ゼンマロイド
それは、全高約30センチ大
に作られた、半自立型ロボッ
トの総称である。

西暦2017年現在、
それはまだ世に出回っていな
かった。

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第1話

私は今日もここに来た。

 

向こうには灰田がいる。

 

「おっ!今日も来てくれたんだな!駆我クン」

 

「本名で呼ぶな、ったく…今日のリーグ表を見せてくれ。」

 

「HA!HA!ほらよっ、今日も強者ばっかりDA!頑張ってくれYO!」

 

「問題ない。今日も楽しめそうだ。」

 

 

 

「イーーーーハーーーーッ!!今日もリーグ戦を始めるZE!」

 

灰田の掛け声に大勢の人が盛り上がる。

 

「さぁさぁ!気になるマッチングはこれDA!」

 

みんながリーグ表を見る。

 

「ウソだろ!俺あいつとかよ!」

 

「よっしゃー!燃えてきたぁー!!」

 

「あれ?僕の名前どこだ?」

 

「オーケイ!オーケイ!さぁ!指定リングへ移動してくれ!」

 

リングは…Bか… あの人が対戦相手…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたが俺の相手か?」

 

「そうだ。」

 

「こりゃぁ俺の勝ちだな!ここに来たことを後悔させてやるぜ!」

 

「ムカつく…」

 

 

 

 

「リングB一回戦は、ティターンVSヴァイオ!」

 

灰田…声でかいな…

 

「ゼンマロイドの準備はいいか?」

 

お互い、ゼンマロイドを指定位置に置く。

 

「それではッ!第一回戦スターートッ!」

 

相手は…グラップルセット!?よくあんなセリフが言えたな…

 

とりあえず、メイン武器のエレボス[銃]を撃ってみるか…

 

…ってありゃ?直撃しやがった。

 

「リングB一回戦の勝者は〜ティターーン!」

 

「嘘だろ…俺のナックルズが…」

 

「お前、私にグラップルセットで勝てると思ったのか?」

 

「クソォ!覚えてろ!」

 

対戦相手は走り去っていった。

 

「さて…次の対戦相手は…」

 

 

 

「あっ…あああのぉ!おおねがいいッします!」

 

「……はい、お願いします。」

 

こいつ、大丈夫なのか?いやしかし第一回戦を突破したんだ。油断は禁物だな。

 

「二回戦は、rioVSティターン!」

 

「ゼンマロイドの準備はいいか?」

 

相手のゼンマロイドはTYPE-Gか…どうしかけてくるのか…

 

「それではッ!第二回戦スターートッ!!」

 

うおっ!!

 

いきなり撃ってきた…しかもあの武器はシューティングクラッチ[銃]…

 

確か、単発のはずだ…あいつ何考えているんだ?

 

…考えても仕方ない…一気に攻める!

 

ダッダッダッダッ  

 

私の愛機ゼウスが大地を駆ける。

 

ダンッ  

 

相手の機体の前で大きく跳び上がる。

 

と同時にエレボス[銃]で相手の周りを撃ち退路を断つ!

 

そのままサブ武器のタナトス[格]を大きく振る。

 

相手はシューティングクラッチ[銃]を横向きにし、攻撃を防ぐ。

 

火花が散る。両者一歩も譲らない。

 

予想以上に力が強い!

 

私はさらに力を入れた。

 

その瞬間、相手はタナトス[格]を横にはじき、ゼウスの後ろに回り込む。

 

なっ!しまった!

 

「もらったぁ!!」

 

ガキィン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あ、危なかった…

 

ゼウスの周りにはバリアが発生し相手の攻撃を防いでいた。

 

「え!嘘…でしょ…」

 

対して、相手機体の腹部にはタナトス[格]が刺さっていた。

 

「二回戦の勝者は〜ティターーン!!」

 

「ああッありががとうございいいましたッ!」

 

「こちらこそ!ありがとうございました。」

 

二回戦は実にいい戦いだった。一発目に動揺させ、わざと攻めさせて不意をつく。

 

それを実戦で使えるのはスゴいことだ。

 

私も実力を上げなくては…

 

さて、次の相手は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしく…」

 

私が一番嫌いなタイプだ!

