謎の至高Xオルタ   作:えっちゃんの羊羹

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18話です。

感想、誤字報告ありがとうございます。

ちょっと遅くなりましたがどうにかできました。

今回は漆黒の剣の話が多いです。


18話 再会

 夕暮れ時に一行は野営地にて食事を始める。干し肉のシチューと固いパンに各種ナッツ類、ナザリックのものとは比べるべくもないがモモンガとXオルタの目には十分魅力的に見えた。

 

「皆さんは漆黒の剣というチーム名ですが、誰も漆黒の剣は持ってないですよね?」

「ああ、それ」

 

 漆黒の剣のメンバーの表情に照れが見える。特にニニャはパンドラズ・アクターを見る時のモモンガの様な今にも悶えそうなほど紅い顔をしていた。

 

「あれはニニャが欲しいと」

「もうやめてください。若気の至りです」

「えっと、漆黒の剣は昔いた十三英雄の1人が持つ剣にちなんでるんです」

 

 それきり言葉が止まる。聞こえるのは食事に夢中になっているXオルタがシチューを飲む音だけだった。

 反応の無さに漆黒の剣が動揺して4本の魔剣について説明すると横からンフィーレアの口を挟んだ。

 

「あ、漆黒の剣の1本は、持っている方がいらっしゃいますよ?」

 

 稲妻で打たれた様に漆黒の剣のメンバーがンフィーレアに向き直り問い詰める。

 

「あ、えっと"蒼の薔薇"と名乗られている冒険者の方達で、そのリーダーを務められている方です」

 

 漆黒の剣のメンバーは口々に悔しさを漏らし、決意を新たにしていった。モモンガは楽しそうな漆黒の剣の姿にかつての自分達を重ね、Xオルタはシチューを飲み終わりパンに手を伸ばそうとしているところだ。

 話がひと段落すると漆黒の剣のメンバーが話の主導権を握り話題を他の4人に振ってくる。

 

「あれ、えっちゃんそれ何してんの?」

 

 その途中ルクルットが見つけたのはXオルタの手の中にある∞黒餡子というアイテムでパンに餡を詰める姿だ。

 これはXオルタの持つアイテムの中で最も役に立たない伝説級アイテムだ。食べることでHPの小回復と微小なバフを与える餡子を無限に生み出せる。因みにチョコレート版もある。

 効果としては常時HPを回復し続ける護符などの方がよほど優秀で、性能としては本来聖遺物に届くかどうかだ。

 

 話しかけられていたXオルタは数秒の逡巡の後、餡子を詰めたパンを半分に割り、小さい方をルクルットに差し出した。

 

「これ、どうぞ」

「いいの?ありがとな」

 

 受け取ったアンパンを食べ、ルクルットは目を丸くする。

 

「うまっ!なんか甘くて美味ぇよ」

「えっ、その黒いの甘いんですか⁉︎」

 

 ンフィーレアの追撃を受けたXオルタは食べ終わったシチュー皿の端に餡子の山を作って差し出した。

 

「皆さんで、どうぞ」

 

 それぞれがパンをちぎり用意された餡子につけて食べていく。

 

「甘くてすごく美味しいですね。ただ、なんかポーションぽい気が……」

「確かに甘いですね。ポーションぽいっていうのはわかりませんが」

「うむ、まことに美味。だが、私には少し甘すぎるのであるな」

「本当だ。お菓子みたいです。私はこういう味は好きです」

 

 ンフィーレアから漆黒の剣のメンバーに行き渡り、モモンガの前で止まる。

 

「モモンさんは食べないんですか?」

「あ、ええ。甘いものは少し苦手なので……」

 

 そのままナーベラルに皿を回した。

 

