とある無力の幻想郷~紅魔館の佐天さん~   作:王・オブ・王

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5,紅魔の従者

 私が目を覚まして視界に入ったのは、見知らぬ天井だった。

 でも天国じゃないと思う……だっていつもの“左半分”は見えないわけだし……。

 上体を起こして、周囲を見回すとようやくここがどこだかわかった。

 ―――紅魔館だ。

 そして私は視線を下ろして自分の体を見ようとしたが、それより先に視界に入ったのは私の横で寝ている人。

 

「……ぴ、ぴぎゃああぁぁぁぁぁっ!!」

 

 ついつい奇声を上げて驚く私だが、そんな大声を出すもんだから隣の子は起きてしまった。

 金髪をなびかせて、赤い服の少女が起き上がる。姉とは違う形の羽についた14個の宝石。

 綺麗だなぁとか思っちゃう私はたぶん、安心してる。

 

「あっ、起きたのね三下!」

 

「さ、三下って呼ばないでほしいなぁ~」

 

 目の前の少女、フランドール・スカーレットはあの夜見れなかった“笑顔”を私に向けた。

 なるほどね、レミリア様も殺せるわけないよね。

 こんな純粋な子……でもきっと、純粋だからあれだけ悩んだんだと思う。

 

「じゃあ涙子ね! 私のことはフランって呼んで!」

 

「うん、改めてよろしくねフラン」

 

 そう言って私は右手で金髪を軽く撫でる。

 少しだけ顔を赤らめてくすぐったそうにするフランを見ていると、いつの間にやら入ってきていた人が一人。

 見慣れた其の人を見ると、あの日から一夜とは思えないほど……あれ、なんで私は一夜しか経ってないと思ってるんだろう?

 

「今はいつですか?」

 

 私の右腕につけられた点滴を見ながら聞いてみる。

 

「あの日から三日と数時間かしらね、丁度お嬢様も起きたところよ」

 

 そんな咲夜さんの言葉に、私は頷いて納得。

 三日間も寝ていたというのは以外と堪える。その間なにがあったのか、咲夜さんもフランを見て何も思ってないみたいだから安心できるけれど、ほんとどういう状況なのか……。

 自分の服装を見れば、入院する時に着るような服装で、私の左腕は……ある。

 骨折したときのように包帯でぐるぐる巻きにされているが、私は左腕に感覚を感じた。

 

「そのままで良いから、立てる?」

 

「まぁなんとか……」

 

 私はフランに手伝ってもらいながら包帯を首にかける。

 それにしても様つけとかしたほうがイイのかな? なんて考えながら三日ぶりに靴に足を通して、立ち上がった。

 やっぱり少しふらつくけどそこでフランが支えてくれる。

 

「ありがとうね」

 

「うん、私のせいだから」

 

 そんな風に言うフランの頭を右手で軽く撫でたあと、点滴装置を持って移動する。

 咲夜さんのあとを歩く私だけど、咲夜さんは気を使ってくれているのかゆっくりと歩いてくれていた。

 たぶん咲夜さんが手伝わないのはフランの邪魔をするからだろう、そんな気を使えるところを私は好きだ。

 通路に置いてあった鏡を見てみると、フランはやはり写っていない。吸血鬼は映らないのは知っているけれどやっぱり違和感はあった。

 私は自分の姿を確認してみる。

 入院服はともかくとしても頭と左目に巻かれた包帯、そして左腕にも包帯が巻かれているけれど、そこ以外はあまり目立った怪我はなさそう。

 

「どうしたの涙子?」

 

「ん、なんでもないよ」

 

 私はまたフランに支えてもらいながら歩いていく。

 咲夜さんのあとを追って着いたのはレミリア様のお部屋で、扉を開けてもらって入るとお嬢様はベッドで上体を起こしている。

 そこには美鈴さんもいる。

 気になることも山ほどあるけど、私は咲夜さんが用意してくれた椅子に座る。隣りにフランも座ると、パチュリーさんと小悪魔さんの二人もやってきた。

 お嬢様が上体を起こしているベッドの横に座る私とフラン、ベッドをはさんで向こうの椅子には美鈴さんと咲夜さん、そしてパチュリーさんと小悪魔さんも今座った。

 

「まず伝えておかないといけないことがあるけれど、貴女の左目と左腕だけれど……」

 

 レミリア様の言葉に、私は少しだけ違和感を持つ。

 

「包帯を外しなさい」

 

 その言葉に、私は左腕動くの? と思いながら恐る恐る右手で左腕の包帯を外す。

 あれ、普通にあるし、動く……どうなってるの?

