謎の至高Xオルタ   作:えっちゃんの羊羹

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四月バカです。
ごめんなさい本編に何一つ絡みません。
全体的にむさくるしいです。

月厨として、えっちゃんを作品に出している身としてこの日はちょっと頑張らねばならぬとか

ただ短いです。3000ちょいしかない

追記
次回更新で時系列的に入りそうな場所、23話と24話の間に移します。
追追記
移動済み


番外編
番外編カジっちゃんの冒険


 エ・ランテルより脱出したカジットは靄のかかった様な自身の記憶を辿りその行動の愚かさに打ちひしがれていた。その手には母の肖像が刻まれたメダリオンが握られている。

 

「……悩んでいても意味はないんだろうな」

 

 バレアレ薬品店から逃げ出してから妙な高揚感に包まれていたカジットは近隣の森に身を隠そうとしたのだ。そこで過去を振り返るうちに自身の愚かさと罪に押しつぶされそうになっていた。

 暫く思い悩んでいると森の奥から近付いてくる足音が聞こえて来た。不審に思ったカジットは街から脱出するときに使ったスケリトル・ドラゴンを上空で待機させ物音の方向に向かう。

 

「ちっ、ジジイが1人かよ。使えねぇなぁ」

「だが見られちまったからには仕方ねぇ。死んでもらうぜ」

 

 見つけたのは不愉快なことを口走る男達だ。盗賊風のその男達にカジットは思い当たるところがあった。

 エ・ランテル周辺をねぐらにする盗賊団の話は5年もあの街で暮らしていれば嫌でも耳に入る。

 

「たかが盗賊風情が随分と偉そうな口を聞くものだな。……くだらない」

「そのたかが盗賊風情にあんたは殺されちまうんだよなぁ!」

 

 カジットの呟きを諦めと取ったのかその場にいた盗賊達の中で最も偉そうな男がヘラヘラと不快な笑みを浮かべながら切りかかってきた。カジットからすればあまりにゆっくりとした一撃、己の魔法を使うまでもなく上空からのスケリトル・ドラゴンによる奇襲で押し潰した。

 

「くだらないが罪滅ぼしくらいにはなるか……」

「な、何が起こってんだよ⁉︎ たかが老いぼれが何で……」

 

 突然の事に理解が及ばない盗賊達にカジットは言い渡した。

 

「たかが老いぼれ風情のために、死んでもらうぞ盗っ人ども」

 

 蹂躙が始まった。

 スケリトル・ドラゴンは森の木々を押し倒しながら盗賊を爪で切りつけ、倒れた者はカジットの魔法でアンデッドとして蘇ってくる。たとえどれほどの数を揃えようと英雄級に至った魔法詠唱者であるカジットに届くことはなかった。

 殆どの盗賊がゾンビと化して僅かな生き残りが逃げおおせてもカジットの胸には何の感慨も湧かなかった。死の宝珠の元で人を殺め続けた経験がカジットから殺人に対する罪悪感を消し去っていた。ただ、母と暮らしていた頃と変わってしまったという事実だけがささくれたような気持ちにさせた。

 

「ここがアジトか。スケリトル・ドラゴンでは入れんな。なら……」

 

 〈マス・レッサー・デクスタリティ/集団下級敏捷力増大〉

 

 支配下のゾンビに補助魔法を掛け敏捷を強化する。これで狭いところでも多少は戦えるだろう。

 

(まあ、少しでも強い相手が出てきたら瞬く間に蹴散らされるだろうな)

 

「行け、そして引き摺り出してこい」

 

 スケリトル・ドラゴンを再び上空に待機させ、ゾンビ達を突入させる。案の定、最初は優位に戦えていたが一気に3体のゾンビが倒された。それを感知したカジットはすぐに残りのゾンビに撤退の指示を出すがそのまま半数以上が討ち取られた。

 最終的にカジットの元までたどり着いた物は2体しかおらず、片方は死体に言うべきではないが死に体だった。

 

「ちぃ、ネクロマンサー1人だけかよ」

「ふん、そう言う貴様も1人ではないか」

 

 互いに軽口を言い合うが油断は微塵もない。互いに相手の力量を測りかねているのだ。

 カジットから見て敵の剣士の力量はどの程度のペースでゾンビ達を撃破したかと言う点から測れる。ほとんどが一太刀で斬り捨てられたことから導き出された相手の強さはかつての相方クレマンティーヌに匹敵しかねないレベルだ。

 一方で向かい合っていた剣士、ブレイン・アングラウスから見てもカジットの実力は圧倒的なものだった。斬り捨てたゾンビが全てかつての盗賊だったことから手の内が全くわからないのだ。さらに、最下級のアンデッドであるゾンビで自分以外の盗賊を直接指揮をせずに圧倒していた。ブレインはそんなことができるネクロマンサーは1人しか知らない。リグリット・ベルスー・カウラウ、かつて手合わせした剣士としてもトップクラスの実力を誇る老婆だ。

