謎の至高Xオルタ   作:えっちゃんの羊羹

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えたった?えたった?
えたってないよ。

うそです。ごめんなさい。石投げないで。めっちゃさぼりました。言い訳はいっぱい用意してあるのですが割愛します。

とりあえず33話です。よろしくお願いします。


33話 気づけない愚か者の話

 モモンガがメッセージ越しにアルベドにさせたメイドへの面接でわかったことは、42人目はどこにも存在しないということだけだった。そもそも、NPCのレベル上限は1レベルの隙間もなく使い切られ、一般メイドすら追加する余裕はなかった。

 

 しかし、何もわからないこと自体がモモンガの曖昧な過去を想起させる。

 

 確か、一般メイドには各ギルドメンバー付きメイドとなることを意識していたはずだ。少なくともるし★ふぁーがギルドに参加するよりも前にそのような話があった気がする。

 

 思考の泥沼にはまりつつあったモモンガはノックの音で現実に引き戻された。

 

 

 

「し、失礼します」

「マーレか、何だ?」

 

 

 

 思索を止められたモモンガは微かな苛立ちを隠しながらマーレの報告を聞く。内容はトブの森に住む者たちの征服についてだった。軍勢は威嚇として先制攻撃等に用いモモンガのアンデッド作成用の死体を稼ぎつつ、本格的な戦闘はコキュートス自身がそれぞれの集団の最強の物たちと行うということだ。

 

 

 

「問題は無さそうだな。それでは実行に移せ」

「は、はい。かしこまりました」

 

 

 

 深々とおじきをして、立ち去ろうとするマーレを僅かな躊躇いの後に引き止めた。

 

 

 

「ところでマーレよ。お前は一般メイドの人数を知っているか?」

「え、は、はい。41人です」

「そうだ。では、なぜ42人ではなく41人なのだと思う?」

 

 

 

 無茶振りである。上司に「最近娘が冷たいんだけどどうしよう?」と聞かれるのと同じくらい対応に困る質問だ。精々マーレが真剣に答えようとしている程度の違いしかない。そして、モモンガも意地の悪い質問をしたと気がつかなかったわけでもなく、申し訳なさそうに問いを取り消そうとする。

 

 

 

「あ、あの、42 人というのは至高の御方々のことですよね」

「ん、そうだな。実際には1人少ない41人しか創造されなかったのはなぜかと思ってな」

 

 

 

 食らいつくような忠誠心がマーレにモモンガが会話を打ち切るより早く発言をさせたのだ。主君の役に立つチャンスを逃すまいとする思いが彼に発言させたのだ。しかし、マーレ自身が何か知っているわけではない。そしてどうにか紡ぎだした言葉も根拠が弱く、尻すぼみになってしまう。

 

 

 

「そ、それなら、別の事をしているとか……」

 

 

 

 モモンガの反応を確かめながらマーレは続ける。

 

 

 

「た、例えばですが、ペストーニャさんやプレアデスの人たちが42人目だったり、他のだれかがメイド服を与えられていたりするのかなと思いました」

 

 

 

 マーレがこのような発想を持てたのは自身がメイド服を持っていたからだ。彼は姉とともにぶくぶく茶釜達による着せ替え人形のようにして遊ばれていたことがある。その頃にメイド服を含めたいくつもの衣装を与えられていた。

 

 

 

「ふむメイド服か……、面白い着眼点だな。曖昧な質問だったがよく答えてくれた。感謝する。さて、余計なことを考えさせてしまったがそろそろ本来の役目に戻るべきだな。期待しているぞ」

 

 

 

 モモンガに促されマーレは退出する。その足取りは主君を失望させなかった安心感によるものか心なしか軽く、早足だった。

 

 

 

 コキュートスとアウラのもとに戻ったマーレは不安げな視線によって迎え入れられた。

 

 

 

「モモンガ様ハ何ト?」

「は、はい。作戦に問題は無いとのことです」

「……ふうん、じゃあマーレの準備が整えば今すぐにでも始められそうね」

「えっ、じゃあ、もう順番が決まったの?」

 

 

 

 マーレの問いに頷きながらアウラが一歩下がった。入れ替わりにコキュートスが前に出てきた。このような作戦の説明はこの場の総責任者の仕事だ。

 

 

 