 そんな素朴な疑問もなんの意味もなく、私の今までの腕通り動く。

 次に頭の包帯を取って目に巻かれた包帯も外すけれど、全然異常はないように思う。

 咲夜さんが隣りに現れて私に手鏡を渡すので、それで私は顔を見てみる。

 

「え?」

 

 私の左目は、右目のように黒くはない。真っ赤なその色はなんだか綺麗だ……まるでレミリア様みたいな……ッ!?

 

「まさかっ!」

 

 私は“左目に包帯”を巻いているレミリア様の方に目を向ける。

 それで悟って、次は美鈴さんに目を向けた。美鈴さんが左腕が“無い”それはフランとの戦いでかと思っていたけど、思い出せばあの時は確かにあった。

 それでも腕がないのだとしたら……。

 私は左腕を見た。私の体に馴染んでいるこの腕は……。

 

「私の左目と美鈴の左腕……自然と馴染んだのはパチェの治療のおかげね」

 

「治癒魔法なんて二度と使いたくないわ」

 

 どこか疲れた様子のパチュリーさんは、たぶん魔法のせいだろう。

 私の体に馴染んでいるこの腕と目は二人のもので、目や腕を失った二人を見る。

 どうすればいいかなんてわからないから、何も言葉を出すことができない。

 

「なに、私の片目ぐらい持って行きなさい。両目が無くなったなら美鈴がまだいるもの」

 

 レミリア様の言葉に苦笑している美鈴さん。

 結局、終わったと思ったら私が迷惑をかけている。

 やっぱり私はこんなんだと思い知らされた気分。

 

「あのね、涙子」

 

 そんなレミリア様の言葉に、私はレミリア様の方を見る。

 

「貴女はあの夜言ったわよね、紅魔館の一員だって……なら貴女は私たちの仲間なんだから、片目と片腕ぐらい笑顔で受け取っておきなさい」

 

 そう言われても、と思いながら私は膝の上に置いた手鏡と左腕を見る。

 これはレミリア様の目と美鈴さんの腕。それを奪ったのはほかでもない私で、迷惑をかけているのも私だ。

 

「でも、私は結局レミリア様と美鈴さんに迷惑をかけて、返せるものもなにも無くて……」

 

「涙子、私とお嬢様は見返りが欲しくてやったわけじゃないわ」

 

 美鈴さんの方を見る。彼女はいつも通りの笑顔で笑っている。

 変わらず笑顔を向けてくれる彼女たちに申し訳ない気持ちが溢れてきて、自分の情けなさを痛感した。

 どうすればいいのかわからない。だから美鈴さんの言葉の続きを聞く。

 

「これは私たちからのお礼、フラン様のことをわかって理解して、真正面からぶつかった貴女へのね?」

 

 お礼……?

 

「私はお礼を言われる資格なんてっ」

 

「そうね涙子、ありがとう」

 

 咲夜さんも……。

 

「これで問題が解決したわけだしね、ありがとう」

 

「はい、こんなことでも無ければ治療魔法なんて使う機会ありませんからね。ありがとうございます」

 

 パチュリーさん、小悪魔さん……。

 

「ありがとう涙子、貴女は私の主人公(ヒーロー)だよ!」

 

 フラン……。

 

「佐天、自分を卑下するのはやめなさい。フランを含めて私たちは貴女に救ってもらったんだから……」

 

 レミリア様は頬を掻いて、顔を赤らめる。

 

