謎の至高Xオルタ   作:えっちゃんの羊羹

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9話です。

感想ありがとうございます。

タグをどうすべきなのかわかってないのでいまいち安定しないです。

新宿でえっちゃんが優秀すぎる。




9話 足掛かり

「これより、計画を開始する。皆、準備はできているか?」

 

 モモンガの言葉が静寂を破る。その場にいる他の3人、さらに控えている8体のシモベが静かに同意を示す。ほかのものは既に配置についており、残るはここにいる12人だけだ。

 

「では、行くぞ。この地に我等『アインズ・ウール・ゴウン』の名を知らしめよう」

 

 そのまま半数がモモンガによる「ゲート」を潜り、外に出る。メッセージを繋ぎ、「遠隔視の鏡」を通し村の状況を監視しながらタイミングを計る。

 

『今です!オルタさん』

 

 鏡の奥で壁が粉砕されたのを確認しメッセージを切る。視点をずらしつつ目的の相手を発見したモモンガは自分たちのためのゲートを開いた。

 

 

 一方、メッセージで呼びかけられたXオルタともう1人、浅黒い肌をしたメイドは向かった先で騎士達を蹴り飛ばしていた。

 

「予想以上に弱い、ね」

 

 蹴り飛ばされた騎士は反対側の壁に穴を開け、ただでさえ荒れていた家をさらに悲惨な状況にしていた。もはや壁が一面しかなく、僅かな振動で崩れそうだ。

 Xオルタはそのままメイドに指示を出す。

 

「ルプスレギナ、怪我している村人を助けて回って。私はこの騎士達を生け捕りに……」

 

 騎士に目を向けて気がつく。両手足は捻れ、木片が胴体を貫いている。首は人には不可能な方向に捩れ、紅い泡を吹きながらピクピクしていた。どう贔屓目に見ても生け捕りにできる相手ではない。よくて余命数分といったところだろう。僅かに逡巡して口を開く。

 

「先にアレを治して。その後、村人を、ね」

「かしこまりました。Xオルタ様」

 

 命じられたメイド、ルプスレギナは直ぐに捻れた騎士を治療し、崩れそうな家に横たわる夫婦の治療に入った。

 ルプスレギナの行動を確認して、Xオルタは捻れていた騎士を引きずりながら次の獲物を生け捕りにすべく動き始めた。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 目当ての少女を見つけたモモンガは仮面等で変装してからゲートを開き、アルベドと不可視化したエイトエッジ・アサシン4体を連れて転移する。

 眼前に広がる光景、2人の少女とそれを襲う2人の騎士、に満足して魔法を発動した。

 第9位階の即死魔法<グラスプ・ハート/心臓掌握>をはなつ。すぐさま倒れた騎士からもう1人の騎士に目を向けた。次は遥かに劣る魔法<マジック・アロー/魔法の矢>を使った。

 周囲には10の光球が浮かび上がり、次々と騎士に襲いかかる。瞬く間に騎士がボロ切れのようになり倒れる。

 

「弱い……こんなに簡単に死ぬとは……いや、弱いと聞いていたがこれ程とは……」

「いえ、モモンガ様のお力の前では当然のことです」

 

 独り言のつもりが返事をされて戸惑いつつ、騎士の死体にアンデッド作成のスキルを使用して指示を出す。指示を受けて走り去ってしまったデスナイトに呆れながらもう一つの死体もデスナイトに変え、自分達を守るように指示を出す。今度はその場に留まった事に安心して襲われていた少女達、おそらく姉妹、に向き直る。

 

「……怪我をしているようだな?まずは、これを飲むといい」

 

 そのまま、無限の背負い袋<インフィニティ・ハヴァザック>から、下級治癒薬<マイナー・ヒーリング・ポーション>を取り出し、渡す。

 理解が追いつかずまごつきながら手を伸ばす少女、姉の方、に対しイラつきながら急かす。

 

「早くしろ、もたついている暇はないぞ」

 

 急いで薬を飲んだ少女に確かに効果が表れた。それに納得したモモンガは続けて質問をする。

 

「お前達は魔法というものを知っているか?」

「は、はい。む、村に時々来られる薬師の……私の友人が魔法を使えます」

「……そうか、なら話が早いな。私は魔法詠唱者だ」

 

 そのままモモンガは二人の少女を守護する魔法を唱える。

 

「それと、念のためにこれをくれてやる。ゴブリン将軍の角笛と言われるアイテムで吹けばゴブリンがお前に付き従うべく姿を見せる。そいつらを使って身を守るがよい」

 

 そのまま村に向かおうと足を進めようとして背後から声がかかる。

 

「あ、あの――た、助けてくださって、ありがとうございます!」

「ありがとうございます!」

 

 モモンガの歩みが止まり振り返る。少女の顔を見て、短く答えた。

 

「…………気にするな」

「あ、あと、図々しいとは思います!で、でも、あなた様しか頼れる方がいないんです!どうか、どうか!お母さんとお父さんを助けてください!」

 

 一拍おいてモモンガは軽く、楽しそうに調子で答えた。

 

「了解した。だが、頼れるのは私だけではないかもしれないぞ」

「え、あ、ありがとうございます!ありがとうございます!本当にありがとうございます!そ、それとお、お名……お名前は何とおっしゃるんですか?」

 

