また、前の更新で多くの評価とお気に入りに登録して下さった多くの読者の皆さま、本当にありがとうございます!
しぃ〜かし、キリトさんの所が周りと違い、女性プレイヤーの層が違う…バグってるって入れた途端、コレとはーー皆様、ほんとキリトさんが好きですね(笑)
いや、久しぶりのカナタ&シノンのやりとりに萌えたって人達が…入れてくれたってことも…?それとも、キリトをからかうカナタに一票ってのも…?(思考)
まぁ、どっちにしろ…私の小説を読んでいただきありがとうございます!
本当はひとまとめにして更新しようと思っていた後編ですが、色々余分なシーンを注ぎ込んでいたら…軽く8千くらいいきそうだったので、分割して更新します!
では、最初のホロウ・エリアチームの自己紹介をお楽しみ下さい!!
あたし・キリト・シノンによるコントと書いて茶番劇が終焉を迎え、あたしたちはやっと本題となる自己紹介をすることとなる。まずは数が少ないあたしたちのホロウ・エリアチームからとなった。
“つぅーわけで…”
一歩前へとあたしは進み出ると右腰と左腰へと吊るしている愛刀たちを撫でながら、自分の特徴を話す。
「さっきは色々とすいません。キリトとシノン以外の方は初めまして…あたしはカナタっていいます。戦闘は主に右腰に吊るしてるこの刀で戦って、敵が強かったり多かったりするとこの小太刀っていうのも使います。俊敏力と攻撃力には自信あるので…前線ではアタッカーとして活躍できると思うので、どうかこれからよろしくお願いします」
頭を下げるあたしに同じように頭を下げてくれるアインクラッドチームの皆さん。そんな中、キリトだけがあたしが腰から下げている二つの刀を見て、複雑そうな顔をしている。
「なぁ…カナタって、二刀流なのか?」
「へ?…あぁ、違うよ。あたしのは二天一流といって…キリトの二刀流とは違うんじゃないかな?」
確かにキリトの二刀流とあたしの二天一流は似てはいるが、ゆにーくすきる?だっけ?その名前も発動する技も違うのだから、まったく別物と考えていいだろう。
「そっか…。でも、俺以外この世界で二つの武器を使っている奴とか居なかったからさ。カナタはこれからも人気者になるかもな?」
「ふーん、そういうものかな…?」
「そういうもんさ」
ふむ、キリトの方がこの世界では先輩なので、その同情の表情とその言葉に心の片隅にでも潜めておこう。と、それよりも…キリトの周りにいる女性陣たちの後ろから熱視線を感じるのですが…ーーそして、その熱視線の先にあるのは…えっと、真っ赤なバンダナに無精髭を生やした和服姿の好青年…?さん、だよね…多分。その好青年の視線があたしの胸やウエスト、お尻ら辺をガン見し続けているんですが…あれは好青年っているのでしょうか?ただの変態さんなのでは?
(いやいや、初対面の人になんて事思ってんの、あたし!あのキリの仲間だよ?そんな悪い人居るわけない)
そう、あたしが思い始めた頃にその好青年さんが前に進み出るとガシッとあたしの二の腕を掴んだ。突然のことになんの反応もできないあたしの前にけたたましい警告音と赤い文字が点滅する。
「ーー」
「そ、その?」
「ちょいと腕を触らせてくれ」
「…へ?ちょっ…くっ」
(ちょ、ちょっと…くすぐったい…っ)
揉み揉みと二の腕を揉む好青年さんが何やら小さい声でボソボソと呟いている。
「マジかよ…こんな細いのに、あんな重い刀を軽々と一振りして…小太刀だったか?あれも重いんだろうな…にしても…すべすべだな、つぅーか何ヶ月ぶりだよ。こうして、生身の女に触ったのって…くっ、うゔ…」
揉み揉みとあたしの二の腕を掴んでいる両手がいやらしい手つきになり始め、無精髭を生やす顔が喜びの涙に濡れつつある頃、突如としてあたしの目の前からあの好青年の姿が無くなった。
(ヘ?ナニゴト?)
