避けたりとかそういうのはしない。   作:銀座

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だんだん文章が無理矢理になってきた。申し訳ないです。


29話 鍋はつけちゃいけないキムチチゲ

 

 

 

 

やぁみんな、大規模戦闘では必ず頭おかしい奴扱いされるオーク系転生者の俺だよ!

 

 

 

さて、あれから周瑜さんの病を治しちゃおうぜ隊として、曹操さんの軍に引っ付いてきた俺たちだが、何故か劉備さん達も一緒だ。なんでもあの村は拠点代わりに使っていたが、元々本拠地として扱うにはだいぶ手狭なんだそうだ。そして今回の戦での功績上、領地は確実らしいので、いっそのこと上からの使いがくるまで曹操さんのところで勉強したいと曹操さんにお願いして見たところ、その間曹操さんの下で働く事を条件にオーケーもらったとかなんとか。

 

それは正直ありなんだろうか。というかさも当然の様に俺たちも一緒に働く契約だったので、それは断っておいた。なんでぇ!?とか言われたけど、治ったら周瑜さん達を呉まで連れてく約束なんで無理です。

 

 

「じゃ、じゃあ軍師組のみんなだけでも!」

「い、いや武将組1人でも!」

 

だそうだが、誰か残るか?実際厳しいのは事実だと思うけど。ていうか曹操さんのとこでも兵の糧食どうすんの?え、袁紹さんからので2ヶ月はいける?どんだけもらったんだお前ら。負けたら全部回収される予定だった?ああなるほどなぁ。どうりで最後袁紹さんから睨まれるわけだよ。まぁいいや、で、結局どうする?俺は呉にも行ってみたいから行くけど。

 

「私は兄さまと一緒がいいな。」

「おとーさんと一緒に行くのだ!」

「私は道玄と行きます。」

 

あ、3人は決定と。他のみんなはどうするのだろうか。するとどのくらいので期間あけるのか聞かれた。周瑜さんどうなの?一月くらいだそうだが、往復とか色々考えて3ヶ月くらいかな。1週間以上なら全員ついてくるのね、ブレないな。という事らしい、すまんな。

 

なんか悲しそうな劉備さん。めんご。まぁまた帰るから頑張って準備しておいて。たぶんまた直ぐに戦争だから。ってあれ、言ってて気付いた。俺等周瑜さん送ってく余裕あるかな?割と直ぐに反董卓連合なかったっけ。やべ、下手したら会場集合かも知れんな。とりあえず周瑜さんの治療にどれくらいかかるかかな。まぁ最悪反董卓連合の後でも良いか。

 

 

「・・・今更だが、その、重くないか?」

 

いや、全然。だから気にしないでゆったりしてて。そう言うとありがとう、と返す周瑜さん。まぁ分かると思うが、現在彼女は俺が背負う大寸胴鍋の中にインしている。理由は出発してから3日後の夜、彼女が吐血したからである。発見当時本人は隠そうとしてたが、血の匂いに反応した俺が即発見し、そのまま寝かしつけて看病体制に入ってやったら観念した。

 

俺が居なくなった事に気付いた愛紗や星がみんなを連れて駆け付け、その時に黄蓋さんも来て驚いていた。なんでも血を吐いているところを見たのは初めてらしい。改めて気付いた事に感謝された。なら有名な黄蓋さんの手料理を食べたいとお願いしておいた。呉に来たら是非用意してくれるらしい。やったね!

 

現在は曹操軍の後ろの方をゆったり歩いている。単純に行軍に合わせて歩くのが面倒だったのと、普段大寸胴鍋に入ってるちびっ子達が、運動不足を兼ねて歩いているため、どうしても遅れるからだ。なお、劉備さんと一刀くんは、義勇軍を連れて曹操軍について行っている。行軍中にも速度や隊列、補給など、学ぶことは多い。きちんと自分達で実践しているのは流石である。

 

 

そんなこんなで、途中の川で軍が野営準備に入ったので、俺たちも軍より大分先に進んだ上流辺りで野営する事にした。近くで野営すると、ウチだけちゃんとした料理を作るので、匂い等で文句を言われるのだ。まぁ、その文句ついでに飯を食ってく上層部にまず疑問を持つべきだと思うが。

 

