捻くれた俺の彼女は超絶美少女   作:狼々

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どうも、狼々です!

ついに二ヶ月の間が空きました。
今までなんだかんだで一ヶ月とかで済みましたが、二ヶ月空きました(白目)
テスト勉強が終わったら次のテスト勉強しましょうとか、アホらしいな。

ちょっと長くしたから許してね(*ノω・*)テヘ
でもホントにちょっとだから。

このままだと、もう四章で最終章ってことでいいかなって感じ。
予定では、これでクリスマス話は終わり。
あとクラスマッチと、夏祭りの二つをピックアップで上げます。
ということで、最短二話でこの作品は完結です。
予め言ってあったと思いますが、特にパッとした終わり方なわけでもないですからね。

では、本編どうぞ!



第41話 好きな人

「え、えっと……じゃ、じゃあ、俺の部屋……泊まるか?」

 

彼女は、俯いたまま控えめに頷いた。

 

「色々と準備、してくるから……」

 

音葉はそのすぐ後に、逃げるようにして自分の部屋へと入っていった。

 

帰りたくない、という言葉とのちょっとした矛盾に、少し笑ってしまった。

泊まりたいなら、はっきりと言ってくれればいいのだが。

直接告げるのは恥ずかしい、という気持ちもわかるので、なんとも言えないのも事実。

 

自分の彼女が泊まる、というのは――そういうこと、なのだろうか。

しかし、まさかこんなことになるとは、想定していなかった。

いつかするのかとか、どんな感じなのか、期待したこともあった。

が、いざとなると、緊張でどうするべきかわからなくなる。

 

「……取り敢えず、一応ゴムだけ買っとくか」

 

買っておくだけ買えばいい。

しないならしないで、使わなければいいだけのこと。

 

呟いてから、音葉の部屋のドアが開いた。

考えていたことがことなだけに、心臓が跳ねる。

 

「私達、夕食、食べてないよね」

「あっ」

 

そう言われれば、夕食がまだだった。

気付いた途端に空腹感が押し寄せる。

 

「私は、コンビニとかでもいいけど」

「まあ俺も、別に構わない」

 

普通と同じように買い物をすると、夜中になってしまう。

そもそも、スーパーが開いているのかどうかも怪しい。

手近に、彼女の提案通り、コンビニで簡単に済ませる方がいいだろう。

 

 

 

という考えで、コンビニに来たものの。

弁当や惣菜を選らんだはいいが、ゴムの方をどうしよう。

 

今からドラッグストアや他のコンビニに行く時間はない。

行けたとしても、怪しまれる。

もしバレたら、期待していると思われるので却下。

 

となると、ここで買うしかないわけだ。

サイズは――Mでいいでしょ、適当に。多分標準だし。

 

かごに入れて、レジに持っていく。

隣の音葉が見つからないか、内心ヒヤヒヤしながら、心臓がバクバク。

なんだろうか、この心境。

どういうことだろうか、この状況。

 

音葉は特に変わった様子もなく、会計を終えた。

レシートを袋の中に入れて、外に出ると、肌寒い冷気を感じる。

大きく溜息を吐きそうになったのもつかの間。

 

「ねえねえ、誠君って何のお弁当にしたの?」

 

俺が持っているレジ袋に、手を伸ばした。

 

「い、いやいや!」

「えっ? ど、どうしたの?」

 

咄嗟に袋を遠ざけたはいいが。

それはまあ、こんなにも怪しまれたら問い詰められるのも無理はない。

 

「あ~、あれだ。えっと、食べる時に見せるから、それまで秘密だ、な?」

「……へぇ」

 

苦し紛れの言い訳が、俺の口から勝手に出てくる。

もう少しマシな言い訳ができなかったのかと、自分自身を叱ってやりたい。

 

「やっぱり外は寒いね。風邪ひかない内に、帰ろっか」

「へっ? あ、あぁ、そうだな」

 

追求されなかったことに、素っ頓狂な声をあげてしまう。

繋いだ手を引かれて、自宅へと。

バレてさえいなければ、もうどうでもいいか。

 

上着越しに感じた寒波が、その時だけ、一層冷たく感じた。

 

 

 

家に帰って、夕食が終わるまでに時間はあまりかからなかった。

調理の必要がないというのは、やはり手軽だ。

たまに利用する分には、便利なことこの上ない。

 

結局、音葉はもう一回自分の部屋に戻ってしまった。

あの後すぐにコンビニへ向かったので、準備はお互いできていない。

 

風呂も早めに入って、部屋着に着替えた。

いつもなら、体が温まると、変に眠くなってしまう。

が、今日はいつもと訳が違う。

 

彼女が家に泊まりにくる、という人生の一大イベント。

これで一生に一度かもしれないのだ。そうならないように願いたいが。

眠気の一つすら襲ってくるはずもない。

 

ゴムも、一つ練習で使った。

というか、使い方が全くわからない。

学校の性教育どうなってんだよ、本当に。

 

確かに性関連で恥ずかしいことではある。

だが、いざこういう時が訪れると、真剣に困ってしまう。

現に俺が、ネットで使い方を確認しながら、四苦八苦していた。

付けにくいのなんの。

 