「アア、マズハ東カラ行コウト思ウ。ソコデ上手ク行ッタラ西、最後ニ距離ガアリ部族毎ニ分カレテイテ手ノカカル北ノリザードマンダ」

「それで、モモンガ様からお預かりした兵は準備できているしマーレさえ準備できれば出発できるんだけど、どう?」

 

 

 

 実際にはマーレが準備するべきことなどほとんどない。NPCである彼等には用意すべき荷物などはなく心の準備さえ済ませればいいだろう。

 

 すぐに頷き彼は姉と同僚の後についていった。

 

 

 

「出発したようだな……では、私もやるべき事をやるとするか」

 

 

 

 守護者たちがいなくなったことを確認したモモンガは持ってきた本を開きそれに応じて現れた存在に告げる。

 

 

 

「召喚は上手くいったようだな。ハンゾウ、状況はわかるか?お前に任せたい仕事がある」

 

 

 

 目の前で恭順の意を示す者にモモンガは命令をくだしていく。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

「あそこが奴らの根城だね。かなりごちゃごちゃしているみたいだけど」

「け、結構時間がかかったね」

「シカタナイダロウ。モモンガ様ガオ預ケクダサッタ兵ハ森ヲ進ムニハ適サナイカラナ」

 

 

 

 先頭を行くダークエルフの姉弟にそのすぐ後ろを追うコキュートスが答えた。彼の言葉通り3人の背後には彼等の直属の配下以外にゾンビとスケルトンがそれぞれ2200、他にアンデッドビースト、スケルトンアーチャー、ライダーが合計550、まごうことなき大軍である。これでは隠密行動等そもそも不可能でその証として東の巨人と呼ばれるトロールを中心とし、複数のオーガ、奴隷らしきゴブリンを含めた集団は既に戦闘体制を整えつつあった。

 

 

 

「スケルトンに黒いチビどもに……なんだ?でかいエビか!それで何しに来た!食われに来たのか!たくさん連れてきたことはほめてやるぞ!」

 

 

 

 あまりに場違いな発言に一瞬度肝を抜かれたが、すぐにコキュートスがアウラとマーレの前に出て告げる。

 

 

 

「私ハアインズ・ウール・ゴウンノ偉大ナル御方々ニ仕エル守護者、コキュートストイウ。我ラハコノ地ヲ支配シニ来タ。オ前達ニハ支配サレルニ足ル力ヲ示シテモラウ」

 

 

 

 ナザリックの守護者として、そして最高クラスの武人として恥じない威風堂々とした宣言だ。背後で聞いていた配下やアウラとマーレも思わず息を飲むほどの出来だった。

 しかし、相手から返ってきたものは全く逆の耳障りな哄笑。理由はすぐにわかった。

 

 

 

「ふぁふぁふぁふぁ!臆病者どもの名前だ!俺のような力強い名前ではない!だが、気に入ったぞ!お前は頭からバリバリ食ってやる!一番うまそうだからな!」

 

 

 

 トロールのリーダーらしき存在の言葉はもう守護者達にはほとんど聞こえてなかった。ぽつりとマーレが呟いた言葉が彼等を乗せる魔獣達を一気に怯えさせた。

 

 

 

「ねぇ、お姉ちゃん。あいつら……」

「うん、私も多分同じこと考えているから言わなくていいよ。コキュートスもそうでしょ」

「アア、コノ者達ニハ従エル価値ナドナイ。予定トハ違ウガ全テ始末スルベキダ」

 

 

 

 コキュートスはそう言った直後、未だ哄笑がなりやまないトロール達の中心に踏み込む。そのままトロールたちの意識の隙間を縫って集団の中心まで瞬く間にたどり着いた時。

 

 

 

 "フロスト・オーラ"

 

 

 

 ナイト・オブ・ニヴルヘイムのクラス能力であるそれを全開にして一気に解き放つ。

 瞬間、哄笑が止み後には醜く嗤ういくつもの彫像が出来上がる。凍りついた森のなかで無様に立ち並ぶそれらはあたかも己の醜さを嗤うようにも見えた。その様を見て守護者達は一息ついて話し合う。

 

 

 

「コンナモノカ。武器ヲ振ルウ価値モナイナ。配下ニハナラナカッタガ新鮮ナ死体ガ得ラレタノハ悪クナイダロウ」

「うん、何よりこいつらをモモンガ様やXオルタ様に会わせなくてすんでよかったよ」

「じ、じゃあ、仕事も済んだしモモンガ様からのメッセージがくるまで待つの?」

「イヤ、死体ヲナザリックニ運ブ為ノゲートモ必要ダカラナ。氷がガトケル前にニ早メニ連絡ヲ取リタイ」

「だったら私が行くね。フェンに乗ればすぐだし」

 