今の時期は寒くなって来ていて、動物達がぼちぼち冬眠し始めているのと、行軍による大量の人間の匂いと気配のため、ほぼ野生動物に遭遇しない。なのでこうして少し山の中に入り、俺たちの分をある程度確保しなければならない。毎度毎度鈴々と季衣ちゃんの分を用意するのは結構大変なのだ。まぁ喜んでくれるからにはやるけど。俺は親バカの自負があるので、最早なに言われても平気です。

 

ここ最近は、初の遠距離攻撃持ちの黄蓋さんが狩りに協力してくれるのでかなり効率も良い。今日も雉三羽、シギ五羽、ウサギ2羽、鹿一頭と大漁である。2人での狩だが素晴らしい猟果だ。ホクホクで功労者である黄蓋さんに酒を二合約束する。黄蓋さんも嬉しそうだし、これぐらいなら流琉も怒るまい。そんな事を考えてたら、黄蓋さんに真面目なトークを持ちかけられた。

 

 

内容は呉に仕えないか、という事だ。なんでもここ数日一緒に過ごして問題なしと思ったらしい。何より劉備さん達にはもったいないとかなんとか。まぁ否定はしないがお断る。別に黄蓋さん達が嫌いなわけではないが、今はまだあの場所を離れる気はない。

 

何故と言われても。あの場所でしかできないことがあるからかな。え、今なら黄蓋さんと周瑜さんがついてくる?わぁ、びっくりするぐらい魅力的な話!でもそれ周瑜さんに話通ってんの?通ってたー!やばいすごい心惹かれる。ダメ押しで黄蓋さんが自分の胸に俺の手を持ってった。素敵な感触やで!これは確かに行っても良い気がして来た!

 

 

「お主がウチに来るなら、この身体、好きにするがいい。」

 

若い者にはまだまだ負けんぞ、と耳元で蠱惑的に囁く黄蓋さん。流石に年季が違う。秋蘭や星などと違ってガチでエロい。これはもうやられてもいいな!

 

 

だが、断る。

 

 

何故じゃ!ってあーた。まずそういう話は無事に周瑜さんが治ってからにしてくれ。それに周瑜さんと黄蓋さんだけで了承もらっても仕方ないし、気持ちは非常に嬉しいがね。あと、呉にも美味しい特産品をお願いします。うちの劉備さんには桃と、その桃の廃棄品を使って育てられる桃豚と桃鶏があるのよ!

 

「まさか、食い物を求められるとは・・・!というかそんな理由で劉備の下におるのか!?」

 

え、そうだけど。というか、色仕掛けとか危ないからやめた方がいいよ?何を言ってるのか分かってない顔の黄蓋さん。いやみんな勘違いするんだけどね、というか俺も勘違いしてたけども。うちの女性陣は、正確には俺が囲っているのではなく、「俺を」囲っているのよね。

 

シュン、と音を立てて黄蓋さんの後ろに突き刺さる矢。そしてでて来る秋蘭。・・・いや、なんでやねん。

 

思わず普通にでて来た秋蘭にツッコミを入れる。さも当然のようにでて来たが、お前ウチの女性陣の中に入ってないよ!俺ドヤ顔しちゃったじゃんなにしてんの!ていうかみんなはって気付いたら武将組が武器もって俺と黄蓋さんを包囲していた。よく見ると何故か春蘭と華琳さんも居た。何事だよ。いいや、とりあえず誤魔化しておこう。

 

とりあえずなっ?とか言って計画通り感を出しておく。黄蓋さんは一瞬呆気に取られた後、笑ってなるほどな、と言った。なお、俺の腕には愛紗と星がいつの間にか絡みついて居て、めっちゃ脇腹をどついて来る。いや、俺悪くなくね。え、2人きりの狩時間が長い!?き、きびしいなー。

 

あと、華琳さん達までなんでいんの?食事の準備が遅い!?あれ、さも当然の様にウチで食う気なんすね。まぁいいや、愛紗、野営の準備と風呂の準備は終わった?そか、じゃあ急いで戻ろう。黄蓋さんのおかげで材料も盛りだくさんだしね。だから華琳さん達、あんまり私に黙っていい度胸ね、とか黄蓋さん虐めちゃ駄目だよ。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

さて、そんなこんなで何故か劉備さんや一刀くん、華琳さん達全員が合流する食事は終了しました。ちなみに今日の食事はいつものちゃんこ鍋と、たまたま発見した平べったい空洞のある石を使って作ったピザです。米は久しぶりに炊いてません。何故か行商が売ってたチーズを買い占めておいて作りました。デスソースたっぷりのは凪専用です。なんか一刀くんが何故ピザがここに、とか言ってたけど無視しました。そんなこと言ったらこの時代に麻婆豆腐やら肉まんがあることにツッコミが必要です。ていうかかなり離れているのに、わざわざ馬使ってまで来たよこの人達。

