避けたりとかそういうのはしない。   作:銀座

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32話 味付けは塩だけで美味しい焼き豚

やぁみんな、優柔不断は時代を間違えれば死ぬと知ったオーク系転生者の俺だよ!

 

 

 

 

さて、あの袁紹さんの雑な檄文から、一ヵ月。俺たちは汜水関に到着した。色々問題があったので、幾つか紹介しよう。

 

 

 

まずは周瑜さんと黄蓋さんだ。結論から言って2人は帰るのを諦め、俺たちと一緒に戦場であるここ汜水関まで付いてきた。

 

 

 

理由はまぁあれからすぐ出てもこの戦が始まるまでに間に合わないからだ。呉に着くのに一ヵ月かかる時点で、呉に着いた時に大部分は戦に出発しているし、それぞれの調練などの下準備の時間も無い。

 

 

前回俺が頼んで出してもらった手紙に、念の為こういった緊急事態の事も纏めてあったらしく、追加の手紙だけ出してあっさり現地集合を決めた。ちなみに手紙は早馬で出したので、2週間くらいで着くとのことだ。なお、この早馬で周瑜さん達が帰らなかったのは、1日ずっと馬に乗り続ける必要がある強行軍だからだ。本人はいたって絶好調でも、病みあがりには違いないので、大事をとって諦めた。

 

 

というか、黄蓋さんが諦めさせた。周瑜さんだけならやりかねないというかやろうとしてたが、何のためにここに来たのか忘れたのか!と超激怒して周瑜さんを鎮圧した。流石である。

 

 

まぁその後ちょっとだけギクシャクした2人の仲を取り持つため、俺が散々2人の酒に付き合う必要があったがな!あいつら酒強すぎ!何なのウワバミかなんかなの?無駄に酒に強い鈴々や星より強いぞ。肝臓が死ぬかと思ったわ!

 

 

 

 

 

二つ目の問題だが、これが大問題だ。いや、この世界的にはそうでも無いんだが、原作的には少なくとも大問題だ。どんな問題かって?心して聞いてくれ。

 

 

 

 

劉 備 軍 反 董 卓 連 合 不 参 加 決 定 !!

 

 

 

 

お分かり頂けただろうか。大事な事だからもう一度言おう。

 

 

 

 

劉 備 軍 反 董 卓 連 合 不 参 加 決 定 !!

 

 

 

 

大事な事だから二回言いました。さて、何故そんな事になったかだが、ちょっと前話を思い出して欲しい。劉備さん達は檄文がくるほんの三週間まえに領地を得て、曹操さんの下から去っていった。場所が曹操さんの街である陳留から結構離れていて、普通に行くと2週間程かかる位置にあるらしい。行軍だからもう少しかかるだろう。

 

それはつまり、檄文が曹操さんの下に届いた頃にようやく街に着任したくらいだと、そういう事だ。そもそも曹操さんの下に檄文が届くにも1週間程かかっているはず。つまり檄文が書かれた時期は劉備さん達はまだ行軍中である。

 

皆さんも想像して欲しい。現代でも、まだ住所が確定してない人間に手紙が送れるだろうか?・・・当然否である。そもそも袁家が劉備さんの存在を把握してない疑惑。

 

 

 

 

まさか俺が将を取ってしまった結果がここに繋がるとは。正直マジ申し訳ない。しかし、早馬で手紙だして事態を知らせても、まだ着任して一月も立たず、街に元々いた兵達の調練や糧食の準備も何も出来るとは思えない。ウチの軍師をフル活用しても時間が足りない。なので皆で話し合って、あえて伝えないことになった。

 

 

 

 

 

 

そして三つ目だが、これは大した事ではない。ちょっと華琳さん達に前回飲まされた条件というか落とし前を使われて、曹操軍として一緒に行く事になったと言うだけだ。曹操さん達にとっても急な話なので、有能な人手が欲しかったのだろう。

 

 

軍師組は俺たちを自軍扱いして既成事実的な外堀を埋めに来たのでは、と言っていたが、まぁぶっちゃけどうでもいい。というか冗談でいっそ傭兵団でもやるか?って話をしたら皆乗り気でちょっと困った。原因は星が、組した側に確実な勝利をもたらす傭兵団・・・いいかも知れぬな!とか妄想した所為だ。何か恋姫のキャラって地味に厨二好きだよね。まぁ厨二極まりない武力あるから仕方ないかも知れないけど。あれ、実現できる厨二って厨二なのか?

