避けたりとかそういうのはしない。   作:銀座

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4話 関羽さんマジ関羽さん

やぁみんな、そろそろ鳥の唐揚げが食べたい見た目は人肉食いそうなオーク系転生者の俺だよ!

 

 

親方、熊さんを吹っ飛ばしたら女の子が!

 

 

と思わず名シーン的妄想が浮かぶが、現実逃避しても始まらないな。何度瞬きしても変わらない、二次元が三次元になったことで若干見た目が変化しているが、恐らく目の前のボロボロ美人は関羽さんだろう。青龍刀みたいな槍持ってるし。名前忘れたけど転生者だったりしなければ間違い無いはず。衣装的にもこんな感じだった。何故こんなとこにいるのかはさっぱり分からんが。

 

 

・・・それはさておき、その助けた亀さんならぬ関羽さんに、現在進行形で何故か俺睨まれてます。なにゆえ?確かに身長はかなり高いし、人間状態とはいえ筋肉モリモリだ。熊さんみたいなものではあるが、熊ではないので安心してくれても良いのではなかろうか?

 

 

とりあえず、ざっと見てみると深い傷はそんなにないものの、結構あちこちから服が破れて血が滲んでいるし、右肩から胸元にかけて少し広めの浅い傷が2本、極め付けは右足の太ももというか膝だが、恐らくこれは脱臼している。でも多分折れてはいない。前世で田舎の整骨院やってた俺の目が狂ってなければ、だが。

 

軽く周りを見渡すと、少し高い崖があって、そこから引きずったような跡がある。崖自体は本当にそんなに高くはない。せいぜい10メートルくらいだろう。前世のひ弱な日本人ならいざ知らず、ラージャンな俺でなくとも恋姫武将なら武器を持ったまま無傷で飛び降りられる筈だ。本当にそんな程度の崖なので、原因は恐らくその前か。

 

服をみると膝裏や袖周りなど泥や草がこびりついている。昨日まで軽く雨が降っていたし、上の方から滑り落ちて無理な体勢で着地したとかそんなところだろう。

 

 

・・・そのまま熊と戦うとか、シレンさん並みの不幸っすね。落とし穴落ちたらモンスターハウス!みたいな。

 

だがまぁ、浅いとはいえあちこち傷だらけだし、幾ら恋姫世界とはいえ、消毒薬や傷薬が普及しているとは思えないから破傷風やらの病気も怖い。なので一応声をかけることにした。

 

「大丈夫か?」

 

 

「ひっ・・・」

 

 

 

な ん か 怯 え ら れ た

 

 

なんでやねん。いくら俺がかの種馬一刀君ではないとは言え、もうちょい何かあるやろ!胸キュン展開やなくともありがとう!とかあるやろ!顔か!?顔がイケメンやなきゃ女助けちゃいけないんか!まず女かどうかも分からず助けたんだから仕方ないやろ!ただし、イケメンに限る。ってか?やかましいわ!

 

 

・・・ん?あれ?

 

 

そうか、顔か!

 

 

その答えに行き着いた瞬間、一気に冷静になった。よく考えたら今の俺、人間状態だけど見た目は角の獅子目言彦だった。今まで描写忘れげふんげふん、もとい山籠りしてて人に会ってないから気付かなかった。眉なしコワモテで、目は三白眼の身長230センチ、筋肉モリモリの大男、それが崖から落ちた女の前に佇んでたらどう思う?

 

 

・・・すごく、山賊です・・・。

 

そりゃ怯えるわ!よく見たら睨んでる目も若干涙目だし、槍持ってる腕も何かプルプルしてるから、結構長い間熊と戦っていたのかも知れない。そんな中急遽現れた蛮族的大男。そりゃ警戒とけねぇわ!危機一髪どころか一難去ってまた一難だよ!助かってないんだから助けてくれてありがとうも無いわな。

 

 

とりあえず、根気よく話しかけて敵じゃないアピールしとくか。このまま見捨てるのは寝覚めが良くないし、何よりも美人の損失は世界の損失だ。というわけでもう一度声をかけてみる。大丈夫かー?

 

 

すると今度は少し現状を理解できたのか、関羽さんらしき人の目から少し力が抜けて、同時に槍を持つ手も下がった。よし、第1関門突破かな。

 

と、思ったら急に焦った様に槍を持ち上げ、尻餅ついたまま構えた。なんぞ?

