捻くれた俺の彼女は超絶美少女   作:狼々

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どうも、狼々です!

お待たせ、皆!
いやはや、前回から一ヶ月以上経って、もう「あけました」おめでとうだね(*´ω`*)

テスト勉強で忙しい()
いや、先週末が三連休だから、書こうと思ったのよ。
そしたら……イ ン フ ル エ ン ザ !
泣きたいね(´;ω;`) 泣いちゃったね。

さすがにここで出さないのもアレなので、インフルのまま書きました()
誤字脱字、内容が光らないのは全てインフルのせいです。最初からではありません(*ノω・*)テヘ

余談ですが、今更ながら気付きました。
「小鳥遊 おとは」という名前で、既存のキャラクターがいるんですね(白目)
いや事前にちゃんと調べとけよ(´・ω・`)

では、本編どうぞ!


第40話 臆病者は、最後まで受動側である

 人は過ちを犯し、それを繰り返す生き物だ。

 それが例え、同じ種類だとしても、違う種類だとしても。

 

 人生最大の失敗、というものは誰にでも等しく訪れ、また猛省する。

 私はまだ二十もいかない歳であり、「人生最大の失敗」と名付けるには早すぎる。

 

 しかし、こうであれば確実に言える。

 経験した人生至上、最大の失敗であると。

 

「なんで、私はあんなことを……」

「おお、戻ったか。(みだ)らからの帰還」

「誰が淫らだ!」

 

 本当に、どうして……。

 どれだけ後悔しようと、羞恥しようと、反省しようと。

 過去の罪科(つみとが)は消えるはずもない。

 それで周知の事実が消えるのなら、どれほどの人間が救われることだろうか。

 

 もし消失するのだとしたら、私もその数多くいる救われる人間の一人なわけで。

 

「あー!」

「叫ぶほどでもないだろ。ここら辺、人があんまいなくてよかったな」

「叫びたくもなるよ!」

 

 ここが私の部屋だったら、ベッドにダイブしていたところだ。

 恥ずかしさを隠すために意味もなく、毛布や枕を体に巻いたり、抱き締めたりしていたことだろう。

 

「よし、どうやら叫びたいらしいからジェットコースター行くか」

「えっ、ちょっ――」

 

 強めに手を引かれ、そのままに流される私。

 茜色に揺れる陽の光を受けた彼の無邪気な横顔は、私の目を釘付けにするには十分すぎた。

 普段あまり騒ぎ立てない彼が、珍しく楽しそうに小走りしている。

 少年らしさを纏った無邪気さは、どうにも可愛らしい。

 

 私も、そんな姿を見てから心がキュッと軽く締められた。

 

 

 ……行き先がジェットコースターじゃなかったら、もっとよかったのだが。

 

 ―*―*―*―*―*―*―

 

 人間が恐怖に煽られたときに抱く感情は、二種類の感情に分かれる。

 一つは、死に対する純粋な恐怖。

 一つは、適度なスリルに対する快感に近しい恐怖。

 

 ここがまた人のおかしなところで、二つの線引は非常に曖昧かつ自由だ。

 感性は人それぞれで、同じ恐怖体験でも先ととるか後ととるか、差は必ず存在する。

 二つはかなり類似しているのだが、全くもってわからない。

 

 一例としては、この今乗っているジェットコースター。

 レールが敷かれただけで、オープンカーとなんら変わりないこれ。

 そんな疑似オープンカーが、時速100km前後で走り抜ける。聞いただけでもおぞましい。

 現に事故も起きているわけなので、必ずしも絶対に安全とは口が裂けても言えないはずだ。

 

 整備されているから大丈夫、点検入るから大丈夫。

 そんなちゃんちゃら頭おかしいことを言うヤツの気が知れない。

 

 安全が確認・実証されたものだけが、アトラクションに置かれる。それは否定しない。

 が、もう一度。現に事故は起きている。

 どれだけ安全が保障されていたとしても、万一は起きてしまう。

 

「なぁ」

「ど、どうしたのさ」

「そういえば俺、あんまジェットコースター好きじゃないんだが」

「ねぇ、何でそんなこと言っちゃうの? 乗らなくてよかったじゃん、ねぇ」

 

 着々とジェットコースターが最高点へ登る最中、隣に座る音葉に体を揺らされていた。

 ただでさえ揺れながら登るというのに、さらなる揺れが襲ってくる。

 

 というか涙目になって可愛いな。

 音葉の抗議を聞いて、自分もどうして乗ることになったのかわからなくなってきた。

 いや……これ、本当に乗らなくてよかったんじゃないか?