 

 

 

まぁそんな事が大体この1ヶ月で起きた問題だ。それはさて置き、そろそろ目の前の空気がちょっと辛いんですけど。あいつら放置して飯食わね?

 

 

するとウチの女性陣全員から賛成が出たのでコソコソ離れる。今回は曹操軍として来てるので、曹操軍の天幕寄りの離れた所に自分達の天幕を設置してもらったのだ。ちなみに、曹操軍として付いてく事が決定した時、華琳さんが俺たち専用のちょっと大きいサイズの天幕を用意してくれた。数が2つなのは明らかに片方は風呂を用意しろという事だろう。あの、水源近く無いと厳しいんですがそれは。

 

 

「冥琳っ!逢いたかった・・・!寂しかったわ!」

「雪蓮・・・ああ、私も逢いたかった。」

 

 

後ろから未だ続く百合百合しい空気は全力でスルーだ。最初は呉の他の将達とか孫策の妹の孫権さんとかも居て、なんか久しぶりに再会した家族、くらいの和やかな空気だったんだが、孫策が無言で周瑜さんに抱きついた瞬間からああなった。呉の兵士も目を見開いて凝視するレベルで卑猥になって来てるが忠告とか一切しないでそそくさと離れよう。関わりたくないからな!

 

 

 

 

 

 

・・

・・・

 

 

さて、ちょっと着いたばかりでやる気が湧かないので、時間的にも昼よりちょっと遅いので、夕飯に気合いを入れる事にして、今回はあっさり、というか簡単で美味しい麺類で行く事にしよう。付け合わせのスープは凪に投げる。珍しく朱里と雛里が凪の手伝いに入った。あれ、てかお前ら料理出来たの?え、水鏡塾では自分達でやってた!?凪や流琉が入る前の俺の苦労は一体・・・。

 

 

気を取り直して麺だ。使う麺は頑張って試行錯誤して再現したちゃんぽん麺擬きだ。俺は海系の乾物を使った海鮮塩焼きそばを、流琉は豚骨味噌味の焼きラーメンを大量に作る。俺の海鮮塩焼きそばは例によって四次元袋に入ってた海鮮XO醤を使ったコク深い香りと味が特徴で、流琉の焼きラーメンは脳髄を直撃する豚骨の香りと味噌の旨味が特徴だぜっ!

 

 

 

相変わらず流琉の巨大な中華鍋(真桜特製。鈴々や季衣ちゃんの分を纏めて作るには小さい鍋じゃ時間がかかり過ぎるため。大きさにも関わらず均等に熱が入る業物。)捌きが見事である。なので何時ものように調理が終わったら頭を撫でまくりながら褒めておく。

 

 

 

なお、これをやると凪がチラチラこちらに視線をやり出すので、凪が作るスープの味を確認する際、凪にもやる。地味に頭を撫でられるのが好きらしい。したで私達も手伝いましたっ!って抗議する幼女にも一応ちゃんとやる。実際珍しいからご褒美にべっこう飴もあげる。無意味に特大である。

 

 

 

え、なに風。飴が切れた?またかよ、ハイ新作金太郎飴。俺の手作りを喜んでくれるのは嬉しいけど、お前糖分取りすぎだぞ。もう少し控えないと制限するからな。あん?頭を使うと甘いものが必要?お前俺の元でちゃんと軍師した事何回あったよ・・・。

 

 

 

そんなこんなしているうちに、挨拶ついでに軍議に出てた華琳さん達がやって来たので、さぁ食事にしようか、と言う所で、孫策が周瑜さん達を伴ってやって来た。あれ、久しぶりの再会だから気を遣って離れたのに、そっちでとらないで良いの?