 

 

 

「あぶないっ!」

 

 

 

ん?何かと思ったらさっきの熊さんだった。逃げてなかったのか。関羽さんに会った喜びで忘れてた。熊さんは全力で後ろから俺を抱きしめつつ、首筋に噛み付いている。ああ、関羽さんがメッチャ青い顔して槍持って立とうとしてる。あ、転んだ。そりゃそうだ。

 

まぁ大丈夫だから落ち着け。その怪我で動くと後が怖い。手当てするから座ってなさい。そう優しく声をかけてみた。

 

 

「何を呑気な!その状態で!・・・あれ?」

 

 

何か心配してくれたらしい関羽さん。流石は未来の猛将、すぐに冷静になったらしい。

 

 

「血が・・・出てない?いや、そもそも噛めてない・・・?」

 

 

 

そりゃ呑気でいるさ。この程度では俺に傷1つどころか歯形さえつかない。いくら人間状態でもG級激昂ラージャン二頭分の身体強度を持つ俺に、下位のアオアシラにも勝てない様なただのヒグマが全力出したところでこうなるのは当然である。服でさえモンスター素材を使った地上最強シリーズなので破れてさえいない。

まあ、これが普通の人間なら後ろから首筋を熊に噛まれたら、その瞬間出血がどうとかではなく、首の骨と一緒に肉を喰い千切られて即死、それを防げてもこの後ろから抱き締めている爪に皮膚を引き裂かれて内臓ボロボロこぼして出血死かショック死、服が引き裂けない様な強力なものでもこの怪力で圧死する。普通の人間ならこの時点で3回は死ねるだろう。

 

 

だがあいにく俺は見た目は女を襲いそうなモンスターの代名詞オークさんだが、中身はレベル1400の極限ラージャンとアメコミ界でもパワー系最強クラスの緑の巨人ハルクを融合させたみたいなハイパーパワー系転生者の羌毅さんだ。フリーザさん的に言えばまだ変身を二回残してる様な状態とは言え、こんなもんで死ぬはずもない。

 

 

とりあえず関羽さんを安心させる為、あえてゆっくりと熊さんの拘束攻撃を外し、そのまま力で無理矢理抑え込んで脇の下に熊さんの頭を通して首を絞める。

残念ながら力の差を見せた上で牙を剥いてきたのだ。もう逃す気もない。このまま絞め殺す事にしよう。

 

 

ゆっくり力を入れて、窒息させる。人間状態でも全力出せば首の骨を折ることも、首を引きちぎる事もできるが、出来るだけ傷を付けなくないのでこのまま絞める。その際拘束を外そうと熊が頑張って俺の腕に爪を立てるが、俺の腕は現在全部位中最高硬度を誇る。何故なら締めやすい様に闘気硬化中だから。故にまるで金属を引っ掻くような音を立ててはいるが、まぁ無傷だ。

 

 

やがて熊が糞尿をこぼして、そのまま死んだ。きちんと解体してやりたいが、まずは関羽さんだ。とりあえず体を洗う意味も込めて目の前の川に沈めて、俺自身も手を洗う。関羽さんの手当てするのに野生動物触った手ではね。まぁ気休めみたいなものだが。

 

 

さて、川から上がり再び関羽さんの元へ。何か呆然としてるが、目の前で熊さんが生身の人間に絞め殺されたらそれも仕方あるまい。気にせずしゃがんでできる限り目線を合わせつつ、意識を戻してもらうため、話しかける。

 

 

「とりあえず動かないほどの怪我はその右膝だけか?他にも動かないところとか、分かるか?」

 

「・・・ハッ!?い、いや、あと左の足首が少し・・・」

 

 

声を掛けられて気付いたのか、関羽さんが小さく報告してくれた。ふむ?どれ、と左足首を持ち上げてみる。その際小さい悲鳴が聞こえたが、痛みと若干羞恥が混じっていた。まぁスカートだからね、仕方ないね。見ないし緊急時だから許してね、と心の中で謝りつつ触ってみたが、腫れてはいるものの、骨折までは多分いってない。関羽さんの表情であたりをつけ、まずは右膝を先にやる事にする。

 

「見た所、今すぐ対処しなければならないのは右膝だけだ。脱臼している様だから嵌め込もうと思うが、かなり痛い筈だ。覚悟はいいか?」

 