 

「ほら、バーに掴まっとけ。もうすぐ落ちる」

「あ~……降りたい」

 

 彼女は願望を一言だけ口にしてから、コースターは落下へと突入。

 一瞬の浮遊感に見舞われた後、下に引かれる強重力。

 せめて死なないことを祈りながら、風に全身を打ち付けた。

 

 

 

「……死ぬかと思った」

「悪いって、そこまで怖がると思ってなかったんだよ」

 

 コースを一周して、出口を通った俺達。

 音葉の顔色が、いつになく悪い。

 病人の一歩手前、といったところだろうか。

 

 それにしても、隣からの悲鳴は全然聞こえてこなかった。

 人間、本当に怖いときは声を出せないらしい。

 ……それほどだったのか。

 

 ふとコース全体を眺めた。

 そこまで距離が長いわけでもなく、落下角度も大きくはない。

 至って普通のコースだ。

 

「次、どこ行く?」

「ご、ごめん。少し休んでいい?」

 

 ――どうやら、想像以上に彼女には高難易度だったらしく。

 

 

 三十分かそこら経ってから、動き始めることに。

 辺りは夜の顔色を徐々に見せ始め、月でさえも明かりを取り戻していた。

 

「もうそろそろ出た方がいいかもな。閉園まで時間はあるが、冬だから陽が落ちるのが早い」

「ん~、全部回るのは到底無理だったかな」

 

 例え閉園時間まで余裕はあるといえど、六時前でこの暗さ。

 あと一時間もすれば、街灯が目立ち始める頃だ。

 

 例え今が冬でなくても、全制覇の見込みは殆どないだろう。

 

「えっと、観覧車だったか?」

「うん、ありがと。それで最後にしよっか」

「そうだな」

 

 来た道を引き返して、観覧車へ。

 きらびやかなイルミネーションが浮かびながら、ゴンドラが来るのを待つ。

 

 やがて赤のカプセルが目前へやってきた。

 それに足を踏み入れ、扉は閉まる。

 

 夜の景色は、夕方のそれとは全くの別物だった。

 遠くの家々から漏れ出す光と、遊園地全体に拡散する流れ星。

 地平線の向こうは、それらを一緒くたにして滲ませる。

 

「ねぇ、誠君」

「なんだよ、音葉……さん」

「あ~、臆病なの!」

 

 いざ実際に本人の前で呼ぶとなると緊張がだね。

 心の中ならいくらだって言えるが、口にするとなると話は別だ。

 

 されど、手を繋いだままゴンドラは静かに揺れる。

 彼方の平行線も、(まばゆ)い蛍光を集わせ、不確かに煌めいていた。

 

「……綺麗だな」

「そうだね」

 

 ここで、景色だけじゃなくて――と言える度胸があれば、どれだけ良かっただろうか。

 洒落た冗談も、花のある言葉も、何一つ贈ることができないのが、少々残念だ。

 

 繋いだ手をほどいて、肩を抱く。

 自然と距離は縮まって、互いの体温は交差した。

 

「……どうしたの?」

「そっちこそどうした、急に」

「いや、なんとなく」

 

 中身のない会話、というものは短絡的だ。

 無という結末に直帰する、至極面白味のない解答。

 

 まあ、たまにはそういうのも、悪くないか。

 伝えられた体温を味わっていると、時間の感覚を忘れる。

 あと十秒と少しほどで、ゴンドラは一周してしまうだろう。

 

 俺達は、何かに引かれた。

 不可視の糸で吊り下げられた、マリオネットのように。

 急ぎ慌て――唇を交わす。

 

 忘れていた、のだろうか。

 二人共が意識から手放していた、無言の約束。

 酔いから覚めた俺達が次に現実を受け止めたのは、ゴンドラの扉が開いた時だった。

 

「……帰ろうか」

「……そうだな」

 

 短い言葉だけを交わして、歩く。

 手首のパスをちぎって捨て、ゲートを潜ろうとしたとき。

 

「あ、ちょっと待った!」

 

 彼女が突然声を上げて、俺を引き止めた。

 俺が言葉を返す間もなく、彼女の方へと引かれる。

 

 彼女が取り出したのは――スマートフォン。

 こちら側にカメラを向けて、シャッター音。

 

「ん~、ちょっと微妙かも」

「ほれ、見せてみ」

 

 見ると、言葉通りだった。

 ブレこそないものの、夜であるために、写りがあまり良くない。

 

「ま、ないよりいっか」

「済んだなら帰るぞ。これから冷える」

 

 俺達が見ているのは、夜の始まりだ。

 本格的な夜は、ここから訪れる。

 