 

「それも考えたけど、冥琳がお世話になったから挨拶ついでにね。」

 

「こんな口調だが、一応ちゃんとお主に感謝しておる。許してやってくれ。」

 

「策、人前で気軽に真名を呼ぶな・・・。そういうわけだから羌毅殿、ご相伴に預かっても良いだろうか?正直に言えば、ちょっとこれから自軍の糧食に戻るのが憂鬱でな。」

 

すっかり2人の手料理に慣れてしまったからのう、と黄蓋さんが周瑜さんと笑いあう。まぁこんなこともあろうかと、量はかなり多めに作ったから構わないけど。華琳さんの方をチラッと見ると頷かれた。同席しても構わないらしい。問題のある話は無いらしいな。

 

 

 

そんな訳で流琉と凪にも食器を配るのを手伝ってもらい、料理を配膳し、遅い昼食が始まった。あ、季衣ちゃんに鈴々、夜豪華にするから、今はほどほどにな。そう声をかけて、残念そうな2人には俺の特製人形べっこう飴を渡す。それぞれ人の頭サイズで、鈴々には虎、季衣ちゃんには春蘭の形をした細部までこだわった職人級の業がひかる一品である。愛紗が甘やかし過ぎです、と呆れるが、俺は親バカなので何も問題は無い。見ろ、カッコイイのだ!って鈴々が目をキラキラさせて大喜びだ。うちの娘が可愛過ぎる件について。

 

 

 

 

え、なに荀彧さん。どの形でも作れるのか?まぁ俺が詳細に想像つけばって、ああ華琳さんの作って欲しいのか。それなら舐めたらやがて服が無くなって生まれたままの華琳さんが出てくる仕掛けに、え、言い値で払う?いや冗談だから本気にしないで。作れるとは思うけど。なら作れって春蘭まで。いや構わんけど、まず後ろで呆れ顔の華琳さんに許可貰ってくれ。

 

 

 

そんな風にわいわいやりながらも、何処か穏やかな空気の食事風景。ここが戦場とは思えないね。地味に一刀くんが居ないので、男1人なのが少し辛いが、まあ慣れたものだ。

 

 

 

そうこうしてるうちに酒は無いのか、とか言い出す星と黄蓋さんと孫策を俺と流琉と周瑜さんで嗜める。俺の言葉には反発する星と黄蓋さんも、流琉には逆らえない。胃袋を握るウチの料理長は最強なので、出しても夜だと断言され落ち込む2人。そして周瑜さんに夜にまたくればいいだろって諭される孫策も渋々頷く。

 

 

いや、お前ら自軍でやってやれよ。大事な将が帰って来た宴を自軍放置してここでやるのは兵が可哀想だろ。ならウチで料理作れ?やだよ流石にそんな分の食材用意してないわ。ウチは特殊だから自腹で用意してるんだぞ、これ。

 

 

ブーたれる孫策だが知ったことか。そんな事をしていると、周瑜さんが残りの呉の将達を紹介してくれた。まぁ紹介されなくても知っているが、黙って聞いておく。甘寧さんは知ってるので飛ばして、やたら孫策に似た孫権さんに、スーパーおっとり巨乳陸遜さん、くノ一みたいな周泰さん、ついでにここに来てないが呂蒙さんという方もいるらしい。全員美人さんだ。

 

 

 

黄蓋さんがどうじゃ?とか色々含めた言葉をニヤニヤしながら投げてくるが、甘いな。確かに俺は美人に弱いが、周囲をウチの女性陣が囲うこの状況で頷くと思ったのか!見ろ、紹介が始まった時点でウチの女性陣が既に俺の周りに集結してるこの状況を!幼女達に至っては乗ってるからね!ライドオンだからね!

 

 

 

むしろこれが目的だったらしい黄蓋さんがケラケラ笑い、流石じゃのう(笑)とほざく。ハハッ、こやつめ。周瑜さんは何かこちらを睨んでいるが見なかった事にしよう。

 

 

 

そんなやり取りをしていると、何故か驚いてる他の将の方々。不思議に思っていると、随分仲良が良いんですね、と周泰さん。どうでも良いが俺も猫好きなんだ、これをあげよう。一刀くんと2人で作った猫耳だ。君の猫好きは黄蓋さんから散々聞いたぞ同士よ。あと黄蓋さんの酒癖なんとかしてくれ。

 

 

 

ほぁぁ!と目をキラキラさせて良いんですかありがとうございますと大喜びの周泰さん。最後の話は一切聞いてないくさい。黄蓋さんがこんな美女と飲めるのだから感謝しろ、と上から目線でほざくので、さて、俺の周りには美女しかいなくてね、とウチの女性陣をよいしょついでに特別感皆無やで、と暗に返す。案の定良い度胸じゃ、とイラっとした黄蓋さん。ふふんと余裕アピールしとこう。

