コスプレして酒を飲んでいたら大変な事になりました。   作:マイケル

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プロローグ

 

約千年前……

 

大帝国を築いた始皇帝は悩んでいた……。

 

皇帝は自分が築いた国を永遠に守って生きたいと考えていたが皇帝はただの人

いずれ寿命が来て必ず死ぬ。

 

そんな事を考えていた皇帝にふと、妙案が浮かんだ。

 

武器や防具である。

 

過去未来において最強の兵器を作れば、遥か未来まで受け継がれ、帝国は守られると……。

 

伝説と謳われた超級危険種の素材。

 

オリハルコンなどのレアメタル。

 

世界各地から呼び寄せた最高の職人達。

 

皇帝は絶大な権力と財力を使い、48の兵器を生み出した。

 

その兵器は帝具と名付けられ、臣下に貸し与えられた。

中には一騎当千の力を持つ帝具もあり、臣下達は絶大な戦果を上げるようになり帝国は平和になった。

 

しかし、永久の平和などなく500年後、帝国に大きな内乱が起こり、半分近くの帝具が各地に姿を消してしまった。

 

ある時にはゴミ捨て場に人知れず放置され。

 

また、ある時は骨董品として売買されるなどなど……。

確率がかなり低いが戦いに無縁で特に目立つ事のない平凡な人間が帝具を帝具と知らず

拾ってしまったら?

もし、その拾った人物が帝具に主として選ばれたら……。

 

その人物はどんな人生を歩む事になるのだろうか?

 

少なくとも…今までのような平穏な日常が帰ってくることは二度とないだろう。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

俺の名前は加藤 雄二。

 

年齢は22歳の新社会人だった。

俺が就職した会社は人も少なく、忙しい所だったが後の上司になる

男が「大丈夫!新人は出来る事が少ないっていうのは分かっているし、一からちゃんと

教えてあげるから平気だよ」

と会社見学や面接でも言っていたから、安心して頑張っていこうと張り切っていた。

しかし……。

 

実際は大嘘だった。

 

上司は、一度教えたらそれで終わり。

 

分からないところを聞きに行っても機嫌が悪いと「そんなのは知らない自分でやれ!」

と言う。

 

仕方がないので分からない所を自分で調べているとこちらの様子を見に来た上司は

 

「仕事中に調べ物をするな!」と怒られる。

 

また、問われた質問に対し間違った答えを言うと「死ね」と言われたり

ボールペンを投げつけられたりした。

 

相談しようにも同僚は女性で年上ばかり。

しかもその中の一人は上司の奥さんだ。

とてもじゃないが相談出来ない。

 

精神的にかなり追い詰められた俺は……。

 

誰もいない深夜の道路で車に乗った俺は……電柱に突っ込んだ。

事故じゃない。

俺は自分から突っ込んだんだ……。

 

そう自殺である。

 

自殺したんだけど………。

 

 

なんか生き返っちゃいました。

いや、生き返ったのとは違う。

 

俺は思い出したのだ。

 

加藤 雄二だった頃を……。

 

現在の俺はジョニー・テスタス。17歳。

帝都に住み、喫茶店を営んでいる普通の男で店を開ける準備をしている時

誤って、床に落とした雑巾を踏んでずっこけた挙句、店の床に後頭部を打ち付けて前世を思い出した、アホともいえる。

 

まあ、最初は戸惑ったがここにはあの鬼畜上司は居ない。

喫茶店とは言え、自分の城がある。

一度捨てた人生だけど、ジョニー・テスタスとしてもう一度人生を

やり直すのもいいかもしれない。

 

 

 

☆☆☆

 

 

タレの付いた肉と野菜を適度な量でパンに挟んだ俺は今か今かと待ち受けている客のテーブルに出す。

 

「ジョニー!この新商品はうめーな!!」

 

「確かハンバーガーだっけ?お前がこんな物を考えるなんて……

明日で世界は終わるのか?」

 

「やかましい」

 

客たちはニコニコと笑顔でハンバーガーを咀嚼する。

前世の記憶を思い出した俺は早速、この世界にはないハンバーガーを作って店の新商品として出した。

 

するとどうだろうか、常連さんの口コミでさらに多くなかった客が増えて店の売り上げは倍以上だ!

