忙し過ぎて苛立って無理やり書いた。睡眠時間が死んだが後悔はしていない。
ちょっと文章的にアレなところあると思いますが、いつも通りテキトーに流してください。
やぁみんな、ヤマタノオロチが美女を求めた理由がよくわかる化け物なオーク系転生者の俺だよ!
ギィン、と春蘭の持つ剣が右腕ごと弾かれる。
そうなると知っていたから、春蘭は弾かれた腕に逆らわず体を後ろに倒し、そのままの勢いで振り子の様に左足を蹴り出す。
効果がないと知っている筈だから、こちらの体を蹴って距離を取るのが目的だろう。そうは問屋が卸さんと、その足を掴もうとして、その瞬間には手と足の間に矢が二本飛んできた。
カン、と軽い音を立てて当然弾かれる矢だが、元から春蘭を捉えさせない為の牽制だ。2ミリ間違えれば春蘭の足を射抜く軌道を何の躊躇いもなく完璧なタイミングで射抜いて見せるあたり、流石は秋蘭と黄蓋さんだ。
二本の矢が弾かれ、間一髪で春蘭が退がると同時に二本の龍を形どった矛が左右から迫る。愛紗と霞だ。迎撃しようと一歩踏み込んで、背後からの殺気を感じ取る。
刹那ほどの時間思考し、更に二歩踏み込んだ。直ぐに突きから切り払いに切り替えた2人の刃が背後から迫り、しかし体を返す勢いのまま、刃を反対の手で掴んで交差、武器ごと後ろに放り投げる。
一瞬で感知した2人は、掴まれた瞬間大地を蹴って、武器ごと飛ばされた。ちょっと手加減ミスって春蘭を飛び越えてしまったが、2人なら怪我はないだろう。
両腕が2人を投げた拍子に万歳の状態になる。その隙を逃さず、二本の朱い刃閃が肉迫する。一本は剣、一本は槍、星と甘寧さんだ。
迫る刃は同じだが、当然2人にはリーチの差があり、身体ごと飛び込んで来た甘寧さんの刃の方に体当たりするように自ら一歩踏み出して、刃ごと甘寧さんを弾き飛ばす。同時に、自然にズレた形になる星の槍を腕を下ろして脇に挟み込み、愛紗たちと同じ様に、星ごと持ち上げる。
そのまま、春蘭を飛び越えて向かって来ていた孫策に投げつける。空中の孫策は避けられないが、多少手加減したので星の方が対応した。武器と武器がぶつかる音が響いたので、うまく武器同士ぶつけ合って回避しただろう。
視線は動かさず、すぐに左右から迫る大質量・・・流琉と季衣ちゃんだろう攻撃を、あえてそのまま受ける。
轟音。
直撃し、されど俺にダメージは皆無だ。2人には怪我をさせないように、優しく武器を投げる。彼女たちの武器は柄が無い、距離にさえ気を付ければ、彼女たちまでは飛ばない。
ドゴォ!と、流琉たち2人の武器先端が落ちる。同時に短い悲鳴。こちらに向かって来た白蓮と沙和の足下に着弾し、2人が慌てて跳び退いたのだ。
流琉と季衣ちゃんに怪我がないのを流し目で確認しながら、先ほどからずっと気を溜めている凪へ向かう。一歩踏み出し、同時に踏み出した足の指に矢が直撃し弾かれた。再び黄蓋さんと秋蘭の牽制だ。実に嫌なタイミングを狙ってくれる!
出足を挫かれて、その瞬間に凪の特大気弾が完成する。だが、そんなものが今更効くか!と無視して迫ろうとして、しかし目の前の地面に着弾する。
何故、と思うより早く、舞い上がる土と砂埃。目潰しかっ!!
刹那の舌打ち、咆哮で吹き飛ばすと決断、一瞬で大きく息を吸い・・・
ズバンッ!
目潰しである土砂を引き裂きながら、華雄と真桜が飛び込んで来た!驚愕で呼吸が止まり、同時に下から掬うように2人の武器が直撃する。当然ダメージなど無いが、不味い、これは・・・体勢を崩す為のっ!
意図に気付いたその瞬間、正しく刹那の瞬間に、頭上に膨大な威圧感!同時に2つの影が差す。これは・・・鈴々、恋!!
この状態でこの2人の同時攻撃は流石に不味い!仰け反る体を膂力で無理矢理押し止め、反動で弾かれる2人が驚愕するが無視する。元祖闘気硬化ーーっ?!
「これで終わりよ。」
カァン、そんな音と共に膝が落ちる。同時に両脇を走り抜ける2つの影、春蘭と華琳!?
無理矢理戻した、若干不安定な体勢の1番脆い部分、その膝裏を正確に攻撃された!このタイミングで膝カックンかよ!?
膝が抜けるように地面へと落ちながら、同時に安定を再度崩された上半身が、後ろへと倒れこむ。自然に上を向く視線、そこにはすぐそこまで迫る強大な双刃ーーッッツ!!
・・・やれやれ、ここまでか。
「ーー変身。」
ダガァンッッ!!!
その直後、大気を切り裂く轟音と共に、大地を粉砕する2つの剛撃が、同時に俺に直撃した!
・
・・
・・・
「ねぇ。」
ジャァァ
愛用の特大中華鍋が、心地よい音を立てて食材に火を通す。
くい、と手首の力だけで持ち上げると同時に軽く引いて、炒められている食材が宙返りする。三度繰り返し、全体に火が通ったら、特製のソースを回しかける。
「ねぇちょっと。」
ジュワァァ!と水分が蒸発し、同時に芳しい匂いが辺りに充満する。もう少しで完成だ。
「ちょっと、聞いてんの!?」
一旦手を止めて、かなり深めの大皿を取り出す。最後に一回宙返りさせて、大皿に盛り付ける。糸唐辛子をちょろっと盛り付けて、ピリ辛回鍋肉の完成だ。・・・で、なんだよ孫策。つか調理中は近付くな。お前髪の毛長いし万が一燃え移ったら危ないぞ?