 

 

 

というか孫権さんが髪長くてビビる。髪切った孫権さんしか知らなかったけど、そう言えば最初は長かったんだっけか。よく分からないが睨まれた。何かしたかなと思いつつ、ご機嫌とりにべっこう飴をプレゼントしておく。甘寧さんが何か騒ぐ前に彼女の口の中にべっこう飴を放り込む。ピタリと止まって甘い、と呟く彼女。まぁ甘味は貴重だからね、一応。

 

 

周瑜さんにも好評なんだぞ、というと恐る恐る食べて、同じく甘いと喜ぶ孫権さん。周瑜さんにも1つ要求されたので上げておく。あ、空気を良くしようとしただけで、ナンパじゃ無いのでみんな怒らないで!ちなみに黄蓋さんには酒のツマミに向かんなと不評だ。なんで飴が酒のツマミ評価なのかは分からないがちょっと悔しい。

 

 

 

そんなこんなで食事が終わると、黄蓋さんが孫策に何事か囁き、そうね、と急に真面目になる孫策。すると何故かキリッと表情が変わる呉の人たち。孫策から覇気が流れ始めてちょっと驚く。話には聞いていたが、真面目な顔出来るんだなぁとしみじみ思う。

 

 

 

空気が変わり過ぎて華琳さん達までキリッとして、華琳さんの下に武将達が集まった。ウチの女性陣も一応手を止めて、俺の周りに集まる。あれ、これ俺どうしたら良いのだろうか。一応華琳さんの後ろにいた方が良いかな?とか悩んでいたら、華琳さんを無視して何故か俺の前に来た。

 

 

 

「羌毅殿、此度の一件、我が臣下、周公瑾の命を救っていただき、誠に感謝致します。孫家が当主、孫伯符が孫家並びに臣下一同を代表し、御礼申し上げます。」

 

 

 

そう言って両手を体の前で合わせて、頭を下げる孫策。他の呉の将達も続く。華琳さん達がこっちを見る。一瞬で厳かな空気に包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・いや、誰だこいつ。

 

 

 

 

 

そんな空気の中、こんな事を考えた俺は絶対に悪く無いと思う。

 

 

 

いやだって急に雰囲気変わり過ぎだし。ただの蛮族にはついていけない偉い人がやる感じの御礼だし、非常に対応に困る。どったらいいのこれ。ていうか助けたの俺じゃねぇし華佗だし。世話になったとかそう言う話なら華琳さんにも言うべきだし。そもそも食事の後片付け中にやられても前後の空気違い過ぎて順応できん。

 

 

そんな風に困っていると、華琳さんが道玄は作法を知らないから困っているわ、とクスクス笑いながら助け舟を出してくれた。すると俺の代わりに稟が臣下的な感じで返してくれた。おお、2人ともありがとう!でも1つ言うなら礼言う相手間違ってるぞ孫策!華佗にやってくれ、そういうの。俺は医者まで連れて行っただけだ。

 

 

 

「いいえ。そもそも貴方が気付いてくれなければ、私達は誰1人冥琳の病に気付かなかったわ。もちろん華佗にもお礼はするけれど、貴方が居なければ誰より大事な臣を失っていたかも知れない。孫家ではなく、私孫策個人としてもお礼を言わせて欲しい。」

 

 

 

本当にありがとう、という孫策。正直照れる。とりあえず恥ずかしくなったので、華琳さんも協力してくれたよ!的な事を言って場を濁そうとしたが、ニヤニヤした華琳さんが、大したことはしてないわ、と言ってバッサリ切る。あ、コイツ楽しんでやがる!

 

 

 

くっそう、何か良く見たら黄蓋さんや星とかもニヤニヤしてて非常に腹ただしい。こうなったらなんか真面目な感じの事言って誤魔化そう!

 

 

 

「近いからこそ、気付けぬ事もある。だが、恐れず言葉を交わせば、わかる事もある。遠くとも近くとも、常に相手を知りたいと思うこと、知ろうとすること、これからは忘れない事だ。」

 

 

 

それが絆になる。とかそんな感じのそれっぽい事を言ってお茶を濁す!孫権さんが何か驚いた顔してたけど、いいや勢いで押し通そう。ウチの女性陣が誇らしげなのは完全に無視しておく。

 

 

 

「・・・ええ、肝に銘じておくわ。私も大切な仲間を知らないうちに失いたくはないもの。」

 

 

 

 

ベネッ!何か勝手に納得したからもう大丈夫!後は適当にノリで誤魔化せるな。とか考えてたら、じゃあ真面目な話はここまでにしましょ!と孫策さん自ら空気を変えてくれた。センキュー!

