうわけか、この余裕の無い紫さんは一体どうしたって言うんだろう。

 なんか私にとっては凄いコレジャナイ感が……でもこの様子だと“妖怪賢者”にすら予想外の事態に今現在陥っていると考えても良いんだろうと思った。それにしても結局連れて帰ってきてしまったけれど、この状態じゃ八方塞がりだ。

 なんてことを考えていたら、先に口を開いたのは紫さんだった。

 

「佐天涙子」

 

 テーブルを挟んで正面にいる紫さんが私を見る。

 

「前に会った時はチルノの手前だからあまり言わなかったけれど、貴女はアレイスター・クロウリーのスパイでは無いのかしら?」

「……あれいすたー?」

 

 なにそれ、新しい星の名前? 軌道エレベーターがなんか発見した?

 

「では、ローラ=スチュアートとは?」

「もう知らないことばっかりなんですけれど……」

「現在の幻想郷の状況は貴女となんら関係無いと考えて良いのかしら?」

 

 そう言って立ち上がる紫さん、私も紫さんをなだめるために立ち上がる。

 

「いやいや落ち着いてくださいよ、私は幻想郷のことはなにも―――ッ!?」

 

 私の腕が紫さんの腕に掴まれたと思った瞬間景色がグルッと周り、背中に痛みが奔った。そしてすぐに私の上には紫さんが乗り、首を掴まれる。力はまだ篭っていないから苦しきはないけれど、正直圧倒的な能力の差をを感じた。いや、不意打ちでなければ直撃も無かったかもしれないけれど、さすがに齢数万年クラスの大妖怪としか言いようがない。

 

「本当のことを言いなさい、幻想郷にここ数年近く誰も来ることも出ることもできなかったにも関わらず貴女だけが来れた……それを偶然と言い張るつもり?」

「ちょ、それと私になんの関係が?」

「関係が無いと、なんでもない“学生”がただ偶然、幻想入りしたとでも言うつもり? そりゃ普段なら気にも留めなかったかもしれないけれど、アイツらが関わっているかもしれない幻想郷の隔離状態で、貴女だけが幻想入りできるっていうのはおかしいんじゃないかしら?」

 

 知らん、そんなものは私の管轄外だ。と佐天さんは言いたいところですけれど?

 私の首を掴む手に、少しばかり力が加わる。

 

「なるほど、さすが大妖怪ですね」

「軽口を叩いている余裕がまだあるのね」

「いえ、焦っていますよこれでも……殺されたくありませんし」

 

 本気で一応言っているのだけれど、軽口っぽくなるのは私があまり情けない部分を表に出したくないだけだ。レベル0にだってプライドぐらいある。

 

「……ずいぶん強くなっているようだけれど、妖怪に勝つなんてことを考えないことね」

「わかってますよ。でも私本当に何も゛ッ……あ゛ッ……」

 

 首を掴む手に力が込められ、私の呼吸を困難にする。

 

「幻想郷に、なにをしようと言うの?」

「ぐっ……う゛ッ……!」

 

 締め上げられる首。私は首をしめる紫さんの腕を掴むけれど、こうなってしまっては力を込めることもできずに、あとは死ぬのを待つだけになってしまう。

 だけど突然、紫さんが手の力を緩めて私の首を解放した。

 

「ふっ……けほっ! ごほっ! はぁっ……はぁっ……」

 

 深呼吸をして肺に空気を送り込む。

 ―――死ぬかと思った!

 

「貴女が言わないなら……どうしようもないわ、殺すのも面倒なことになるし」

「げほっ、ほんと勘弁してくださいよ、知らないんだから」

「信じるか信じないかはこれから決めるわ」

 

 前に会った時は、もうちょっとだけ友好的だったんだけどなぁ。

 

「そもそも私が落ちた場所が貴女の家のベランダだっていうのもなにか腑に落ちないのよね」

「そんなこと言われたってしょうがないじゃないですか」

「まぁいずれわかるわね」

 

 少し、余裕が出てきたって考えて良いのかな? なんだかさっきよりも紫さんの態度が柔らかい。

 

「いざなにか問題が起きたら全部佐天涙子のせいにするから」

「それはちょっと勘弁してほしいですね」

「それが嫌なら……食事を用意するのね」

 

 ……つまり、食事が欲しいと? お腹が減っていると? なるほど、なるほど!