 モモンガが甘いものが苦手というのは嘘だ。あらゆる食べ物がことごとく不味いリアルで生きてきたモモンガにとってちゃんと味がすればそれだけで好物になれる。

 しかし、この黒餡子は別だった。回復効果を微小ながら持つためモモンガが食べると舌が痛むのだ。更に吸収できないため、背骨に沿って転がり落ちてしまうだろう。結果、もし食べればモモンガの鎧の腰や足の隙間から丸まった黒い塊、餡子が転がり落ちて来ることになりかねない。

 

 モモンガは少しイラつきながら話を逸らす。

 

「それにしても皆さんは仲がいいですね。冒険者ってこんなに仲が良いのが普通なんですか?」

「多分そうですよ。命を預けますからね。自然と仲が良くなってますね」

「そうだな、うちのチームは異性がいないしな。いると揉めたりするって聞くぜ」

「……ですね。いたらルクルットが問題を起こしそうですしね。チームとしての目標……も、まぁ、ちゃんとあるからじゃないでしょうか?」

 

 ペテル達4人も頷く。

 

「そうですね。皆が同じ目標を持てば全然違いますよね」

「あれ?モモンさんも昔はチームを組んでいたんですか?」

 

 不思議そうなンフィーレアにモモンガは詰まる。今の自分達はチームには見えないんだろうなという気持ちとともに声を出した。

 

「冒険者ではなかったですがね」

 

 モモンガが思った以上に言葉が出て来る。いつか再び会えるだろうかと考えると言葉がスラスラと浮いて来た。

 

「私が弱かった頃、最初に救ってくれたのは剣と盾を持った純白の聖騎士でした。彼に案内されて出会った9人で最初のチームを形成したんです」

「ほぉー」

 

 誰の声かわからないがモモンガには興味がなかった。とりあえず、横でアンパンを食べ続けるXオルタではないことは確かだ。

 

「その後何人も仲間が加わってきて……、そうだ、エックスと会ったのもその頃です。新しく仲間になった姉弟に連れて来られていて、今にも諦めて消えてしまうかと思った」

 

 モモンガは当時、ぷにっと萌えから聞いたXオルタのネットでの蔑称、『無料課金ガチャ』を思い出し苦笑する。

 

 一方、漆黒の剣とンフィーレアの視線がXオルタに集まるが食事の手が止まらないことに苦笑する。アンパンを始末し、そろそろナッツ類に手を出しそうだ。

 

「そうやって少しずつ増えていって……でも、今は離れ離れ、です」

 

 一拍挟み、モモンガは自分の決意を確かめるように続けた。

 

「だから、俺は彼等を必ず見つけ出す。なんとしてでも」

 

 重く固い声が響いた。Xオルタの咀嚼音が場違いなほどに大きく聞こえる。

 

「すいません。ちょっと湿っぽい話をしちゃいましたね。ちょっと夜風に当たってきます」

 

 そのままチョコレートをナッツと合わせて食べようとしたXオルタに食べすぎだと言って引きずっていった。ナーベラルもそれについていくことになった。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 先程までいた人物が去るとその人の話になることがある。

 

「すごい人達ですね」

「うむ……、頑張って欲しいのである」

 

 重い空気になり掛けていた時、ンフィーレアが恐る恐る話しかける。

 

「今日の戦闘、すごかったですね」

「ええ、オーガを両断する一撃に第三位階魔法」

「それに、ゴブリンを一瞬で全滅させたあの電撃もすごかったです」

「どんだけだよなぁ、ありゃ」

「確かに凄いことはわかるんですが実際どれくらい凄いんですか?」

 

 ンフィーレアの言葉にペテルが大剣の仕組みから説明するがうまく伝わらない。

 

「私はモモンさんは王国戦士長級じゃないかと思いますね」

「それは……アダマンタイト級の冒険者に、つまりは人間の最高位者に匹敵するという意味ですか?」

「そうです」

 

 ペテル達が頷きンフィーレアは絶句する。

 最硬度の金属アダマンタイトのプレートは人類最高の証明であり、英雄とすら呼ばれる。 それに匹敵する存在ということ。

 