 

 

 

すると何か興味深そうな顔してた華琳さんが口を開いた。

 

「さて、ではそちらの話は終わりかしら。

では道玄、明日の事で軍議を開くわ。

後で私の天幕にいらっしゃい。」

 

 

 

え、それ俺が行く必要あるの?軍師組や武将達だけじゃダメ?ダメかー。真面目な空気の場所嫌いなんだけど。

 

仕方ないので了解ですと伝え、後片付けを再開する。水源が地味に遠いので大変だ。まぁ面倒だから大寸胴鍋にたっぷり汲んであるんだけどね。では後でなと声を掛け、食器を持って背を向けたところで、ちょっと待ってと孫策に止められる。なんだね?言っておくが真名とか要らんぞ。勧誘も拒否だ。お礼はもう受けたからな!

 

「雪蓮。私の真名よ。貴方に預けるわ。あと、冥琳達から聞いたわ、まだどこにも仕えてないんでしょ?ウチに来ない?」

 

話聞いてんのかテメー!

 

ああホラ、一瞬でウチの女性陣が俺を睨み出した。鈴々だけだぞ、こういう時真名くらい誰と交換してもいいと思うのだ!って笑ってくれるの。つまりウチの娘は天使。華琳さん達も受ける気じゃないわよね、みたいな目で見てくるし。

 

 

 

思わずため息を吐くが、拒否ったら拒否ったで甘寧さんあたりが怒りそうなので、道玄だ、とだけ返して士官は拒否する。ウチは選り取りみどりよ?と笑いながら食い下がる孫策に、身分が違うし、お前の後ろの女性陣が怒りそうだからヤダ、と叩き切る。あ、華琳さん、私達がいるから当然ね、とか言うな。別にあんたらが理由じゃないよ!

 

「なんじゃ儂等じゃ不満か?」

「私と黄蓋はそれでもいいぞ?」

 

あ、からかおうとしても無駄だぜ。俺にはこいつらが居るからな!とドヤ顔でウチの女性陣を前に出す。ふ、これなら女性陣も怒らない!いつもいつも、怒られてばかりの俺だと思うなよ!と、思ったら女性陣がジト目で見てくる。アレッ、なんか期待してた反応と違う!なんでや!ちゃんと拒否っただろ!誘惑に打ち勝ったやろ!

 

 

 

「まず相手にあそこまで言わせたのがもうダメです。」

「少なくとも貴方にされても良いと思われる仲、という事ですね。」

「さて、いつの間にそこまで仲良くなったのですかな、主人。」

「ひ、火の無いところには煙は立たないんでしゅよ。」

「にいさん、相変わらず手が早いなー。」

 

 

 

なん、だと・・・?ちょ、ちょっと判定厳しくない!?最近みんな厳しくない?・・・と思ったけど、良く考えたら彼女がいるのに他の女と2人で酒飲んだりは普通にダメだった。いかん、周りに女性が多過ぎて感覚狂いまくってた。深く反省しよう。みんなすまぬ!

 

 

 

根本的な事に気付いたので、だいたい皆今回は許してくれました。良かった良かった。愛紗だけまたひっつき虫になってしまったが、これはいつもの事だ。だから愛紗、ちょっと力緩めて。あ、なんでもないですごめんなさい。

 

 

 

 

 

まぁそんな感じでうやむやにしました!

