謎の至高Xオルタ   作:えっちゃんの羊羹

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14話です。

感想評価ありがとうございます。

遅れましたが書きあがりました。

やっと二巻に入りました。オリ展開も混ぜていきますのでよろしくお願いします。

PSちょっと映画の冊子のネタバレ注意


14話 旅立ち

「オルタさん実験結果出ましたよ。期待以上とは行きませんでしたが、悪くない結果だと思います」

 

 転移して6日目、モモンガの執務室にてXオルタがモモンガを迎え入れるという逆転現象が起きていた。

 

「っ!……どう、なりましたか?」

 

 モモンガが行なっていたのはXオルタが用意しておいたメタ効果を持つアイテムの実験だ。自身のスキルを使用して召喚したアンデッドにアイテムを使わせていた。

 

「実験に使えた12種の内5種類が無反応、2種類がアイテムの消失、残った5種類が転移した可能性があります」

「可能性、というと?」

「シモベが皆消えました。消えた後召喚者としてのつながりを感じる事が出来たのは2つ。転移した先で消滅したみたいです」

 

 Xオルタの表情が固まり、低い声で答えた。

 

「つまり、今のところ何に使えるかわからないけど何かに使えそう、という事、ですか?」

「そうですね。上位アンデッドを2種類ずつ使ったので、俺が召喚したモンスターじゃこれ以上は無理だと思います。回数も無限じゃないので次は別のアプローチ混ぜたいですね」

「1番手っ取り早いのは使用者の変更、かな。オーレオールをあそこから動かせたら他の視点もできそうなんですが……」

 

 2人の間で既にNPCがメタアイテムに関与するのは最低でも往復機能が確保できてからという事は決定済みだ。僅かでも不安のあるところにナザリックの者を関わらせたくはなかった。

 

「難しいけど現地人使う方向で行きますね。魔法や脅して従わせた連中じゃ行った先で裏切られたらマズイのである程度の信頼関係を作ってから。ところで守護者達の様子はどうです?」

 

 なぜ、Xオルタがモモンガの執務室にいたかの理由はここにある。複数のシモベを調達できて対応力のある魔法詠唱者のモモンガと違い、Xオルタは多少の特殊スキルは取っているものの基本は戦士職のため実験の役に立たなかったからだ。なので実験をモモンガに丸投げして守護者を含めたNPCの監督を行なっていた。

 

「マーレのやった隠蔽はほぼうまくいったみたい、です。今はアウラと森で2ndナザリックを作っています。シャルティアはゲート係です、ね。洗脳される可能性が有るのでナザリックからはあまり出ない仕事を割り振ってます」

「あぁ、シャルティアは確かに不安が解消される迄外には出せませんね。他のデミウルゴスとかはどうですか?」

「デミウルゴスにはカルネ村からの手紙を元に単語帳作ってもらっています」

 

 現在、カルネ村にはナザリックの者としてルプスレギナが滞在している。ゴブリン将軍の角笛を使った事を口実にルプスレギナに指定させた文言の手紙を村長に出させたのだ。その手紙から単語の対応表を作らせていた。ちなみに、その返事として召喚した村娘、エンリ・エモットにしっかりとゴブリンの監督、指揮技術を磨くようにルプスレギナに伝えさせていた。

 

「アルベドはニグレドのところです。セバスとソリュシャンの監視と他の守護者の監督をしています。で、コキュートスはモモンガさんの剣士訓練の為、闘技場で待っています」

「おぉ、やっとですか。これが済めば冒険者が出来る。お供は結局誰になりそうなんですか?」

「シズかナーベラル、大穴でパンドラです」

 

 モモンガが固まる。モモンガとXオルタの息抜きを兼ねた外部活動として冒険者になるつもりだったのに、なぜ黒歴史が紛れ込もうとしているのか。

 

「ちなみに守護者達は全員連れて行ってくれ、です」

「それは無い。じゃあ、ナーベラルで行きましょう」

「シズはダメなんですか?装備がだめなら私の装備もほぼオーパーツなので大差ないと思いますが……」

「いや、機密を握りすぎです。もし、漏れたらマズイので外にあまり出さないほうがいいと思います」

「なるほど、じゃあナーベラルで決定ですね。パンドラはちょっと惜しいですが……」

「っ、闘技場に行ってきますね。オルタさんも冒険者としての衣装とかを考えておいてくださいね」

 

 Xオルタの呟きを無視してモモンガは闘技場でのコキュートスによる剣術訓練に向かう。モモンガは既に冒険者としてどんなキャラクターを演じるか決めていたので、その為の訓練だった。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 翌日、Xオルタは自室の奥の倉庫で装備を漁っていた。外装データだけを入れた、性能としては下級にすら劣るものならばたくさん製作したが、装備として役に立つものは現在身に付けているバトルドレスを除くと2つしかない。

 セーラー服と運動服だ。このどちらかを使って現在の謎のヒロインXオルタではなく、謎の冒険者Xオルタを演出する必要があった。

 2つのうちXオルタが選んだのはセーラー服だ。セーラー服に大き目のダッフルコートをはおって、3つの神器級装備、鳳凰のマフラー、アルトリウム(アホ毛)、魔眼殺し(メガネ)を身につける。いずれも戦闘能力に影響する効果は無いが隠蔽、探知、解析に特化した性能をしている。