「あ、ごめんなさい・・・じゃなくて!!」
あん?だからなんだよ?
「納得がいかないわっ!!」
知るか馬鹿。
そう短く返して、俺は再び調理に戻ろうと、水の溜まった大きな盥(洗い物用のでかい水桶。鍋が特製サイズなので、普通のシンクでは洗えない為、兵士が汲んでおいてくれる。)に使った中華鍋を浸す。火に掛けた直後なので、凄い音がして水が蒸発する。
ああ、これ鍋痛むから嫌いなんだよなぁ、と思いながらちゃっちゃと鍋を洗う。何時もならこんな真似しないが、今回は鍋が全てフル稼働中だし、状況的に冷めるのを待つ時間もない。仕方なくささっと洗って、濡れたまま再び鍋を火に掛けーー・・・なんだよ。
「納得がいかん!」
「そうよそうよ!」
「儂も納得いかんぞ。」
「ウチもや。」
「私もだ!!」
騒ぐ5人。知らんがな。やれやれ全く鬱陶しいなぁ。
はぁ、と仕方なく手を止めて、納得がいかん、と騒ぐ5人ーー、春蘭、孫策、黄蓋さん、霞、華雄に向き合う。チラッと周りを見ると、概ね全員不満そうだが、騒いでいるのは5人だけで、他はとりあえず文句を言う気も、5人を止める気もないようだった。
やれやれ、とため息を1つ吐きながら、仕方なく聞いてやる。で、何が納得いかないって?こちとら敗者の罰ゲームでお前らの料理で忙しいんだけど。
「「「それだ!」」」
あん?何が?
「なんでアレで終わりなのよ!まだ決着はついてないわ!!」
ビシィ、っと指を差す孫策。だから何度も言ってるだろ?
「どれだけ僅かでも、変身したら俺の負け。そう言う約定だ。」
文句は決めた華琳さんに言ってくれ。そういって彼女の方を見る。いつもは自信に満ちた笑顔が、今は悔しそうに、苦虫を噛み潰したように歪んだ。いや、なんでやねん。決めたの貴女じゃないですか。
やれやれ、どうしてこうなったのやら。思わず、天を見上げる。
当然ながら、室内では星も月も見えはしなかった。
▪️
そもそもの始まりはアレだ、孫策と春蘭だった筈だ。
前回、荀彧さんと真名を交換するという素敵イベントをこなし、謎にしおらしくなった愛紗を慰めつつ、ちょっといちゃいちゃしながら隠し拠点に戻り、また愛紗ばかりと怒る女性陣と愛紗の戦いをなんとか収め、再び城に戻り、サボり扱いの時間分を取り戻すためみんなで働いた。
その後、言われた通り華琳さんに呼び出され、部屋に向かえば、孫策達(周泰さん、陸遜さんは大部分の軍とともにお帰りになったらしい。まぁ軍の引率必要だしね。)と、白蓮が額に血管浮かせて待っていた。
特に周瑜さんのお怒りは果てしなく、思わず土下座しようと思った程だった。尚、あの蠱惑的な勧誘がまた行なわれるのでは、と警戒した女性陣も一緒に来ていたのだが、普通に説教だと判断してからは弁護どころか一緒になって俺を叱り出した。正直、俺を閉じ込めたのお前達なんだが、と思ったのだが、例によって何も言わせてもらえなかった。
その後、しばらく正座で怒られながら、何故か事態は宴へと変化し、更に変化して俺への愚痴大会みたいな感じになった。
ウチの女性陣も、月と詠の警護の為に置いてきた鈴々と、遅くなりそうだったので早めに帰したちびっこ組を除いた何時もの面子だ。最近思うんだが、お前ら仲良いよな。まだ天下三分の計が成ってないのにこの状態。これが後で殺し合いになるとか武人って本当に頭おかしいよね!