 

 

 そう言った直後、アウラはフェンリルにまたがると出発した。残されたコキュートスとマーレは一気に見えなくなっていくアウラを見送る。

 

 

 

「シカシ、コレラガ愚カナノハシカタナイトシテ、コレカラ他ノ者ヲ支配デキルダロウカ?」

「つ、次の相手はもうちょっと頭がよければなぁって思いますよね」

「ソウダナ……」

「そういえばあのトロールの名前聞いてませんでしたね……」

 

 

 

 最も活発なアウラがいなくなり、残された男2人は互いにため息交じりに漏らし合った。

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 一方で、アウラの報告を聞くモモンガもまた不承不承といった様子だった。彼女の報告内容はベストではないもののベターではあり満足すべきものだ。

 しかし、モモンガとしてはコキュートスを含めた3人に統治者としての経験を積んでほしかったのだ。モモンガとXオルタが求める世界征服の形として連邦制のようなものを目指す以上、複数の統治者は必須だった。

 

 

 

「仕方がないか。取り敢えずは死体を第五階層に送り、保管しておくとしよう。さて、次に攻める場所だが決まっているのか?」

「はい。西にしようと思っています。西の方が近く、1つの集団になっているので対処しやすいと考えられるからです」

 

 

 

 筋は通っているがモモンガにとっては嬉しくない答えである。Xオルタのノートからモモンガは被支配者としてはリザードマンが最適だと考えていた。

 

 

 

「悪くない考えだが少し問題があるな。西の者達は支配されるに足るのかと言う点だ。民を得ることも1つの目的なのだから北の方がその意味では確実だ。まあ、確かに、アウラの言う通り西の方が容易いだろうがな」

 

「では、北のリザードマンから相手にするべきでしょうか?」

「私としてはその方が望ましいと思っている。だが、難しいことも事実。なので、北からやるのならば少しヒントを出そう」

 

 

 

 ヒントといってもノートからカンニングしたことを逆算したに過ぎない。しかし、モモンガの言葉はアウラを驚かせ、喜ばせるのに充分だったようでとすぐさま首肯を返させた。その態度に若干引きながらモモンガはヒントの内容を続けた。

 

 

 

「あ、う、うむ。リザードマンを相手にするときのヒントだな。複数に分かれていて対処に手間取るのであれば1つに纏めてしまえばいいというものだ。単純だが、問題の一元化は重要だし効率的だぞ。後は、自分達で考えるべきだな。しかし、拠点との距離が離れてしまうのは不安だな。これを渡しておこう」

「ありがとうございます、モモンガ様!大事にします!」

 

 

 

 モモンガが渡したのはスクロールだ。スクロールの補給手段がないため貴重だが、連絡手段を確保することの方が重要だ。

 

 

 

「メッセージの魔法が込められている。1人につき1つだ。行き詰まった時や緊急時に使うようにしろ。もったいないからと言って使いそびれるなよ。では、次は北だな。十分に休んだら出発せよ。お前達がナザリックに新たな配下を加えられる事を期待しているぞ」

 

 

 

 感謝を述べて元気良く飛び出していくアウラが去るのを見送るとモモンガは一息ついた。そのままそばに仕えるメイドに声をかけた。

 

 

 

「フォアイル、お前達のメイド服について聞きたいんだが、それはホワイトブリムさんのデザインだったな」

「はい、至高の御方々のお1人、ホワイトブリム様が手ずからデザインしてヘロヘロ様、ク・ドゥ・グラース様によって形作られました」

「つまり、彼ら以外にお前たちのメイド服と同じものは作れない。そういうことだな」

 

 

 

 重々しく言ったモモンガは42人目の消失の目前に迫るために最も信頼する頭脳へとメッセージを飛ばした。

 

 




もうどういう書き方してたのか完全に忘れかけていたのでかなり難産でした。
書式とか空行とか訳が分からない。
えっちゃんだしたい。ちなみにFGOの方はXもえっちゃんも当たりませんでした。
天井の実装を強く所望する。
若干駆け足で東の巨人が消えました。馬鹿だからしょうがないね。

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