忍者、大航海します   作:FG30%

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とうとうカイドウと開戦です
だいぶご都合主義ですが、それは相手にカイドウを決めたときから分かりきっていたこと
後悔はしてないです、たぶん……




第18話

 

 

 

白ひげ海賊団との邂逅から二週間経ち、俺たちの生活は以前のものに戻っていた

カイドウから送られてくる海賊も増えたが問題なく順調に潰しているし、海軍の監視も増えたように思える

おそらく白ひげとの接触もバレているだろうな

 

あの宴で俺たちは白ひげと白ひげ海賊団の隊長格と仲良くなり、特に白ひげとマルコに気に入られ勧誘されたが丁重に断った

黒ひげ…、ティーチにはしっかりマーキングをつけといたので、いざとなればすぐに対応できるようになっている

 

 

 

そしてカイドウのことだが、どれほどの戦力を揃えているのかはわからないが、雌雄を決するときはそう遠くないはずだ

それまでにサボたちがどこまで強くなるか……

ルッチやカクでも厳しい戦いになることは分かりきっているし、カリーナやベポたちなんて更に厳しいだろう

 

カイドウは俺が相手をするのは決まりとして、ジャックや他の幹部たちをどうするか考えものだな

俺一人で片付けるのは簡単だが、今後のことを考えると出来ることならサボたちに幹部の相手をしてもらいたい

こんな大物とやりあう機会はそうそうないからな

 

「悩んでるみたいだが、どうしたマダラ?」

 

「ん?ローか。いやな、お前たちにどこまでやってもらおうか考えていた」

 

「…どういうことだ?」

 

「これから相手にするのは四皇の一味だ。もちろん四皇であるカイドウの相手は俺がするが、幹部たちもまた強いことが予想される。はっきり言うが、その実力は現段階ではお前たちより上だろうな」

 

いつの間にか俺とローの会話を聞いていた皆が顔を伏せる

 

「だが、お前たちは俺の仲間で家族だ。そんなお前たちを信じてやらないわけにはいかないだろう。カイドウ以外の相手を任せてもいいな?」

 

そう俺が告げると、サボがガバッと顔を上げて叫ぶ

 

「任せてくれ!マダラさんは四皇になるんだ、俺たちが露払いぐらい出来ないんじゃマダラさんが笑われるしな!」

 

「…格上上等だ。そのぐらい出来なくてアイツの首はとれねぇ」

 

「ふふ、久しぶりの上物だ。血が疼くな」

 

「そうじゃな、今から楽しみじゃわい」

 

「さっさとカイドウをぶっ飛ばして、私と結婚するぞマダラ!」

 

「ペローナちゃん本音が出てるよ」

 

「まぁ私も出来る限りはやるつもりだしね」

 

「俺たちだって船長に鍛えられたんだ!雑魚の相手ぐらいできるさ、なぁ?」

 

「おう!この船に乗ってるなら、そのぐらい出来なくちゃな!」

 

「アイアイ!クマの相手なら任せろ!」

 

「「なんでクマ限定なんだよ!」」

 

「スミマセン……」

 

先ほどまでの鬱蒼とした雰囲気はなく、いつも通りの明るい空気が流れる

厳しい修行をつけてきただけあって精神面はタフだな、これなら大丈夫そうだ

いざとなったら介入するつもりだが、その辺の見極めは必要だろう

 

 

その時までにやれることはやっておこう

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

 

更に一ヶ月余り、ついにその時がきた

場所はカイドウのナワバリ内にある無人島

今から百獣の海賊団との戦争だ

 

感想としては思ったよりも早かったな

結果としてはこちらの思惑通り、カイドウが痺れを切らして向こうからやってきた

見渡す限りの船、船、船、二十はくだらない大船団でのお出ましだ

どれほどの人数が乗っているのかなんて予想がつかない

 

それに比べ俺たちは全員合わせて11人だけ

まぁ、戦力で負けてるとは思わないがな

向こうが数でくるなら、こちらは質で勝負だ

 