なんか喧々轟々とわちゃわちゃ騒ぐ酔っ払いと、酔っ払いの服が肌蹴て艶っぽくなった姿を、いつの間にか愚痴をやめてニヤニヤ見るはおーさま。普通にカオスなので、軽くツマミを作ったら下がる。関わったらめんどくさそうだ。
割と最近死にかけたので、俺も今回は酒を控える事にした。酒よりも飯を要求する恋と2人で隅っこに移り、2人で俺特製焼肉丼を食べる。恋の方は、丼と言うよりは御釜丸ごとなので、もはや釜飯かもしれない。
もきゅもきゅみまみま、とひたすら食べ続ける恋はとても可愛い。まぁ食べる量を除けばだが。いつかはい、ははちみつクマさん、いいえ、はぽんぽこタヌキさんを仕込めばもはや敵なしだな!きっと牛丼が好きになるに違いない。
いやホントよく食べる。その辺鈴々や季衣ちゃんで慣れてる俺は、ついつい甘やかしてしまい、どんどん食べ物を追加する。殆ど表情の変わらない恋が、若干嬉しそうに食べるのが実に嬉しい。まぁ前にうっかり季衣ちゃんの春巻きまであげてしまい、季衣ちゃんに涙目で怒られたりもしたのだが。ついでに食費使い過ぎて流琉にも怒られる。
そうして2人で黙々と食事をとると、いつの間にかウチの女性陣が俺との惚気話を始めやがった。正直恥ずかしいので止めたいが、あの中に加わる勇気はない。食事を終えて少しうとうとし始めた恋に膝を貸したら、そのまま頭を載せて、というか俺の太ももが太過ぎて抱きつく様にして寝始めた。
なんか想定と違うけど良しとしよう。珍しく愛紗が惚気に夢中で隣に居ないので、右側が少し軽い。ちょっと違和感あるがたまにはこういうのも良かろう、なんて思ってたら、愛紗が居ない隙をついて星が代わりに右腕に巻き付いてきた。
片手に酒を持ち、反対の手にはメンマを壺ごと(俺特製のラー油を使ったピリ辛味。)持って、上機嫌にしなだれかかる星。寝ている恋を見て、こんなところで寝たら風邪を引くぞ、とクスクス笑う。これが愛紗なら膝で寝る恋にも嫉妬を始めるので、気が楽である。
皆の意識がこちらに向いてないのを確認し、四次元袋から毛布を取り出して恋にかける。実際冬になったばかりで寒いしな。もちろん部屋は火鉢で暖められてはいるけど。
「ふふ、相変わらず主人は優しいですなぁ。」
そういって笑いながら、猫の様に俺の腕で顔を擦り付ける。やたらとご機嫌だ。どうやら愛紗を出し抜いて右側を取ったのは初めてなので、感慨深い何かがある様だ。
いつの間にか惚気話から夜の話にチェンジし始めた宴が、完全に下ネタになってきたので、幼女達を帰してよかったなぁと思う。いや、悪影響とかじゃなくてウチの幼女経験済みなので、話に普通についていっちゃうから、絵面が酷いことになるのだ。そして俺が凄い目で見られる。
孫権さんが顔を赤くしながら興味津々という顔をしながら、真桜や沙和の話に食いついていて、隣の甘寧さんが同じく顔を赤くしながら慌てて孫権さんを止めに入っている。おい止めろ、俺のサイズとか事細かに教えるんじゃない!
秋蘭が楽しそうに黄蓋さんに俺との初体験を語る、と言うか騙る。お前盛り過ぎだぞ!秋蘭が語るようなラブロマンスなど一切無かった。まずそもそも俺が手を出したのではなく、特殊な薬というかお香で俺を動けなくして俺に襲いかかったのだ。カケラもあっていない。
愛紗が幸せそうに何時ぞやの月見風呂の話を周りに聞かせている。聞いている華琳さん達は若干苦笑いだ。まぁ隣で全く違うことを話す秋蘭の、現実の行動を聞けばさもありなん、だな。ちなみに今愛紗が笑い話としてあの時の秋蘭の行動を話せるのは、あの後俺が頑張ったからです。
「うぅむ、身体の大きさを考えれば、なんとなく凄いのは想像つくんじゃがのぅ、あやつのはそんなにか?」
「私も2人しか知らないけど、桁というか次元が違うのー。」
「あー、ウチはにいさんしか知らんからなぁ。普通じゃないのは賊を見て知っとるけど。」
何か黄蓋さんに沙和と真桜が要らんこと吹き込み始めた。隣で凪がウンウン頷いている。これはマズいな、絶対に面倒な事になる。そう判断した俺は、とっとと撤退する事にした。ちょうど酒が切れたようで、徳利を床に置き、メンマの壺に蓋をする星。お前は?と目で聞くとお供しましょう、と笑顔で返す星。
じゃあ行くか、と親指立てて手だけで指示する。恋を軽く揺する、眠りが浅かったようで、直ぐに気付いた恋に、帰るぞとアイコンタクト。恋が頷いて、両手を伸ばしてきたので、背中におぶり、毛布を恋に被らせる。さて、すたこらさっさー
「あら、もう帰るの?」
バレた。気付いたのは孫策だ。相変わらず無駄に気配に敏感な奴である。獣かお前は。俺は獣だけども。
孫策の声で全員がこちらを振り向く。むぅ、教室で先生に難しい問題を急に当てられた時みたいだな。何かちょっと圧迫感あるよね。とりあえず、そうだ、と返そうとして、あぁっ!という愛紗の声に掻き消された。
ようやく星が何時もの自分のポジションにいる事に気付いたらしい。わなわなと震えだす愛紗に、更に上機嫌になってふふん、と嘲る星。これはマズい、絶対に俺にとばっちりがくる。
愛紗が怒る前に愛紗の名前を呼び、帰るぞ、と星の居ない左手を差し伸べる。2人の間では右か左かで重要な違いがあるらしいが俺にはよく分からんし、とりあえず差し伸べておけば大丈夫だろう、たぶん。
案の定バッ、と音がする勢いで左腕を抱え込むように飛びつく愛紗。ちょっと前世の飼い犬を思い出す。家に帰るとよく飛びついてきたなぁ、とちょっとセンチになる。その姿を愛紗と重ねて、今度一刀くんと犬耳作ろうと決意した。とりあえず愛紗可愛い。
反射的に飛びついたらしい愛紗が、数秒だけ嬉しそうに笑い、直ぐに不満げな顔をした。やはり左が嫌らしい。右と左にどんな違いがあるというのか?さっぱりわからない。まさか神の右方とか言いださないよな。個人的には後方のアックァが1番好きなんだけど。
さて置き、一応病みあがりなので帰る。あまり遅くなるなよー?そんな感じに女性陣に声を掛けておく。酒好きの霞辺りは絶対にまだまだ残るだろうし、三羽烏もいつもと違う話し相手がいて嬉しいのか、稟と一緒に孫策達と盛り上がっている。邪魔するのも悪いしな。
尚、華雄は幼女組と一緒に帰った。月達の護衛には同じく幼女で酒を飲ませたく無い鈴々や流琉を残したが、先に帰らせた幼女組の護衛と、ちびっ子だけでは不安なんだそうだ。地味に面倒見のいい奴だ。華雄隊の兵から人気があったのも分かる気がする。
「待たんか。話の主役が途中で帰るとは何事じゃ!」
「そうよ道玄、せっかくだから本人の口からも聞きたいわ。」
アホ、猥談の主役と言われて嬉しい奴がいるか。孫策に至っては只の痴女だぞ。痴女なのは服装だけにしとけ。周瑜さん、後任せた。
そう言って孫策のバカをいつも通り周瑜さんにぶん投げる。彼女なら何とかしてくれるだろうと全幅の信頼を預けてみる。ふ、と仕方ないな、みたいな出来る女の微笑みを浮かべる周瑜さん。流石だ、コレは勝ったな!