 

 

 

 

「先陣を切る事になったわ。」

 

 

あれから華琳さんの天幕で軍議的なあれです。何か本来なら袁紹さんの所が頑張って汜水関の門を開けようと頑張って居たのだが、いかんせん強固な汜水関、優雅に雄々しく華麗に突撃ですわ!な感じの全軍突撃しかしない袁紹さんが、散々に兵だけ失って、損害がウチだけでは許せませんわ!とかそんな感じの軍議だったらしい。

 

実際に時間の無駄なので、華琳さんが先陣を買ってでたとかそんな感じの話だったらしいよ。だから袁紹さんに貧相な身体つきの貴方には無理ですわ!とか言われたのは多分関係ないんだろう。凄い愚痴ってるし物凄い不機嫌だけど、本人がそう言ってるからそうに違いない。あ、春蘭、その華琳様はそのままでも最高とかフォローになってないから言わない方がいいよ。あ、もう怒られてたか。めんごめんご。

 

「まったく・・・。だが実際に汜水関は強固な砦よ。だから本来なら相手を釣り出すのが望ましい。」

「確かに、それが1番ですね〜。本来なら。」

「ええ、その為の策もご用意してます華琳様。ですが・・・。」

 

何か思わせぶりな会話をする華琳さん達。周りもみんなあぁ・・・とため息を吐く。なになに、何か問題でもあんの?舌戦で釣り出すのが華琳さんの趣味じゃないとか?

 

「そんな訳ないでしょ!・・・あんた、黄巾討伐の時みたいなことできる?今回の砦の方が門から何から大きいし強固だけど。」

 

荀彧さんがおそるおそる聞いてくる。何だろう、出来ないといいなぁって顔だ。まぁできるけど。というか、門を開くだけならいつでもできるし。

 

そう言うとはぁ、とため息を吐く荀彧さん。あれ、出来ない方がいい感じ?無理にやらなくてもいいよ。何なら後ろで寝てるよ、俺。

 

「いえ、出来る以上やらない手は無いわ。・・・ただ、何というか、

ある意味厄介ね、道玄。」

 

「真面目に策を考えるのが馬鹿らしくなるわね、あんた。」

 

「流石に私もどうかと思うぞ。」

 

「稟や風が言ってる意味がよく分かるな。」

 

あれ、おかしいな、何故か責められてるぞ。春蘭にまで呆れられたし!なんや!みんなの仕事を楽にする有能なラージャンやないか!何が文句あるんや!と、文句言いたい所だが、良く見るとウチの女性陣も深く頷いている。鈴々と季衣ちゃんまであー、と苦笑いする。味方は居ない。

 

そのままとりあえず俺が門を開けることは決定し、あとは相手の出方に合わせて軍師組と華琳さんが指示出すらしいです。了解。

 

さっくり軍議が終わりました!

 

 

・・

・・・

 

 

朝。

 

ちょっと戦の前ということで軽く昂ったみんなに朝方近くまでやられて、みんなで寝坊して荀彧さん達に叱られました。だけどその中に秋蘭が混じってたので、凄い荀彧さんが頭痛そうにしてた。いや、俺はむしろ止めたんだよ?

 

とりあえずご飯食べてみんな所定の位置につき、何か舌戦的なあれの為、春蘭を伴って2人だけで門の前に来たのだが、キャラ的に大声で喋れない俺はついて来ただけだ。

 

そしたら隣で大声出してた春蘭が普通に口喧嘩で負けて悔しそうにしている。いや、お前じゃ頭の回転的に勝てる訳ないだろ。埒が明かないので、ちょっと春蘭に俺の代わりに相手に伝えてもらう。

 

「何だ道玄、私はいまって、なに?代わりに話せ?声が出ない?なんだ情けない、仕方ない、代わりに言ってやる。なんだ?よし。

 

良く聞けお前達!今から門を開くので挟まれないようになるべく離れていろ!あぶないからな!

 

ってなんだこれは!何言わせてるんだキサマッ!」

 

上出来である。あとは任せろ。そう言って春蘭の頭を一撫でし、サムズアップして1人門まで歩いていく。後ろでちょ待て!とか聞こえるけど後ろ手に手をヒラヒラ、大丈夫だから帰れと歩きながら言っておく。

 

「なんだたった1人か!笑わせてくれるな曹操軍!やれるものならやってみろ、そして何があってもここは通れぬと思い知るがいい!!」

 

上から華雄さんの叫び声がする。デカイ声だなと思いつつ、チラ見すると張遼さんも確認。遠目だがニヤニヤしている。やれるものならやってみろってことだろう。

 

うむ。ならば遠慮は要らんな。門のちょうど真ん中に立ち、左右それぞれの門に手を置く。そのまま肌の色がくっきり変わるくらいに弱変身。更に最近だいぶ上達してきた闘気術で、全身の力をアップする。これでだいたいいけるだろ。なるべく貫かないように優しく、全体に圧力かけるように触れて。一歩踏み出し、思い切り手を突き出した!