さぁ、『サシならこの男』と言われる世界最強の一人、カイドウの登場だ

白ひげの体格に負けないほどの巨体を揺らしながら船から降りてくる

 

「てめぇが最近うちのシマを暴れてるっつうマダラとかいうガキか」

 

「俺からのメッセージを受け取ってくれて良かったよ。このまま来なければこちらから探すハメになったからな」

 

「てめぇ…!四皇である俺を舐めてんのか?お前たちみたいなガキがやってる海賊ごっことは格が違えんだよ!」

 

「舐めてるのはお前だカイドウ。老いぼれてるならその席をさっさと寄越せ」

 

「生意気なガキが…!ジャック!このガキは俺が潰す!他の雑魚はお前が指揮をとって相手をしとけ!」

 

「了解した船長」

 

「ジャック一人だと?他の幹部はどうしたカイドウ」

 

「おめぇらみたいなガキはジャック一人で十分だ。ルーキー相手に四皇の俺が全戦力を集めるわけがねーだろ!」

 

それは好都合だ

他の幹部たちが出張ってきたら少し面倒だったが、気をつける必要があるのがジャックだけならサボたちだけでなんとかなるだろう

 

「ここまで好き勝手やられといて、未だに俺たちを舐めているとはな。俺はカイドウに集中するが、お前たちでジャックとその他の相手…やれるな?」

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

「「「ああ」」」

 

「「はい!」」

 

俺たちが一気に戦闘態勢に入ると、カイドウたちも同じく戦闘態勢になる

 

「行け!”ギフターズ”!」

 

なに?

ギフターズってたしか人造悪魔の実の能力者じゃなかったか?

すでにSMILEの製造が始まっていたのか……

ローとの約束もあるしドフラミンゴも早々に潰さないといけないな

 

そんなことを考えているとジャックの命令で百人以上のギフターズが襲いかかってくる

それにしてもこの数は鬱陶しいな……少し数を削るとするか

 

バタバタバタッ

 

半分以上のギフターズが白目を剥いて気絶する

 

「てめぇ…覇王色の覇気の使い手か…っ!」

 

「これで少しは楽になるだろう。注意すべきはジャックだが、他の奴らにも油断するなよ」

 

さてと、俺もカイドウとやりあうとするか

このままだと周りへの被害が大きいので、マーキング済みの近くの無人島に飛ぶとしよう

瞬神の術でカイドウに接近し、そのまま肩に手を置く

 

「悪いがカイドウ、俺に付き合ってもらうぞ」

 

 

 

ーーーーー

 

〜ペローナ視点〜

 

 

 

予定通りマダラがカイドウを連れて他の無人島に飛んだので、ここからは乱戦になるはずだ

私の役目はその他大勢の掃除だ

 

正直に言えば雑魚の相手なんて気にくわないが、私の能力的に多対一は相性がいいので今回は我慢だ

おいしい所はサボたちに譲ってやる

 

(くそっ!マダラとの結婚がなきゃ割に合わねー!)

 

「ホロホロホロ、行け!”ネガティヴホロウ”!」

 

私のネガティヴホロウを喰らった奴らが地面に手と膝をつく

 

「生まれかわるなら貝になりたい……」

 

「こんな俺でごめんなさい……」

 

まだまだ私のターンだ

 

「”ミニホロ ゴースト・ラップ カーニバル”!」

 

私が生み出した小さなホロウが落ち込んでいる奴らに纏わりつく

それを確認した私が指をパチンッ、と鳴らすと

 

ドパパパパパンッ!

 

ギャアアアアアアア

 

ミニホロが爆発した衝撃で敵が吹き飛んでいく

 

「ホーロホロホロ!死にたい奴はかかってきな!」

 

 

 

ーーーーー

 

〜カリーナ視点〜

 

 

 

私はこの海賊団で一番の新参者だ

元は海賊専門の泥棒をやっていたのに、なんでこんなとんでもない戦場に出なきゃならないなんて

 

(なんもかんも全部マダラに出会ったせいで!)