まぁぶっちゃけ脱臼だってそんなに急がなくてもすぐさま命に関わってきたりはしないと思うが、こーゆーのは後に回すと怖いからな。早いに越したことはないだろう。かなり痛いが。

 

 

いきなりの事でまだ少し困惑しているらしい関羽さん、痛いけど覚悟しろって唐突に言われたのにも関わらず、逡巡は少しだけで直ぐに覚悟を決めた顔をすると、俺の方を真っ直ぐ見て言った。

 

 

「・・・ありがとう。大丈夫だ、やってくれ。」

 

 

それを聞いた俺は、一度大寸胴鍋まで戻ると、鞣した毛皮の一部を切り取り、毛のある方を内側にして丸める。それを持って戻り、関羽さんの口に噛ませる。噛み皮だ。舌を噛んだり、歯を噛み砕いたりしない様に、念の為だ。

 

そして、行くぞ?と声を掛けて、彼女が頷いた瞬間一気に引っ張っては元の位置に戻しつつ嵌め込む。力加減には細心の注意を払う。この体になって初めて人間に会って触れている。うっかり引きちぎる可能性もある体だ。ぶっつけ本番で申し訳ないが、とりあえずうまくいった様で良かった。

 

「〜〜〜〜〜ッツ!!」

 

声にならないくらいの激痛を必死に耐える関羽さん。落ち着くのを待って、膝が動くか確認をとる。痛いだろうが、脱臼したときに神経でも傷つけていれば事だ。この時代に21世紀の最新医学みたいに動かさないで体の不調を調べる術がない以上、我慢してもらう他ない。

 

涙目になりながらもゆっくりと右膝を動かす関羽さん。とりあえずは大丈夫だな。当然歩くのは暫く無理だろうが。

 

1番の大怪我の手当てが終わったので、もう一度左足首を見るが、こちらは恐らく捻挫だろう。軽く固定すればいいな、これは。

 

さぱっと終わらせて他の部分を見る。関羽さんに噛ませていた毛皮を取り、改めて体全体をみると、落ちてくるときにどうも山肌を転がり落ちてきたのか、様々な部分から服が破れて血が滲んでいる。おまけに胸元の傷だ、これはちょっとまずい。本気で破傷風になりかねん。

 

努めて無関心な真顔を維持しながら、渋るというか恥ずかしがる関羽さんに謝りつつ、このままでは死ぬとちょっと脅しげふげふ説得して、頭から雑念を追い払うため脳内で般若心経を唱えつつ彼女の服を脱がす。

 

わーい関羽さんセクシーシーンってかモロ!恋姫のエロ画像散々見たからまるで感動はないけど!

 

顔は真顔で固定したままお姫様抱っこして抱え、川で体を洗う。傷口に土や木屑、砂利などが残らない様に、痛いだろうが丁寧に傷口の中まで洗って流す。残念ながら消毒液も消毒用アルコールもないが、そのままにするよりはいい。後で大寸胴鍋で湯を沸かしてもう一度洗ってあげよう。決して関羽さんの綺麗な裸がもう一度見たいとか恥ずかしがる関羽さんが可愛いとかではない。無いったらない。

 

 

川から上がると、谷というか川縁のためゴツゴツした石ばかりなので、売り物用の毛皮を三枚重ねて敷き、ささっと流木を集めて関羽さんから見えない様に指先を変身させて火をつける。時期的にそこまで寒くもないが、水浴びして裸でいる様な気温でもない。少し大きめに火をつけ、その近くに毛皮ごと関羽さんを連れてきて、この数カ月の間に山で集めたウドの茎やドクダミやヨモギなど、消毒効果、解熱作用のある薬草をいくつか取り出す。・・・天ぷら用に取っといて良かった。

 

さも大寸胴鍋から取り出したかの様に石鍋を2つ出してかわの水を汲み、両方とも火にかける。その後薬草をすり潰して混ぜ合わせ、傷口に塗る。しみて痛いし、薬草臭いが我慢してくれと頼み、体が冷えない様に残りの毛皮を掛けて横になってもらう。毛皮三枚重ねとは言え石畳だ、痛いだろうがこれ以上は望めない、他の作業に取り掛かる。

 

 

今度は大寸胴鍋から中身を取り出して川で洗い、水を汲む。そしてそのまま火にかける。後で体を洗う用だ。

 

そして川に沈めておいた熊を引きずり出すと、いくつか木を倒して枝を払い、物干し竿様な形に固定すると、熊の解体を始める。

 