 

 

 

今は風呂の最中です。ウチは綺麗どころしかいないので、行軍中の兵士が覗きに来るので、曹操さんが黒く染めた大きな帆布をくれました。ありがたく使わせてもらい、周りから見えない様に隠します。どうでもいいけどこの準備の良さ。明らかに狙っていましたね。確かに行軍中に風呂入るなんて俺たちくらいだけども。

 

 

さておき、俺は周りで見張りをしている。見せたくないのもあるけど、女性陣がやると兵士殺しちゃうからね!華琳さんが入ってる時に来た兵士なんか春蘭が容赦無く切りかかったからね。まだ覗きする前だったのに。止めなかったら彼は頭から真っ二つだったよ。自軍の兵士だけどな!

 

ところで、風呂入らなくていいの、周瑜さん。

 

「後でいただこう。だが先ずはお前と話がしたい。」

 

 

ぬ?なんぞ。なんか話があるらしい周瑜さんに、とりあえず暖かいゆず茶を用意する。というかなんで周瑜さんも黄蓋さんもそんな薄着なの。うちの女性陣だってそろそろ厚着始めてるのに。・・・持って来てない?呉が暖かいからここまで寒いと思わなかった?ええー・・・。

 

正直早くいいなよって思った。しょうがないので、とりあえず今は手持ちの毛布(特別製ビッグサイズ。俺が2人は入れちゃう!基本は折り畳んで使う。)を周瑜さんに掛けてあげる。女性陣が出たら、黄蓋さんと共に服を貸してもらおう。それまで待ってくれ、そう言うと、なんか不思議な顔をした後、ありがとう、と周瑜さんは微笑んだ。

 

 

「・・・なぁ、羌毅殿。私は本当に治るだろうか。」

 

 

知らんよまたかよ、と思ったがどうやら続きがあるらしい。黙って聞く。そのまま彼女の独白が続く。それは彼女の過去であり、仲間との築いた時間であり、同時に病という恐怖と孤独に耐えてきた、長い戦いの歴史だった。

 

彼女が言うには、かなり昔には病に気付いていたそうだ。元々幼い頃は病弱で、寝たきりの日も多かったという。自然と書にのめり込み、元々家の教えもあって、外に出ずにただ知を積み上げる日々。やがて父親の仕える主君、孫堅に会い、その娘である孫策にあって初めて、「自分の知を誰かの為に使いたい」と思ったそうな。孫堅も孫策も、2人揃って勝手気ままで奔放で、でもこの人の為に尽くしたい、そう思える様な不思議な魅力で満ちていたと言う。

 

 

今思えば、それこそが英傑の持つ覇気、と言うやつなのだろう、と周瑜さんは苦笑する。もうちょっと孫策は普段から英傑らしい振る舞いをしてほしい、などとも言った。

 

 

そんな風な人達に仕えていたからこそ。孫堅が死んだ時は信じられなかったという。しかし、そんなことを嘆く暇などなかった。何故なら自分の父親も孫堅と共に亡くなり、国の中心が2人同時に居なくなって、求心力はガタガタ、それでも家臣と民の為に孫策は立ち上がらなければならなかったし、そんな孫策を支えなければ、と思ったのだと言う。

 

それからは苦労の連続で、むしろ今だって袁術なんていう我儘小娘の下でいい様にされながら必死に孫呉の再興の為に頑張ってきた、いつの間にか未熟だった自分も、孫呉に欠かせない存在になった。その自負もある。だからこそ、病が治らないと知った時に、隠さねばならないと思ったのだと言う。その理由は

 

 

「怖くなったんだ。自分の積み上げて来た全てが、やがて全て消えてしまう気がして。やがて使い物にならなくなる(・・・・・・・・・・)自分は、この場所に居られなくなるんじゃないかって。」

 

孫堅が力を持って手に入れ、力を持って治めてきた土地だからこそ、孫堅という力を失った土地から、協力してくれた人々は去り、規模は縮小し、今まで苦労しながら建て直して来た。

そして自分達が力をつけて来たからこそ、新たに人が増え、再びここまで大きくなった。まだまだ苦しいけれど、もう一度孫呉を取り戻すのも、夢ではなくなって来た。

 