 

マダラに対して憤る気持ちもあるが、この暁の海賊団は存外居心地がよく気に入っている私もいる

だからこの戦いは私の意思で参加している

実際にマダラに今回の戦いに参加するのをやめるか聞かれたが、私の仲間が…家族が戦うのに私だけ隠れてるわけにはいかない

そのためにも弱い私でも戦えるように、マダラから秘策とも言えるアレももらったわけだし

 

(下っ端相手ぐらいはやってやる!)

 

「へへ、残念だったなネーちゃん。カイドウ様に喧嘩売ったからにはお前たちはもうおしまいだ。どうしてもって言うなら俺たちが話を通してやってもいいが」

 

私の体をジロジロ見ながら気味の悪い男たちが近寄ってくる

 

「あらそう?でも私、弱いところに所属するつもりはないの。だからマダラのところで充分だわ」

 

「なに…!」

 

「貴方たちはもう私の虜。生き物である限りこれに逆らうことはできないわ。”魅惑のフェロモン”!」

 

フェロモンに当てられた男たちが私に魅了され、目をハートにしている

 

悪魔の実 超人系”フェロフェロの実”

あらゆるフェロモンを自在に操ることができるフェロモン人間

それが今の私で、マダラにもらった秘策だ

今はまだ、この魅惑のフェロモンしか使えないが他にも色々と使えそうだ

 

「さぁかかってきなさい!みんな私の虜にしてあげるわ!」

 

 

 

ーーーーー

 

〜コアラ視点〜

 

 

 

「ペローナちゃんもカリーナちゃんも派手だなー」

 

私も負けてられない

私はこの暁の海賊団でマダラさんと一番付き合いが長く、マダラさんの役にたちたくて修行も一番やってきた

 

マダラさんに出会わなかったら私はずっと奴隷のままだったと思う

泣くことも笑うこともなく、死ぬまでこき使われて私の人生は終わっていただろう

 

マダラさんに助けてもらって私の人生は180度変わった

おいしい食事を与えてもらい、綺麗な服を買ってもらい、温かいベットで眠る

そんな当たり前の日常を私にくれたマダラさんに感謝してもしきれない

 

だから私やサボくんとかの世話をずっと優先してくれていたマダラさんの目標を聞いたとき私は嬉しくなった

やっとマダラさんに少しでも恩を返せるのだから

相手が四皇の一味だろうが関係ない、私はマダラさんの敵を倒すだけ

 

能力を使い、額から電気を帯びた白い角が生える

そしてマダラさんにもらった二対で一つの刀”雷刀・牙”を構える

マダラさん曰くこの刀は電気と相性が良く、実際に電気を纏わせてみると切れ味が良くなる

 

このままだとペローナちゃんやカリーナちゃんに全部持っていかれちゃうので、私もそろそろ始めよう

 

「暁の海賊団コアラ、行きます!」

 

 

 

ーーーーー

 

〜カク視点〜

 

 

 

「改めてこの刀はいいのう」

 

相手の下っ端を斬りつけながら手に持つ刀を見る

マダラに渡された”首切り包丁”は身の丈より大きな刀で、折れたり刃こぼれしても血中の鉄分で再生するらしい

マダラ本人も規格外なら、そのマダラが出す刀も規格外だのう

 

それにマダラにもらって食った悪魔の実も当たりじゃったし、ワシはついてるとしか思えんわい

 

悪魔の実 超人系”ミツミツの実”

触れたものや自分の密度を変える密度人間

自分の密度、と言うより存在感の密度じゃな

自分の存在感の密度を増せば人から注目されやすくなるし、逆に存在感を希薄にすれば敵に見つかりにくくなる

 

現にワシは敵に気づかれることなく切り続けておる

この能力のすごいところは、人の目の前で能力を使ってもワシを見失うところじゃな

あのマダラでさえ気を抜けば見失うのじゃから、本当にすごい能力じゃな

この能力のお陰でだいぶ楽に戦闘ができるようになったわい

 