びっくりするあたしはキョロキョロと辺りを見渡し、地面に伏せる好青年とその好青年を氷の如き鋭く冷めきった目で見つめる恋人殿に何故か冷や汗が止まらない。それはどうやら、あたしの黒ずくめの親友もらしく…キョロキョロと忙しなく視線を漂わせて、あたしを視界に収まると助けを求めてくる。
「キリト、アレが逃げないように捕まえておいて」
「い、いや…シノン、捕まえておいてって…」
「何よ、その何か言いたそうな顔。別に取って食おうなんて思ってもないわよ」
「いやいや、今のシノンにそれを言われたら冗談に聞こえないから!な?カナタ」
冷や汗をだらだら垂らしながら訴えてくるキリトをすげなく切り捨てようと思うが、キリトがそれを許してくれない。ガシッと掴んでくる右手首と必死な顔にあたしはため息つきつつ、シノンの暴走を止めるために策を練る。
「ちょ、ちょい!なぜ今あたしの名をを呼ぶ!?面倒事押し付けないでよ。今のシノンを相手するのは流石のあたしも無理」
「そんなこと言わないでくれ、お前だけが頼りなんだ!このままじゃ、クラインが物理的な意味で死を迎える!」
「死を迎えるって…シノ、あの好青年に何をする気なの…?そもそもあたしも慣れてないって…
そう言いながら、ぽりぽりと癖っ毛の多い栗色の髪をかきながら、シノンのところまで歩くとギュッと彼女を抱きしめる…その際に彼女から漂う甘い香りにくらっとしかけるが、しっかりしろと心に喝を入れるとびっくりした様子のシノンを間近で見つめながら、優しく語りかける。
「へ?カナタ」
「…怒らないで、シノン。シノンのおかげで変なところ触られなかったんだから」
「…でも、クラインのやつ。わ…私のヒナタをいやらしい手つきでべたべたと…これが許せるわけないでしょう?」
(ふむ、確かにそれは怒りたい気持ちになるのも分かる)
もし、あたしとシノンの立場が逆なら間違いなくあたしが怒り狂っていただろう。だがしかし、友のお願いを無下にするほどにあたしは人を腐らせた気もない。
華奢な背中へと回していた左掌で彼女の焦げ茶色の髪を撫でる。そのサラサラの髪が指に絡まるたびに鼻腔を擽ぐるシャンプーの香りに酔いしれそうになりながらもあたしは優しい手つきでシノンを抱きしめ、頭を撫で続ける。
「許せないかもだけど、気にしないで。ああいうの慣れてるし…ね?」
「気にするわよ。だって、ヒナタは私だけのものだもの…他の人に触れて欲しくないし、触られて欲しくない」
そう言って、あたしを見上げてくるシノンが余りにも会いらしく、あたしは込み上げてくる私欲を理性という蓋で押させつけながら、彼女へとニカッと笑う。
「あたしが心から信頼してるのも愛しているのもシノン…シノだけだよ。その事実だけは何があっても変わらない。もしかして、シノは違ってたり?」
そう茶化してみるとシノンがぶんぶんと首を横に振る。
「ううん、私もそうよ。ヒナタのことを一番信頼してるし、愛しているわ」
そう断言してくれるシノンが愛おしく、更に強くギュッと彼女へと抱き着くと恐る恐る彼女もあたしの背中に手を回してくれる。
そんなピンク色オーラ全開のあたし達を遠目に見ていたキリト達が声をかけてくる。
「あぁー、そこのカップルさん?」
「ん?」
「ッ!!?」
声をかけてくるキリトを視界に収めて、ここがまだみんなの前であることを知ったシノンは瞬時に顔を赤らめ、あたしから身を離すと何事もなかったように腕を組む。そんなシノンの照れ隠しにニヤニヤしているとガシッと掴まれる襟首に首が締まり、あたしは息苦しさからもがく。
「そろそろ、抱き合うのをやめて…自己紹介に戻りたいんだけど」
「というわけで、カナタはこっち」
「がは!?ふぃ…ふぃりあさん、ぐるじい…です」
半強制的に陣地へと戻されたあたしが身体をたたみ、咳き込む中、フィリアの淡々とした自己紹介が聞こえてくる。
「私はフィリア。トレジャーハンターでいろんなダンジョンに潜ってるから足は引っ張らないと思う、よろしく」
アインクラッドチームが個々に頭を下げる中、何故かフィリアさんがあたしとシノンに冷たい視線を向けてくるのですが…あれはなんですか?何が不味いことでも…はっ!?もしかして…あたしがフィリアやルクスの存在を忘れて、はしゃいじゃったから怒り爆発なのですね!なるほど、後でフィリアには謝っておこう。
そう思った矢先、フィリアがチラッとあたしを見るとボソッと呟く。
「別に私やルクスの存在を忘れていたことを怒ってるわけじゃないから」
(な!あなたはエスパーか)
あたしの心の内が分かるとは…!と驚愕と尊敬が混ざった眼差しをフィリアに向けている。その眼差しを呆れたように見た後、フィリアが何が言っていたが周りの雑音と声の小ささにあたしの耳までは届かなかった。
「…バカ」
相変わらず、不機嫌なフィリアにあたしが眉をひそめる中、ルクスが前に進み出ると軽く頭を下がる。
「私の名前はルクス。カナタ様とフィリアと比べるとまだまだだけど、みんなよろしくね」
「因みに、ルクスはあたしの愛弟子」
そう言って、ルクスの白が掛かった銀髪が撫でるとフィリアがボソッとあたしの秘密を暴露する。
「その愛弟子に叩き起こされるなんて情けない師匠ね」
「し!しぃー、フィー。それは内緒」
「あはは…」
そんなあたしとフィリアのやりとりを苦笑いでみているルクスをアインクラッドチームに見せたところであたしたち、ホロウ・エリアチームの自己紹介が終わった…
シノンさんの『誰にも触れて欲しくない、触れられて欲しくない』というセリフ…なんだか、今更感がありますよね。だって、これから先からヒナタ無双が始まるんですから…(乾いた笑い)
あの頃のシノンさんもヒナタも若かったのです…また、今回も読みにくく申し訳ありません…(土下座)