「策、どうやら羌毅殿は話して欲しければ酌をしろと言いたいらしい。注いで・・・いや、直接飲ませてやれ!」
わぁ素敵、普通に信頼を裏切られたぞぉ。
それなら私が注ぎましょうか、と隣から星が言う。アホ、と目だけでツッコミ、仕方ないわねぇ、と立ち上がる孫策の足下にいる凪に目配せする。コクンと頷く凪。
「わきゃあ!」
短く悲鳴をあげる孫策。ニタリと笑いながらこちらに歩き出した孫策の膝裏を凪が軽く打った。まぁ膝カックンだ。綺麗に決まったなー、流石だ凪。
そんな事は、と謙遜する凪だが、頬が赤いのでたぶん照れてる。酒のせいかもだが。なにすんのよー!と起き上がる痴女はシカトだ。ほれ行くぞ2人とも。恋が俺の背中に涎を垂らす前に戻るぞ。
「まぁまぁ、我が主人。宴の席ですし、少しくらい付き合ってやっても良いのではありませんか?」
「駄目だ!そんな必要は無い。」
歩き出した瞬間にそんな事を言う星に、即座に切り捨てる愛紗。どうやら苛立っているらしい。どんだけ左が不満なんだ。嫌なら離していいぞ?っていうかさっきまであーた彼処に居たのに冷たいのね。
「離しません。・・・だって、増えたら困ります。」
・・・ブレないなぁ愛紗は。てか相変わらず俺の信用の無さよ・・・。おかしいな、酔った勢いでやらかした事なんて無いはずなんだが。まぁいいや、愛紗の心配は杞憂としても、病みあがりだから酒は飲めんし、酒が飲めない宴はつまらん。また今度にしようや。
「しかしですな主人、この辺で彼女達の欲求を多少は満たしてやりませんと。後がしつこいですぞ。」
あん?いきなりなんだ。どっから出したその理由。根拠でもあんの?
「決まっているでしょう、我が主人。何故彼女等があんなにも我々の話に興味津々だったのか!それはっ、我々の傭兵団と違い、彼女等の軍には不満を解消できるほど優れた男がおりませぬ。つまり、彼女等は男日照りで欲求不満なのです!!」
ピキ、と世界が止まった音を聞いた。なんてこと言うんだこいつ。酔ってるのか?てか男ならたくさんいるし、流石にないだろ。
一瞬のザ・ワールド。解除されれば当然如くブーイングが飛んできた。誰が欲求不満だコラァ!と荒ぶる孫策達と、男より華琳様が1番だ!とベロンベロンの春蘭。それに比べてうちの女性陣のこの落ち着きよう。欲求不満かはともかく、うちの女性陣に余裕があるのは確かだな。
「だぁれが欲求不満じゃ!・・・全く、少し調子に乗っておるな。どうにも悪い男に浮かされているようじゃのう?おい、
おい、怒ったふりしてからかいにくるの止めろ、祭。わざわざこんな時だけ真名を呼びやがって。つーか華琳さん達はともかく、お前は欲求不満であってるだろ。陳留で散々俺を酒に付き合わせた時、碌な男がおらん!とか愚痴ってたじゃん。
「なぁっ!?お、お主今それを言うか!元はと言えば、誰のせいでそんな事を言ったと思ってるんじゃ!!毎晩毎晩盛りのついた猿のようにヤリおって!女2人で来てるこちらのことも考えよ!」
馬鹿、それはウチのみんなと華琳さんに文句言えよ。華琳さんが面白がって俺を誘ったりするからウチの女性陣が毎日容赦してくんなかったんだぞ。しかも本人の目的は俺じゃなくて、過剰反応する春蘭と桂花って言うね。スーパー迷惑。
あ、それとお前と周瑜さんが俺を連れ回すから余計に大変だったんだ。あれ、お前自業自得じゃん。むしろ俺被害者じゃん。謝って!ほら誠意を込めて謝って!
「たわけ、誰が謝るか!そもそもお主がちゃんと儂の誘いに応えていれば良かったんじゃ!」
「あら、桂花とも真名を交わしたのね、道玄。別に私は貴方が誘いに乗ってくれても良かったのよ?」
なんでだよ。さも当然の様に女がいる男誘うな馬鹿たれ。つーか欲求不満とかお前なら選び放題だろ。無理矢理修羅場にしようとすんな。後華琳さん、秋蘭だけで手一杯なんで。丁重にお断りしますね。
そんな事を言ったら華琳さんまで切れ始めた。ああもう酔っ払いうるさいなぁ。おい孫策、お前だけ周瑜さんと乳繰りあってないで祭にも相手探してやれよ。不満溜めすぎだぞ。
「祭って私のお母様と親友だったせいか、昔から面倒みて貰ってたのよね、私達。・・・言わば叔母みたいなものなんだけど、あんたならそんな人のお相手探しとかできる?」
・・・正直すまんかった。
想像したら完全に無理だった。すまん祭、頑張れ。そういうと一周回って落ち込み始めた黄蓋さん。孫権さんと甘寧さんが慌てている。すると、考え込んでいた星がおもむろに言った。
「むぅ、仕方ありませぬな。流石に憐れなので、一回くらい主人を貸してあげたい気もするのですが・・・ああいや、申し訳ない黄蓋殿。よく考えたら黄蓋殿では無理でした。我が主人のそれは正しく剛槍でしてな、若く未経験なら順応も出来ましょうが、熟練で経験豊富な黄蓋殿では流石に我が主人の相手は無理かと思われます。」
慰めるかと思ったら星が真顔で喧嘩売った。あ、孫策達の血の気が引いた。どうやら相当な地雷を星が踏み抜いたらしい。周瑜さんさえ慌てている。って言うかお前勝手に俺を貸そうとするなよ。愛紗に切れられんの俺なんですけど。
「・・・それは、どういう意味かの?」
「どうもこうも、その辺の粗末なものに慣れてしまった上に若くないですからなぁ、今更この大きさは無理でしょうや。」
ズル、と唐突に俺のズボンとパンツが降ろされる。・・・はっ?