Mの付くバーガーショップには悪いが、ここにそんな店はないので堂々と出させて貰っている。

 

ありがたや、ありがたや。

おかげさまで仕事は充実し、すっかり鬼畜上司の事も忘れられ、前世の趣味も

始められるようになった。

 

え?どんな趣味かって?

 

 

コスプレです!!

 

 

そう!コスプレ!自分の理想のキャラクターに心までなりきるあの遊び!!

最高だね!!

加藤 雄二が学生だった頃はよく友人と遊んでいたよ……。

 

金ぴか王とか赤い弓兵さんとか……etcetc

 

そして特に俺が凝っていたのはブラックキャット!!

クロノス最強の殺し屋にして最強のガンマン。

もうカッコイイよね!!トレイン=ハートネット(クロノス時代)!!

 

そんなわけで俺は黒いコートに黒いズボン黒いシャツなど、ブラックキャットのコスプレに必要な物を買い集め……。

ついに一番重要な武器屋にやって来た!!

そう!一番重要なのは装飾拳銃ハーディス。

 

どうせなら本物の銃で完成度が高いものを作りたい。

その為の銃選びはとても重要なのだ!!

幸い、銃の携帯は法律で禁止されていないしな!!←ここ重要。

 

店の前にたどり着いた俺は意気揚々と店の扉を開けて中に入る。

通路の右側にある棚には刀剣類が並べられ、左の棚にはさまざま種類の銃が置かれている。

そして中央の奥のカウンターには謎のミイラが……。

 

「殺すぞクソガキ」

 

「すみません」

 

店長だと思われる、爺さんにメッチャ睨まれました。

 

やばい、テンションが高かったせいか、調子に乗ってしまったようだ。

しかしこのミイラ…じゃなく店長は人の考えを読めるとは恐ろしい。

もしかしたら、ここに来た客は皆、この店長を見て同じ事を考えるのかもしれない。

とりあえず、物を売ってもらえなくなったら困るので、即座に謝罪して棚に置いてある銃を見る。

 

しかし……見当たらない。

ハーディスはコルトパイソンのようなリボルバータイプの銃が必要なのだが、ここにあるのはマシンガンやル○ン三世の愛銃みたいなのしかない。

しかたがない。別の店に……ん?

 

あ、あれは……!!

そう、俺は見つけたのだ。

入り口では棚に隠れて見えなかったが……。

 

そこそこ大きなタルにハンバーガー10個分の値段が書いてある紙が貼ってあり、無造作に銃や剣が詰みあがっている。

 

注目するのは値段かも知れないが、俺にはどーでもよかった。

そう!あったのだ!!リボルバー……しかも装飾拳銃でハーディスのそっくりさんだ!!

ダッシュでタルに駆け寄り、手に取る。

やべぇマジでそっくりだ!!

 

ローマ数字は書いてないがそれ以外は本当にそっくりだ!!

製作者は神だな!!

店長が「見た目だけ」「撃てないただのゴミ」と何やらぶつくさ言っていたが知らん!!

 

うきうき気分でハーディス(命名)+ホルスターと弾60発分を購入し、来たとき同様に意気揚々と店を出た。←店長の忠告をガン無視。

 

いや~~いい買い物をしたな!!マジで!!

店兼、自宅に帰ってきた俺は道具と服を持って自室に篭りいそいそと準備を進める。

さて、早速自室でハーディスにローマ数字を油性ペンで書いて……俺自身の胸元にも黒の油性ペンで書く。←すっかり書きなれている。

 

よし!後は服を着替えて出来上がり!!

 

客商売なので身だしなみを整えるために購入した、等身大の鏡に映るコスプレ姿の自分を見る。

 

おお!結構完成度高いぞ!!固い表情に結構、鋭い目!!

やれば出来るじゃないか俺!!

髪型も整えて……おお!イケるイケる!!

 

明日は丁度、店も休みだし……この格好でぶらついてみるか!!

もし、同じ趣味の人が居たら同好会でも作ろうか?

同好会の名前は『クロノス』で!!