 では、とりあえずそろそろ買い物に行きたいのでついでに外食でもしましょうか、なぁんて思う佐天さんだけれどここで問題が一つ浮上するわけですよ。

 

「その、服はどうしましょうか?」

「このままでも“私は”構わないわ」

 

 コスプレで出歩くのはあまりにも目立つわけで、この前すれ違った巫女さんしかり人の目を集めるのは確かだろうし、だからこそできればこの姿の紫さんとはなるべく歩きたくないわけで、そうなると私の選択肢は一つしかない。

 今月はあんまりお金使ってないし余裕もある。あるけれども……。

 

「わかりました、買いに行きましょう!」

 

 私はお財布との相談をした結果、了承することにした。

 まぁ、この服装のまま服屋まで行って色々と整えよう。この際コスプレと一緒に居ると思われようと構いやしない、幻想郷に戻れるまでの間ぐらい私がなんとかしよう! 後々に仲良くなるためにこのぐらいなんでもない、うん!

 私は紫さんに提案をして共に服やへと行くことになった。

 

 

 

 結果、紫さんってスゴい。スタイルすんごい。羨ましくないと言えば完全に嘘になりますよ。

 下着も服も三着づつほどと靴を買って私の財布は寂しくなって、挙句に敗北感までガッツリと与えられた。あぁ、不幸……か?

 最初の服装で服屋に行くまでと行った時はすごい視線が痛かったけれども今はそうでもなくなっている。だけれど視線が集まるのは当然、紫さんがあまりにも様になっているからだろう。

 

 白いタートルネックのノースリーブシャツに、ロングスカート、ブーツにとそれだけ見れば普通なのだが紫さんが着るだけでだいぶ違う。金色の髪はただでさえ目立つのにさらに綺麗な顔立ちをしてる。

 

「さて、どうするのこれから?」

 

 私は残りの服と先ほど着ていた服の入った紙袋を持ってここらで良さげな店を考えてみた。そして考えられる店はやっぱりファミレスだろうと思い紫さんを連れてファミレスへと入って二人と言ってから席に着く。

 荷物を隣の席に置いて深い溜息をつくと、私はすぐに紫さんの方を見てみる。

 

「へぇ、少し来ない間においしそうなもの沢山増えてるわね!」

 

 なんだか、普通に楽しそうだし、大人っぽい雰囲気をしてる紫さんのこういう姿は少しびっくり。私は適当に日替わりメニューかなんかにしとこうかなぁ、なんて思っていたら店員さんが御冷とおしぼりを持ってきてくれて……。

 

「メニューお決まりでしたらお伺いします」

「とりあえずドリンクバー二つと日替わり一つで……紫さんどうします?」

「名前で呼ばないで」

 

 そう言われて私は少しばかり沈黙する。自分で呼べって言ったのに……ほら店員さんも苦笑いしてるし。

 

「……八雲さんはどうします?」

「私はこのチーズinハンバーグセットにするわ」

「かしこまりました、ドリンクバーのグラスの方あちらへございますので」

 

 まったく、なんで私にこんなに厳しいのかなぁ、まぁ理由を聞けば納得しないでもないけど、やっぱり免罪なのでそんなに厳しくしなくてもねぇ。そう言えばドリンクバー知らないよね、紫さんは……。

 ということでドリンクバーまでご案内、荷物はとりあえず置いて行っても平気だよね、近いし。

 

「じゃあ八雲さん、ドリンクバー取りに行きましょうか」

「ん?」

 

 キョトン、という様子で私の方を見る紫さん……可愛いじゃないですか。

 

「お店なのに取りに行かせるの?」

「飲み放題なので、代わりに取りに行けってことです」

「飲み放題……少し良いわね」

 

 あんまり飲むと水っ腹になりますけどね。と言う言葉をなんとか飲み込んで二人で取りに行くことにした。先に私が氷で入れてから飲み物を入れると、紫さんは興味津々という様子で飲み物を見て、私と同じようにボタンを押すが出てきた瞬間、ビクッとなり一度止まる。

 いやいや、幻想郷の方が不思議一杯ですから。

 

「い、今のは科学側の進歩に少し感心しただけよ」

 

 うわぁ、可愛い。

 

 私と紫さんは席に戻って飲み物を飲みながらメニューが来るのを待つ。お昼御飯はここで片すにしても、晩御飯は買わなきゃならないだろうし……一度帰って買いに行った方が良いのかと思わないでもないんだよね。幻想郷にもいつになったら帰れるかわんないしねぇ。

 まずは、こっち側の常識を教えるべきでしょう。

 

「じゃあ帰りに晩御飯買いに行きましょうか」

「あら佐天、まだお昼御飯なのに晩御飯の話とは、太りましてよ?」

「ゆか、八雲さんのためなんですからそんなこと言わないでください」

 

「……信用ならないわね」

 

 もう……不幸だ!