ぶるり、と勢い良く飛び出る俺のマイサン。俺の脳があまりの急展開にフリーズし、全員の視線が集中する。
「なぁっ!」
「なん・・・じゃ、と?」
「んなぁっ!?」
あれおかしいな、さっきまで黄蓋さんがブチギレてた筈なのに、いつの間にか俺のストリップになってるぞー?
スパァン!
脳がようやく稼働した瞬間に星の頭を引っ叩く。むぎゅ!と星が倒れこむと同時に、愛紗が私のだ!と前に出て壁になり、一瞬で愛紗の隣に来た凪も壁になってみんなの視線を遮ってくれた。何するのですか主人!と喚く星に無言でさらに優しく拳骨を落とす。ため息をつきながらズボンを持ち上げた。
・・・お見苦しいものをお見せして申し訳ない。そう心を込めて謝る。見るとぷりぷりしてた華琳さんまで固まっていて、声を上げられたのは春蘭と白蓮、祭だけで、後は声すら出ないようだ。孫策が絶句しててちょっと笑う。
地味にガン見の孫権さんが鼻血出ててめちゃくちゃ怖い。あれだけ殺意全開だった祭が及び腰になってる。うぅむ、なんか本当にごめん。でも1つだけいいかな、どう考えてもこれ俺が1番割食ってるよね。
星のせいで大変な事になった。なんか楽しそうだった宴が完全に沈黙した。華琳さん達まで顔が赤い。というか春蘭に至っては倒れそうだ。なんかちょっと意外で可愛い。あんな、あんな大きいのが・・・?と呟いている。その隣で照れてる姉を見て変態な顔で笑う秋蘭。あいつは曹操軍の中で唯一見慣れてるから余裕の表情だ。ウチの女性陣もだけど。
「しゅっ、秋蘭!!大丈夫なのか、あんな・・あんな!?」
「怯える姉者も可愛いな・・・大丈夫だ姉者、道玄のアレはまだ本気じゃない。本気ならあの3倍はある。まだ怖がる必要はないぞ。」
「アレでまだ本気じゃないのかっ!?」
うあああ!と錯乱状態の春蘭。おい秋蘭、姉をからかって遊ぶなよ。被害俺にくんだよ。そう言って嗜めると、にこやかになあに、ちょっとした牽制だ気にするな、と返す秋蘭。視線が華琳さんや周瑜さんに向いている。余計なお世話だが、確かにウチの女性陣以外全員がちょっと戸惑っている。まぁ僅かでも無茶が減れば俺の被害は結果的に減る。あえて訂正はすまい。
「うう、き、貴様!私の秋蘭になんてことするんだ!私と秋蘭は双子だからつまり私にも入った事になるんだぞ!?責任をとれ!」
落ち着け春蘭。いくら双子でもそれはない。てか俺はされた側なので、文句は秋蘭に頼む。責任は取らなくて良いけどもうちょっと常識を覚えさせてくれ。
「貴様ッ!秋蘭に不満があるというのか!?それはつまり私に不満があるという事かっ!け、決闘だー!」
なんだこいつメンドくせっ!ハイハイ分かった分かった。明日な明日。もうお前は水飲んで寝とけ。そういうと、酔っ払い扱いするなー!と喚く春蘭。ああもう秋蘭、お前本当に碌なことしねぇな!
「何を言う、こんな姉者も可愛いではないか。」
駄目だこいつ話通じねぇ。どうしてこんなになるまで放って置いたんだ!そんな感じに困っていると、星が気絶したので右側を取り戻して上機嫌な愛紗がではその後私もお願いします、と言う。あんまり愛紗達とやらないから、たまにはいいか。了承。
「あ、それなら私もやりたい!私も混ぜて!と言うか混ぜなさい!そんで私が勝ったらウチに来なさい!」
孫策が復活して言い出す。だが断る。2人以上は面倒だからヤダ。そう言うとなんでよー!と喚く孫策。うっさい、俺にメリット皆無やろ。そもそも俺は基本鈴々だけとしかやらないのだ。娘とのスキンシップ以外でわざわざ戦うか。鈴々は凄いお父さん!な感じを出せばめちゃくちゃ喜んでくれるからやるけど。おとーさん頑張っちゃうよ!
すると、いきなり肩を揺さぶられる。見ると恋が起きていて、恋もやりたい、と短く言った。えええ・・・正直全力でやりたくないが、食事以外で初の恋のおねだりだ。普段はいい子だから余計に断りにくい。対応に困ってたら、クスクス笑いながら華琳さんが良いじゃない、と言った。いつの間にか復活していたらしい。
「思えば、私はあなたが敗れたところを見てないわ。この際だからこの男がどれだけやれるのか、みんなで試して見ましょう?明日は希望者全員対貴方で模擬戦しましょう。
・・・それだけでは面白くないから、貴方が最後まで勝ち続けたら参加者全員好きにして良いわ。負けたらそうね、参加者全員が満足するまで専属料理人にでもなってもらいましょうか。ああ、変身は禁止よ。僅かでもしたら反則負けにするわ。」
何人まで持つか楽しみだわ、と笑う華琳さん。ちょ、恋が入ったらそれは正直厳しいんですけど!て言うか勝っても俺にメリットねぇ!ウチの女性陣だけでも厳しいのにそれ以上なんて要らないし!てか欲しがったらみんなにキレられるし!
