鎮守府は繁栄します   作:日々はじめ

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第18話 妖精さんの工事

 「オラァ!!」

 

 天龍が手に持つ獲物で仕留めるべき相手へと振るう。

 風を切るような音が耳に届くと同時に手応えのなさから若干の感情の高ぶりを感じた。

 

 「へェ、只の木偶の坊……っていう訳じゃねェな。本能的に交わした感じか?あァ、それなら残念だーーー、お前は足る相手では無かったということだな」

 

 天龍の口許から漏れた溜め息は失望だった。

 久し振りに戦えると思ったが今の回避行動は見るからに本能的に交わしたようなものだった。

 余談だが、艦娘たちに同じ攻撃を交わせと命じても大半は攻撃を食らってしまう。

 その事を考えると、この戦艦はとても運がいいと見える。

 頬の掠りから滴る液体なようなものを拭うと一層と睨み付ける眼光が増し、吠える。

 

 「■■■■■■■■■■ッッ!!」

 

 

 遠くから眺めているほかの艦娘からは驚きの顔持ちであった。

 最古参という位置付けは知ってはいた。ーーー知ってはいたが、まさかこれほど圧倒的だったとは誰も知る由がなかった。

 日々自堕落な生活を送ったいた人物と同一人物とは思えなかった。

 

 「流石は天龍さんといったところですか……」

 「なぁーに、感心しているんですか加賀さん。援護とかしなくても……いいわよね。うん」

 「ねえ、響!あれってれでぃの嗜みとして必要よね!!」

 「ハラショー……。暁、残念だけど君があそこまで行くのには長い年月が掛かるよ」

 「ふふっ、いいな。強さというのは。今度手合わせをお願いしたいものだ」

 

 遠目からみてその勝負がもう少しで終わることがわかる。

 天龍の上段からの降り下ろしを交わした戦艦エリートは直ぐ様砲撃に移る。

 しかし、降り下ろされた時の衝撃によって水飛沫が上がり天龍の姿を眩まし照準が合わなくなる。

 

 「■■■!!」

 

 苦し紛れにはなった一撃。

 水飛沫を吹き飛ばした一撃のその先に目標の姿は無く、背後に現れた気配が突然と告げる。

 

 「終わりだ」

 

 

 

 

 「わりぃな、加賀。つい、久し振りだったからよぉ」

 「つい、で済まされる問題ではないですけれども……。まぁ、無傷で生還してくれたのでいいでしょう」

 「天龍さん!すごくかっこよかったわ!!」

 「おぉ、わかるか。…ふふっ、怖いか?」

 「うらー、敵になると怖い」

 

 おだて上手の暁に言われて気分がよくなったのか口癖のふふ怖をいう天龍。

 しかし、天龍以外の5人は内心

 

 (((((普通に怖かったです)))))

 

 という、一致団結をしてたのは預かり知らぬところ。

 

 「じゃあ、いきましょうか。あと数時間したら着くんだよね、加賀さん」

 「えぇ、そのはずです」

 

 そう言うと、縦に並ぶ陣形で走行する。

 海の塩臭さと鉄の臭いに当てられた彼女たちは今すぐにお風呂に入りたいと思っているが向かっているのは無人島だ。贅沢など言えない。

 

 ■■■

 

 「お風呂はいい文化です。特に露天風呂は、景色というスパイスと風流な作りから妖精さんたちによって作られた疲労の塊が削れていきます」

 

 どうも皆さん、わたしです。

 妖精さんたちによる運河工事は順調ということなので今は露天風呂に入りリラックスをしています。

 余談ですが、やはりというかコーヒーと紅茶の製法は逆になってしまいました。

 お風呂の温度は42度。この暑い無人島では最適温度です。これ以上になってしまうと失活するまであります。ちなみに私の最適phは7ですよ。

 

 「じょおうさまー」

 

 リラックスしているとリラックスする羽目になった元凶さんが来ました。

 一応、私は最高位のものです。ここでのカリスマ発揮はクスノキの里に戻っても生きるはずなので話を聞きます。

 

 「なんでしょうか?」

 「うんがのけんせつ」「あと5ふんほどでかんせんです」「らーめんつくるにはながすぎですな」

 「わ、妖精さん流石ですね!ちょークール!!」

 「ほめられているのです?」「そううけとるのはじゆうかと」「じゃあばかにされていますな」「なぜですと?」「さぁ?」

 

 いやいやいや、馬鹿になどしてませんよ。

 でも、あと5分で完成ですか……。

 あれ、運河の建設頼んだの数時間前ですよ?どうしたんでしょうか。

 まぁ、やる気に満ちているのはいいことですね。

 では、明日でとうとう4日目です。準備は順当。

 作戦バッチリ。熊さん避難ポット作成済み。お舟完成間近。

 

 

 

 ーーーそろそろ仕掛けますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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