ゲーム・ア・ライブ   作:ダンイ

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四話

「琴里、地上についたけど此処で大丈夫なのか?」

 

『ええ、問題ないわ。ハーミットの今までの行動パターンを元にすれば、高確率でそこに現れるわ。もし違ったら、こっちでまた移動させるから問題ないわ』

 

俺は琴里と通信をしながら大型デパートの内部を移動していた。

琴里の話によるとハーミット……四糸乃は比較的に出現が多い精霊らしく、一通りのデータが揃っているらしい。そこに令音さんの思考解析を組み合わせれば大体の行動は予想できるらしい。

と言うことで予測地点となったデパートの中に俺は待ち構えている。

此処で待っていれば高確率で四糸乃に会えるわけだが……一度会っているとは言え、やはり緊張してしまう。

 

「そういえば、今回もネプテューヌは待機してるんだよな」

 

『そうだよ。危険が迫ったらすぐにわたしが飛んでいくから、士道は安心して精霊とのデートを楽しんでよね』

 

「あまり楽しみすぎるのも問題だと思うけどな……」

 

と言っても十香の時のように好感度を上げる事だけに集中するのも問題になるんだけどな……

まあ、そこらへんは上手くバランスを取るしかないだろう。

そういえば、ネプテューヌは前回、森の中という場所で段ボールの中に隠れると言う馬鹿をやっていたが、今回は大丈夫なのだろうか?

なんかちょっと心配になってきた。でも今回は街中だし段ボールの中に隠れても問題はないか……でも一応聞いておこう。

 

「なあ、ネプテューヌ。今回はどこに隠れてるんだ?」

 

『あっ。もしかして、士道はまたわたしが段ボールの中に隠れてると思ってるんでしょ。大丈夫だよ、心配しなくても。前回士道に怒鳴られたのを反省して、ネプギアに相談して別の物に隠れてるから』

 

「なんかすごく嫌な予感がするんだが……今何を使って隠れてるんだ?」

 

『なんと、今回は段ボールから打って変わって……ギリースーツを着てみました』

 

「だからそれは逆に目立つだろぉぉぉぉおおっ!!」

 

なんでそこで真逆の物を選べるんだよ!!

わざとやってるだろ!?そうなんだろう!?そうだといってくれ!?

って言うかネプテューヌがそんな事をしようとして誰も止めなかったのかよ。プルルートは無理にしても琴里とかネプギアとか……

 

『一応、私は止めたわよ……』

 

「ネプギアは……」

 

『お姉ちゃんが私の提案を聞いてくれるなんて……私、嬉しいよ』

 

あー、そういえばこの妹はこういった娘だったな……

こういった面を見ると改めてネプテューヌの妹なんだなって実感できる。

もういいや……たぶんASTには見つからないだろうし。でもそんな目立つのを気づかないのって大丈夫なのだろうか?

敵対組織なのだが、少しだけ心配になってしまう。

 

『って無駄話をしてる内に目的の人物が建物の中に入ったみたいよ。士道、気を引き締めなさいよ。一度顔を見合わせてるとは言え、今回はASTに攻撃にあって殺気立ってる可能性も否定できないのだから』

 

「分かってる……取りあえず接触してみるよ」

 

そう言って俺は琴里の指示に従って四糸乃がいる場所に向かう。

誰もいなくなった売り場を進み、階段を上って……たどり着いたのは子供遊具売り場だった。

此処に四糸乃がいるのか?照明が落ちているせいで先が見渡せなくて、四糸乃の姿を確認する事は出来ない。

 

『こちらからの観測結果じゃ間違い無くそこに居るわよ』

 

「と言っても……っ!?」

 

『やあぁ、士道君久しぶりだねぇ?』

 

急な気配に後ろを振り返れば、そこには四糸乃……とその右手につけられたよしのんがいた。

相変わらずよしのんは俺に人懐っこい声を投げかけてくるし、四糸乃は微妙に恥ずかしそうだ。

 

「久しぶりって言っても一日しかたってないけどな。そっちの方は元気にしていたのか?」

 

