謎の至高Xオルタ   作:えっちゃんの羊羹

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8話です。

感想たくさんありがとうございます。

テンションが上がりました。

そして話の内容ですが、2人がやっと外出できました。

あと、タグにヤンデレとキャラ強化とオリ設定を加えます。

えっちゃんなんてオリ設定の塊なの忘れてた。

追記:最後の方脈絡が無かったので一部書き直しました。


8話 夢と野望

 モモンガは辟易していた。

 

 既にノートはパンドラズ・アクターに渡し、2人で注釈を加えて説明した。他の守護者達も充分に働いてくれていて特に問題は起こっていない。駆け出しとしては万事がうまくいっていると言えるだろう。

 

 しかし、モモンガは疲労を感じないはずの肉体で確かに疲れるような感覚があった。最大の原因は目の前のXオルタの長話だ。互いに常に付き従う配下に疲れていたため、第9階層のロイヤルスイートでヒッソリと愚痴り合っていた。その時、何の気なしにXオルタの前世の思い出を尋ねたところまでは楽しく会話できていたはずだ。

 だが、途中、モモンガがXオルタの琴線に触れる問いかけをしてしまったようで、1時間近くぶっ通しで、熱に浮かされたような話を聞かされる事になってしまっていた。

 既に、自身のキャラクターを作った理由や、その詳細な説明は3回聞いている。モモンガは仮に、アルトリア顔の種類を上げろ、と言われたら即座に5種類は答えられるだろうという確信があった。

 

 Xオルタは今、「謎のヒロインXオルタ」の元ネタの1つとなったらしい映画について語っている。

 

「ですから、モモンガさん。転生して来て、時代的に身損ねたepを見れるんじゃないか、と期待したんです。でも、どんなに探しても、見つかったのは微妙にパチモン臭のする「ギャラクシーナントカ」っていうのがあっただけ。内容は全然違いますし、酷かった。もう、完全に昔の自分はないんだって打ちのめされました」

 

 長ったらしい語りを聞きながら、相槌を打ちつつ打開策を考えた。Xオルタの言う、「ギャラクシーナントカ」とやらはギルド内でも聞いた事があった。100年前の映画で、何かのイベントで話題になっていたはずだ。

 

「あのーオルタさん?とりあえず、その「ギャラクシーナントカ」とやらが何かひどいのはわかったんですが、ちょっと落ち着きましょう。ほら、これでも食べてください」

「はあ、ありがとうございます」

 

 途中で発見した、「食事中は黙る」性質を利用し、うるさくなったらメイドに和菓子を持って来させる方法でXオルタにブレーキをかけた。

 このやり取りも既に3回目だ。皿いっぱいに盛られた大福、週刊誌のようなサイズの羊羹を始末したXオルタは、熱い緑茶の添えられた大量の最中と格闘している。

 いい加減に話を切り上げさせねばならないと思ったモモンガは口を開く。

 

「それ食べ終わったらでいいんで、ちょっと外、見にいきませんか?」

「ん、良いですね。行きたい、です」

 

 Xオルタは最後の最中をお茶で流し込み、席を立つ。モモンガも既にせきを立ち、計画を練りはじめた。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 30分後、3つの影が地表部中央霊廟にあった。霊廟の奥から規則正しい足音が響き、デミウルゴスが口を開く。

 

「これはモモンガ様、ここにいらっしゃるとは、一体何事でしょうか?それに、そちらの……」

「ああ、これには色々な事情があってな。ここにいるのは外部の調査についてだ。もう、行くべきだろう」

 

 モモンガの腕がゆっくりと伸び、大袈裟に出口の先を示す。それと同時にモモンガの影に控えていた者らが外に飛び出した。

 一瞬目を奪われたデミウルゴスは驚愕の表情を浮かべる。

 

「こ、これは!」

「細かいことはもう少し奥で話したい。ついて来てくれるか?――」

 

 モモンガの姿が歪み、崩れる様にしてその内側から全く別の物が姿を現した。

 

「――デミウルゴス様」

「わかりました。詳しい話を聞かせてもらいましょう……パンドラズ・アクター」

 

 2人は静かに、しかし、それぞれ逆の思いを抱きながら第1階層の奥へ進んだ。

 