 

強いくせに人に頼らない。つまり、一人で上がってきたやつだ!

 

…いま私も一人だと思ったか?すまんが私には優秀なマイスターがいる。

 

私の要望に合わせてすぐに対応してくれるのだ。

 

見た目も可愛いし…ってこんなことはどうでもいい!

 

「準決勝はティターンVSノルト!」

 

おや?もう準決勝だったのか…

 

「ゼンマロイドの準備はいいか?」

 

…TYPE-Gか…

 

TYPE-Aを使ってる人を見たこと無いのは私だけか?ちなみに私はTYPE-Aだ!

 

見くびってもらっては困るぞ!GにできないことがAにはできるのだ!

 

「それではッ!準決勝スターートッ!!」

 

お互い相手の様子を見る。

 

どちらが先に動くか…

 

ーゴボゴボ…

 

…?

 

ーゴボ……

 

地面から何か聞こえる…

 

ゴバァッ!

 

…なにッ!!

 

何かが飛び出してきた!

 

これは…真ドリルアーム!?

 

この距離…回避できない!

 

ぐッ!奇襲持ちか!

 

かなりのダメージを食らってしまった…

 

残り2/3ってところか…

 

ならこちらも!

 

アシスト武器のエレボス[銃]を撃つ。

 

これは…いける!!

 

銃弾が相手の機体めがけて一直線に飛んでいく。

 

「甘い…」

 

その言葉と同時に相手機体は回避行動をとる。

 

「…!バカな!!」

 

「その様子だと…命中は1500超えかな?」

 

…!…あぁそうさ…エレボス[銃]の命中は1700近くある。なのになぜ…

 

「残念だが私の機体、ノル子は回避が2000超え!さらに、命中が1500超えなのだよ!」

 

なにぃ!?チート級じゃないか!

 

クソ!どうする…

 

考えろ…

 

何か…何かあるはずだ…

 

………あれ?

 

あのボディ…ヴァンパイアボディじゃないか?

 

だとすれば…

 

「さぁ!このターンで終わりだぁ!」

 

相手の銃撃がゼウスに向かって一直線に飛んでくる。

 

…!!まずい!ジャストアタックだと!?

 

このターンだけでいいんだ!耐えてくれ…エレボス!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………よかった。

 

本当に頼りになるよ。

 

バリアってやつは…

 

「守ったか…だがもう、私の勝利は決まったも同然だ!」

 

真ドリルアームがこちらを向いている。

 

「残念だったな。先制発動だ!」

 

「それがどうした!さぁノル子!回避だ!」

 

しかしノル子は動かない。

 

「どうした!ノル子!おい!どうなっている!お前!私のノル子に何をした!」

 

「私は何もしていないさ…お前、ほとんどのギアリングを2ターン目までで終わらせているだ

 

ろ?」

 

「…それがどうした?先手必勝だろ?」

 

「お前、自分の機体の能力くらい覚えておけよ…」

 

「…?ノル子の…能力?」

 

「そうだ、暴走持ちだろ?」

 

「え?…暴走?パワーレベルを上昇させる能力じゃないのか?」

 

「あぁ、やっぱりお前オーバーヒートを知らなかったろ?」

 

「…オーバーヒート?なんだよそれ!」

 

「3ターン目動けなくなる。そして、相手の攻撃が必中する!」

 

「!!」

 

「私の勝ちだ。」

 

私は煙が出ているノル子めがけてタナトス[格]を振った。

 

「準決勝の勝者はティターーン!!!」

 

「なかなか良い戦いだったぞ。」

 

「私としたことが…不覚だったよ。」

 

お互いを認め合い、握手を交わした。

 

さぁ、いつの間にか決勝か…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「決勝戦はティターンVSヴァルキリア」

 

うぉぉぉぉぉぉ

 

観客が一気に盛り上がる。

 

はぁ、決勝はこんなに盛り上がるのか……

 

「ゼンマロイドの準備はいいか?」

 

「それではッ!決勝戦スターートッ!!」

 

「セイヤッァ!」

 

開始の合図とともに相手が雄叫びをあげ、攻撃を始める。

 

私もエレボスを攻撃姿勢にする。

 

あの武器は確か……多連装誠意ポッド[爆]…

 

まずい!私の武器はエレボス[銃]だからジャストアタックを食らってしまう!