おっと、ぼやぼやしてるとルッチやサボに置いていかれそうじゃ

ワシもスピードを上げようかのう

 

 

 

ーーーーー

 

〜ルッチ視点〜

 

 

 

血の匂いがたちこめる戦場はやっぱり良いものだ

普段はマダラがうるさいから余計な殺しができないからな

マダラがいないうちに、さっさとやらせてもらおう

 

「指銃”撥”」

 

グアァァァァ

 

飛ぶ指銃で雑魚どもが倒れていく

本当ならさっさとあのジャックとかいうデカブツを殺しに行きたいところだが、いかんせん雑魚が多すぎる

マダラがなるべくフォローしろというからしょうがなく雑魚を減らす

 

この俺に命令なんてすることができるのは、海広しと言えどあの男だけだろう

マダラは世界政府にスパイしていた俺から見ても化け物だ

まだ全力を見たことはないが、それでもあの男に勝てる気がしない

 

マダラなら確実にカイドウの首を獲ってくるだろう

それならジャックの首を獲るのは俺だ、あんな上物を逃す理由はない

……急ぐために能力を使うか

 

「死にたいやつは前に出ろ。全員殺してやる」

 

 

 

ーーーーー

 

〜サボ視点〜

 

 

 

「”竜の息吹”!」

 

俺が立っているところを中心に周りの地面が粉々になる

竜の息吹はマダラさんにもらったヒントから編み出した技で、今回のように敵が多い場合に有効な技だ

 

そして少し面倒だが倒れた敵の首に噛み付いていく

この行為は吸血ではなく、逆に俺の血を少し注入している

これは俺の能力の一つで、敵の体に自分の血を入れることで敵の体を操ることができる

 

「”マリオネット”」

 

「う、うわー!やめろお前たち⁉︎」

 

「こ、こいつら意識ないのになんで動いてんだ⁉︎」

 

俺に噛まれた連中は意識がないものの敵同士で戦い始める

今は操れる数が少ないが、訓練次第で数は増えるだろうとマダラさんは言っていた

 

記憶を失った俺を拾ってくれたマダラさん

なにもなかった俺の家族になってくれ、生きる術を叩き込んでくれた恩人だ

この日のために修行してきたんだ、マダラさんに恩返しするために

 

マダラさんは今、四皇になるためにカイドウと一騎打ちをしている

なら副船長の俺がやることはただ一つ

カイドウの海賊団の幹部であるジャックを倒すこと!

 

「ジャックを倒すのはこの俺だ!道を開けろ!」

 

 

 

ーーーーー

 

〜ロー視点〜

 

 

 

「くそっ、サボのヤロー」

 

味方のことも考えずに張り切りやがって、足場を簡単に崩すんじゃねぇよ

他のやつはいいが、カリーナやベポたち三人が大変そうじゃねーか

しょうがねぇ……

 

「”ROOM”!」

 

能力を使いサークルが出てくる

 

「”シャンブルズ”!」

 

一瞬でカリーナが足場が固まっている場所に移る

 

「え、え?あ、ローの能力ね。ありがとー!」

 

少し離れた場所からカリーナが手を振ってくるが、恥ずかしいからやめろ

それに今は戦闘中だ、目の前に集中しやがれ

 

「なーによー、すかしちゃって」

 

「それより俺たちは無視っすか⁉︎」

 

「できれば俺たちも移して欲しいんすけど⁉︎」

 

「アイアイ⁉︎」

 

シャチたちは文句言う余裕があるから大丈夫だな

 

それよりもジャックだ

やつはまだ動いてないが、マダラが忠告するぐらいなのだから強敵なのだろう

 

サボだけじゃなくルッチやカクも、ジャックの首を狙って動き始めている

遅れをとるわけにはいかねぇ

俺もジャックへ向かって走り出す

 

「アイツを殺す練習台になってもらう。覚悟しやがれジャック」

 

 

 

 







長くなったので二つに分けることにしました
ジャックとカイドウとの戦いは次回になります
残りの”災害”が出てこないことは勘弁して下さい……



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