ですが、一生懸命 書いたので宜しければご覧ください(礼)
※お気に入り登録・186名!評価を新たに三つ付けて頂きました!どれも高評価で…感謝と申し訳なさでいっぱいです。
4/6〜ご指摘を受けたところを直しました。
また、ヒナタのレベルと武器に関しては、もう少しほど勉強してから直させていただきます。
→黒髪の少年からもらった刀を【太刀】へと変更しました。
そして、ヒナタのレベルは変わらずにレベル72ということでお願いします。
ーーーちょっと補足ーーー
・ヒナタの成長スピードが尋常でないのは、そうしないとこのホロウ・エリアで生き残れないかな?と思ったからです。
不自然に思われる方がいらっしゃるなら、直しますので…感想などにお書き下さい。
「ふっ」
ムカデみたいな身体に髑髏の顔がついたモンスター・すかるりーぱーへと、あたしは黒い少年から貰った【太刀】で斬りかかる。
しかし、あたしの与えるダメージは微々たるもので…殆どは全身を黒で染めている少年と、金髪の少女によってスカルリーパーのHPが削られていっている。
“防御とかは二人に任せて、あたしは焦らずに確実に攻撃を仕掛けていこう”
そう、決意を新たにして刀を構え直して、スカルリーパーの骨で出来ている脚へと斬りかかる。
「はぁっ!」
すると、スカルリーパーがあたしの存在に気付いたらしく、右の鎌を振りかざしてくるスカルリーパーの攻撃を手に持つ刀で迎え撃つ。
「はぁあああッ!」
振り下ろさせる右手の鎌に合わせて、自分の太刀を上へと振り上げて…
カッキン
という音とともに、左腕に軽い衝撃が走る。すかるりーぱーはというと、右手の鎌を弾かられたことにより、胴体のところがガラ空きになっている。
“二人がやってることを、見よう見まねでやったけど…上手くできたぁ…”
想像していたよりも、上手く出来て…嬉しさと安堵から溜息が出る。
「カナタ、すごい!」
「ナイスっ!君、スイッチ!」
“すっ、すいっちぃ?”
金髪の少女と黒髪の少年の賞賛が聞こえた後に、黒髪の少年があたしに向かって何を言っている。
すいっちぃ?何それ…どっかにボタンでもあんの?
「カナタ、後ろへ飛んで」
少年の言葉に戸惑っていると、金髪の少女が指示を出してくれる。その通りに、後ろへと飛び去ると代わりに前に出た少年が両手に握った剣を淡い水色の光で染めて、ガラ空きとなっているスカルリーパーの胴体へと右左斜め、前々と多数の角度から剣を埋めていく。
「こっこう?」
「うぉおおお!デプス・インパクトぉおお!!」
「シャアアア!?」
その攻撃によりスカルリーパーのHPは赤いゾーンへと突入して、あたしの攻撃であと四回くらいで倒せそうなくらいのHPが残る。
だが、スカルリーパーもHPが残り少ないということが分かっているのだろう。細長い身体をぐるっと一回転させる全方位系の攻撃に出て見たり、やたらめったに近づいてくる者たちをその両手についている鎌で襲っていく。
“くっ、このままじゃあキリがないっ!”
「ふっ、あぁあああ!はぁっ!」
襲いかかってくる細長い身体を後ろに下がって避けるとあたし自身、最速と思えるスピードでスカルリーパーの懐へと駆け出していく。途中、襲いかかってくる鎌をなんとか防ぎ切り…
【施車】
黄緑色の光がまたあたしの刀身を包み込むと、あたしはスカルリーパーの身体へと斬りかかっていく。思っ切り上へと飛び上がりーー
「はぁあああっ!!」
ーー飛び上がった勢いと共に、刀を振り下ろした。すると共にスカルリーパーは水色のポリコンへと成り果て、軽やかな音を立てて、青い空へと登って行く。
「はぁ…はぁ…、っ…」
前にピコンと現れるウィンドには、レベルがいつの間にか72に上がっていたことを知らせてくれた。それを左手で操作していると、後ろから黒髪の少年の声が聞こえてくる。
「はぁ…はぁ…なんとか、倒せたな…」
あんなに強かった少年たちでも疲労を感じているらしく、声に先ほどまでの元気がない。そんな中、金髪の少女がさっきまで戦っていたモンスターの名前をつぶやく。
「…スカルリーパー。こんなモンスター、見たことない」
「75層のボスに似ていた」
「フロアボスがどうしてこんなところに…」
「だけど、ステータスはかなり弱く設定させれてた。じゃないと、三人では倒せなかったよ」
「ーー」
“うわぁ…専門用語がバンバン出ちゃってるよぉ…”
ななじゅうごそう、ふろあぼすっていうのに加えて、すてーたすとは…あぁ、頭が痛い…。今日で何回目の頭痛だろうか。
そんなあたしの肩を、誰かがポンポンと叩く。そちらへと振り返ると、黒髪の少年がにっこりと笑っていた。
「君もお疲れ様。ナイスファイトだったぜ」
「あぁ、どうも」
曖昧に答えるあたしに、黒髪の少年は金髪の少女へと視線を向ける。
「で、俺はあまりしたくないんだけど…さっきの決着する?」
「……」
“だから、答えてあげなよ…”
何も答えずに口を閉ざし続ける金髪の少女へと、あたしは視線を向けると、小さく嘆息して言葉を紡ぐ。
「…あたしとしては。…武器をもらった恩人を殺そうとは思えない。だから、ここは引き分けってとこで、どうかな?」
「カナタがいいなら、わたしに異論はない」
「あぁ、俺もそれでいいぜ」
“そのあたしに対する信頼はなんなの?!逆に怖いよ!”