 問われた言葉に対し僅かな逡巡の後、自信をもって答えた。

 

「我々の名を知るが良い、我らはアインズ・ウール・ゴウン、ナザリック地下大墳墓の支配者だ。そして、私はアインズ・ウール・ゴウンのモモンガだ」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 Xオルタは2人の騎士を引きずりながら歩いている。捕虜を置く場所に困り途中から生け捕りにすることをやめた結果、両手に騎士の襟首を持ちながらアクロバットする羽目になったことに一人、愚痴を漏らした。

 

「……くさい」

 

 巻き込まれた捕虜の2人は振り回されて酔ったためか吐瀉物をまき散らしているので、Xオルタの歩いた道からは異臭が漂っている。

 村人を治療したルプスレギナは背後からXオルタに追いつき、一瞬だけ、ほんのわずかに顔をしかめる。

 

「ケガをしていた村人は治療を終えました」

「死んでいるのはどれくらいいた?」

「はい、途中見かけたもののうち半数は既に死亡していました」

 

 村人側に死傷者が出ていることを確認したXオルタはあまり自身の感情に変化がないことに若干の戸惑いを覚えたが、大したことはないだろうと切り捨てる。

 

「じゃあ、村人たちはどこにいる、かな?」

「村の中央に広場があり、そこに集まっています」

 

 ルプスレギナが前に出て案内を始める。村の中央にはすでにモモンガがいて、村長と交渉を始めていた。周囲には2~3人分のミンチになった死体が散らばっている。

 

「モモンガさん捕虜です。そこらへんに置いておきます。後、途中見かけた村人は死んでなければ治療してあります」

「2人だけですか?まあ問題なさそうですが……」

「モモンガ様、そちらの方は……?」

 

 問いかけに対してXオルタ自身が答える。

 

「ヒロインXオルタ、です。モモンガさんの仲間、です」

 

 時折止まりながら、しかし、満足気に述べる。

 

「では、Xオルタ様もアインズ・ウール・ゴウンの……」

「はい、大事な仲間です」

 

 モモンガが嬉しそうに答え、Xオルタも同様に頷いた。

 その後、モモンガが村長の家で細かな交渉をしている間、Xオルタは暇だった。助けられた村人たちに口々に礼を言われつつ、遺体を埋めているのを眺めていると緊張した様子で見覚えのある姉妹がほかの村人に話しかけているのを見つけた。

 

「あ、あの、お母さんとお父さんがどこにいるか、ご存知でしょうか?どこにもいないし、遺体も見つからないみたいなんです?」

 

 聞こえてくる言葉に一瞬戸惑う。自分は確かにあの姉妹の両親は助け、ルプスレギナに治療させたはずだ。なぜこの場にいないのだろうか?

 

 助けた後また殺された。

 ありえない。背後に抜けていく騎士はいなかった。

 

 治療が間にあわなった。

 ルプスレギナが確かに回復させていたのを見ている。少なくとも片方は生きているはずだ。

 

 そのまま娘を探しに外に出て行った。

 ありえる。どこに逃げたかは把握していないだろうから気が付いてすぐに探しに行ってもおかしくない。

 

「ルプスレギナ、最初に助けた夫婦が村の外にいるかもしれない。どこにいるかわかる?」

 

 おそらく最後までその2人を見ていたメイドに問いかけた。

 

「あの2人ならそのままの場所で寝たままにしてあります」

「は?」

 

 Xオルタが言われたことを理解しようと反芻した次の瞬間、少し離れた場所であばら家が一気に崩れたような音がした。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 交渉が終わり、村人たちが葬儀を始めるとモモンガはXオルタとNPCの2人をつれ、捕虜の確認にいく。捕虜はゲートによってナザリックの「真実の部屋」に送られニューロニストに管理させることになっている。汚物にまみれていることについてナザリックに入れてもよいのかとひと悶着あったが原因が知られるとNPCの全会一致で可決された。

 

 

 葬儀が終わり、先ほどの姉妹、エンリ・エモットとネム・エモットが両親について感謝の言葉を述べに来た。両親は家が崩れた時のケガで歩けないようだが命に別状はないとのことだ。

 

 モモンガが常識のすり合わせと、ノートの内容とのチェックを続けるうちに日は沈みかけ、夕日が出浮かんでいた。ルプスレギナの滞在についての話を纏め終わると同時に外で待つXオルタにメッセージを送る。

 

『ノートの内容はだいたいあっていましたよ。人名とかの固有名詞がひどいことになっていた気がしますが』

『よかった、です。ここまで来て全然違ったらどうしようかと……』

『でもこれで対処すべきことがわかりやすくなりました。頑張っていきましょう』

『はい!』

 

 そのまま待つこと、数十分。やはりノートの内容に間違いがあったのではとXオルタが思いモモンガの顔をちらちらと伺い始めたころ、ようやく周囲のシモベたちによる警戒網にもう一つの目的が掛かった。




やっとカルネ村です。短いです。

駄犬がやらかしました。実際は他の騎士に狙われないようにとかあったんですがそこはスルーされました。

あと、感想、批判、評価なんでもほしいです。

文章力ほしい。

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