ラブガイル!サンシャイン!(完結)   作:リヨ

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9話

事件はある日突然起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「八幡」

「ん?果南か?どうした?」

「今週の日曜日あいてる?」

「まぁ暇だと思うが…」

「な、ならさ…私とで、デートしない?」

「…………は?」

 

 

そして日曜日

「お待たせ!」

「おう」

「そこは今来たところっていうところだと思う」

「嘘ついてもしょうがないだろ。待ったんだから」

「そんなんじゃモテないよ?それに!女の子は準備に時間がかかるの!」

「とりあえず行こうぜ」

「…ね、ねぇ」

「ん?」

「…ふ、服どうかな…?」

果南は珍しくスカートを履いており、実に女の子らしい格好だ。まぁ練習の時か学校しかこいつとは会わないからスカート来てるとしても見る機会ないだけだけど。

「…俺は似合ってなかったらちゃんと似合ってないって言うぞ」

「え?……捻でれ」

「おい待てなんだその言葉」

「ほら行こう!」

「お、おい!」

 

 

「わぁ!お魚いっぱいいるね!」

それにしても何で果南は俺なんか誘ったんだ?こういう事されると勘違いするから困る。まぁ俺はしないけど。果南の事だから単に遊びに来たかっただけだろう。それならダイヤとか誘えばいいのに。

「八幡、次あそこ行こう!」

「あいよ」

 

 

「ペンギンだ!可愛いなぁ」

「知ってるか?ペンギンの名前の由来はラテン語から来てて肥満って意味らしいぞ」

「…なんか一気に可愛くなくなっちゃったよ」

「睨むな」

「そういえば、八幡ってこうやって女の子とデートしたことあるの?」

「なんだよいきなり。ないに決まってるだろ。俺の性格と目を舐めるなよ」

「…じゃあ私が初めてだね」ニコッ

「ッ…別にデートじゃないだろ。遊びに来ただけだ」

「男女2人で遊んでるのをデートっていうと思うんだけど…」

「そんなくだらないこと言ってないで次行くぞ」

「あ、待ってよ!」

全く、この子は…そのへんの男子なら即落ちしてるレベルの笑顔だった。

 

「あ、八幡。そろそろなにか食べない?」

「そうだな。お前の食べたいものでいいぞ」

「じゃあそこのお店にしよっか。パスタあるんだ」

 

「私はナポリタンで」

「俺はカルボナーラで」

「かしこまりました」

「八幡ってさ、意外と周り見てるよね」

「なんだ急に?」

「練習の時とか少しでも異変があったらすぐ気づくじゃん」

「まぁ俺一応マネージャーだからな。お前に何かあってからじゃ遅いし」

「気も遣えるし」

「まぁな。俺は気を使いすぎてクラスのやつらの邪魔をしないように空気になるまである」

「あはは、何それ。…八幡ありがとね」

「…なにが?」

「今日付き合ってくれて」

「そういや何で俺なんだよ?ダイヤとか予定合わなかったのか」

「…さっき八幡は意外と周り見てるよねって言ったよね」

「ん?あぁ」

「…それならどうして今日八幡誘ったのか分かるんじゃない?」

「…たまたまほかの奴らが予定合わなかっただけだろ?」

「……ま、今はそういうことでいいよ。…今日はこの気持ちを確かめたかっただけだからね」ボソッ

「?…で、食べたあとどうする?」

「1時からショーがあるんだ。それ見ようよ」

 

 

 

 

「面白かったね、イルカショー!」

「まぁな。写真も撮ったし」

「…八幡は今日楽しかった?」

「ん?まぁつまらなくはなかったぞ」

「普通に楽しかったって言えばいいのに…」

「俺にそういうの求めるな」

「…八幡、目つぶって?」

「…何でだよ」

「いいから」

「あいよ…」

そして俺は目をつぶった。

 

そして数分たった後、いつまで経っても何も反応がない。

「…おい果南?」

「な、なに?」

「まだか?」

「ちょ、ちょっと待って!」

「早くしろよ…」

 

そしてさらに数分後、まだ果南は何もしてこない。まだ果南いるよね?まさか目開けたらいなくなってて、1人道端で目つぶりながら立ってる不審者になっちゃてたりして。…もう目開けてもいいよな?

「…おい果南何して…」

「…」

俺が目を開けたと同時に、頬に何か柔らかい感触が伝わる。

「お、おま、な、何して…!」

「め、目開けないでって言ったのに!」

「あんな長いこと反応なかったら開けるだろ!」

「…い、今のは今日のお礼だから!決して変な意味じゃないから!」

「お、おう」

「…」

「…わ、私もう帰るね!今日はありがと!また学校で!」

「あ、おい…」

行ってしまった。…俺、さっき頬にキスされたんだよな…俺の勘違いでなければやっぱりあいつは…

「…どうすっかな」

 

 

続く


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