「貴女がまだ私たちのお礼に『資格が……』なんて言うなら、貴女の名前を今日から涙子・スカーレットに改名するわよ!」

 

 そう言ってビシッ、と私に指を向けるレミリア様。

 その姿がおかしくて、でもどこか嬉しくて、私は笑ってしまった。

 他のメンバーも同じようでおかしそうに笑う。

 レミリア様は顔を赤らめてわなわなとしている。

 

「ハハハハっ、涙子・スカーレットってダサすぎますよっ、ぷっ」

 

「あぁもうそんなに笑うことないじゃない!」

 

 ベッドの上で枕を抱いて顔を埋めるレミリア様。

 

「まったく、佐天は酷いわね」

 

 そう言って窓から入ってきたのは青い妖精。

 このメンバーの中に違和感なく入れる良くわからない妖精で、彼女のお付きと言ってもいいもう一人の妖精も入ってくる。ついでに宵闇の妖怪もだ。

 その三人を紅魔館のメンバーは笑顔で迎え入れるのは、仲間と言っていいからだと思う。

 ―――暖かいなぁ、なんだか……。

 

「チルノに大ちゃんにルーミアちゃん……」

 

 ルーミアちゃんはチルノと大ちゃんと一緒に遊ぶから結構仲が良い、三日前のあの時はびっくりしたけど。

 

「レミリアのプロポーズを笑うなんて」

 

「え?」

 

 なに? プロポーズ?

 腕を組んでいるチルノが少し難しい顔をしてる。

 

「そういうことじゃないの?」

 

「違うわ!」

 

 チルノの顔面にレミリア様の枕が直撃する。

 ずるっ、と落ちる枕、チルノはやれやれと頭を振った。

 相変わらずマイペースな感じで、そのペースを崩す術と言ったら一つしかないけどここは自重。

 レミリア様はベッドの上で立ち上がって枕を投げたポーズのまま荒く呼吸をしている。

 そんなに焦んなくても……。

 

「まったく!」

 

 恥ずかしそうにして、レミリア様はベッドの上に座ってため息をつく。

 

「レミリア様、あとみんな」

 

 私は視線を集める。

 こうして、こんな機会だから私は言うべきだろうと思う。

 この私でもこの紅魔館を変えるきっかけを作れたなら、なんの能力もない私にだって誰かを変える力があるなら、こんな私でも必要としてくれる人がいるなら、私は居場所を少しだけ変える。

 

「私、紅魔館に住みます」

 

 その一言。

 レミリア様の方を見れば笑っている。

 他のみんなも同じように笑っていた。

 

「ようやくね、今までも来なさいって言ってたじゃない」

 

「まぁそうなんですけど、改めて……って感じです」

 

 拒絶されているような雰囲気はない。

 私はチルノの元へといく。笑ってくれるチルノを見て、私も笑う。

 この子は私の新たな門出を喜んでくれているみたいで相変わらずの表情でふふん、と笑うのみ。

 相変わらず腕を組んで偉そうに、というより無防備でいるものだから私は悪戯心をくすぐられる。

 悪いのはチルノだからね?

 

「はいっ!」

 

 私はチルノのスカートを捲り上げた。

 おぉ……今日はまた青と白のしましま。子供っぽくて良いね、私は好きだよ。

 スカートがふぁさっ、と下りるとワンテンポ置いてチルノの顔が真っ赤になる。ふむふむ“さいきょー”に可愛いよチルノ、私が男なら惚れてたね。

 ん、これはあのパターン。

 

「佐天の馬鹿!」

 

 一つだけ弾幕が放たれ、その氷の弾幕を軽く避けた私。

 まぁそれが悪くて……。

 

「むきゅ!?」

 

 私の後ろにいたパチュリーさんに弾幕が直撃。

 額に当たった弾幕のせいで倒れて、後頭部を床に打ち付けて後頭部を押さえながら転がりまわる。

 あぁ、合掌。

 

「パチュリーさま!」

 

