数年後
「お兄ちゃん、入るよー?おぉ!」
「おう、小町か。どうだ?」
「うん!珍しく似合ってるよタキシード姿!」
「珍しくって失礼だなおい」
「いやー、ついにお兄ちゃんにもこの日がやってきましたなー」
今日は結婚式。誰の?俺の。果南と付き合い出してそのままゴールイン。さすがにプロポーズは俺がした。少しは勇気出さないとな。
まぁ言葉を言うのに30分くらいかかったけど。
「…今まで世話になったな、小町」
「もうっ、そんな今生の別れみたいな言い方しないでよー」
「それもそうだな。今までありがとう。これからもよろしくな」
「うんっ!いやーお兄ちゃんと離れるのは寂しいなー」
「ならお前も一緒に暮らすか?」
「真顔で言わないでよおにいちゃん…小町的には嬉しいお誘いだけど、果南さんと仲良くやって!」
「そ、そうか…」
「でも…たまには遊びに行ってもいい?」
「…あぁ。歓迎する。いつでも来い」
「ありがとっ。ほら!果南さん待ってるよ!早く行く!」
「お、おう」
俺はまだ果南のドレス姿は見ていない。正直予想もできない。
どんなのを選んだのだろうか。まぁあいつならなんでも似合いそうだが。
そして結婚式が始まった。俺達の親はもちろん、aqoursのメンバーも当然いる。…なんかすごい緊張してきた。
「続いて新婦の入場です」
俺がシドロモドロしていると、ゆっくりと扉が開き、親父さんと腕を組みながら入場してくる俺の人生のパートナー。
歩く事に親との思い出が蘇っているのか、果南の目には少し涙が溜まっている。
そして、俺の隣へ。
「それでは、新郎新婦前へ」
「八幡、すごくかっこいいよ」
「サンキュ。……か、果南も綺麗だぞ」
「ふふっ、ありがと。もっとスラスラっと言って欲しかったな」
「こういうのはいつまでも慣れないんだよ」
「まぁでも照れたりしてくれてた方が本心で言ってるんだなって分かるから嬉しいけどね」
「どっちだよ」
「……新郎、あなたはいつ何時でも妻を愛しつづけることを誓いますか?」
「はい、誓います」
「新婦、あなたはいつ何時でも夫を愛しつづけることを誓いますか?」
「はいっ、誓いますっ」
「それでは、指輪の交換を」
「…果南、これからもよろしくな」
「うんっ。こちらこそ」
1ヶ月後
「果南!そこに置いてあったダンボールどこいったっけ?」
「確かその辺に無かった?」
「お兄ちゃんっ!!遊びに来たよ!およっ?まだ引越し終わってなかったの?小町も手伝うー!」
俺達の新しい新居。将来のことを考えて二階建ての一軒家を購入した。四十年ローンだ。
「よしっ、これで終わりかな」
「これ絶対明日筋肉痛だわ…」
「じゃあ2人とも!写真撮ろうよ!小町が撮ってあげる!」
「ほんとっ?小町ありがと。ほら八幡!」
「お、おい、腕組むなよ」
「いいじゃん夫婦なんだしっ」
「恥ずかしい…」
「…八幡、私なんかもらってくれてありがとね」
「…果南、俺頑張るから」
「うんっ。私は精一杯支えるね。将来は子供とかも欲しいね」
「まぁいつかは…な」
「お兄ちゃん!果南さん!ほら行くよ!はいチーズっ!」
終わり