『ありゃ?あの感動的な出会いから一日しかたってなかったんだねぇ。ごめんね、よしのん達ちょっと特殊な事情で日にち感覚が全くないんだよ』

 

「別に気にしなくても大丈夫だ……って四糸乃どうしたんだ?」

 

何やら四糸乃が俺と話をしたそうに見つめて居たので声を掛けたのだが……彼女はビクッと身体を揺らすと俺に背を向けた。

四糸乃に一切悪意がないのは分かっているのだが……そういった行動をされると心が傷ついてしまう。

暫くの間、四糸乃とよしのんが会話をしていると、四糸乃がついに意を決したのか。俺を真っ直ぐ見据えると近づいてきた。

よく見れば左手には昨日あげた傘を持っている。

 

「あ、あの……士道、さん……これ……」

 

「もしかして返してくれるのか?」

 

無言のままコクっと頷く四糸乃……

別に高い物じゃないからあげたままで良いんだけどな……律儀って言えばいいのだろうか?

 

「本当に高い物じゃないから四糸乃にあげても良いんだぞ」

 

「……でも……士道、さん……には貰いっぱなし、で……なにも返せて……ません……」

 

『士道くんにはお礼があり過ぎるからねぇ。返せるときに返しておかないと四糸乃のスリーサイズでも返せなくなっちゃいそうだよ』

 

「あ……それだったら、昨日よしのんを直した事と傘をあげるお礼として、俺と少し遊んでくれないか?」

 

『遊ぶ?ここで?』

 

「そうだ」

 

俺の言葉を首を傾げて考え始めるウサギの人形……

今になって思ったんだけどこの人形ってどうやって動かしてるんだ?五本の指だと難しそうな動作を平然とやってるんだが……って今はそんなことはどうでもいいか。

四糸乃とよしのんは再び話し合いを始めている。まあ、こんな無人のデパートで外には武器を持った危険な人達(ASTのこと)がいる中でそんな事を言われれば困惑するのは当然だろう。

良い返事をもらえると良いのだが……

 

『うん~、よしのんは別に遊んでも良いんだけど、どうやら此処ってかなり危険な場所みたいなんだよね。建物の中に居るから士道君には分からないかもしれないけど、お外にはよしのん達を攻撃してくる輩が沢山いるしぃ……別の機会にした方が良いんじゃないかなぁ?』

 

「建物の中に居れば早々攻撃してこないはずだから……たぶん大丈夫だと思うぞ」

 

『そうだったの~。でも確かに言われてみると建物の中だとあまり攻撃されなかったよ。でも士道君はどうしてそんな事を知ってるのかな?もしかして四糸乃をいじめる奴のお仲間さん?』

 

「っ!?」

 

「違う、違うから!?ほら武器なんか持ってないだろ?」

 

よしのんの言葉にビクッと肩を揺らして動揺した四糸乃の姿を見た俺は、慌てて両手を上げて敵意がないことを示す。

そして、その行動は正解だったようで、四糸乃の周りに急に現れたこぶし大の水の塊は直ぐにその姿を消してしまった。おそらく四糸乃の力によるものだろうが、それでなにをしようとしてたのかは想像したくないな……

気弱な性格をしているとは言え四糸乃は精霊……人知を超越した力を持っている。

ちょっとした間違いで死に直結するって事を再認識させられた。

 

「そ、その……すいま、せん……私、勘違い……して、しまい……ました」

 

『ごめんね~。四糸乃って純粋な性格だから悪い男に騙されるんじゃないかって、よしのん心配でさー。こうやってちょっと過剰かなって思うくらいに目を光らせてるんだよねぇ。一応四糸乃は士道君を直接攻撃するつもりはなかったみたいだから、四糸乃の事は嫌いにならないでね』

 

「別にそれくらいで嫌いになったりしないよ」

 

俺の言葉を聞いた四糸乃はホッと安堵している。

今回は不用意な発言をした俺が悪かったからな……これからは発言に気を付けていこう。

 

『それで~、士道君はよしのん達と遊びたいのは分かったんだけど。具体的にどんな遊びを御希望なのかなぁ?』

 

「そうだな……折角遊具売り場に居るんだし。ここの物を使って遊んでみるか?」

 

『それじゃあ、よしのん達は使い方とか良く分からないから。士道君が手取り足取り四糸乃に教えてあげてねぇ』

 

「よ、よろしく、お願い……します」

 

なぜだろう?