 小悪魔さんがパチュリーさんに近寄ろうとするが転がりまわっているパチュリーさんに躓いて、小悪魔さんが咲夜さんを押して、倒れた咲夜さんが座っている美鈴さんの足の上にポン、とおさまる。

 

「あははは、咲夜ちゃんは甘えんぼですね」

 

 昔を思い出したのかそう言って咲夜さんの頭を撫でる美鈴さん。

 直後、咲夜さんの顔が真っ赤になって立ち上がると同時に美鈴さんの顔面にパンチを一発。

 

「美鈴のあほ~!」

 

 椅子ごと倒れそうになる美鈴さんが倒れる時、机の上にあった皿を手で弾く。

 その皿が回転しながら大ちゃんの頭に直撃して大ちゃんが倒れ、さらに皿の上に乗っていたフォークがルーミアちゃんのこめかみに突き刺さる。

 

「チルノちゃんマジ天使ッ!」

 

「べ、ベアクローだ……と?」

 

 倒れる大ちゃんとルーミアちゃん。

 ラーメンマンみたいになってるから今後多分、おそらくモンゴルマンとして帰ってくるはず。妖怪だから問題なさそうな気もするけど。

 気づけばチルノと小悪魔さんが争っている。

 

「これはパチュリーさまのぶん!」

 

「当たらないのよさ、オォラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

 

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

 

 拳と拳をぶつけあう熱いバトルを繰り広げるチルノと小悪魔さんのせいで部屋が大惨事に……。

 そして咲夜さんは自分で殴ってしまい気絶している美鈴さんをゆさぶっている。

 パチュリーさんは今だに転がりまわっていて、大ちゃんはずっと『チルノちゃんマジ天使……』とぼそぼそつぶやいてる。マジ怖い。

 ルーミアちゃんの方はこめかみから流れた血で『犯人は中国』と書いている。

 なにこれ、まさか私がスカートをめくっただけでこんな状況になるとは……。

 

「楽しそうじゃないか、あたしも混ぜてくれよ!」

 

 そう言って窓から現れたのは魔理沙さん―――瞬間、魔理沙さんの方に向けて轟音と共に極太レーザーが二本放たれた。

 魔理沙さんは『え?』という顔をしていて、その二本のレーザーを見て全員が動きを止める。

 そしてレーザーが放たれた方を見れば、そこにはこの館の主たち、かのスカーレット姉妹が並んでいた……。

 

「全員、正座」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 ボロボロになったレミリア・スカーレットの部屋にて、松葉杖片手に立っているレミリアと同じく立っているフランドール。

 二人は不機嫌そうな顔で目の前に正座した面々を見ていた。

 佐天涙子を中心に並んで正座している。

 右には恥ずかしさゆえか真っ赤な顔をしている咲夜、その隣りには良くわからないという表情で数秒前まで昏睡していた美鈴。さらに隣りにはボロボロの小悪魔で、その隣りには大きなたんこぶをつくって倒れているパチュリー。

 そして反対側、涙子の隣りに正座している小悪魔との激闘でボロボロの姿をしたチルノ、その隣りにはフォークが刺さっただけでなにもしていないはずのルーミア、そしてその隣の魔理沙。

 なぜだか魔理沙がガクガクと震えているが先ほどの攻撃だけのせいじゃない、その隣りに座っている大妖精が問題なのだ。

 

「チルノちゃんマジ天使、チルノちゃん可愛いよ、私の勧めで最近パンツ履いてるけど佐天さんにめくられるのにドロワじゃないチルノちゃん可愛い、私以外にパンツ見せたくないんだよね。じゃあ顔面騎……」

 

 打ちどころが悪かったのか先ほどから虚ろな目でそれしか言っていない。

 だが正座を崩すことも動くことも許されないこの状況、苦笑する佐天涙子だったが、目の前にレミリアが立っている。

 彼女は松葉杖を付きながら涙子の目の前に立つ。

 

「貴女はなにをやっているのかしら? その目はチルノのパンツを見るための目だったのかしら?」

 