 

 

よい・・・せっ!と。

 

 

ドガァッ!!

 

 

次の瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()。勢いが強すぎて、門が壁にめり込んだ。閂は粉砕され、開かない方向に開いた門が、根本からへし曲がった。さらに門がめり込んだ衝撃で砦自体に大きな亀裂が入り、その震動で上にいた兵達がパラパラと落ちてくる。

 

 

あ、良く見たら門の前に兵達がいたらしい、両開きだから真ん中の兵だけちょびっと残っている。あらやだなむなむ。あれ、何か固まってる。まぁいいや。えーと上に続く階段は、あ、あった。お邪魔しまーす。おーいみんな先行くねー。

 

 

「「「「「「なんだそりゃあっ!!」」」」」

 

 

うぉっ、なになに急に。あ、春蘭と鈴々が突撃してきた。鈴々頑張れー!心配だけど過保護は良くないよね、おとーさんは先行きます。

 

下はみんな任せて階段をとことこ登り、門の上に出る。その瞬間に強力な攻撃が降ってきた。パンプアップもとい元祖闘気硬化ー!

 

 

「死にさらせっ!」

「喰らえっ!」

 

ガキィンッ

 

鉄と鉄がぶつかるような音と共に弾かれる武器。相手が息を飲んだ気配が伝わって来たが、気にせずラージャンぱんちってああ!

 

確認せずに殴ろうとしたら張遼さんと華雄さんだった。ギリギリ皮一枚で止めたのでたぶん気絶しただけで済んだが、拳圧で2人が塀の外に吹っ飛んだ。ヤベッ!

 

 

2人が落ちて行くのを目で追いながら固まる兵を飛び越え、躊躇することなく俺も跳ぶ。ズボンで見えないから下半身だけ色が変わる程度に弱変身、2人を掴んだらラージャン着地出来ないからね。

 

 

空中でギリギリ2人をキャッチ、あんまり離れて飛んでなくてよかった!とか思いつつ、2人が地面に触れないように肩に担ぐ。その頃には地面が目前に!

 

ふ、秘奥義!猫の着地術ッ!!

あ、俺ラージャンだから使えないや。

 

 

ドガンッ

 

 

高いところから落ちたので凄い音を立てて着地した地面が割れる。2人はどうかな、と意識を向けると、脈拍も呼吸もあるし、無事らしいな。よかよか。さて、何か突撃中の愛紗の部隊の真ん中に落ちてしまったが、咄嗟にみんな避けてくれて良かった。そう思って周りを見ると。

 

 

「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」

 

 

・・・あれ、どしたのみんな。ホラホラ戦場で止まるのは死を意味するんだぞ動け動け。と、思ったら門の上にいる兵含めて、見える限りの全員が止まっている。あれ、どした。

 

「道玄ッ!!」

 

何か慌ててやってきたなってあ、愛紗だやっほー。何かみんな止まってんだけど。チャンスだぜ突撃しよう。そう言ったら俺の肩の上の2人を見て、その2人は?と睨む愛紗。あっ、これは違うぞ!新しい女とかそーゆーのじゃないぞ、何か上にいた華雄さんと張遼さんだ!間違えて上から吹き飛ばしちゃったから捕まえて落ちてきただけだよ?動かないのはちょっと気絶してるだけで俺が乱暴した訳じゃないよって、してたー!気絶したの俺のせいだったー!ま、待て愛紗、本当に違うぞってあれ、何そんな疲れた顔して。

 

はぁー、と盛大にため息を吐いて、愛紗が叫んだ。

 

 

「敵将ッ、華雄、張遼!捕らえたりツツ!!」

 

 

その瞬間、わぁあああ!と湧く曹操軍と、一気にヤル気を無くして膝をつく敵軍の兵達。そしてついていけない残りの反董卓連合の皆さん。

 

 

 

・・・あれっ。

 

 

 

 

それから3時間もしないうち汜水関の兵達が降伏し、戦闘が終了してしまった。実質ほぼ曹操軍だけで勝った。とりあえず俺は華琳さんに呆れ顔でさすがねぇ、と褒められ、荀彧さんに無言の蹴りをもらったのだった。

 

 

・・・解せぬ!

 

 

続く!

 

 

 

 

 

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