 

この辺りで恥ずかしくて顔を隠してた関羽さんが、おずおずと毛皮から顔をちょっとだしてお礼を言ってくれた。これまで自己紹介も無しにすごい事してしまったけど、是非ノリで流されて忘れて欲しい。

 

 

まぁ俺の方は忘れるとか無理だけどね!関羽さん可愛すぎな件。

だが今の俺は獅子目言彦的見た目のオーク系転生者、羌毅さんだ。そんなことを考えながら努めて平静を保ち、裸を見たけど医療行為なので何も感じてない風な態度をとり続ける。そうでないと正気に戻った関羽さんに斬られかねん。

 

 

しばらくすると、会話が無くて間が辛いのか、意外にも関羽さんから話しかけてきた。自己紹介に始まり何故あんなとこで熊相手に死にかけて他のかも教えてくれた。その間俺は熊解体をしながら無口キャラっぽい雰囲気を出すため、努めて口数少なくほとんど相槌を打つだけにした。

 

 

その話を纏めると、どうも俺が見つけた村よりさらに1つ山を越えた先に村があり、そこと俺が目指した村は村同士の交易があったらしい。

 

それがその途中の山に賊が住み着いてしまい、人数がそこまで多いわけではないが、それでも山奥にある様な小さな村に対応できる様なものでも無く、交易品を奪われたり、作物を要求されたり、女性を攫われたりと散々だったらしい。

 

そこで正義を胸に抱く関羽さんが旅の途中に立ち寄り、困ってる民を見捨てては置けぬ!と賊退治を買って出たそうな。幸い人数がも30人前後で、自分1人でなんとかなると踏んだ関羽さんは1人山に入り、賊退治を開始した。

 

実際に山に入ってみると、どうも賊は略奪が上手く行き過ぎて油断しきっており、アジトの見張りもザルで、簡単に追い詰められ、割とすぐに過半数の25人を倒すことに成功したんだとか。

 

だけどそこから山の天気が変わり、雨に降られ、残った数人の賊がバラバラに逃げてしまった。逃して再び村を襲われては敵わぬと、なんとか慣れぬ山道を追いかけ、3人ほど斬り殺したが、残る数人を追いかけて居た時、罠にかかって奇襲を受け、さらに2人ほど斬り殺したものの、ぬかるんだ地面に足を取られたこともあり、崖に突き落とされてしまったそうだ。

 

 

もうこの時点で普通ならなんで生きてるの?って感じだが、まぁ恋姫世界の武将ならこれくらい笑い話レベルなので気にしない。やばいなはこれからだ。

 

 

その後はほぼ俺の推察通りにあちこち体を枝などに引っ掛けつつ転げ落ち、谷付近の切り立った崖に勢いで落ちてしまい、何とか足から着地したが、散々転がったせいで上手く体勢を直せず右膝を脱臼し、その際に左足首を捻挫してしまい、だが何とかしようと周りを見たら、ちょうど川が見えたので傷口を洗うために、喉も渇いていたため水を飲もうと這いつくばって移動しようとしたら、水を飲みにきた熊と遭遇し、逃げることもできないまま戦闘開始、したのが昨日の夕方日が沈む頃、だそうだ。ちなみに胸元の傷は最初の攻撃を避け損ねて掠ったものらしい。

 

 

・・・なんというか、頭おかしいよな。特に最後の。

何処の世界の修羅ならそんなダメージ受けたまま12時間以上熊と死闘を繰り広げられるんだ?下半身ほぼ使えないんだぞ。

 

 

 

「・・・良く生きていたな。」

 

「正直、私自身奇跡だと思っています・・・」

 

 

まさしく奇跡だよバカ野郎!

あっぶねぇ!後少し遅かったらいきなり原作キャラが知らぬ間に退場してたよ!桃園の誓い不発するとこだよ!