 

ー翌日ー

 

とは、言ったものの友人と出くわして笑われたら恥ずかしい。

 

と、言うわけで……。

 

 

帝都に仕入れもかねて、ある西の町へとやってきました!!

西の町にはいいコーヒー豆や珍しい食材手に入るんだよね!!

店の得にもなるし、趣味で遊べるしで一石二鳥だ!!

期間は二週間!思いっきり遊びつつ、いい豆や食材を探すぞ!!

お世話になる手ごろな宿を見つけた後、部屋に荷物を置き、貴重品とコスプレ衣装+αが入った鞄を持って、外に出る。

 

何故、コスプレせずに鞄で出たのかと言うと……。

久しぶりのせいか恥ずかしいのである。

外に出て手ごろな酒場に入り、トイレを借りてコスプレ衣装に着替えてホルスターにハーディスを入れる。

 

ふう、久しぶりなせいか凄く高ぶる。

そして気分が高揚したからなのだろうか?

心なしか体が軽く力が高ぶる感じがする。

着ていた服を鞄にしまいトイレを出て、店を出ようと出口に向かうと……。

 

「お客さん、注文は?」

 

この酒場の店長だと思われる筋肉隆々の男性がニッコリと笑顔で声を掛けてきた。

表情はとてもいい笑顔だが、目が笑っていない。

 

まるで「タダでトイレ使わせてもらえると思うなよ?」と言われているようだ……。

ま、まあ、トイレの使用料を払えと言われているワケじゃないし?

喉も渇いているし?別にNOと断れないわけじゃないんだからな!!

 

昼間から酒とはどうかと思ったが……。

机に置いてあるメニューを見て少し気が変わった。

酒といえば加藤 雄二の時でも祝いの時にしか飲んだ事はなく、俺ことジョニーは17になったばっかりの若造で、酒を飲んだ事は一度もない。

たまには、飲んでみるのもいいかもしれないな。

 

「じゃあ……」

………。

カウンター席に座り、注文した酒を一口飲む。

感想は……なんというか苦いな。

こっちでは立派な成人な俺だが、日本だとまだまだガキだからな……。

正直、酒の良し悪しなんて調味料としてしか分からん……。

 

「おい、聞いたか?」

 

「ああ、今日で10人目だ。被害者は可哀想に」

 

「……たしか、アレだろ?女は徹底的に犯された後、飽きるまで骨をへし折って

嬲り殺されるんだろ?」

 

「そして、男の場合は大事な部分を握り潰された後、同じように遊び殺されるらしい」

 

こえー。

最近、税金が増えると共に犯罪が増えたりしてるが、俺が聞いた事のある犯罪の中でも最悪の部類だ。

話が話だけに、近くのテーブル席に居る男4人の声に耳を傾けていた。

 

 

「一応、賞金首にして、倒した奴には仕官と大金が貰えるらしいが……」

 

「ギャンザは犯罪組織の頭だ。絶対、帝都警備隊とつるんでるぜ」

 

「軍も動いているとか噂で聞いたが……怪しいもんだ」

 

うわーー。

帝都公認の犯罪者かよ……。

他にも、拷問好きの変態貴族とか………。

男達の恐ろしい会話が尽きない。

全く、どうなってるんだろうね世の中は……。

口に合わない酒を残さず飲み干し、代金をきっちり払って、外に出る。

早く宿に帰るか………

 

 

 

☆☆☆

 

 

ジョニーが西の町に来る少し前の事。

 

ギャアアアアアアアア!!!!

 

帝都 西の町の近くの森

一匹の獣が断末魔の声を上げ……。

 

「うるさい」

 

「ギャビッ!!!」

 

急所をナイフで一突きにされ、その命を刈り取られた。

たった一人の……13歳の少女の手によって。

 

 

???視点

 

北の異民族に故郷を滅ぼされ、危険種を狩っては素材を金に替えて

フラフラと数年ほど生活をしてきたが……。

 

「飽きた」

 

最初は苦戦していた獲物も何度か狩れば手ごたえすら感じない。

それに獲物の数も大分減ってしまった。

獲物の素材をナイフで剥ぎ取り、袋に詰めいつも素材を買い取ってくれる店に行く。

 

何か狩り応えのある獲物は居ないだろうか……

 