 音葉の返事を待つより先に、足を動かした。

 後をついてきた彼女と二人で、駅まで歩く。

 ――勿論、手を繋ぎながら。

 

 

 

 着いた駅は、それなりに人が多かった。

 少なくとも、来た時よりは断然多いだろう。

 

 数分だけ待って、電車がやってきた。

 さすがに恥ずかしいのか、人前では俺も音葉も手を繋ごうとはしなかったのが残念。

 臆病と罵られた記憶もあったが、人のことは言えるのだろうか、と小一時間問い詰めたいところだ。

 

 扉が開いて、降車客が降り終わるのを待ってから乗る。

 当然、一般の席は一つも空いていないわけで。

 

 少し見渡すが、空いた席は優先席に一人分。

 俺自身、優先席に座る気はない。優先される人物ではないのだから。

 

 そもそも、海外には優先席はないらしい。

 というのも、乗客全員に優先の心が備わっている、いわゆる譲り合いの精神があるから、とのこと。

 

 優先席、聞こえはいい。

 だが逆に考えると、それを設ける必要がある程、譲り合いの精神が足りていないというわけだ。

 全く、聞くのはおろか、考えるだけでも呆れてくる。

 

 一応、隣の彼女にも目線を送った。

 察したのか、首を横に振って、俺の隣を保って立つ。

 

 すると、何を迷ったのか、挙動がおかしくなった。

 俺ではなく、彼女が。

 何を決めたのかは知らないが、耳元で囁かれた。

 迷うくらいなら、普通に話せばいいのに、と思った瞬間。

 

「……私達がおじいちゃんおばあちゃんになったら、一緒に座ろうね」

 

 ――正直、やられた。

 心臓のドキドキが止まらない。

 油断していた。

 

 まさか、こんなことを言われるとは思っていなかった。

 さらには、頬を赤らめながら、はにかまれる。

 魔のコンボ、と名付けてもいいのではないだろうか。

 

「そう、だな。いつか、な」

 

 対する俺のそっぽを向いた返事といったら、言葉も出ない。

 拙すぎて、自分で少しだけ笑ってしまった。

 

 この笑いは、自分の対応の拙さに対してだろうか。

 

 ――それとも、理想の将来の想像をして、だろうか。

 いずれにせよ、音葉にしてやられたのは間違いあるまい。

 

 

 

 電車から降りる頃には、夜も本当の顔を出し始めた。

 少し早めに帰っておいて正解だっただろうか。

 

 同じマンションの隣、というのは案外便利なものだ。

 彼女を送るのと、自分の帰宅が同時進行できるのだから。

 

 ものの十分で、マンションまで着いてしまった。

 電車を降りてからはあっという間だった。

 それを「あっという間」と言うのだから、エレベーターが上がる間は言うまでもない。

 

 八階のランプが着いてから、正確に扉は口を開けた。

 

「じゃ、またな。部屋にいても冷えるのは冷えるから、体調崩さないようにな」

 

 それだけ言ってから、自分の部屋へと向かう。

 別れが惜しいが、惜しむ前にさっと別れてしまおう。

 そう思った。

 

 ――同時に、その魂胆が、ひどく覆された瞬間でもあった。

 強く、手ではなく袖を引かれた。

 

 反射的に振り返ると、彼女は俯いている。

 表情はおろか、顔色さえわからない。

 が、きめ細やかな夜に綺麗に溶け込む黒髪から覗く耳は、今までにないくらい赤かった。

 

 外の気温は、既に一桁を切っているだろう。

 耳当てがあるわけでもないので、赤くもなる。

 だが、こんなに赤くはならないはずだ。

 

 だとしたら、この赤は紛れもなく羞恥の――

 

「今日は……帰りたく、ない」

 

 ……マジで?




ありがとうございました!

さて、早速ですが宣伝。
最近、私の処女作、「東方魂恋録」の二期を投稿し始めました!
そして、私自身も書き始めて一周年、さらには被お気に入りユーザー100人も突破!(≧∇≦)/

いいことだらけだね、記念いっぱい!
二期の作品のタイトルは、「東方魂恋録 Second Existed」!
序数詞が主語やってる時点でお察しだけども、固有名詞扱いってことで勘弁して(´;ω;`)

というのも、色々な「二番目」が登場します。固有名詞だね(暗示)
一期の設定をそのまま受け継いでいますが、一期見てないけど、二期からでも見れるようにはしていきます。
見てない、という方、ぜひこの機会にどうぞ!

インフルだけど、宣伝はバッチリしていくスタイル(´・ω・`)
今回、投稿が遅くなってしまい、本当に申し訳なかったです!

ではでは!
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