 

「本当に羌毅殿には心から感謝しております・・・!」

 

なんかすごい心込めて感謝されてるけど、それは正直ただの偶然だから気にしないでいい。むしろ俺の方がこんな出会いに感謝ですわ。結果的に助けられて本当に良かった。いきなりヒロイン死ぬとか笑えなさすぎる。

 

そんなことを考えながら熊を解体し、薬草はもう無いので、この後の傷薬代わりに熊の油を片方の鍋に入れ、溶かしたあと冷やしておく。熊の爪でつけられた傷は残らないと金の神でやってたが、本当かどうかわからんし、胸元の傷が残らないといいが。一刀くんはこんな事気にするようなイケメンでは無いと思うが、関羽さんが気にすると可哀想だし、こういった薬は切らさないようにしよう。

 

取り敢えず血が足りない関羽さんに、レバーやハツ、ハラミなどの内臓肉を纏めて叩き、山で取っておいた行者にんにくとニリンソウ、塩とオールスパイスを入れて、さらには腹腔に溜まったプルプルの血液と混ぜ合わせる。そして熊の小腸を裏返して川の水で良く洗い、混ぜ合わせたアンを詰めていく。そのまま鍋に投入し、火が通ったところで取り出してぶつ切りにして、自然薯などの山菜と共に再び鍋に放り込む。生姜と味噌で味付けし、再び煮込む。

 

肝心の熊肉は解体だけして置いて取り敢えず毛皮に包む。硬いし熟成もしていないので、弱った?関羽さんにはキツイだろう。怪我以外は空腹と寝不足らしいので、これを弱ってるといっていいのか分からんが。

 

鍋が煮えるまでの間に別の鍋を密かに取り出して、米を研いで水に浸けておく。未だ上手く炊けないが、粥なら問題ない。明日の朝用だ。怪我の具合的に、関羽さんは二、三日動けないし、まだ日が高いが、ここで一夜を明かすことにしよう。幸い雨はもう降らないだろうし、川の水が増える心配もないはずだ。朝になって状況次第で場所を移動し、関羽さんの左足首だけでも軽くなったら移動しよう。

 

 

そう提案すると申し訳なさそうに「かたじけない」とお礼を言われた。まぁ正直もうちょい男の俺を警戒した方がと思わなくもないが、やろうと思えばいつだって襲えていたし、信用されたと喜ぶことにする。実際は今襲われたらどの道どうしようもないと諦められただけかもだが。

 

ともあれ、器を四次元袋から取り出して、俺特製、超滋養強壮ブラッドソーセージの生姜味噌鍋である。病人食のため、味は薄めだ。肉は重いかもだが、内臓にダメージは負ってないだろうしいいだろ。たぶん。

 

一晩貼り続けた気が抜けて、寝落ちしそうな関羽さんに頑張ってもらい、ご飯だけは食べてもらう。なぜか瞠目して驚かれる。あれ?不味かったかな?と心配して聞いてみると、逆に美味しすぎて驚いたらしい。色が色なので食べられるか不安だったとも言われた。

 

・・・あれ、味噌ってまだ普及してないのかな。いや恋姫世界だし、麻婆とか普通に食べてなかったか?いやゲームというか原作はやってないから知らないけど。まぁいいや秘伝とか適当言って誤魔化しておく。

 

とにかく味がよければ問題あるまい。起き上がるのは辛いが腕と口を動かす分には問題ないらしいので、関羽さんの後ろから支えて体を起こしてあげつつ、ご飯を食べてもらう。賊退治から今までずっと食事を取ってなかった事を思い出したらしい、良く食べる。

 

結果的に結構な量を1人で食べて、申し訳無さそうな顔して謝られたが

俺的にはむしろ美人さんが美味しそうに手料理をたくさん食べてくれたので満足である。また作れるから気にしない様にいい、起きたら食べれるように次も作っておくので、もう寝るようにと支えていた体をゆっくり倒して肩まで毛皮をかける。枕は無いが勘弁して貰おう。

 

恐縮していたが、やはり疲れていたのだろう。最後に調味料を水に混ぜて作った薄めの経口補助液擬きを口にすると、深い眠りに落ちていった。

 

さて、今日の風呂は無さそうな眠りっぷりなので、取り敢えず大寸胴鍋の火は消そう。そして脱がした関羽さんの服を川で洗い、下着類も含めて火のそばで乾かしておく。縫い針が無いので破れた部分は繕ってはやれないからそれは放置。あとは火を絶やさない様に薪を拾いつつ、野生動物に襲われない様に関羽さんの看病をする。

 

この分だと今日どころか明日の昼ぐらいまで寝るかもしれないなぁ、なんて美人の看病をするなんて前世じゃできなかった状況にわくわくする俺であった。

 

結局不謹慎だな、と落ち着いたのは、関羽さんが目覚める翌日の朝になってからだった。

 

続く?

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