「・・・全員聞きましたね?」
「はい。全力で勝ちましょう。」
「ウチはそれはそれで面白いと・・・冗談やごめん。」
「これ以上増えても部屋が狭くなるだけなのー。」
「鈴々達にも伝えなあかんなぁ。」
「・・・頑張る。」
ほら見ろ気合い入っちゃったじゃないですかやだー。くっそこいつ俺が勝てないの分かっててこんなふざけた提案しやがったな!勝った時と負けた時の対価が釣り合ってないのもそれが理由か!汚い、流石覇王汚い!!
華琳さんは嘲笑って負け犬の遠吠えね、なんて言ってた。ふざけんなー!
⬛️
まぁ、そんな感じで冒頭の戦闘に繋がる訳である。
戦い始めてすぐ気付いたが、俺の気の総量が明らかに増えていた。理由は推測だが、死に掛けたからじゃないかなと考えている。ほら、シャーマンキングにせよターちゃんにせよ、あるいはドラゴンボールにせよ、死に掛けると強くなるし、たぶんそんな感じ。もしかしたら単純に今のままじゃ死ぬと本能が察しただけかもだが。ともかく、おかげでタイマンでは余裕ができてたんだ。正直ラッキーだったね。
さらに最初は普通に一対一だったんだ。ひたすら俺対誰かで、普通の模擬戦だった。俺だけ休憩なしのな。しかし最後の最後で恋と戦い、中々決着がつかないから、少しずつそれまで戦った相手も加わっていき、最終的には孫権さんと周瑜さん以外の全員対俺、というアホ極まりない戦闘に発展した。
途中で面倒になって降伏も考えたが、鈴々がイキイキしながらおとーさん流石なのだ!凄いのだー!って褒めてくれるので、ついうっかり粘ってたら、段々武将達の負けず嫌いというか戦闘狂的なあれに火がついてしまった。華琳さんは途中から指揮を取り始めたし、孫策に至っては血を見てないのに興奮しだして凄い面倒だった。
やがて模擬戦の筈がガチの戦いみたいになり、みんなが全力で俺を倒しに来たので、頑張って俺もラスボス感だして戦った。
最終的には俺は追い込まれ、簡易変身をさせられてしまったので、素直に敗北を認めた。のだが、負けた瞬間も、変身した俺は背中を地につけてなかったし、当然無傷だった。え?体勢が崩れた上に2人の剛撃?気合いとパワーっすわ。鈴々におとーさんすごいのだ!って言われる為なら単身城落とすよ俺。つまり父は娘に負けてはならない。これ常識な。
ともかく、そのせいかは分からないが、戦闘でハイになってた彼女達は誰も武器を下ろさず続行しようと更に襲いかかってきた。幾ら何でも変身してからでは流石に手加減してもみんなが危なかったので、俺がラージャン式エリア移動ジャンプで無理矢理距離をとってお開きにしたのだ。
その後は俺を理不尽と断ずるウチの女性陣はそれですぐに落ち着いたが、新入りである霞や華雄を含め、先の5人はまだ勝ってない、まだ戦えるから終わりじゃない!と戦闘狂全開で、飯時になってもまだうだうだやってる訳である。ウダウダやってるヒマはねぇっ!じゃない、いつまでたってゴネてんだ5人とも。 勝ったんだからいーじゃんよ。華琳さんも何むくれてんの?宣言通り終わりになったじゃん。
「あんなの勝ちじゃないわ!明らかに手加減されながら、最後まで結局無傷の相手に負けを認められて、それで勝ったと言っていいのは子供の遊びだけよ!」
「その通りだ!何より私の剣で結局お前に傷を負わせてないぞ!ちゃんと切られろ!」
「団長、頼むからもう少しやってーな!あんな不完全燃焼じゃ欲求不満になってまうで!!」
「別にむくれてないわ。想定していた終わりと違ったから、私もまだまだだと反省してるだけよ。別に貴方の存在が卑怯とか思ってないわ。」
いやお前ら、模擬戦の意味わかってる?お前らの要求だとどっちか死ぬんですけど。試合どころか死合なんですけど。華琳さんに至ってはもはやただの我儘である。どうも彼女たち的には試合に勝って勝負に負けた的感覚の様だ。そもそも模擬戦は試合の方だと思うのだがどうだろうか。
やれやれ、ほら好物作ってやるから機嫌直せお前ら。春蘭にはこれ、チーズインハンバーグデミグラスソースな。孫策はキクラゲと玉子と鶏肉のオイスターソース炒め、霞はせせりとニンニクの芽の辛味噌炒め、華琳さんは真鴨と五種の野菜のテリーヌ、お待ちですよ。発音しにくい?もうなんでもいいよ。おかわりはそんなに無いが許せ。材料補給する間もない無茶振りしたのは華琳さんです。
ええと、黄蓋さんと華雄はなんだっけ。ああ、黄蓋さんは味玉6種盛り合わせだったか。あまり玉子食べすぎるなよ。華雄は?恋が言ってた焼肉丼?ああ昨日のか。あー、流石にあの量の飯は炊き直さないとないな。御釜丸ごとだから時間かかるけど・・え、そんなに要らない?そか、じゃあすぐ作るから待ってろ。ん?何鈴々。ああラーメンのお代わりはもうちょっと待って。麺茹でるから。丼はそこに置いといて。
「むぅ、これでは儂等が駄々を捏ねてるみたいではないか。」
違うつもりだったのか?やれやれ、相変わらず妙なところで子供な奴だな。飲んでる時みたいにあんまり無茶言ってくれるなよ?これからは俺いないんだからな。他の奴が大変だ。
