sunny place 〜彼女の隣が私の居場所〜   作:律乃

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今回は、ちょっと後味が悪くなる話かもです。内容はタイトル通りで…ヒーローとは誰か?

本編をどうぞ!

6/15〜間違っていた文章の一部を直しました(礼)

6/16〜誤字報告、ありがとうございます!


2章026 痴漢とヒーロー(カナタ&リーファside)

アークソフィアの裏路地に、三つの人影がある。二人は同じような出で立ちの男性で、もう一人はポニーテールにしてる金髪に白、黄緑色が特徴的な戦闘着を身に着けている少女であった。そんな少女の背後へと回り、暴れようとしている少女の身動きを封じた男性達はニヤニヤとポニーテールの少女・リーファをいやらしい視線で見る。その男性プレイヤーたちの下卑た視線に、嫌悪を感じたリーファが後ろにいる男性へと大声で注意する。

 

「やめてください!怒りますよ!」

「別に怒ってもいいぜぇ〜」

「げへへ。にしても…どんだけ立派なものぶら下げてるんだよ〜」

 

目の前にいる男性の視線が自分の胸元へと向かったのを見ると、リーファはいよいよ表情を嫌悪と恐怖で歪めると、前から伸びてくる男の手を避けようと身体を揺らす。だが、それによって…上下に変幻自在に揺れるリーファの胸に男たちは鼻の下を伸ばし、気持ち悪い笑みを浮かべながら…前の男がリーファの胸へと触れた。

 

「ッ!」

「おォ〜、ヤベェ〜。ボインボインで、柔らかいんだが〜」

「〜〜ッ」

 

リーファは目の前にいる男と後ろにいる男を睨んで、男たちの束縛から逃げようとするが…がっしりと身体を掴まれていて、逃げようにも逃げられない。そんなリーファの顔を覗き込んだ後ろにいる男は、ニヤニヤとした笑みを強くすると…リーファのストッキングの中へと手を入れようとする。

 

「なになに?リーファちゃん、顔を真っ赤にさせて〜。そんな顔で睨まれても、興奮するだけだぜぇ〜。んじゃあ、俺は下の方を触らせてもらおうかなぁ〜」

 

“なんで、あたしの名前…”

 

男が自分の名前を知ってることに驚きつつも、とにかく 男たちの暴走を止めなければ…自分はさらに酷い事をされるかもしれないという恐怖から声が震える。

 

「やめっ、やめてくださいっ!」

 

リーファの涙声に、後ろの男はヒューと口笛を吹く。そして、涙が溢れそうになるリーファの頬から目頭の部分を舌で舐めとると、リーファの耳元で囁く。その声の後に続くのは…嘲笑だ。男たちの嘲笑を聴きながら、リーファはギュッと目をつぶる。目をつぶっていれば、早くこの淫行も終わるだろう…。

 

“早く終わって…早く終わって…”

 

呪文のように、そう唱えるリーファの下腹部を後ろにいる男が摩り、ゆっくりとその手がストッキングの中へと向かっていった…

 

「こんな谷間見える服とストッキングみたいなズボンを履いてるのが悪いんだろ?別にいいじゃないか〜、減るもんじゃねぇ〜し」

「ーー」

「ボスにも、《閃光》と《蒼目の侍》以外は好きにやっていいって言われたもんなぁ〜。なんで、あの二人はダメなんだろうな?あの二人の方が上玉じゃね?」

「ーーッ」

「へぇ〜、じゃあ、今からそのボスを懲らしめに行くから。君たちのボスとやらの居場所を吐いて欲しいんだけど」

 

突然、響いたアルトよりの凛としたその声にその場にいた全ての者が驚いて…淫行しようとしてる手がピタッと止まる。だって、今の今まで男たちの後ろには誰も居なく…気配すらも感じなかったのだから…。だが、その一瞬の隙を闖入者は見逃さない。右腰から素早く抜き取った刀でリーファの胸を揉んでいた前の男の頭目掛けて、思いっきり刀をフルスイングする。

 

「「!?」」

「ふんっ!」

 

フルスイングされた刀に当たる前に、何かの壁によって守れた男だが…その衝撃を受け流すことはできず、そのまま 数メートル先へと身体を横たわらせる。

前の男がいなくなったおかげで、リーファは自分を助けてくれた人物を視界に収める事ができた。自分を羽交い締めにしてる男を睨む瞳は蒼く、肩近くまである癖っ毛の多い栗色の髪。橙の羽織に、黄色とオレンジを基調とした和服。触れれば折れてしまいそうなほど細い左腕は、愛刀を握りしめて…此方へ刀身を向けている。

 

“…カナ、タ…さん…”

 

「がァッ!?」

「…ッ」

 

そう、リーファを助けに来てくれたのはカナタであった。カナタの迫力に手を離した男の束縛から逃れたリーファは、両手を広げるカナタの胸へと飛び込む。

 

「そうそう、その子から離れてね。おいで、リー」

「カナタさんッ!」

「よしよし、ごめんね…。もっと、早く駆けつけるべきだった…」

 

さっきまで味わっていた恐怖からガタガタと身体を震わせるリーファを優しく抱きしめたカナタは、その金髪を柔らかい手付きで撫でる。リーファへと囁かれるその声は、さっきまでの気迫はなく…いつものカナタのものであった。

 

「おい、行くぞ…」

「あぁ」

 

二人の隙を見て逃げようとする男の前へと素早く移動したカナタは、右腰から小太刀も引き抜く。構えるカナタの背後には赤鬼が笑っているようだった。腰を抜かす男たちに笑いかけながら…カナタの二刀が淡い光を放つ。

 

「おっと、そんな簡単に見逃すわけないだろ?あたしの大切な仲間を辱めた罰はちゃんと受けてくれるんだろうな」

「ヒィイイ」

「そんな怖がらなくていいよ。そんな痛いことはしないからさ…。君たちの言う上玉の内の一人に成敗されるんだ、光栄に思うんだな」

「ぎゃああああ!!?」

 

男たちの悲鳴は、その後 暫く続くこととなる…

 

 

 

γ

 

 

 

地面へと寝転がっている男たちから離れたカナタは、リーファへと歩み寄ると頭を下げる。カナタの謝罪を両手で遮るリーファだが…カナタは気が収まらないらしく、そんなリーファへと問いかける。

 

「リー、ごめんね。怖い思いさせちゃったね」

「…いえ、あたしも油断してたのが悪いので…カナタさんのせいでは…」

「いや、やっぱり…リーの心の傷は癒ないもの。そうだ、今から楽しめのクエストを受けに行こうか?」

「へ?」

 

目を丸くするリーファに、カナタはニコニコと微笑みながら…問いかけ続ける。

 

「楽しいクエストかかわいいものが出るクエスト。リーはどんなのが好き?」

「あたしは可愛い動物が出るのが…」

「しっ!なら、決定だね!ほら、善は急げだ。いこ、リー!」

「わっ、カナタさん…引っ張りすぎですよ!」

 

“…カナタさんって、少し子供っぽいのかな?”

 

クエストを受けられる掲示板に向けて走っていくカナタの後を、苦笑いを浮かべたリーファが続いた…




ということで、リーファさん…ヒナタハーレムへご入会手前です(o^^o)
いえ、もう入会してるやもしれません!ハーレム要員二人目、この後もどんどんと増えていく予定ですので…お楽しみに、です!

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