だからこそ、そう遠くない未来に死ぬ自分が、力を喪う自分が、この場所にいる意味は無い、そう思われることが怖くなった。

 

そう周瑜さんは言った。だから隠れて受けていた様々な医者の診断も、誰かに気付かれる前に辞めたのだと。皆に気付かれない様に、病を隠して来たのだと。

 

「本当の事を言えば、こうして医者に会いに行く許可を貰ったのさえ、自分が必要とされなくなった気がして少し不安なんだ。・・・流石に卑屈過ぎると、分かってはいるんだがな。」

 

 

そう言って力無く笑う周瑜さん。本当に不安だったのだろう、初めてあった時の気丈な彼女を考えると別人の様である。だが、とりあえず俺の今の気持ちを表すならこうだ。

 

重いよ!!重過ぎるよ周瑜さん!会ってそんなに経ってない蛮族に語る内容じゃないよ!あんた無印の時、孫権さん達にさえそんなに心境語ってなかっただろ!と言うかこういうの一刀くんの役目だろ!どこ言った原作主人公!

 

 

・・・どうやらいない様なので、諦めて俺が話すしかないようだ。えーとそうだな、先ずは勘違いから解いて行こうか。

 

 

「勘違い?それは一体・・・?」

 

 

そもそもな話、周瑜さんが死んだところで周瑜さんの築いたものはなくならないし、周瑜さんがやがて死ぬから意味は無い、なんて事もないよ。そんな事ないって?じゃあ君の言う孫堅さんとやらが死んだ時、何故呉が滅びなかった?答えは簡単だ、孫策や周瑜さんみたいに、後に続く存在を築いたからだ。違う?

 

「そ、それは・・・。」

 

周瑜さんの話が事実なら、周瑜さん達が築いた今の呉には、君が教えた家臣もたくさんいる筈、この時点で最悪君が死んでも意味はある。そして、これはある本の受け売りだけど、やがて失われるものに価値がないならば、それは俺も君も一緒だよ。病か時か、はたまた刃か。ならば今すぐ死ぬかな?意味がないからと、全てを放り出してしまうかな?

 

「・・・ッ!」

 

同じことだと俺は思うよ。だから周瑜さんがどうなろうと、君が築いたものは消えないし、その意味がなくなる事も無いと思うよ。まぁ、ここまではいいかな。よし、じゃあそもそもの話しようか。

 

 

「そもそもの、話?それは、どういう・・・?」

 

 

ああ、簡単だよ。周瑜さんはもし孫策さんがある日突然何も出来なくなって、寝たきりの生活を送ることになったら、彼女の全ては意味がなかった、なんて思う?もう必要ないなんて言っちゃう?

 

 

「そんな訳がない!例え何が起きようと、どうなろうと、雪蓮は私の親友で、戦友で仲間だ!戦えなくなっても、天下を取れなくても、寝たきりでも、それは絶対に変わらない!」

 

 

うん、じゃあそういう事でしょ。周瑜さんがそう思ってるなら、少なくとも周瑜さんがそう思う相手は皆、周瑜さんがそうなっても同じ様に考えてると思うよ。それとも周瑜さんは、孫策さん達がたかが不治の病にかかった程度で仲間を見捨てる様な奴らだと、そう言いたいの?

 

 

「・・・ッ!?」

 

 

違うでしょ?初対面で斬り付けられた俺でもある程度分かるよ、君達の仲の良さも、絆の深さも。今だってついて来てる黄蓋さん、彼女だって本来1人でポンポン護衛に使っていい人物では無いはずだ。ましてや本当に要らないと思われてるなら尚更ね。周瑜さんが自分なんかの為にって拒否しなければ、一軍ごとついて来たんじゃね?それが出来ないから可能な限り信頼できて、最高の戦力を持つ黄蓋さんが来たんでしょう。寧ろ誇っていいと思うよ?君は確かに、孫策が作る孫呉に欠かせない人物なんだってね。

 

「・・・では、私の今までの苦悩は、一体?」

 

んー、非常に申し訳ないけど、唯の杞憂かな。むしろもっと素直にどうしようって皆に相談してたら、こんなに悩まなくて済んだと思うよ?俺がわざわざ説明しなくても、孫策なら行動で示した筈だし。まぁ、強いて言うならそうだなぁ。

 