何もおかしなことを言ってないのに、よしのんが言うと少しだけ卑猥な表現に聞こえてしまった。

たまたまなのか、それともわざとやっているのか……よしのんの性格を考慮すると後者の可能性が非常に高そうだな……

とにかく俺は、心の中でお店の人に謝ったあと、売り物の中で四糸乃達と遊べそうなものを探していく。

 

『よくやってるじゃない、士道。四糸乃の精神も安定してるし、好感度も上昇中よ。上手くいけば今日中には封印できるんじゃないかしら』

 

「そんな楽観視して良いのか……」

 

『別にそこまでは思ってないわよ。それにヘタレの士道じゃ好感度を上げるよりもキスする方が難問なんじゃなくて?私、好感度は大丈夫なのに、キスだけの為にデートを何回も支援するとかやりたくないわよ』

 

「ぐぅ……」

 

くそ、否定できない。

確かにキスをする……そのためだけに何度もデートをしそうだ。さすが琴里と言えばいいのか……俺の事を良く分かってるじゃないか。

でも、それは四糸乃を無駄に苦しめることにも繋がる……できるだけ早く覚悟を決める事にしよう。

俺はそう決意するとともに、選んだおもちゃを片手に四糸乃のほうに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

士道が四糸乃たちとゲームを始めた頃。

折紙は着用型接続装置(ワイヤリングスーツ)に身を包み、ありったけの弾薬を持った状態でデパートの周りを飛んでいた。

今このデパートにはハーミットが隠れている……何時もは逃げ回っているハーミットが一か所にとどまっていると言うことは、士道が精霊との接触に成功したのだろう。

 

ハーミットは比較的危険性が低い精霊で、ASTの攻撃を受けても逃げ回っているだけでこちらを攻撃した事は一度もない。直接話したことはないので性格を知ることは出来ないが、上記の行動を踏まえると十香のような友好的な精霊の可能性もある。

 

折紙はまだ精霊を完全に認めた訳ではない。危険な存在であるのは事実だし……未だに自分の両親を殺した精霊に復讐心を抱いているのも事実だ……

でもそれ以外の精霊なら……彼女たちが平和な日常を求め封印に応じるのならそれは黙認しよう……それが今の折紙にできる精一杯の答えだった。

 

それにしても、封印する方法が士道との好感度を上げてキスをすると言うのは、どうにかならなかったのだろうか?

今、自分がこうして仕事をしている時に標的であるハーミットは士道とデートをしていると思うと羨ましい……っというか妬ましい。

自分も精霊だったら士道とデートおよびキスが出来るのだろうか……と一瞬だけ馬鹿な考えが頭に浮かんでしまった。

 

『折紙……まだ攻撃許可出てないんだから、一人で突っ込むんじゃないわよ?』

 

「なぜそんな事を?」

 

『あんた、自分で気づいてなかったの?さっきからデパートに凄まじい敵意のこもった視線を向けていたのよ?』

 

どうやら心で思っていた事が顔に出てしまったらしい……

でも妬ましいものは妬ましいのだ。十香はすでに霊力を封印されていると言うことは彼女もシドーとキスをしたのだろう。

今になって思えば、風呂に一緒に入った時に女性となった士道を襲って既成事実を作っておくべきだった。流石に子供までは作れないが、キス以上の事をするのは十分に可能だった。

 

そういえば……あの時一緒に風呂に入ったネプテューヌと言う少女。自分を一瞬で倒したヴィーナスの正体なのだが……

なぜ自分は彼女をカメラで撮ったりしたのだろうか?別に最初にやろうとしていた、彼女の気を失わせる方法で良かったはずだ。それなのに気がつけばカメラで撮影していた……

言葉では言い表しにくいが彼女には士道を相手にする際と同じようなものを感じてしまった。記憶にはないのだが……自分の両親が死んだ際に彼女と会ったのだろうか?