 なお、ユグドラシルの頃は全て高価な産廃でしかなかったので名前に意味はない。

 それらを装備した上でモモンガが待つ執務室に向かう。

 

「モモンガさん、準備出来ました」

 

 執務室には黒いフルプレートの鎧を身につけた黒髪黒眼の人間がいた。脇に鎧と同じ意匠のヘルメットを抱えている。モモンガの表情を見ると驚愕に染まっていた。

 

「どこかのギャルゲーと勘違いしているんですか?」

 

 モモンガの第一声はXオルタの逆鱗に触れた。

 

「ひどいですね。ちゃんと隠蔽はしています。モモンガさんこそどんな坊ちゃんキャラクターを演じるつもりなんですか?フルプレートとか金かかるに決まっているのに」

「坊ちゃんじゃないですよ!謎の漆黒の戦士、モモン・ザ・ダーク……ンッ、漆黒の戦士モモンです。正体不明の歴戦の戦士ですね」

「へぇ、モモン・ザダークンですか。よろしくお願いします、ね、ザダークンさん」

「うげぇ」

 

 Xオルタがモモンガの失言の揚げ足をとってからかい、うっぷんを晴らすような嫌がらせを続ける。モモンガもネチネチといじられるのは堪えたらしく、両手を上げて降参のポーズをとる。

 

「あぁ、すいませんでした。言い過ぎましたよ。でもですね、セーラー服ってまずくないですか? なんか考えてあるんですか?」

 

 モモンガの謝罪からの一言にXオルタが矛を収めて応じる。

 

「コートの前を閉じて裾を伸ばします。殴り合いとかしなければセーラー服は見えませんし、ちょっと高めのコート着た旅人に見えると思います。私はオルト・ライトニングと念動力以外攻撃に使わない変わった魔法使いで通すので大丈夫です」

「大丈夫……なのかな? 無茶な設定な気がするんですが……」

「文句ありますか、ザダークンさん。漆黒の戦士モモンも大概ですからね」

「はぁ、もう勘弁してください。多少は押し通しましょう。とりあえず名前はどうするんです? 俺はモモンですが」

「えっ、え……」

 

 特に考えてなかったXオルタは答えが出せない。

 

「え、とか、えっちゃん、はなしですよ。特に考えてなかったのなら以前言っていたアルトリアとかペンドラゴンとかでよくないですか?」

「……じゃあ、ペンドラゴンです。『えっちゃん』って呼ばれたいのでエックス・ペンドラゴン」

「了解です。……俺も姓をつけるべきかな……」

「じゃあ、ザダークンで。結構良いと思いますよ、名前っぽくて」

「しつこいですね……」

 

 しかし、下手に意味のある言葉をつけると自動翻訳で妙な形で訳される可能性がある為、言い間違いから生まれた名前なら安全かもしれない。

 

「とりあえず、保留です。ナーベラルの冒険者としての設定はどうします?姓をつけるならナーベだけだとマズイですし……」

「モモンの妹ってことで同じ姓でいいんじゃないですか? 黒髪黒眼だし」

「顔があまり似ていませんが押し通せますかね。ナーベラルはどう思うんだ?」

 

 傍らで冒険者の衣装を着て控えていたナーベラルに流れ弾が飛ぶ。

 

「わ、私がモモンガ様の妹を装うなど恐れ多いかと思います」

 

 モモンガとXオルタが顔を見合わせる。悪い顔が浮かんでいた。

 

「妹役、決定ね」

「じゃあ、モモンとナーベで兄妹ってことにするということでいいな。ただ、姓を名乗らずに済みそうだったらそこはカットしますね」

「了解、です」

 

 2人は戸惑うナーベラルと設定を詰めていく。

 

 まずは漆黒の戦士モモン、その妹としてナーベ、2人の友人としてエックス・ペンドラゴンが加わり3人組の冒険者となる。人に紛れることを前提として、互いにどのように接するかを決めていく。

 

 目的は名を上げること、そして転移実験の協力者を得ることの2つになる。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 一通りのことが決定し、目指すはエ・ランテルの冒険者組合、期待の新人冒険者ということになっている3人組が多くの見送りを背にナザリックの地を離れる。

 

「ところでマスター・モモン、アルベドの視線が凄いので一言お願いします」

「私からもお願いします。モモン……兄……様」

 

 2人に頼まれたモモンガはナザリックに向き直り、アルベドに告げる。

 

「……アルベドよ、お前は私がナザリックの者で最も信頼している守護者だ。だからこそお前には私達がいない間のナザリックの管理を任せ、私達の帰るべき場所を守ってもらいたいのだ。頼まれてくれるな?」

「くふー!畏まりました。このアルベド、全霊をもって主人の帰る場所を守らせていただきます!」

「そ、そうか、頼んだぞ」

 

 若干壊れ気味のアルベドを置いて3人組はやっと旅立つことが出来たのだった。

 

 




アルベドはオチ要員。

えっちゃんのアイテム名は全部Fateの形が同じ奴から持ってきています。効果については完全に別物なので気にしないでください。

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