sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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今回は短めです!そして、タイトル通り…二人がカナタに対して、どう思ってるのか?を書きました。

それでは、本編をどうぞ!


6/6〜誤字報告、ありがとうございます!


2章018 カナタへの想い(フィリア&ルクスside)

橙の羽織を追いかけるように、走り出した私たちは忽ちにその華奢な背中を見失った。神秘的な雰囲気が漂う碧い通路に立ち止まり、傍らに立つ白銀の髪にウェーブが掛かっている何処かぽわ〜んとおっとりした雰囲気を漂わせている少女・ルクスへと話しかける。

 

「カナタ、早い。もういっちゃったのかな?」

「そうかもね。でも…あんなに慌てた様子のカナタ様、初めて見たよね?」

 

ルクスも立ち止まると、私へと振り返って…微笑むとさっきまで追いかけていた少女の事を話す。

 

「うん。私達の前じゃあ…ヘラヘラ笑ってるもんね、カナタって」

「あははっ。だね!それがいつものカナタ様だ」

「でも…そんなカナタがあんな様子になるってことは…」

「あっち側で大変な事が起きてるんだろうね…。もしくは、カナタ様の大切な人が…」

 

“カナタの大切な人か…”

 

ルクスのその言葉によって蘇るのは…『シノノトコ…イカナクチャ…』と言っているカナタの青ざめた顔だった。私達の前では、おちゃらけていたあのカナタがあそこまで…顔を青ざめさせて、何かに取り憑かれたように…ふらふらと管理区へと歩みを進めていた。

恐らく、カナタにとって…その『シノ』という子は自分の命よりも大切な人なんだろう…。さっきの様子で、なんとなくそんな気がした。

 

“…なんか、悔しいなぁ…”

 

この世界では、私の方がその『シノ』という子よりも多く、カナタと一緒に居たのに…カナタの気持ちは一瞬も此方へ向くこともなく、ずっとその『シノ』という子へと向いている。

 

“そういえば、そのシノって…。あのメッセージの下に書かれていたシノンって子よね…?多分…”

 

キリトのメッセージの一番下に…いつも一言だけ、『シノンより』というものが添えられていた。それを読んでいる時のカナタの表情はとても穏やかでーー

 

“ーームゥ…カナタの事、考えてると腹が立ってきた…”

 

「…」

「フィリア?なんか怒ってる?」

「ーー」

「どうしたの?」

 

小首を傾げて、こっちを見てくるルクスを見て…ふと、思ったこの子はカナタの事をどう思っているんだろうと…

 

「ルクスはカナタの事、どう思ってるの?」

「へ!?わ、私!?」

 

慌てるルクスをまっすぐ見つめながら、私は質問を続ける。

 

「ルクスって、カナタの事好きなの?それとも、尊敬してるだけ?」

「ど、どうしたの?フィリア?私は…カナタ様の事を尊敬してるだけだよーー」

 

私から視線をそらして、頬を赤く染めながら…そう呟くルクスに安心する。しかし、続いた言葉に私はその安心をぶち壊された。

 

「ーーでも…どうしてかな?最近は、カナタ様の側がとても落ち着く気がする。話していると楽しく思うし…ずっと、側に居たいなぁ〜って思う。不思議だね?フィリア」

「……」

「フィリア?」

 

どうやら、ルクスもカナタの魅力にとらわれてしまったらしい…。

このはと鉄砲を食らったような顔をしているが、恐らく…ルクスは恋愛というものを知らないだけだろう。それを知れば…強敵になるかもしれない。

 

“最初の目標は、私を意識させるかなぁ…?”

 

そうこうしているうちに、管理区に戻ってきたらしい。転移門へと歩み寄ると…ルクスへと振り返る。

 

「さて、ルクス。いよいよ…アインクラッドだね」

「うん、なんか緊張するね」

「…うん…。良しっ、それじゃあ行こうか?」

「うん…行こう、フィリア」

 

私達は転移門へと足を踏み入れた…




こうして、ルクスさんとフィリアさんも無事、アインクラッドへと帰ってこれました(微笑)

本当に良かったですね!!


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