感想、評価、お気に入りありがとうございます。
今回はモモンガ様対えっちゃん
後書きにノートの内容について少しまとめてみました。
この後書きで前回の読まなくて済むかもしれない。
地雷まみれで遅々として進みませんがよろしくお願いします。
追記
一言抜けていたので訂正しました。
青い空の下、屋外には不釣り合いな程、豪華な円卓が置かれていた。周りには10の席があり、下は10歳に届かないように見える子供、上は総白髪の老紳士、果てには骨や虫にまでに及ぶ様々な者たちが座っていた。
8つの席に座る者たちは繰り返し賛辞を口にしていく。
残る2つの特に豪華なあしらいを施されたものに座る内の1人、モモンガが苦笑しながら呟いた。
「どうしてこうなったのか……」
額に手を当てて悩むそぶりを見せるものの、その声色からは隠しきれない喜色が読みとれる。
「ちょっとナメてました、ね」
◇◆◇
事の起こりは今朝、ノートの処遇についてモモンガとXオルタの意見が一致しなかったことにある。
そのため、モモンガがアルベドに連絡して守護者を集めるように言ったのが凡そ2時間前、さらに1時間かけて第六階層の円形闘技場に円卓が設置され、守護者が集まった。
その後、多少の悶着はあったものの、その場にいた10人全員が着席した。
「まずは、この席についてくれたことを感謝しよう。さて、今回は、我々の意見が割れたために集まってもらう必要があった」
モモンガの言葉は席に着いたもの全員に重くのしかかる。
全ての守護者が自分達の仕える主人の間に起きた不和を重く受け止め、いかなる行動をとるべきか考える。
ある者は自分の愛を貫くことを誓い、また一方では仲裁の方法を得るためにあらゆる手を尽くすべく考えを走らせる。しかし、殆どのものに共通していたのは恐怖だった。
「原因はこのノートの管理方法にある。オルタさんが書いたもので、今後のナザリックの為の有用な極秘情報がまとめてある。その為、アインズ・ウール・ゴウンの習いに従い、この場で話合い、多数決の上で決めたいと思う」
守護者達は何も言えない。例えどれほど分不相応な役目を与えられようとしているとしても、今、この場でそれを否定してしまえば主人達の不和を加速させてしまうかもしれない。
「異論は無いようだな。では、我々の意見を述べよう。まずは、オルタさんからだ」
「えっと、では、私がどうしたいかと、その理由から、言います」
息を深く吸い込んで口を開いた。
「わたしは、このノートはそれなりに有用だと、思っている。だから、最大限利用する為に配下、少なくとも、頭の良い1人、例えば、デミウルゴス辺りに、渡して活用してもらいたいと思っている」
守護者達の目の色が変わる。守護者達にとって至高のお方が直々に作った物を下賜されるということは極めて光栄な事だ。
一方でモモンガの意見が続く。
「次は私だな。私はこのノートに書かれていることは極めて重要であり、厳密に保管すべきだと考えた。その為、これはパンドラズ・アクターに預け宝物庫にしまい、必要な時のみ取り出すべきだ」
そのまま、モモンガは守護者達を見回す。
「問題は理解したな。わからないことがあれば随時聞くが良い。では旧金貨は私、新金貨はオルタさんだ。それぞれ、パンドラズ・アクターから金貨を受け取れ。……ふむ、全員に渡ったな。互いに話し合い、各々の意見を固めよ」
席に着いた8人の顔が引き締まったようにも見える。
最初に声をあげたのはパンドラズ・アクターだった。
「では、僭越ながら私めが口火を切らせていただきましょう!」
モモンガの隣で勢いよく立ち上がり、身振りを加えて話し始める。
「簡潔に申しますと、私はモモンガ様の案に賛成です。なぜなら、私は、その至宝を管理したいのです!」
そのまま、モモンガとXオルタの方を向いて満足気に最敬礼。
「Wenn es meines Gottes Wille」
周囲の者達は余りの傲慢な物言いに唖然としている。いや、メガネを煌めかせながら立ち上がる者が1人。
「2人目は私でもよろしいでしょうか?」
デミウルゴスは納得済みといった顔で続けた。
「至高のお方々の叡智には及ぶべくもありませんが、私は仮とはいえ、Xオルタ様のお眼鏡にかなうという幸運に恵まれました。なので、その全力を尽くす機会を得たいと思います。さらに、敢えて言うのなら恐らくこの書物を預かった者は、至高のお方々に最も近い場所でお仕えできると思いました。それら2つの理由故にございます」
アルベドとシャルティアが揃ってXオルタの方を向く。まるでデミウルゴスの言うようなことが本当にあるのかと確かめようとするかの様に。そして、あまりにもあっさりと答えは出た。
「確かに、モモンガさんか私の部屋とかに呼ぶことはあるかも、だよ」
どよめき、そこから読み取れる渡されるであろう2人への羨望。そんな中、アルベドは次の一手を取る。