そう思い店へと向かっていると一枚の紙が、風に乗って私の足元に落ちてきた。

紙には頭がモジャモジャした醜い男の人相画。

よく見ると手配書のようだ。

 

紙を手に取り内容を見て、思わずニヤリと笑う。

そうだ、獲物が居なくなったのなら……新しい獲物(人間)を狩ればいい。

しかも仕官すれば危険種も人間も狩り放題だ。

 

手始めにコイツを狩ってやろう。

ギャンザか……お前が私が狩る人間の第一号だ。

 

ー捜査開始から数時間後ー

 

 

私はそれからギャンザについて慎重に調べ上げた。

醜い男だが、一応帝都の裏世界の頂点に君臨しており、この国の大臣とも仲がいいようだ。

 

その、仲の良いギャンザの形だけの手配書が出回ったのは目撃者が多くなりすぎて

大臣が犯罪者に仕立て上げて処理しきる事が出来なくなってきたからだとか……。

まあ、そんな情報はどうでもいい。

重要なのは奴の行動だが……。

 

何も分からなかった。

 

活動しているのはこの西の町で間違いないのだが……。

 

今まで起こった事件現場も手がかりはなかった。

 

被害者の血痕すら残っていない床を見て思う。

危険種なら、足跡やなんらかの痕跡を残しているのだが……人間では隠されてしまうか。

ふむ、人間を狩る上でひとつ勉強になったな。

日も完全に沈み、時間も遅い。

 

ギャンザの事は潔く諦め、普通に仕官しに行く事に決めた私は、帝都に来てから

世話になっている宿へと向かうため歩き出すのだが……

 

 

 

ゴバッ!!

 

 

土から…手だと!?

私が宿に向かって歩き出した瞬間、地面から人間の腕が生えだし、私の胴を掴む。

 

「へへへ、俺の情報を探ってるバカがどんな奴だと思ったら………。

まさか、こんなかわいい嬢ちゃんだったとは」

 

っち!?気づかれていたのか!?

掴んだ手を離させようと持っていたナイフで奴の手首に切っ先を突き立てる。

しかし……

 

ギィン!!

 

「なっ!?」

 

奴の手首に突き刺さるはずのナイフが弾かれてしまった。

危険種が切れるナイフだぞ!それを弾くなんて、一体どんな体をしてるんだ!!

 

ボゴゴッ!!

 

私が奴の異常な体の構造に驚愕していると、大きな音を立てながら一人の大男が

姿を現したと同時に奴に持ち上げられる。

男の顔は手配書で見た、ギャンザそのものだった。

 

「ヒャヒャヒャ!無駄無駄!抵抗しても無駄だぜ嬢ちゃん!!

俺様の体は帝具、『マッスルリング』の力で鋼鉄並みに固いからな!それと、助けなんて期待すんなよ?

ここら辺りは、俺の部下が居て誰も来ないようにしているんだからよ!!」

 

掴まれてた奴の手に力が篭りミシミシと身体からイヤな音が出る。

 

「もっと、肉付きのいい女だったら殺す前に楽しめたんだが………。

まあいい。せいぜい泣き叫んで俺を楽しませてくれよ?」

 

 

……この世は所詮、弱肉強食。

……弱きものは淘汰される。

犯され汚され蹂躙されても仕方がない……私が弱かっただけだ。

 

 

「ちっ、もうちょっと泣き顔を見せていれば少しは長生きできたものを……

もういい。さっさと殺して別の獲物を………」

 

獲物をいたぶる趣味を持つギャンザにとって、全てを受け入れた私はお気に召さなかったのだろう。

奴は私の頭を鷲づかみにして、つぶそうとした瞬間。

 

「不吉を……届けにきたぜ」

 

ギャンザのものではない低い男の声が聞こえた瞬間……。

 

ダァン!