 

先制を取らなければ…

 

よし!

 

いっけぇぇええぇぇええ!!

 

「なにっ!?」

 

相手機体に銃弾があたり、地面を巻き込んで大爆発を起こす。

 

決まった!確実にダメージを与えた!

 

瞬間、爆風で舞い上がった砂埃の中から、相手機体が飛び出してくる。

 

「くらえ!」

 

キィィィン!

 

ジャストアタックが発生し、金属音が響く。

 

なななッ!

 

残り耐久が2/3か…

 

まぁいい、次に私がジャストアタックを決めれば充分に勝てる。

 

さぁ、何で来るか…

 

にらみ合いが続く。

 

先に動いたのはティターンこと駆我かがりだった。

 

これでどうだ!

 

相手の武器はまた多連装誠意ポッド[爆]を構えている、それに対し私はタナトス[格]だ。

 

ジャストアタックを取れる!

 

どりゃぁぁああぁぁああ!!!

 

相手機体の耐久を削りきった…

 

 

 

そう、確かに一度耐久は0になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………なッ!?

 

なんだと…

 

そこには相手機体が倒れることなく立っていた。

 

「負けたかと思ったよ…まさかヒーロー補正が発動してくれるとはね。」

 

バカなッ!いったい何%の確率なんだ!

 

しかし、発動してしまったものは仕方がない…

 

「次こそ決める!」

 

「残念だが、次は無い!」

 

どういうことだ?まぁいい、相手の耐久は1だ。

 

私はエレボス[銃]を構えた。

 

相手はまた多連装誠意ポッド[爆]を構えている。

 

これではまたジャストアタックをくらってしまう…

 

いや、しかしさっきも先行を取れたんだ。それにこれをくらっても耐久0にはならないだろ。

 

おっと、考えているうちに相手機体が走ってきた。

 

私は相手機体に向かってエレボス[銃]を放った。

 

……しかし銃弾はでなかった。

 

どういうことだ!

 

なぜ銃弾が撃てない!壊れているのか?

 

……?

 

壊れている?

 

そうか……壊れていたんだ。

 

多連装誠意ポッド[爆]のジャストアタックをくらってから…

 

あの武器は、銃撃武器破壊持ちだったのか。

 

そして今相手は、3ターン目・耐久力が10%以下・ジャストアタックこの3つの条件を満たして

 

いる。

 

リミットオフアタックが繰り出される。

 

これは、私の負けだな…

 

リミットオフカウンターがでてくれればいいのだが…

 

って私の耐久はまだ2/3も残っていたか。

 

いや〜実にいい戦いだった。

 

「優勝はヴァルキリア!!」

 

うぉぉおおぉぉおお!

 

相変わらず観客は盛り上がっているな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表彰式が終わって観客がだいぶ減ってきた。

 

「ナイスファイトだったZE!駆我…ティターン!」

 

「あぁ、ありがとう」

 

「一つ疑問なんだが、なぜそのゼウスの設計図ネットに公開しないんだ?」

 

「こいつは…私が作ったんじゃない、妹の梨香が作ったんだ。」

 

「…すまねぇ、悪いこと聞いちまったな。」

 

「いいんだ。いつかこいつで世界一を取る。そうしたら公開するつもりだ。まぁ、どれだけ先

 

になるか分からないがな。」

 

「俺はゆっくりでいいと思うぜ……ほら空を見てみろよ。」

 

「もうすっかり真夜中だな…そろそろ帰るとするか。」

 

「また来てくれよな!気をつけて帰れYO!」

 

私は会場を後にした。

 

夜空を見上げながら歩く。

 

いつもより星がきれいに見えた。

 

「梨香…必ず生き返らせてみせる。」

 

少し星を見てから帰ろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、星を見ていたらバカ(勇)から電話がかかってきて、公園の掃除を押しつけられた。




こんにちは、ぺんたこーです。
読んでいただきありがとうございます。
自分でも思っている以上に長くなってしまいました。
「女子メカ」を知っている人しか分からないことが多いと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
それではまた、他のあとがきで会いましょう!

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