「Xオルタ様、1つ質問をお許しください。仮に、Xオルタ様の案が選ばれた場合、デミウルゴス以外のものにその至宝を預けることがあり得ると考えてもよろしいのでしょうか?」
「うん、アルベドも頭いいし、使いこなせそうならありだと思う、よ」
アルベドの意思が決まる。僅かでも愛する者との可能性につながる道へ、愛に狂った乙女は突き進む。
そのまま妄想の世界に突入したアルベドに比較的冷静な他の守護者からの声がかかる。
「見苦しいでありんすぇ、アルベド。そんな事ではモモンガ様の寵愛はおろか、見向きもされない事請け合いでありんしょう」
新金貨を出しながらいう一言、それが燃料となった。
「はん。貴方にはわからないのでしょうね、この意味が。貴方が理解していないうちに私は完全なる勝利を得るつもりですけどね」
「……完全なる勝利ってどういう意味をふくんでるのか、教えて欲しいな、守護者統括様ぁ」
「シャルティア、黙って」
「イイ加減黙レ、至高ノ御方々ノ前ダゾ」
怒気を孕んだ2つの声が響いた。アウラとコキュートスの制止に守護者達の息が止まり、2人が謝罪する。
赦しを乞う様に皆、一様にモモンガとXオルタの方を向く。
すると、予想していたものとはあまりに違う反応が返ってきて、守護者達の硬直を解くことを許さなかった。
「――あははは!」
「ふぅー、これはかぜっち。こうしてはいられないのでは」
2人は喜んだ様子で笑い、語り合う。
「構わないとも、許す、許すぞ!あははは!」
「これ良いです、ね」
「今度また、やりましょう」
2人にはこの光景が、ギルメンで話がまとまらず論争となっているシーンと重なった。この2〜3年間殆ど見なかったシーンだ。懐かしさと喜びで舞い上がっていた。
しかし、モモンガにとっては喜びもそこそこに感情が鎮静されてしまう。隣で未だ落ち着かないXオルタを一瞥し、続きを促した。
「話が逸れたな。まだ、発言していないのは、アウラとマーレ、コキュートス、後セバスだな。折角だから1人ずつ言ってくれ。まずはアウラからだな」
「私ですか?私はモモンガ様の案に賛成です。不安なヤツがいるので」
シャルティアとアルベドに視線をやりながら言った。その隣でマーレはコクコクと頷いている。
「マーレは――」
「ボ、ボクもお姉ちゃんの言うとおり、だと思います」
「じゃあ、コキュートスはどう?」
モモンガの言葉を奪い、Xオルタが問いかけた。
「Xオルタ様ノ案ニ賛成シマス。我ガ友デアリ、守護者随一ノ頭脳ヲ持ツデミウルゴスナラバ、キット御期待ニソエルデショウ」
「では、最後にセバスだな」
「私は宝物庫に在るべきかと。第9階層を守護する任を負うものとして、より深き場所に保管してあって欲しいものです」
それぞれ
「しかし、半分に割れてしまったな」
「それならば、私が意見を変えましょう。これで至高の御方々、どちらの本意も果たされるでしょう」
デミウルゴスの言葉に驚く、守護者達。
「ど、どういうことですか?デミウルゴスさん、そうしたらXオルタ様の案が通らないし……」
マーレの疑問に対しデミウルゴスが答える。
「何、単純なことさマーレ。私たちはずっと御二方の手の上で踊っていたに過ぎないということだよ。では、モモンガ様、Xオルタ様、私の仲間に御二方の真の狙いを告げておいた方が良いかと思われます」
続くデミウルゴスの言葉の意味がわかってないモモンガは焦りつつも表情を変えず、促した。隣ではXオルタが肘をつきながら手を組んで顔を隠した状態で黙っている。しかし、モモンガが横から見るぶんには隠しきれておらず慌てているのが見て取れた。
「……流石はデミウルゴス我々の真意を我々の全てを見切るとは……な」
「いいえ、モモンガ様。至高の御方々の深謀遠慮。私の並び立てるところにはございません。私に理解できたのは一部にだけではないかと思っております」
そこから口々に守護者達が質問してくる。
「なるほど、そういうことね」
「アルベドも気がつきましたか」
何に気がついたのかわかっていないモモンガは続きを促す。
「では、アルベド、デミウルゴス、お前達が理解したことを他の者達に話すことを許す」
どこまでも深読みを果たしたナザリック最高の知能が牙をむいた。
種明かしは次回です。
では、ノートですが
1ページ目地図
2ページ目設定
3ページ目人物
4,5ページ目注意事項(コメント)
6,7ページ目出来事
のメモ形式で情報ソースは一切書かれてません。
転移後役に立つことためのものなので転生についても書いてません。
一般の原作知識と比べるとかなりザル
ユグドラシルでもあったWIとかについては少しずつ思い出しつつ補強しているので転移後世界の情報より豊富
一方転移後世界の情報はカス、ひとつの単語に十文字あれば多い方
とか考えています。