 

『折紙……攻撃許可が出たわよ。外から攻撃してハーミットをいぶりだすわよ』

 

日下部隊長の指示を聞いた折紙はそれまでの考えの一切を放棄して、目の前のデパートを見つめる。

あの中にはまだ士道がいる……折紙はそう思いながら事前に決めていた動作をして攻撃開始をラタトスクに伝える。

事前にした話し合いでは建物への攻撃が始まる前に士道を避難……それが間に合わなければネプテューヌがASTへの妨害を始める手筈になっている。

他の者には言ってないがビルの屋上で大きな草の塊を見かけたが……それがネプテューヌで間違いないだろう。

そんな事を考えながら折紙は攻撃のための配置についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふふふ……どうやらゴールに一番近いのはよしのんみたいだねぇ。もし勝ったら最下位の人にはなにをしようかなー。やっぱり此処はお約束通り服を一枚脱ぐってのを……』

 

「よしのん……そんな事、駄目……!!」

 

「一応言っておくけど、よしのんの命令だと現在最下位の俺が脱ぐことになるんだからな」

 

若干の呆れをまぜつつ、顔を真っ赤にした四糸乃に口をふさがれているよしのんの事を見つめる。

誰にでもできる簡単な遊びって事ですごろくをやっていたのだが……折角ゲームをやるんだしと、よしのんが勝者は最下位の人になんでも命令できるってルールを付け加えたのだ。

勿論俺は止めようとしたのだが、琴里に上手くいけばキスするチャンスじゃないと止められてしまった。そしたら案の定俺が最下位になっている。

これが予想出来たから止めたんだけどな……俺のゲームの腕前なんて子供に負けるくらいだし。

 

『んもぉ~、士道君たらそんなに自分を卑下しなくても良いんだよ。士道君身体は細いけど結構鍛えてるみたいだから、その手の人には需要があると思うんだよねぇ』

 

「そんな需要、全く嬉しくないんだが……」

 

「えっと……よしのん……その手って、なにかな……」

 

「四糸乃は知る必要ないと思うな……」

 

なんか教えたら純粋な四糸乃を汚してしまいそうで言いたくない……

でも放っておくとよしのんが余計な事を言いそうなので早めに話題を切り替えることにしよう。

 

「そんな事より次は四糸乃の番だぞ。早くサイコロを振ってくれ」

 

「あ…はい……」

 

コクっと首を振って頷いた四糸乃は右手に持ったサイコロを中に投げる。

そのまま地面へと落ちたサイコロはコロコロっと何度も転がり……最終的に四の数字を示した。

 

『四糸乃は四かぁ……それだと……あっ!!』

 

四糸乃が進む場所を見て……よしのんが何かに気づいたかのように声をあげた。

それに俺は首を傾げる。まだよしのんの方が上がりに近いのだが……マスの効果で逆転されるのだろうか?

俺も四糸乃が進む場所を見つめる。そしてそこには……

 

「六マス進む……って待てよ。四糸乃の場所から六マスって……」

 

ゴール……つまりこのゲームの勝者は四糸乃だ。

そして最下位は勿論だが俺だ……よしのんじゃなくて良かったと喜べばいいのだろうか?彼女が勝者になった場合は俺は服を脱がなければならなかったわけだし……

流石に四糸乃の前で全裸とか出来ないからな……やったら確実に警察沙汰だ。そして琴里にも軽蔑の視線を向けられるだろう。

それにしても四糸乃は俺に何を命令するのだろう……そこまで酷いものにはならないと思うけど……

 

『ほら、四糸乃は士道君に何を命令するの?なんでも命令する事が出来るんだから、何を言っちゃても大丈夫なんだよー』

 

「えっと……そ、その……一つだけ、お願い……大丈夫、でしょうか」

 

「えっと……出来限りは要望に答えるから言ってみてくれ」

 

「その……ま、また、私と……遊んで、ください……」

 