「む、そうか・・・。もうそろそろそんな時期か。」
「なにそれ、どういう意味よ?」
俺たちの雇用期間が切れる。ようは曹操さんの所をそろそろお暇するんだよ。まぁちょっと色々あったからすぐじゃ無いがね。仕事終わらせないと。ああ、すまんが先約あるから次そっちは無理だ諦めてくれ。周瑜さんと黄蓋さんも現地集合になっちゃったけどちゃんと五体無事に返したし、そろそろ劉備さんのとこ行かなならん。
聞いてないわ!と騒ぐ孫策。大丈夫、お前以外にはちゃんと言ってあるから。華琳さんも終身雇用にしても構わないわ、と言い出すが、なんか凄い胸騒ぎがするんだよね。劉備さんが何かやらかしてる気がするんだよね。だからすまん、また今度な。
そういうと、ため息ついて早く帰ってきなさいよ、と華琳さん。あれっ、何かいつの間にか帰属先になってる?・・・まぁいいや、深く考えないようにしよう。
そんな感じでしんみりする話をしながら料理をしてたら、やたら覚悟を決めた顔でこっそりやってきた周瑜さんが、密かに耳打ちしてきた。きちんと周りに聞こえず、誰の意識もこちらに向いてないタイミングだ。何かこれスパイのやりとりみたいで楽しい。ふむふむ、なるほどって、え、マジ?ちょっとそれは・・・うーん、大事な話、ねぇ。まぁ仕方ないな、少しだけだよ?
「感謝する。ありがとう、道玄。」
にこり、と笑う彼女。やっべこういう笑顔が似合い過ぎだろ。ていうか急に真名呼ぶな照れる。え?祭と孫策だけズルい?むう・・・。まぁ仕方ないな。誰も聞いてないしいいだろ。
じゃあ、また後でな。本当に早めに頼むぞ?遅くなると愛紗に搾り殺されかねん。
「ああ、そんなに手間は取らせないさ。」
そうやって俺たちは密約を交わした。何でも俺に話があるらしい、正直ハニトラだったら困るのだが、大事な話らしいのでイマイチ断りにくい。・・・まぁ流石に今更誘惑もなかろう。あれだけ散々袖にしたし。あれ、だとすると大事な話って何だろ。まぁいいや、聞けば分かるでしょ!
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・・
・・・
そんな訳で夜です。場所は何かよくわからんけど洛陽の隅っこの方にある酒家だそうだ。洛陽の酒家に詳しい霞でさえよく知らないくらい辺鄙な所にあるらしい。
なお、最近搾られ過ぎて死に掛けたばかりなので、愛紗達には素直に周瑜さんと飲むと言ってある。いやあいつらこういう時の勘半端ないし、隠すのは無理だから。というか次こそ殺されかねん。
愛紗辺りが付いてくる可能性があったので、周瑜さんに言い訳も用意してたんだが、予想に反して誰も付いてくるとは言わなかった。どうも話が通っている様だ。駄々を捏ねそうな愛紗は、寂しそうに今回だけです、と言い、抱擁を求めてきたので、しっかりと愛紗が好きな強さでやってあげた。早く帰って来てください、とも言われたので、なるべく早く帰ろうと思う。
◆
・・・たぶん、ここかな?
本当に端っこの方にある店だな。まぁ特徴的な形の屋根過ぎてすぐわかったけど。なんで屋根だけトルコ宮殿風やねん。
まぁいいや、突撃、粉砕、勝利なのだー!ってか。とりあえず扉を開けて中に入ると、中は普通でターバン巻いたりした従業員はいなかった。確か個室をとってる、とのことだったので、周瑜さんの名前を出すと、案内を申し出てくれたので、とことこ付いていく。
ううむ、いくつか個室があるタイプの酒家なのか、結構色んな客が入っている。地味に豚の丸焼きが美味そうなので、注文できたら頼んでみよう。にしても、随分先行くな。この調子だと一番奥にある高い系の奴かな。入った事ないからどうなってるかわからないけど、前世の知識には漫画とかでそういう設定が多いらしいし、こりゃ相当大事な話みたいだ。本当に何だろう?
やがて一番奥まで辿り着き、階段を上がる。つーかここ広い酒家だな。ひょっとして密談とかに使われる系の奴なんだろうか。あらやだ浪漫溢れる店だな!いいぞもっとやれ!
そんな事を考えながら歩いていたら、とうとう従業員がこちらです、と扉を手で差した。お、ありがとうよ。そう言うと、ではこれで、と従業員が帰って行く。その姿を見送った後、軽く三回ノックすると、周瑜さんの返事が返って来たので扉を開けて入る。
そこには、月の光に照らされた、美しい光景があった。
月の光が優しく天井から降り注ぎ、ちょうど大理石で作った様な丸テーブルには、所狭しと料理と酒が並び、そこには灯りもつけずに周瑜さんと黄蓋さんが、いつもとは違うゆったりとした白地の服を着て、悠然と席についていた。大きな寝台には天幕が付き、まるで貴族になった気分が味わえる。
なんとも優美な部屋だ。かなり良い値段のする部屋だろう。結構な地位の人間が宿泊する部屋なんだろう。
・・・・・そう、部屋だ。どう見ても宿の一室だ。間違っても飲み屋ではない。
宿付き酒家かよ!!いや酒家ではあるけど!