「もう少し、仲間を信じてやれ。大切な仲間なのだろう?」

 

そんなところですかね。

周瑜さんは色々と考える様にしばらく無口になったあと、やがてぽつりと、呟くように言った。

 

「そうか・・・信じていなかったのは、私の方か。」

 

馬鹿だな、私は。俯く彼女の頭を撫でて、ちゃんと治して、帰ってから謝れば許してくれるよ、君ならそうするだろうしね、とそれっぽい事を言っておく。正直真面目な雰囲気続き過ぎて疲れてきた。シリアス羌毅さんは1年に一回くらいで十分だと思うんだ。

 

というか、明らかに近くで何人か聞いてるんですけど。しかも1人は多分黄蓋さんなんですけど。これ以上シリアス続くなら変わってほしいんですがマジで。

 

 

いつの間にか周瑜さんがこちらにもたれかかってきてるし、なんか凄い頭撫でにくい。もうやめても良いだろうか。シリアスな雰囲気で頭を撫でて誤魔化すとやめどき分からなくて困る。なんでやってしまったんだ俺。

 

・・・そろそろ毛布有りとはいえ、冷えてくるな。どうも風呂には皆入ったみたいだし、俺たちも入って寝よう。そんな感じの事を言って立ち上がる。いや、俺たちよりも盗み聞きしてる連中が風邪を引きかねないしね。毛布被ってもないだろうし、風呂上がりなら湯冷めしてる頃だし。

 

すると周瑜さんにズボンを掴まれる。見るとこっちを見上げる周瑜さん。なんぞ?

 

「冥琳だ。これからはそう呼んで欲しい。」

 

え〝っっ。それ治療成功した時の報酬なんですけど。なんで急に。ていうか急過ぎて盗み聞きしてる人達の方から殺気が漂ってきてるんですけど!い、いや、ちゃんと治療成功してからにしよう、ね?約束はきちんと護るべきだよ!

 

「それだと治療が成功しなければ、永遠に私が真名を呼んでもらえないじゃないか。それとも、死ぬかもしれない人間と真名を交換するのは嫌か?」

 

そう言って不安そうに見つめる周瑜さん。・・・いや、卑怯だよこれ。この顔でこんなこと言われたらカズマさんだって断れないってマジで。仕方なく、道玄だ、よろしく冥琳。と返す。一層殺気が強くなったが勘弁してください。無理だってこれは。見ろこの笑顔。あのお堅い女教師みたいな周瑜さんがこんなに嬉しそうに笑ったら、だれだってまあ良いかって思っちゃうよ。

 

 

とりあえず、女性陣から上着を借りておく約束をして、周瑜さんを風呂に送り出す。彼女が黒い帆布の裏に消えた辺りで、声をかける。えっと、今回ばかりは勘弁してください。・・・駄目?

 

「駄目ですな。」

「駄目だな。」

「駄目です。」

「駄目に決まってます。」

「駄目よ。」

 

「いや、まぁ儂としては寧ろ本気で感謝してるんじゃが・・・まぁ、頑張ってくれ。」

 

 

そこにはやはりというか何というか、黄蓋さんと愛紗と星と凪、何故か秋蘭と華琳さんがいた。ていうか、秋蘭と華琳さんはなんで居るの!?風呂も飯も終わったなら自軍の天幕帰りなよ!つーか黄蓋さん謝る前に変わってくれよ!なんでポッと出の蛮族な俺にこんな大役投げるんだよ!馬鹿なの?

 

「良いから行きますよ、道玄」

 

ガシッと愛紗に腕を掴まれる。反対の手は凪だ。いや待て、せめて秋蘭と華琳さん達は混ぜるなよ!え、それは大丈夫?それ以外の全員でするから?!ちょ、まさか星が居なくなったのって皆を呼びに行ったのか?ま、待って待って、秋蘭達ついてきてるよ?やめとこ?明日も早いしさ!え、何秋蘭、一口で大丈夫?何をだよ馬鹿だろ!?寝坊したら引きずっていくって華琳さん、ちょ、なんか慣れてきた自分が嫌だ!アッ〜!

 

 

 

 

 

この後無茶苦茶朝まで絞られたよ!

 

 

 

 

 

・・

・・・

 

そんなこんなで陳留に着いて華佗に再開したよ!

 

「久しぶりだな、道玄!」

 

久しぶり華佗。聞いているとは思うけど、お前に見て欲しい患者がいる。頼めるか?