少し涙目になりながらそう俺に願う四糸乃……

たぶん、俺に断られるんじゃないかって不安になってるんだろうな……よしのんみたいな服を脱げとかならまだしも、こんな願いを断る理由などない。

俺は、不安そうに俺を見つめてる四糸乃の正面に立つと、それを振り捨てられるようにゆっくりと優しく語りかける。

 

「それくらいならお安い御用だよ……これからもよろしくな四糸乃」

 

「は……はい」

 

不安そうな顔から一転、心の底から嬉しそうな顔を浮かべる四糸乃……この顔を見るのは昨日の壊れたよしのんを直してあげた以来だな……

事情が事情だから四糸乃があまり笑顔を浮かべられないのは仕方がないのかもしれない……静粛現界でもしない限りは毎回のようにASTに襲われてるんだからな……

今の俺が四糸乃の為にできることはたった一つ。その霊力をキスして封印する事のみ。

 

(琴里……四糸乃の俺に対する好感度はどうなってるんだ?)

 

『結構良いところまでまで上がってるわ。あともう一歩で封印は可能……っ!!士道今すぐそこから離れなさい。ASTが攻撃を始めるみたいよ』

 

くそ……あともう一歩ってところなのに……

一瞬攻撃が始まっても四糸乃と遊ぶ事を考えたが……それは無理だ。十香ならまだしも四糸乃じゃ弾丸が飛び交う中でそんなことは出来ない。となれば後は俺がこの場から居なくなるしか手段はないのだろうが……

四糸乃にその事を伝えるべきなのだろうか……言ってしまったらまた俺はASTの関係者じゃないかと疑われてしまうだろう。言わなくても精霊である四糸乃は早々の事で怪我をしないが……

 

『士道君?いきなり四糸乃の事見つめちゃってどうしたの?もしかして~、四糸乃に見惚れてたのかなー。もう~、四糸乃ってば罪作りな女なんだからぁ』

 

「え!?……わ、私、士道さんに……なにか、した……のかな?……そ、その……すいま、せん」

 

「四糸乃が謝る必要はないからな……それより少しだけ落ち着いて聞いてくれるか?」

 

「は、はい」

 

「今からAST……外の奴らが攻撃を開始するみたいなんだ」

 

「っ!?」

 

『ありゃー、流石に何時までもは見逃してもらえないか。それじゃあ、早くこの場から離れた方が良いかもね。でもぉ~、士道君はなんでそんな事を知ることが出来たのかな?やっぱりー』

 

やっぱりと言うか……よしのんは俺に疑いの視線を向ける。そしてそれを聞いた四糸乃は俺を不安げに見つめている。

言えばこうなることは分かっていた……でも言わずにはいられなかった。

理屈で言ってしまえば言わない方が良いに決まっていた。そうすれば疑われずにすむし、その後のASTの攻撃もたまたま俺が去った後にされたと思うだろう……でも四糸乃が攻撃される事を思うと彼女にそれを伝えずにはいられなかった。

四糸乃は俺の事を見つめている……そして意を決したのかゆっくりとその唇を開いた。

 

「わ、私……士道さん、の事……信じます……あの人達の、仲間じゃ……ないって」

 

『士道君ったら、四糸乃に凄く信頼されているみたいだね。妬けちゃうな~。でもよしのんも分かってたよ。だって、仲間だったらよしのん達に伝える必要なんてないからね』

 

その言葉を聞いて俺はホッと安堵の息を吐いた。

と言うかよしのん……そう思ってるなら四糸乃が不安になるような事を言わないでくれ。

このまま拒絶されるんじゃないかって不安で心臓に悪かったんだぞ……たぶん俺と四糸乃が慌てたりする姿を見たくて言ったんだろうけどな。

その証拠に若干不満げに話してたし……

 

「それじゃ俺はそろそろ此処から居なくなるけど……四糸乃達も気をつけるんだぞ」

 

「は、はい……教えて、くれて……ありがとう、ございます」

 

『四糸乃の事はよしのんが守るから士道君は心配しなくても大丈夫だからね』

 

俺が四糸乃達にそう言った後にその場を去ろうとすると……四糸乃達は俺がいなくなるまで手を振ってくれた。

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