変わらずに、あたしへと絶対なる信頼を寄せてくれる金髪の少女にあたしは戸惑いしか感情が浮かばない。
そんなあたしの複雑な表情に気付かずに、黒髪の少年があたしへと右手を差し出してくる。
「じゃあ、改めて…キリトだ。よろしく」
「あたしはカナタです。キリトさん、さっきはこの武器ありがとうございました」
「いいって、で…そっちは?」
「…フィリア。あんたは驚かないの?わたしのカーソルを見ても」
握手を交わすあたしたちの一歩引いたところに立っている金髪の少女もといフィリアが、黒髪の少年・キリトへと問いかける。
フィリアのその問いに、キリトは静かに答える。
「ああ…オレンジだな」
「だったら分かるでしょう。なんで、普通に話しかけてこられるの?」
何処か苛立っているようにも…怯えているようにも聞こえる冷たい声で、キリトへと問いかけるフィリアがなぜかあたしは気になった。
“ん?こんな雰囲気を漂わせている人を…あたしは知ってる”
だが、それは誰だったのか?肝心なところが思い出せない。
「それは気にはなっていたけど、それどころじゃなかったし。それに、聞いて答えてくれるのか?」
「……いいわ。……わたし、人を殺したの」
「!?」
「……」
“…なるほど、だから…あたしとキリトを遠ざけようと…”
強がろうとするその様子が、なぜかあたしが一番大切だと思っている幼馴染と重なったーー
“ーー…全く、このフィリアって人もうちの詩乃も素直じゃないんだから”
そんな事で人を決めつけるほど、あたしは人を腐らせたとは思ってないし、偏見も持ってない。この世界でオレンジカーソルとやらが何を意味してるのか なんて、あたしには分からないし偉そうなことを言おうとも思わない。でも、あたしがそうであったように、進んで一人で居ようと思う人はまず居ないだろう。誰だって、孤独は怖いもの。
“なのに、なんでこの人は一人になろうとしてるんだろう”
一緒に居たいと願うなら、居たらいいし…あたしとしてみても一緒に居て欲しい。
“まだ、教わってないことがいっぱいあるしね…”
「だから、わたしには関わらない方がいい。カナタも…その人と一緒に行くといいわ。今までありがとう」
だが、それを伝える前にフィリアは踵を返して、森林へと姿を消してしまう。呼び止めようにも、フィリアが身に纏う青い戦闘着がすごいスピードで遠ざかっていく。
「フィリア、まっーーあぁ、行っちゃった…」
取り残されたあたしに、隣に立つキリトが声をかけてくる。キリトの問いに答えながら、少年へとある頼みをしようと向き直る。
「君はグリーンなんだな。フィリアと知り合いなのか?」
「いえ、さっき会ったんです。その…」
しかし、キリトもあたしの言いたいことが分かったらしく、ニコッと笑うと首を縦に振ってくれる。
「言わなくても分かるぜ、カナタ。フィリアを追おう!」
「はい!ありがとうございますっ、キリト!」
キリトへと頭を下げながら、あたしたちはフィリアの後を追いかけた…
ヒナタにユニークスキルを付けようか、どうかと迷ってます(苦笑)
※ヒナタが【施車】を使えるのは、ちゃっかり習得していたからです。