ダンジョンに答えを求めるのは間違っているだろうか   作:§K&N§

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プロローグ「沈んだ太陽の物語」

 ダンジョンに答えを求めるのは間違っているだろうか?

 

 答え、というと少し抽象的だが、要するに、己の思想、望み、その他諸々の疑問をダンジョンを攻略しながら解決していけるのか、という問である。

 

 いささか哲学的で、ダンジョンを攻略する事とどう繋がるのか判りづらいが、そこまで難しい話ではない。

 

 薄暗いダンジョンの中、数多のモンスターと戦い、仲間と共に困難を乗り超えていく。

 

 人が人である以上、一人で生きていくことなど出来はしない。どんなに武力をその手に有しても、どんなに財力を築こうとも、それらはいつか呆気なく崩れ去る。ワシは、それを間近で見続けてきた。

 

 人が本当に必要な力とは、誰かと繋がる事で、補い、助け合うこと、そう……絆の力こそ、人にとって最も必要な力だとワシは思っている。

 

 そこまで判っていて、答えを求めるとはどういう事なのかと問われそうだが、これも難しい話ではない。

 

 一度終わりを迎えたワシ(徳川家康)が、再び自我を保ってこの世界に生まれた。何が起こってそうなったのかは判らないが、何かが起こってワシはここに居る。

 

だからこそ、何のために"徳川家康"がこの世界に生まれたのか、そしてワシは何を成すべきなのか、ワシはその答えが知りたい。

 

 それに気付いてからワシは、仲間とダンジョンに潜り、共に困難を乗り越えることで己を見つめ直そうと考えた。それがきっと、ワシの中では答えを探すこと繋がる。

 

 そう、今はそれで良いと思う。焦る必要など無く、ゆっくり己の答えを見つけ出せれば良い。

 

 そして、今日もワシは、仲間と共にダンジョンへ潜るのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァァァッ!」

 

 闘気を纏った右拳を振り下ろし、眼前に居た3体のヘルハウンドを葬る。更に2体のヘルハウンドがほぼ同時に飛び掛かる。

 

 その動きを見極め、その牙と爪が届く前に間合いを詰める。突如として間合いを詰められた事に驚いた表情を見せるヘルハウンド達は一瞬空中で硬直する。その一瞬だけで、ワシには十分だった。

 

 ワシから見て右側、一瞬早くワシに迫っていたヘルハウンドの喉元へ左拳を突き刺し、吹き飛ばす。更に、返す刀で左側から迫っていたヘルハウンドの横面に左手刀を叩きつける。双方、蛙の潰れたようなうめき声を上げて、砂のように散っていった。

 

 ちらりと辺りを見回すと、ベルがアルミラージの群れを持ち前のスピードで翻弄していた。その横ではヴェルフがベルの討ち漏らしをその両手に持つ大刀で両断、更に後ろでは、リリがその腕のリトル・バリスタから矢を放ち、ベル達の後方支援をしている。

 

 だが、よく見るとヴェルフとリリの表情が微かに歪んでいる。一見、上手く連携出来ているように見えるが、ベルのあれは些か突っ込み過ぎだ。

 

 即座にそう判断し、前方から飛び掛かってきた1体のヘルハウンドの顎をアッパー気味に右拳で打ち上げながら、ワシは口を開く。

 

「ベル! 少しペースが早い! 後ろのヴェルフ、リリとの連携が乱れてきているぞッ! 一度下がって息を落ち着けるんだ!」

 

「分かった!」

 

 ワシの声に反応し、ベルはヴェルフ達の下へ引く。それを見届け、先程顎を跳ね上げたヘルハウンドが砂のように散っていくのを確認し、ワシも3人の下へ引いた。

 

「3人共、焦りは禁物だぞ? ヴェルフもリリも、キツイと思ったら、素直に言って良いんだ。全員で助け合ってこそ、パーティだろう?」

 

「すまねえ、ベル! 家康!」

 

「足を引っ張ってごめんなさい、ベル様、(あに)様……」

 

「そんな……僕こそごめんッ! 兄さん、気付いてくれてありがとう……」

 

 少しキツく言い過ぎたか?

 

 3人共しょぼくれてしまった。

 

 ふむ……

 

「お前達」

 

 3人の瞳がワシに集まる。

 

「今は弱くたって、失敗したって良いじゃないか。命があれば、それで良い。それさえあれば、何度だってやり直せる。一人で強くなる必要なんて無いんだ」

 

 あっ……と3人は何かに気付いたように目を丸める。

 

「一人で駄目なら、手を取り合って、皆で乗り越えよう。それが、絆の力だ!」

 

 ワシの言葉に、3人は生気を取り戻した目で頷く。

 

「さて、じゃあ仕切り直しだな! ベル、どうする?」

 

「……僕が先頭でモンスターを撹乱して意識を引きつける。その間に兄さんとヴェルフは中盤で動きの乱れた敵にとどめを刺して欲しい。リリは状況を見て後方でバックアップをお願い。……どうかな?」

 

「ふむ……ワシはそれでも構わんが、二人はどうだ?」

 

「俺はベルの作戦で構わねぇぜ!」

 

「リリもそれで良いです」

 

 全員の意見がまとまったようだ。大丈夫そうだな。

 

「よし、じゃあ早速始めるとしよう!」

 

 ワシの言葉に、3人は気を引き締めた表情を浮かべる。

 

「来ました!前方30M(メドル)先、アルミラージとヘルハウンドの複合集団です!」

 

 リリの声に反応し、ベルが先陣を切った。

 

「行きます! ファイアボルトッ!」

 

 ベルの魔法がモンスターの先頭に着弾、先頭の数体が灰に変わる。同時に、ベルは双振りのナイフを両手に持ち、モンスター群へ突撃した。モンスター達はベルのスピードに振り回されているようだ。

 

「ヴェルフ、ワシらも行くぞ! リリ、後方は頼んだ!」

 

「おう!」

 

「お任せください!」

 

 二人に声を掛け、ワシもヴェルフを伴いモンスター群に突撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうしてワシは、冒険者として日々ダンジョンで闘い続けている。

 

 己を見つめ直す旅路は、存外悪くない。仲間と共に何かを成すということは、己の成長に繋がる。

 

 何より、仲間達が日々成長していく様子を目の当たりにするのは、ワシ自身も嬉しい。

 

 ただ……己の求める答えはまだ、見つかっていない。




 こんにちは。

 §K&N§と申します。

 今回から、ダンまちと戦国BASARAのクロスオーバーを書いていこうと思っています。

 ベル君、良い主人公ですよね。ただ、原作を読んでいて、彼は導いてくれる人が少ないなぁと感じました。ゼウス様も色々あったにしろ、急に放置プレイですからねぇ……。

 そんなベル君に、家康のような兄貴分が居たら良いなあと思いクロスさせました。

 あと僕、BASARA権現大好きなんですよ。現実の徳川家康も大好きで、単純にファンなんですね。

 家康の魅力を伝えられたらと思います。

 皆様、よろしくお願いします。
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