 

 

 

 食事を終えたその後、少しばかりファミレスに残ってから、また服とかアクセを見て、最後にスーパーによって買い物をして帰った。

 例にもれず紫さんが少しばかりキョロキョロと面白そうにしていたけれど、確か数年間幻想郷からこっちにも来れないって言ってたからそれまではこっちに来てたりもしてたんだろうけれど、数年っていうのは世間を変えるのは十分すぎる。だからきっと目新しい物が多くて楽しいんだろう。

 ほんと、私が知っている紫さんとはあまりにも違う。

 

「あ、歩き疲れたわ……」

 

 だいぶ歩きましたもんね、というより大妖怪こと紫さんが疲れるとは意外。

 

「あっ、歳ですか?」

「殺すわよ?」

 

 ごめんなさい。

 

「普段飛んでばかりだから仕方ないわ」

 

 それは仕方なくないような気がしますが、まぁ普段からしっかり運動しとくにこしたことはありませんよってことですかね、私は買ってきた食材を冷蔵庫に入れていく。一方紫さんはと言えば冷蔵庫はなんら珍しくも無いからか、特に気にするでもなく居間に行ってしまった。

 私も居間へと行くと……テレビ見てるし。

 

「ずいぶん綺麗に映るようになってるのね、今のテレビって」

「そうですね、ゆ……八雲さんが楽しいかどうかはわかりませんが」

「まぁね、でもテレビってこう見てるだけで楽しいものよ」

 

 テレビが無い生活をしているとそういう風に思えますか、とりあえず私は晩御飯を作ることにした。

 何を作るか考えた結果、紫さんの普段食べてそうなものにしようと思い、刺身をすることにした。焼き魚よりは夏っぽいし……色々買ってきたからそれを薄く切らないとね。

 正直魚丸々一匹解体も可能だけど……紅魔館で取った杵柄、使う機会ない気がするけど。

 

 晩御飯を作って、私はテレビをずっと見ている紫さんの前に食事を用意する。

 大皿に盛った刺身を真ん中に置いて、御飯と小皿とお客様用の箸を置いて醤油とわさびを持ってくると、ようやく一休みできるようになり紫さんの向かいでなく、四角いテーブルで言う隣の辺に座る。

 そして紫さんは私が持ってきた食事を見てから、私を見た。

 

「……毒とか入れても無駄よ?」

「はぁ、入れませんよ。いただきます」

 

 私を警戒しているのかしていないのか、なんだか思ってたよりも可愛い人のようだ。

 先に毒見でもして差し上げましょうか!

 

「ん、おいし」

 

 私は食事を始めることにした。紫さんは私を見てから両手を合わせて『いただきます』と言って食事を始めた、なんだ妙に可愛いぞ。小悪魔さんほどじゃないけど。

 まぁその後も妙に素直だったりそうでも無かったりする紫さん。お風呂にも入って私は布団を敷いて床で寝る。もちろん紫さんがベッドだけれど別にそこに文句を言うつもりはないし、正直これに関してはどっちでも良い。紫さんは『寝込みを襲うなんてことをしても無駄よ』と言っていたけどその手の趣味もないし安心してほしい所である。

 

 まぁ結局、平和と言えるだろう一日が終わって『翌朝、目が覚めたら全部夢でした!』なんてオチが用意されていたとしたら私の財布と紫さん的にもハッピーなのだけれど、それは初っ端から微塵も無いと言うことを思わされる。

 

 

 

 ゆさゆさと体を揺らされる感覚に、私は眼を覚ます。

 

「ん?」

 

 真上を向いて寝ているはずの私なのだけれど、部屋が明るいのだけれど、私の視界に映るのは電気ではない。そこにはドえらい美人が居た、もちろん紫さん。

 

「お腹が減ったわ」

 

 おぉう、どこぞのシスターを思い出しましたよ紫さん。

 うん、不幸じゃ……ない? いや、不幸だ?

 

 正直、どっちでも良い。けどドタバタした日常は勘弁ください。

 

 




あとがき↓  ※あまり物語の余韻を壊したくない方などは見ない方が良いです。















はい! ゆかりん登場! 世界一可愛いよ! 永遠の17歳!
まぁなにが良いたいかと言うと、本編でも言っていますようにキャラが違う。それに関しては学園都市に来てキャピキャピしているゆかりんが見たかったのでこうしたで候。でも実際に未知の技術に触れればゆかりんもこんな感じになってもおかしくないよね!(同意を求める)
可愛いゆかりんを書けているか心配でございますが少しでもこんなゆかりんに萌えていただければ僥倖ォッ!!

さてさて、話題は変わりゆかりんがこのままか気になっているでしょうけれどとりあえず当分このままです!
その間に超電磁砲やら禁書目録やらの事件に巻き込まれるでしょうがゆかりんも絡みます。独自の絡み方をするゆかりんと佐天さんの二人をこれからもお楽しみに!!

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