吉良吉影は平穏に過ごしたい 作:首ったけ
男は異常だった、それは母親による問題もあったかもしれないが何よりもその男の『とある衝動』が異常だった。
『殺人衝動』それは完全なる悪を示す事であり男は幼少期からその衝動を抱いて生きていた。だが男の異常性はそれだけではない、それは男が美しい手に性的興奮を得られる事でありその結果、男は何人もの女性を殺して来た。そして何よりも男はそれほどの事をしでかしてなお『植物のような平穏』を追い求めて生きていた。
だが男はついに追い詰められ殺された。そして霊体となった今、自分が過去に殺したはずの女性に追い詰められていた。
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目の前を埋め尽くすは暗闇からの無数の手、普段なら手首に気をとられる私だがこの時はそんな事を気にしている場合ではなかった。
「なっ!なにぃぃぃぃ!!」
暗闇から現れた手首にすぐに捕まれ暗闇にひきづりこまれる。
「裁いてもらうがいいわ、吉良吉影!」
忌々しい女が背を向けて言う。
「な!なんだ!こいつらはなんなんだ!」
まさかこれがあの女のスタンドなのか!異形すぎる!スタンドにしてはこれは異形すぎる!
身の危険を感じ私は叫ぶ、私のスタンド!
「キラークイーン!こいつらを爆破しろぉぉ!」
すぐさま現れるのは猫型の獣人を模した私のスタンド、すぐさまこの手を爆破するよう命じる。
だが!
ギギギギィィ…
そう金切り声のような音を立てキラークイーンの体にヒビが入る、そしてキラークイーンにヒビが入ると同時に私の体にもヒビが入る。そして
ズドォォォン!
ヒビが入ると同時にキラークイーンの体が砕ける、そして私も砕ける。
「あ…あぁぁ……わ、私は…ど、何処に…私は、何処に、連れて行かれるんだ!」
「さぁ?でも、安心なんてないところよ。すくなくとも」
私の問いに答える女、『安心なんてない』だと!この吉良吉影は平穏で波のない『植物のような生活』が望みなのに!
粉々になった私がだんだんと吸い込まれていく。
「ぐおああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
一瞬で闇に吸い込まれ、私の意識は闇へと落ちた。
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「……い!…お…い、おい!」
「おい君!大丈夫か?」
誰かが私を呼ぶ声がする、声色で判断するに女性だろう
「ここは…どこだ?」
「なんだ、珍しい服を着てると思ったら外来人か」
「貴女は?」
目を開けるとそこには不思議な帽子と服を着た銀髪の女性がいた。
「私は上白沢慧音だ、君の名は」
「私は……________」
それから先は自分が何を言ったのかは定かではない、しかしそれどころではなかった。突如として体のあちこちに穴が開いたかの様な激痛が走る、口から吐血すると同時にところどころの皮膚から血が吹き出る。慧音と名乗った女が近づくときには私の体は雪の中へと沈んでいき……目の前が赤く染まる。
あぁ、私は死ぬのか……。