「ああいえ、その……なんといいますか私なりのいつものテンションに戻ろうとしようとしたというか」

 

 パンツの話をしてからチルノは顔を真っ赤にしている。

 いつものチルノからしたら想像できないが、逆に涙子だけがあのチルノを引き出せるのだ。それほどのメリットが無ければ大妖精がチルノを辱める涙子を“生かしておく”わけがない。

 

「る~い~こ~?」

 

 レミリアの顔が近い。左目の包帯は涙子に片目を渡したせいだ。

 その事実を再認識して、レミリアの右目に映る自分の左目を見る。

 彼女と美鈴は涙子の五体満足のために体の一部をやったのだ。

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 素直に、今にも泣きそうな表情でそういう涙子を見てため息をつくレミリア。

 横を見ればフランまで少し気まずそうにしている。

 この悪循環に、心底面倒そうにため息をつくレミリアは、正座していて自分より身長の低くなった涙子の頭を乱暴に撫でた。

 

「わわっ、わわわっ!?」

 

 頭がわしゃわしゃになった涙子がレミリアを見るが、彼女は少しだけ赤い顔でそっぽを向く。

 

「何度も言わすな涙子、お前は自分を紅魔館の一員だと言い“私たち”はお前を認めてるんだ。気負うな」

 

「……レミリアさま」

 

「ただしスカートめくりはしないこと、私がせっかくあげた目なんだから……」

 

 なんというツンデレ。なんて声がどこからか聞こえてくる。

 だが気にすることもない涙子とレミリア。二人でなにか主従か親友かわからない微妙な空間を築いているので、全員正座をやめて自由にしていた。

 それを見て『やれやれ』と笑うチルノ。

 大妖精はフランに強烈なビンタをされて正気を取り戻し、美鈴はルーミアのこめかみに刺さったフォークを抜いて気で治療。

 咲夜はというと、小悪魔と一緒にパチュリーの怪我を看ている。

 魔理沙はすでに帰った。気の毒なことに……。

 

「よし、今日は涙子が紅魔館に来た記念として宴よ!」

 

 レミリアの言葉に即座に反応する全員。

 完全に先ほどの怒りを忘れているということで安心しているのだろう。

 

「ならば私は準備を」

 

「なら私もお手伝いします」

 

 咲夜の言葉に美鈴が手を上げる。

 片手なのに大丈夫? とか色々と心配する言葉がなげかけられるが美鈴のことだ、なんだかんだ言って平気なのだろう。

 後頭部に氷嚢を置いたパチュリーと小悪魔は準備が終わるまで図書館に引きこもるつもりのようだ。

 

「じゃあ涙子、私たちは人里に遊びにいきましょ!」

 

「えっ、でも準備を」

 

 フランの言葉に咲夜と美鈴を見る。

 

「行ってきなさい、これからたっぷり働いてもらうから問題ないわ」

 

 そう言われると、涙子は苦笑しながら頷いた。

 レミリアもついていく気でいるようでアップをはじめる。

 ハイテンションで楽しそうな彼女を見て佐天はボロボロの部屋を見ると、案外片付いていた。

 瓦礫も集められているし……。

 

「じゃああたいはこのまま掃除をしてるわ。終わったら寝るから咲夜、起こしに来なさいよ」

 

 そう言ってチルノはものをどかしていく。

 その姿を見た面々はそっとつぶやいた。

 

 ―――チルノちゃんマジ天使。

 

 

 

 

 

 

 




あとがき

それほどお待たせしていませんがお待たせしましたでござる!
まぁ今回はあんな巻きのあとでござるが、だいぶギャグ調になっていまする。
佐天さんが寝ていた間の三日間は後々に書くつもりでござるよ、ここで書くとネタバレになるので(汗
では、次回はさらに一週間ほどし、また完全シリアスともギャグとも言えない巻になるでござる。

次回もお楽しみにしていただければまさに僥倖!!

PS
ほんとここまで感想をもらえるとはありがたいことでござる。
重ね重ねお礼を申し上げるしだいでござる!!

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