「……すごいんですね。じ、じゃあ、後の2人も同じくらい……」

「ええ、多分近い実力はあると思います。ナーベさんのライトニングも普通より威力がかなり高いように見えました。えっちゃん、いえ、エックスさんはよくわかんないですが」

「確かに、あれは後衛から見たら訳がわからないんだろうな。あの子は戦士みたいに前に出る役だと思うのでイマイチ実力が分かりにくいんです」

 

 ンフィーレアの問い掛けにニニャとペテルが答えた。

 

「エックス嬢は変わってはいるが優秀な後衛だと思っていたのであるが……」

「そう見えることは確かだけど、えっとオルト・ライトニングだっけ?あれは後衛が使っちゃいけない魔法ですしね」

「なるほど、手から放射状に出るってことは前衛を巻き込みかねないんですね。だから前に出る役目ということですか」

「だからえっちゃんは前衛として動けるようになるためにモモンさんのことを師匠と呼んでいるんだろうな」

「あの小さな子がよくここまで遅れずについてこれると思ったがそのような理由があったとは驚きである!」

 

 漆黒の剣のメンバーが納得している姿にンフィーレアは戸惑いながら確認する。

 

「つまり、モモンさんは王国戦士長並の戦士で、ナーベさんは第三位階魔法の特に熟達した魔法使い。エックスさんは魔法が使える近接職で、全員アダマンタイト級に届きそうな実力者ということですか?」

 

 漆黒の剣のメンバーも頷き、話が進む。炎が照らす中会話が弾み、夜も更けていった。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 夜が明けて太陽が昇るころ、彼らは野営地を離れた。

 間もなく、カルネ村が見えてくる段階になってンフィーレアが急に立ち止まる。

 

 ンフィーレアの話によると以前はなかった頑丈な柵がカルネ村を囲っていることに違和感を持ったのだという。それに対し村育ちで村の生活に詳しいニニャが渋い顔で不安を付け加えた。

 

 結局ナーベラルが上空から不可視化を併用して調査することになったが特別なものは見つからずそのまま進むことになった。

 街道が終わり、一行は一列になって麦畑の隙間を進む。途中、先頭を歩くペテルがわずかに違和感を覚えた瞬間だった。彼らは屈強なゴブリンに囲まれていた。

 

「武装を解除してもらいましょうかね?」

 

 ゴブリン将軍の角笛で呼び出された10以上のゴブリンたちに囲まれた漆黒の剣のメンバーに打開策は思い浮かばなかった。

 

「あっと姐さんが来るまでちょっと待ってほしいんすよね」

 

 ンフィーレアがその言葉に激高し、ニニャがそれをなだめた。ンフィーレアは苛立ちを抑えきれていないがわずかに落ち着いたようだ。

 

「俺たちは姐さんの村が最近、帝国の騎士の格好をしたやつらに襲われたから警戒しているだけなんだけどな」

「村が襲われたって……!彼女は無事なのか!」

 

 その時、村の入り口に1人の少女が現れた。その姿に驚いたンフィーレアの声が響く。

 

「エンリ!」

「ンフィーレア!」

 

 2人の久しぶりの再会は19匹の奇妙なゴブリン達に囲まれた中で行われた。

 




とりあえずFGOのえっちゃんの設定は全て反映させたい。
∞黒餡子とか∞チョコレートとかFGOのスキルです

知らない人がいたらFGOwikiでもどうぞ
見なくてもわかるようにしたいですがギャグのキノコのネタがオバロにうまく合わせられるか不安

それはともかくとしてやっとカルネ村に戻ってこれました。

アルトリア顔の宿命に漏れず腹ペコしてただけのえっちゃん。
前を向いて大人なモモンガさん、この差はどうして……

本家ヒドインがいないとえっちゃんがひどくなる。

まあ、どうせ元がずぼらキャラだし許してください。

感想意見文句評価待ってます。


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