カナタがストレアに捕まって、着せ替え人形にされてしまうのですがーー
普段見せないカナタや服装をお楽しみにです、では 本編をどうぞ!
6/26〜誤字報告、ありがとうございます!
「やぁ、スア」
右手を上げて、軽い感じでそう返事してくるのは…肩まで伸びた癖っ毛の多い栗色の髪を後ろで結んでいる華奢な身体を和服で包んだ少女・カナタである。そんなカナタに挨拶されたストレアは、改めてカナタの姿を上から下まで満遍なく見ていく。
黄・橙の二色を基調としている戦闘着と違い、カナタは今は私服として、自身の瞳と同じ色の袴を下に履き、上には若葉色の長着を身につけていた。戦闘着と違うところは、上に橙の羽織をはおってないことと、長着と袴の色が違うところだろうか。
“ん〜、新鮮。新鮮といえば…新鮮なんだけど…ん〜”
ストレアは、ふと思うーーこの人、カナタが和服以外の服を身につけたところを見たことがあるだろうか?と。
ストレアの見立てが正しければ、カナタはもっと可愛らしい服やカッコいい服も着こなせる気がする。
難しい顔をして考え込むストレアの顔を覗き込みながら、カナタがお気楽に笑う。今から、大変な一日が始まるとは露とも思ってないことだろう…その表情を見る限り。
「どしたの?スア。難しい顔なんて珍しいね」
「良し!カナタ、あたしについて来て!」
「へ!?ちょっ!?」
ストレアは、決心を固めるとカナタの右手首を摑む。そして、驚きの表情を浮かべるカナタを引っ張りながら…アークソフィアの街へと繰り出した…
γ
一軒目、主に洋服がメインに置かれているその店へと連れてこられたカナタはストレアの着せ替え人形のようになっていた。
「えーと、どうかな?」
「すっごくカッコいいよ!カナタ」
「…そ、う?」
ストレアが指差す服を取り敢えず試着してみるというスタイルで、今はオーソドックスな服装で青いジーンズに襟首がVの字になった黒いTシャツを着ている。
普段とは全く違う服装を身につけるカナタを見て、嬉しそうに両手を叩くストレアにカナタは苦笑いを浮かべる。
“これ…思った以上にVの字が深く入ってて…。少ししゃがんだだけで、見えそうなんだが…”
それもそのはずであるーー上に着ているこの黒いTシャツが思った以上にVの字が深く。普通にしているだけでも、カナタの谷間が少し露わになっている。その他にも、鎖骨やら黒いTシャツによりいつもよりも目立つきめ細かい白い肌など、カナタにも周りの人たちにも目の毒となりうる予想に溢れたそのV字Tシャツだが…ストレアは満足そうに、頷くと店員を呼ぶ。そして、唖然とするカナタの目の前であっという間に支払いを済ませてしまう。
“えぇーー!?”
カナタは、ニコニコと満面の笑顔を浮かべるストレアに詰め寄ると問いただす。
「へ!?それ、誰が着るの!?」
「カナタだよ〜、何言ってるの?」
カナタは青ざめた表情を浮かべると、ストレアに震える声で聞く。目立つのは、あまり好きじゃないし…あんな谷間が丸見えの服装なんかしてると、シノンやフィリア、最近は口うるさくなった愛弟子などに怒られかねない。それだけは、どうにか避けたい。
だが、カナタのそんな儚い願いもストレアの一言によって淡く壊れることになる。
「それって…家の時だけでいいよね?外でも着ないとダメ?」
「えーっ、せっかく似合ってるのに家ばっかりじゃダメだよ〜。休みの日や外に行く時は、これを着ないと〜。みんなやシノンもカナタのカッコいい格好見て、惚れ直すよ〜」
「あぁ〜、ん…だね…。もう、スアに任せる…」
これ以上、反論してもストレアには勝てないと思い知ったカナタはストレアに連れられて、二軒目の店へと向かった……
というわけで、ストレアさんと行くファッションショーの旅の開幕です(o^^o)
カナタは、ストレアさんのいうとおりで、可愛らしい服もカッコいい服も着こなせると思うのですよ!
なので、私は個人的に…初めて履くミニスカートに恥じらうカナタやビシッとタキシードかスーツで決める格好いいカナタが見てみたいですね(^ω^)
……あっ、でも…カナタにミニスカートって似合うのかな?…少し、不安…(汗)
そして、因みにですが現実世界のカナタ…ヒナタは、ラフな格好が好きでした。なので、今回着たような服装をわりとあっちの世界ではしていたので、今回のV字Tシャツ事件が無ければ…一軒目の店はヒナタには楽勝だったものだと思います。そして、スカートですが…ヒナタの時は、時折 着用することが有りました。ですが、あまり本人も自分に似合ってるとは思ってなかったらしく…殆どがズボン派でしたね(笑)
長くなりましたが、今回も読んでいただきありがとうございます!