何か凄い嫌な予感がする!この凄い嗅いだことのあるお香とか!2人の脱ぎやすそうな服とか!えっと、すいません部屋間違えました!
「よく来たな道玄。待っておったぞ。」
「何処へ行く道玄、間違っていないから座ってくれ。」
ぐっ、捕まった。いやしかし最悪ここから出れればって扉が勝手に閉じた!しかも一瞬見えたあのマフラーみたいなの・・・甘寧さん?!真面目な奴までグルだと!?は、離せー!
「落ち着け、別に取って食おうとは思ってないさ。」
「そうじゃぞ。ほれ、いつか約束した儂の手料理じゃ。お主が来るのを待っていたらいつになるか分からんから用意した。感謝して味わえ。」
ぬぅ、これが噂の!ぬぬ、ぬぬぬ!ま、まぁこのお香も今となっては耐性ついたのか、だいぶ効果無くなってきたし、ちょっとだけなら大丈夫だろう。ちょっとだけなら!
ちょっとだけ、と決めて、席に着く俺。2人も仕方ないなぁ、みたいな大人っぽい苦笑いをして席に付き、祭のお勧めだと言う酒を注いで乾杯する。いただきます!
ぐいっと一息であおると、喉を焼く強烈な酒精と、芳醇な香り・・・ブランデー?なんであるんだこれ。本当に訳わからんなこの世界。
まぁ美味いからいっか!祭に勧めらて料理も食べる。料理自体は別段珍しくもない中華料理だが、味付けがかなり濃い目で、何故か後引くこの味は、正しく酒飲みの味!美味い!いやぁ、流琉と華琳さんに続いて恋姫三大食べてみたい料理をついにコンプリート!感無量ですな!
実に気分良く料理を食べる俺に、2人も何処かご機嫌で、楽しい時間が始まったのだった。いやぁ美人に挟まれて美味い酒に美味い飯!転生ものの醍醐味ですね!毎日してるけど!
そうして、上機嫌なまま夜が更けていった。
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・・
・・・
深夜。
綺麗な月が真上に来た頃、あれだけ騒がしかった人の気配も殆ど無くなった。時間にして深夜一時とかその辺だろう。電気のないこの世界じゃ、人の就寝時間はかなり早いので、今はスーパー深夜だろう。まぁ酒好きならまだ飲んでるやつもいるだろうが。
そんな時間になると、流石に料理も酒も減らなくなり、3人で窓から見える月を見ながら、ゆったりとしている。・・・いつの間にか2人が腕に抱き付いてて、服も前がはだけている。正直非常に目のやり場に困るし、帰りたいのだが、2人ががっちり腕を掴んでいて動けない。
というか、2人の顔がさっきから非常に艶っぽいと言うか上気してると言うか・・・発情した雪蓮みたいな雰囲気。あれ、ちょっと!?
「ふふふ、流石だな道玄・・・このお香に耐性がついてきた、と言う話は星から聞いていたが、酒や料理に混ぜた媚薬も効果が無いなんて・・・。」
「まったくじゃの・・・。儂等ばかりやられて、本当に不公平じゃ。」
媚薬?そんなものまで入れてたん?ならもしかしてお前らの状態ってそれが原因か?馬鹿だろ!?・・・あれ、今星って言った?
ちょっと予想外な何かが起きているようで、ただ逃げる、という訳にはいかないようだ。2人がゆっくりと服をずらしていく。前がはだけているから、簡単に肩から滑り落ちていく。
「そうでも無いさ。お前のものが相手なら、これくらいは準備しないと、流石に私達も怖い。」
「まったくじゃ。流石に儂もあんなの初めて見たぞ?しかも皆あれから更に大きくなると言うし、愛紗も秋蘭も初めては相当な痛みだったと言うからな。準備し過ぎ、という事はあるまい。」
あれっ、まさかの愛紗の名前まで!?え、何処まで話が通ってっていうか、なにこれどゆこと?
ヤバい本当に理解できない!月明かりが2人の肌を照らす。綺麗に焼けた肌は月明かりの下でも美しく艶やかに映える。
「詳しい話は後でも良いだろう?正直、ここまで媚薬の効果が強いと思わなくて、我慢が、もう・・・っ!」
「儂もじゃ、後でちゃんと説明するから早よう抱いてくれ。・・・それとも、ここまでしても何も感じないか?そんなに儂等は魅力ないか?」
色々考えていたが、祭の言葉でとりあえず切り替える。もういいや後で考えよう。ほら俺オークだから。性欲の権化だから。こんな美人2人に迫られたら誘惑に負けても仕方ないよね!どうもウチの女性陣な許可があるっぽいし!許可あるっぽいし!大事な事だから2回言いました!
2人をいっぺんに抱え上げる。そのまま寝台に運ぶ。見ると例のヌルヌルな薬も用意してある。準備良すぎだろ!いつから計画してたのだろうか。
まぁいいや、これから全部身体に聞く。冥琳も祭もなるべく優しくするが、自分から来たんだ、ある程度は我慢しろよ?
「ふふ、望むところだ。」
「誰に言うておる。虜にしてやるから覚悟せい。」
はは、言ったな2人とも。なら覚悟しろ。珍しく本気で相手してやる。そう言って服を脱ぐ俺。ズボンを下ろせば、全開のマイサンが自己主張をしに飛び出した。息を呑む2人の肩に手を掛け、ゆっくりと身体を後ろに倒してやる。さて、では2人とも。
「存分に、乱れるがいい。」
そうして俺は2人に覆い被さった!
・・・なお、この後の事については、2人とも最高だった、とだけ言っておく。
続く!
たぶん後で加筆修正します。
2人のこの後は希望があれば裏話あたりに書きます。