今回は《オーディナル・スケール》をプレイするところです!
ドキドキハラハラ出来る戦闘シーンとなるように書いたので楽しんで読んでもらえたら嬉しいです!!
それでは本編をどうぞ!!
※作者は東京にあまり行ったことがないので、風景の描写は曖昧となっておりますので、あらかじめご理解頂けるようよろしくお願い致します(敬礼)
【《両国公園》】
《オーディナル・スケール》
電磁波による視覚情報入力に加えて、先端のカメラが視覚を検知し、現実空間に仮想アイコンなどを表示させているというのがオーグマー……
そして、オーディナル・スケールというのはそのオーグマーを使用してプレイする最新のゲームの事であり、システムは現実世界の各所に出現するアイテムを集めたり、モンスター戦や対人戦でランクを上げていき、ランキング・システムを導入されており、上位にランクインするとゲームの枠を超えて、協賛企業からさまざまなサービスを受けられるというのが貧乏性であるあたしにとっては最大の魅力であると勝手ながら思っている。
“今回のイベントでポイントをゲット出来れば、あのクーポンはあたしの手に!!”
逸る気持ちを抑えることが出来ないままに〈 13:00 〉と時計がその数字を指差した途端、段々と変わっていく風景を目の当たりにしながら、チラッと目下を見てみると私服が戦闘着へと早変わりしていた。
左手に握りしめている刀は新古境のように研ぎ澄まされた刀身と緩やかなソリが美しく、柄は橙と黒の紐で巻かれている。そんな刀身に映すあたしの戦闘着は黒を基調に橙の和柄があしらってある忍者が身に纏っているような身軽重視な和装となっている。
「さて、カナタ。攻略はどうする?」
とあたしに問いかけてくるリトことリズベット/里香の戦闘着はというと、体のラインがはっきりとわかる軍用制服のようなものでピンクを基調に黒と黄色の線が入ったその戦闘着は腰のところにベルトがあることから恐らくワンピースのようになっているのだろう。そして、あたしの利き手の方にはピンクの線が入った銀色の小さな盾がほっそりした腕へと巻きついており、その反対側には頭部くらいの鉄が付いているヘイスを握りしめている。
「んー、つぅーってもね。あたし達ってみんな最前線組だしね…」
「確かにそうですね。あたしは片手直剣ですし、カナタさんは刀、リズさんはメイスですからね」
とあたしと里香の会話に入ってきたリーことリーファ/直葉の戦闘着は里香の色違いなようで白と黒を基調に青緑色の線やベルトが付いている軍服のようなデザインのワンピースに黒色のタイツとワンピースと同色のブーツを履いていて、右手には青緑色の線が入った片手直剣を握りしめている。
「ダメじゃないっ!」
直葉が指摘した通りに完全前線ゴリ押しチームの面々を確認した後に喚く里香の肩にポンと手を置いたあたしは一足早く敵に向かって走り出す。
「大丈夫、だいじょーぶ!あたし達なら勝てるさ!!」
ニカッと笑って、敵に向かって駆け出すあたしの後を追う里香が「もうどうなっても知らないわよ!」と言い、直葉は里香を宥めている様子を視界の端に収めながら、あたし達の他に参加しているプレイヤーと敵の名前を見る。
“ふむふむ。今回の敵はクジラのような…化け物ようなものみたいだね”
成人男性が二人入るくらいに大きな口を開けて、そこから水色の光るビームを吐き出す敵の名前は《
「ッと!ふん!!」
ビームを左に体を傾けることでさせた後に
“あ…ヤバ……”
と思ったところで時は既に遅し。
パチクリと今起こっている状況を整理しようとしている蒼い瞳とニヤァとしてやったりとほくそ笑む紅い瞳が交差しては大きな牙が生えた口が開き、その奥からチカチカと火花が飛び散っている光が集結しているのが目視しながら、あたしが思うのは"あ〜ぁ、これであのお店のクーポンをゲット出来ないまま終わってしまった"ということだった。
段々と大きくなっていく玉を見つめて、開始数分でゲームオーバーになってしまう自分を嘲笑っているとゴスンと鈍い音が近くから聞こえたかと思うとまるで漫画の一コマのようにビューーンと飛んでいくケートスの姿を見て、目を丸くしているあたしの視界に映るのは呆れ顔をしたそばかすが可愛らしい少女の顔であった。
「あんた!バッカじゃないの!どんくさいことしてるんじゃないわよ!ここはALOじゃないのよ!」
「あはは……面目ない、リト……」
里香に抱き起こされたあたしはポンポンと軽く服を払うと愛刀を構える。
「そんなことでクーポンゲットできるのかしら?」
「さっきのは小手調べだよ。本番はここからさ!」
そういうあたしへとケートスが挑発するように紅い瞳をキラリと輝かせた。
次回も同じく《ケートス戦》をお送りします!