 

 一方、黒歴史の活用によってナザリックからの脱出を果たした2人は周辺にあった小高い丘に寝転び星を眺めていた。

 

「パンドラを使うだけの価値はあったでしょう、モモンガさん」

「……自慢気に変なこと言わないでくださいよ。……でも、確かにその価値はありますね。これがブルー・プラネットさんが見たかった光景なんだ」

 

 感慨深く呟いたモモンガはそのまま〈飛行〉によって舞い上がった。魔法職を持たないXオルタは慌ててアイテムボックスを漁り、若干の間を置いてついて行く。

 

「置いていかないでくださいよ」

「あっ、すいません。で、でもこれ凄いですよ。上から見ると全て手の中に入りそう」

 

 益体も無いことを語り合ううちにモモンガの口からポツリと漏れた。

 

「皆にも見せたいな」

 

 しみじみとした空気を破る様に、Xオルタが口を開いた。

 

「見せますよ、絶対に。きっと皆にこれを見せます」

 

 決意を込めた声で続ける。

 

「皆に謝って、ここに来てもらって、これを見てもらいたい、です。ずっと、皆も、こっちに来れる様に考えていたんです。かぜっちに誘われてクランに入れてもらった時から、ナザリックを攻略した時も、メンバーが増えた時も、ずっと考えていたんです。ずっと準備していたんです」

 

「だから、40人、皆が必ずこれを見れる様にします」

 

 モモンガは耳を疑う。夢物語どころでは無い。余りにも無茶なことを言っている。

 

 ――不可能だ――

 

 そう言いかけた。

 しかし、気がつく。自分自身もそれを望んでしまっていると言うこと。

 どんな無茶だろうと、夢見ずにはいられない願い。Xオルタの準備の内容がどんな物だったかはまだ知らない。僅かな片鱗を見たがそれだけだ。出来るかどうかもわからない。むしろ、出来ない可能性の方が高いだろう。

 でも、その目標は、ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルドマスターであるモモンガが目指すものとして、きっと何よりもふさわしい。

 

「頑張りましょう、オルタさん。きっと、出来ますよ」

 

 2人はそのまま大地に降り立ち、ナザリック外周を歩き続けた。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 その頃、ナザリック第1階層にて先程まで居た、パンドラズ・アクターとデミウルゴスに加え、アルベドが揃って居た。

 

「説明してもらおうか、パンドラズ・アクター」

 

 デミウルゴスの優しそうな、しかし、その裏に怒気をはらんだ声が響く。

 

「そうね、何故、御二方が供もつけずにナザリックから出ていかれるのを看過したの?」

 

 続くアルベドの言葉にも怒りの感情が見え隠れする。

 それらに応じるパンドラズ・アクターの言葉は極めて落ち着いたものだ。

 

「単純なことですよ。お二方がそれを望まれたからです」

「しかし、至高の御方々の身に危険が迫るかもしれないとしたら、その為にあらゆる手段を講じるべきだろう」

「そうよ。もし、モモンガ様の身に万が一が起きたらどうしたら……あぁ、モモンガ様、わたしは……」

 

 デミウルゴスにXオルタはどうするのだと言いたい気持ちが湧き上がるが、今話す必要がないと考え話を続ける。

 

「まさに、問題はそこなのだよ。パンドラズ・アクター、何故、危険が迫るかもしれないのにこの様なことを行なった?」

「危険があるかもしれないから、と言うことならば一言ですみます。危険がないからです。外周部には守護者第2位のマーレがいて僕を動員した上でさらなる警戒網も敷かれています。また、セバスの調査によって高レベルな敵がもともと存在しないこともわかっていたと聞きます。そして、何よりも、御二方がそれを私にだけ示されたからです」

「な、なぜモモンガ様は私にはそれを伝えて下さらなかったの?」

 

 取り乱すアルベドの言葉に至って冷静にパンドラズ・アクターは答える。

 

「それが我々の決定だからです」

 

 憤っていた2人の顔に理解の色が浮かぶ。

 