 

一回の銃声が鳴り響き……私を掴んでいたギャンザの腕の力が一切なくなった。

ギャンザの力のなくなった拘束を振り払い、後ろに跳んで距離をとって、ギャンザを

見ると……。

 

奴は地面に崩れ落ちた。

そして、ギャンザの大きな体が倒れた事でもう一人の人物が姿を現した。

 

ソイツは黒いコートを風になびかせ、ギャンザを表情一つ変えることなく

ゴミでも見るような冷たい瞳で見ていた。

まさに強者と弱者の構図。

 

 

この光景を見た時、二つの思いが私の中で起きていた。

 

一つ目は戸惑うことなく急所を打ち抜いた、芸術とも言える殺しをした男に心を奪われた事。

 

二つ目はこの男を自分の物にして、私を欲しいと心の底から思わせるように染め上げたいと

いう欲求。

 

しかし、気配もなくギャンザを殺したこの男のほうが私よりも強いのは明らかだ。

私の物にしてから染め上げるのはまず無理だろう。

だったらこの男の物となり私に染め上げるのもいい。

 

私よりも強い強者を私に依存させる。

うむ、こういう趣向も悪くない。

 

危険種や人間を狩るよりも面白そうだ。

 

「私の名はエスデス。今日からお前のものだ。犯すも汚すもお前の自由だ」

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

ジョニー視点

 

ああ…いい気分だ。

まさに神になったようだ。

 

そう、俺はブラックキャット。

この世界を創造した神なのだ…。

この世の美少女は俺のものだーーーー!!←調子に乗って、また飲んだ。

 

「……ギャンザ様、またお楽しみか」

 

「いやー、アレは将来いい女になると思うがまだガキだったぜ?

なぶり殺しだろ?」

 

「まだまだ、甘いな。俺は全然余裕だ」

 

「なんだ、お前はそういうのが趣味なのか?」

 

俺の創造した世界で不穏な会話をする兵隊と黒スーツのやばそうな男。

話の内容を聞く限り、俺の創造した世界で悪巧みをしているらしい。

有罪だな。

 

「ん?おい!そこの黒ずくめの怪しい奴!!ここからは立ち入り禁止だ!!

引き返さないと逮捕…」

 

ダァン!

 

男はお呼びでない!

何故俺が、あんなむさくるしいおっさんに怒鳴られないといけないんだ!

俺は躊躇することなくハーディスをホルスターから引き抜き、おっさんの眉間に向けて発砲した。

 

俺に撃たれた男は見事に眉間に風穴を開けて崩れ落ち、物言わぬ肉の塊になった。

さすが俺の創造した世界、銃なんか撃った事ないのに百発百中ではないか。

 

「な!?テメェ!!」」

 

俺の世界を汚す、もう一人のおっさんが持っていたマシンガンを俺に向けて発砲してくるが弾が異常に遅い。

 

まるで前世で見たマトリックスのようだ。

ゆっくりと向かって来る弾を、俺は折角なので避けるのではなく一発一発をハーディスで全て叩き落とした。

 

「……あ、ありえねぇ…」

 

絶望の表情を浮かべるおっさん。

その表情は見ててもいい気分ではなかったので顔面に向けて適当に発砲。

おっさんは前のめりに倒れ動かなくなった。

この神、ブラックキャットに逆らうからだ。

 

…そういえば女がどうとか言っていたな………。

なんか奥に気持ち悪い感じがするし……行ってみるか…。

俺の創造した世界だきっと襲われているのは美少女に違いない!

 

………。

 

路地の奥に行って見ると、アフロで巨大な体躯の男とそれに襲われそうになっている

美少女。

俺の世界を汚すアフロめ!!

貴様に鉛玉をプレゼントしてくれる。

 

俺はまるで疾風のような速さでアフロの背後をとり

男の後頭部に銃口を突きつけ、決め台詞を言った。

 

「不吉を……届けにきたぜ」

 

ダァン!

 

引き金を引くと、鉛玉が奴の後頭部をぶち抜き、裁きを下した。

ふ、この神に逆らうからこうなるのだ。

愚かなアフロを見下ろしていると、捕まっていた美少女が俺に熱い視線を込めてこう言った。

 

 

「私の名はエスデス。今日からお前のものだ。犯すも汚すもお前の自由だ」

 

 

やはり俺は神だった!!←酔いによって絶好調!!

 

 

ー翌日ー

 

 

目が覚めて、天井と周りを見れば俺が居るのは泊まっていた宿の部屋にあるベッドの上。

 

そして右には何故か記憶にない異民族の美少女が……。

 

……………………え?

 

 


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