 

そう訊くともちろんだ!と熱く答えてくれる華佗。なんてええやつなんや。早速周瑜さんを見てもらうと、やはり難しい顔をされた。やっぱりキツイか?

 

「かなり進行しているな。気の力だけでは患者の体力が足りないかも知れない。薬が必要だ。・・・ただ、材料が特殊でな。」

 

 

ああ、龍のツノだっけ。ハイこれ、亜龍で毒持ってた龍のなんだけど大丈夫かな?そう言って2メートルくらいの龍のツノを渡す。

 

「うおっ!?どこからこれを・・・。いや、それはとにかく、毒は大丈夫だ。角に毒があるわけではないし、亜龍とはいえ角だけでこのサイズなら、生命力も効能も龍に負けないはず、と言うかこのサイズの亜龍なら並みの龍より効能が高そうだ。けど良いのか?かなりの金額になるぞ、この角。」

 

良いよ別に。命に変わる金なんか無いし。ああ、余ったら好きに使ってくれ。お前なら有意義に使ってくれるだろ。ん?なに周瑜さんに黄蓋さん。良いのか?良いって良いって。どうせ持ってても俺たちには使えないし。人の役に立つならそれに越したことはないさ。ていうかもう一本あるし。

 

「分かった。ならばありがたく使わせてもらう。その代わり、彼女は絶対に救ってみせる!!」

 

頼んだ。あ、もしもう一本が必要なら言ってくれ。あ、必要ないの?了解。

 

 

 

・・・その後、俺の渡した龍の角と様々な薬を使って、いにしえの秘薬的回復薬を作った華佗は、それを周瑜さんに飲ませたあと、彼女の体に鍼を刺して、元気になれぇー!っと大量に気を送り込んだ。

 

薬のおかげもあって無事に治療は成功し、今周瑜さんは寝台で寝ている。体力を消費しただけで、暫くすれば目が醒めるとのことだ。但し、しばらくは安静にして、栄養をたくさん取らなきゃならんそうだが、その辺は俺と流琉が居れば大丈夫だ。食料もたくさんあるしな。

 

だいたい1ヶ月と言われたし、それまでは陳留にいて、それから呉に向かわねば。食料とかの準備もだが、それまでに反董卓連合収集されないと良いけど。まぁそれは考えても仕方ないか。

 

とりあえず、眠る周瑜さんの看病を流琉に任せて外に出る。差し入れに果物でも買っておこうと思ったのだ。すると黄蓋さんに出くわしたので、一緒に街へ買い物にいくことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「祭じゃ。お主に預ける。」

 

ファッ!?いきなり何?商店街に向かって歩いてたら、急に真名を預けられたでござる。もっと大事に扱おうよ、神聖なものだろ!

 

とりあえずそう言って拒否ってみたが、感謝の気持ちだと言って譲らない黄蓋さん。何でも、周瑜さんの病と悩みを解決したお礼だとか。それなら周瑜さんにもらったよ、真名。

 

「本来なら、儂等が気付かねばならない事じゃった。だが情けないことに、病も悩みも、何にも気付いてやれなんだ。周瑜はお主の言う通り、これからの呉に欠かせない存在じゃ。だから、感謝と信頼の気持ちじゃ。受け取ってくれんか?」

 

むう、そう言われたら断りにくい。諦めて道玄だ、と短く返しておく。すると彼女は嬉しそうに笑って、俺の腕に絡みつく。うっわこの人笑うと可愛い。ていうか胸押し付けないで下さい。え、本気で呉に来ないか?んー、考えてもいいかな。美味しいものあれば。

 

「儂等以上に美味しいものなぞ無いぞ、ほれ。」

 

ぬぬ!そうきたか!思わず確かに!って力強く頷きそうになったわ。危ない危ない。流石呉の熟オッパイ。簡単に陥落しそうになった。だが負けないぞ!何故なら後ろからついてくる気配がたくさんあるからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後何とか誘惑を乗り切り、果物を買って帰った。そして、待ち構えてた皆には寧ろ自分から全員でと誘う。何気に初挑戦だ。

 

初挑戦の甲斐あって見事にうやむやになった!ふふふ、俺も成長してるんだぜ!

 

そんな感じで珍しく嫉妬エンドを避けた俺。次の日に全裸で乱入してた秋蘭に台無しにされたのは、余談だろうか。

 

 

続く?

 

 

 

 

 

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