「Xオルタ様の記された至宝ですか……」

「あの時点でここまでの事をご存知だったとは流石至高のお方としか言いようがないわ。でもね、パンドラズ・アクター、1つだけ確認したいのだけれど、貴方はあの至宝を読んでこの行動が最適だと考えたのね?」

 

 パンドラズ・アクターは大きく頷き、全身で肯定の意を示した。

 

「まさしく、その通りでございます。私は、Xオルタ様より至宝を理解し、十全に扱う様に命じられ、モモンガ様より決して内容を口外せずに宝物殿に封じておくように命じられましたので」

「なら、仕方ないわね。私たちが口をはさむことではないわ」

 

 納得がいった2人は最後の疑問について考える。

 

「しかし、なぜ御二方はあのような行動をなされたのだろうか?パンドラズ・アクターは思い当たるところは無いか?」

「私ですか。ただ、そうなさりたかっただけかと思いますが」

「やりたいことをやっただけと言うことかしら?」

「ええ、あの異変より以前では常にそのようになさっていましたから」

 

 デミウルゴスとアルベドは今度こそ完全に理解する。

 

「支配者ではない、モモンガ様とXオルタ様としての行動をなさったのね」

「確かに、異変の前は常に新たな何かを求め、幾度と無く外征を行いその利益をナザリックのために持ち帰ってくださっていた。そして、私たちに直接声をおかけくださる事はほとんどなかった」

 

 自己嫌悪を浮かべながらデミウルゴスは続けた。

 

「異変から73時間もずっと、お二方は常に支配者として接してくださった。その慈悲深きお心に私達はすがり過ぎてしまったのか……」

「私たちはなんてことをしてしまったの?これ以上こんな無様を晒すことなど……」

 

 意気消沈している2人を見てパンドラズ・アクターは助け舟を出す。

 

「アルベド様、デミウルゴス様、そこまで気にすることではないでしょう。御二方はわざわざ姿を隠しながらここに来て、しかし、結局はその正体を示された。きっと私たちを叱責することなく自ずと気がつくように仕向けたのでしょう」

 

 なお、この脱出計画はモモンガに頼まれたパンドラズ・アクター立案のため、最も後腐れないであろう演説までパンドラズ・アクターの頭の中で想定済みである。

 

「支配者としての御二方、新しいものを求めて外征する御二方、どちらも揃ってこその至高の御方々なのです。私たちは御二方が何をなさりたいか考え、支え続ければ良いのです」

 

 その言葉から何かを察したアルベドとデミウルゴスは心を新たに今まで以上の忠誠を誓う。

 

「ならば、デミウルゴス、私たちもこれからやらなければならないことがありますね」

「ええ、出来うる限りのことをしなければなりませんね、アルベド」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 その頃モモンガとXオルタは外で働くマーレの陣中見舞いにて45個目のリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを渡して霊廟に戻るところだった。これについては事前にパンドラズ・アクターに用が済んでからはマーレの仕事を見ることを提案されていたからだ。

 霊廟前でマーレと別れ、そのまま中に入るとアルベド、デミウルゴス、パンドラズ・アクターの3人が出迎えた。

 

「外遊はお楽しみいただけたでしょうか?モモンガ様、Xオルタ様」

「う、うむ。少しやりたい事ややるべきことが見えて来てな。この美しい星空を見て、仲間達にも……」

 

 途中まで話したところで恥ずかしくなったのか言葉は途切れ他の支配者らしい言葉で補う。

 

「いや……、この星空は我等アインズ・ウール・ゴウンに相応しい輝きだと思ってな」

 

 どちらにしろ言い過ぎだと思い、モモンガはリングをアルベドに渡してその場をごまかそうとする。

 

「そ、そうだ……アルベドよ。お前にも渡しておくべきだろう。これからも忠義に励め」

 

 冷静ではあるが感情を抑えきれていないアルベドを見ながら、上手くごまかせていそうだと安心して、リングを起動させる。

 そのまま、背後に上がった、品のない声をBGMにしながら2人は第9階層に転移した。

 




今回は目的設定をしました。

また、えっちゃんがどんなふうにギルメンになったのか少し書いてみました。

後、プロローグのあとがきにあるステータスいじります。

新宿に感化されたので

パンドラえもんになりそう。

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