 2人の会話から数秒後、武技を発動させたブレインが先手を打った。〈領域〉によって周囲を警戒しつつ急接近する。しかし、カジットもそのまでは終わらない。上空で待機させていたスケリトル・ドラゴンにブレインを急襲させる。

 

「上かっ!」

「それだけではないぞ! 〈アシッド・ジャベリン/酸の投げ槍〉!」

 

 上と正面からの攻撃にブレインは地を転がるようにして回避する。しかし、そこまでがカジットの策のうちだった。ブレインが倒し損ねた2体のゾンビが待ちかまえている。いかにブレインが超級の剣士だろうとここまでお膳立てされたらゾンビの攻撃も当たってしまう。敏捷を強化されたゾンビの一撃がブレインの肩を打ち、弾き飛ばす。しかし、それだけで終わらないのがブレインという男だ。

 

「神聖属性を持つ武器か……」

 

 カジットがブレインから距離を取りながら呟く。攻撃を避けながらもブレインはスケリトル・ドラゴンに一矢報いて居たのだ。神聖属性の武器による攻撃はスケリトル・ドラゴンに少なくないダメージを与えて居た。

 

「ブレイン・アングラウスだ」

 

 相手の実力を認めたからこその名乗りにカジットは僅かに驚き、苦笑しながら答えた。その名はいつだったか同僚のクレマンティーヌが言っていたものの中にも含まれていた。

 

「かの戦士長と互角に戦ったと言う剣士か。しかし、すまんな。今の儂はお主のように父母に貰った名を名乗ることはできん。そうだな、取り敢えずはデイル、そう名乗っておこう」

「水神の洗礼名か……いや、気にすることではないな。じゃあ、行くぞ!」

 

 ブレインは今度は複数の武技を発動させカジットに迫る。途中を遮るスケリトル・ドラゴンとゾンビを即座に斬り捨て、カジットの放つ複数の〈アシッド・アロー/酸の矢〉を躱すとその刀をカジットの喉元に突きつけた。

 

「ちぃ、相打ちってところか」

 

 ブレインの背後では2体目のスケリトル・ドラゴンが爪を突きつけて居たのだ。一方がトドメを刺そうとしたらもう片方も相手の命を奪えるだろう。両者の実力は状況次第でどちらにも変わるだろう。盗賊団そのものはカジットのゾンビで半壊状態のためこのまま戦ってもブレインの援軍は来そうにない。むしろ、先に死体の中から新たなアンデッドが生まれカジットの戦力となる可能性もある。しかし、カジットの手勢も随分と消耗しており、切り札の一つもすでに切っていた。カジットの目算では6対4で自分が有利といったところだろう。

 

「ふっ、そうだな。では、どうする? 仕切り直すか?」

「馬鹿なことを言うな。どうも周りがきなくせぇ。いっそこのまま逃げちまうか」

 

 意気揚々と再試合を持ちかけたのにブレインのなげやりな言葉にカジットは驚いたような顔で尋ねた。

 

「おい、お前はここの用心棒とかじゃないのか?」

「仕方ないだろ。お前のせいで『死を撒く剣団』はおしまいだ。それにもうこいつらのために命を張るような理由もないしな」

 

 随分といい加減な様子のブレインにカジットが呆れるがこれでも実力はあるのだと考え直す。自身は今追われる立場だ。少なくともこれまで属していたズーラーノーンとスレイン法国は自分を死に物狂いで追ってくるだろう。外套の中にあるクレマンティーヌから渡された法国の秘宝を思い浮かべる。ブレインを連れて行けば戦力の足しにはなるだろうと考えたカジットは手を差し伸べながら言った。

 

「……はぁ、仕方ないな。なら一緒に来るか?」

「お、頼む。出来れば腕を磨ける場所に行きたいんだ」

 

 調子に乗って図々しいことを言うブレインに対しカジットは呆れたような顔をしてため息をつく。性格に難があるようだがクレマンティーヌよりはましだろうとカジットは自分を納得させる。

 そのまま二人はスケリトル・ドラゴンにまたがり空に飛び立っていった。

 

 数分後、戦闘音を聴きつけてその場に街道警備の依頼を受けていた冒険者達が駆けつける。そこで彼等は散らばるスケリトル・ドラゴンの残骸と半壊した盗賊団を見て驚愕するがそれは何の関係もない話だ。

 




この話は続きません。ただのネタです。

ただカジっちゃんとブレインには頑張ってほしいですね。

ブレインには原作でもまだ出番があるし

でもこのSSではこれがないとブレインの出番が完全に消えるんだ。ごめんね

感想評価指摘いろいろお願いします。あると喜んで悶えます。

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