現時刻10:00 天気曇り
それを確認した青年はビルの屋上にいた
ただ何をするわけでもなく、左手に赤い弓を持って空を見ていた。
正確に言うと空の彼方からやって来るであろう隕石を見ていた。
青年は誰にも言うのでもなく喋る
「まさかこうなるとは思ってなかったな」
「転生してこの特典貰ってバトル物でやってやる!と思ってたけど、普通の世界だったからなー」
「悪魔も天使も化物もいやしねぇし、超能力とかスキルとかもないし、まさに前世と同じようにバケモンも能力も無い、いつも通りの世界だったなー」
「だから、この貰った特典スポーツとかにしか使えねぇ!と思ってたけど、もしかしたらこの時のためにあったのかもしれねぇな」
「まっ実際はあの神様が面白半分にやったんだろうけどよ」
そう言いながら次第に近付いてくる隕石を視界に入れながら、左手に持った弓を構え矢を番える。
隕石は今も尚近付いてくる。その大きさは約100km
地球に落ちれば人類だけではなく下手しなくても滅ぶ程の巨大なエネルギーの塊を目にして青年は笑いながら言う
「さていっちょやりますかね!」
弓を構え矢を番えた、心を無にして、今は心を静める。
隕石は迫る。
青年は心の中で言った。
(星よ、かの災厄を打ち砕く力を貸してくれ)
隕石は更に迫る。その迫る勢いで雲が晴れた、そして隕石の姿が現れる。
とても、とても巨大な石。落ちただけで人間だけじゃなく地球そのものを破壊するであろう災厄の塊。
星は青年の呼びかけに応えた。
星から、自然から、大地から、動物から、人間から、光の粒が生まれた。
それは全て死にたくない、まだ生きていたいという想いの光
それが全て青年はの周りに集まる。
心の中で感謝の意を思う。そして唱える
「束ねるは星の息吹と
「そして我が魂を全てこの矢に」
「いざ聞くがいい。この身は星の為に、命ある者の為にあり」
「故にこの身は災厄を打ち砕く」
「それに従い、この身をもって明日へ生きる希望となる!」
「今ここに全てを束ねし光の矢を解き放とう!」
その言葉を最後に周りにあった光の粒は番えた矢と一つになる。
「いくぞ」
そして青年はその光の矢を叫びながら解き放つ!
「
解き放たれた矢は七つの光を放ち、そして一つの光なり、虹となった。
虹はアーチを描きながら隕石へと向かい、着弾し大爆発を起こした。
その衝撃は凄まじく約100kmもあった隕石を粉々に破壊した。
粉々になった隕石は横に飛んでいき空気摩擦によって燃え尽きるかそのまま落ちて燃空気摩擦によってえ尽きた。
都市も無傷というわけではなかった。
ガラスは割れ、大半の家の屋根は壊れるか吹き飛んだ。
人にも怪我人が出た。
だがしかし、死んだ人は居なかった。
こうして青年が放った光の矢によって人類は救われた。
しかしその青年は人の身に余る偉業をなしたが故に死んだ。
いくら特典で神代の肉体を手に入れたとはいえ、約100kmの隕石を破壊する程の矢を放ったのだ。その身体が無事なわけが無い。
故に青年は死に体となり、血だまりに沈んでいた。
「やっぱそうなるか、」
「いくら特典でfateのアーラシュの宝具と肉体を手に入れてもこうなるよな」
「寧ろまだ生きてるのが不思議なぐらいだ」
青年は思い返す
裕福ではなかったが暖かい家族に生まれたこと
小学生の時にバカやって両親が泣きながら怒ったこと
中学生の時に一目惚れした事
高校生で告白して振られたこと
そして、
自分も暖かい家族ができた事
今までの人生楽しかったし、泣いたり怒ったりいろんなことがあった。
唯一心残りがあるといえば家族の事だけが悔しい
あいつだけを残して逝くのがとても悔しい。
「できればまだ生きたかったなー」
そういった青年は静かに目を閉じた。
そして左手をあげて薬指を見て、愛している‥‥‥と呟くように言いながら、青年は静かに息を引き取った。
これは誰も知ることの無い英雄の話