リビングで溜息を吐いた直後、突然にインターホンが鳴って、心臓が跳ねた。

こうも心臓に悪いことが続くと、精神的に疲れてくる。

 

ゴムの箱を急いで隠し、鍵を開けて、彼女を中に入れる。

ピンク色のふわふわもこもことした、女の子のパジャマのイメージそのままの姿だ。

 

「お風呂も入ってきちゃった。お邪魔しま~す」

「お~、女の子らしいというか、普通に可愛い」

「なに、その『普通に』って。ふふっ、ありがと」

「ああ。ホットココアとホットミルク、どっちがいい?」

「――えっ!? あ……じゃあ、ココアで。ありがと」

 

リビングに音葉を座らせて、キッチンにココアを注ぎにいった。

ものの数分ほどでできあがり、彼女の元へ持っていった。

 

息でココアを冷ましながら、彼女は尋ねる。

 

「誠君、ココア飲むんだね。ちょっと意外」

「ああ。パンを食べる時とかは一番合うと思うし、寝る前にもたまに飲む」

「……そうなんだ」

 

彼女はそれだけ言って、ココアを飲んでいく。

俺も音葉の隣に座って飲むが、どうにも様子がおかしい。

いつもなら笑顔で飲むのだろうが、今はどこか上の空だ。

 

そのまま無言の時間が五分ほど続き、ココアだけがなくなる。

ごちそうさま、と静かに呟いた彼女は、黙ってコップを洗い始める。

 

「そこに置いとけ。一緒に洗うから」

「大丈夫。誠君のも洗うから、置いといて」

「あ、あぁ。悪いな」

 

彼女は同じく、黙々と引き受けた洗い物をしている。

今日の遊園地での具合と、天と地ほどの差がある。

 

「なあ、どうしたんだ?」

 

たまらず、聞いてしまった。

この気分の変わり様は、何もないはずがない。

夜の短い時間で、何があったというのだろうか。

 

「なんでもないよ。それで、誠君はこの後、何かすることあるの?」

「えっ? いや、ないけど――」

「……じゃあ、少し早いけど、一緒に寝よっか」

 

洗い物を終えた彼女が、俺の手を優しく引く。

ベッドに着いてから、何となく気が付いた。

 

優しいのではなく、寂しく引いている、と。

力なく、何かにすがるように手を引いていたのだと。

 

彼女に抱かれながら、オレンジ色の電気が点いた部屋のベッドへ倒れ込む。

微笑む顔は、やはりどこか悲しげな雰囲気を纏っていた。

 

「こういうの、普通俺の方から誘うべきだと思うんだがな」

「ねえ。私のこと、好き?」

 

唐突に、前降りもなく尋ねられた。

俺の言葉を、遮ってまでも。

 

「今日言ったばっかだろ。好きだよ、好きに決まってる」

「……()()()?」

 

どうして、だろうか。

つい数時間前は、俺が告白する度に頬を緩ませていたような彼女は。

自信がなく、多少疑念が入った質問をしている理由。

 

「おい。ホント、何があった。俺に非があるなら、謝るよ」

「そうじゃなくて……その、言いにくいんだけど、これ……」

 

そう言って、彼女がポケットから、気まずそうに出したのは。

 

確かに隠したはずの、ゴムの箱だった。

しかも、箱が揺れた時の音からして、中もそのまま入っている。

 

――はい?

 

「ちょ、ちょっ、おまっ、それっ!」

「ご、ごめんなさいっ! 探すつもりじゃなかったんだけど、リビングで見つけちゃって……」

 

隠すのが甘かったか?

確かに、音葉がインターホンを鳴らして、慌てて隠した。

思いの外、目に付きやすい場所だったらしい。

 

「箱が開いてたから、誠君がキッチンにいる時に、もしかしたらって思って数を数えたら……一つ、なくなってて……」

 

そこまで言って、音葉の表情は今にも泣きそうな少女のようなそれになっていた。

耐えられない、と言わんばかりに、俺の服の袖を掴んだ。

涙目のまま、訴えかける。

 

「私って……やっぱり、魅力ないのかな?」

 

俺にだってわかる。

彼女が言いたいのは、浮気、というヤツだろう。

 

勿論と言うべきか、音葉とこういったことはただの一度もしたことがない。

なのに、何故これが俺の部屋に存在し、また使用されているのか。

 

「なるほどな。結局、俺の非だったってことか。お前はひどく悲しい勘違いをしてる」

 

できるだけ優しく、刺激しないように。

一つ一つの言葉選びを、いつも以上に慎重に。

 

「それ、買ったのはさっきコンビニに行った時だ。なくなってたのは、あ~……使い方がわからなかったから、試しに使っただけだ。誰かとそういうことをしたわけじゃない」

 

丁寧に、事実だけを述べる。

嘘なんて吐こうものなら、彼女の信用を失いかねない。

少々恥を伴おうと、正直に言うべきだ。

 

「ごめん。隠さずに言ってればよかったな」

「いや、私も、ごめんなさい。見たら、すごく心配になって……」

 

ほんの僅かに元気が戻った様子の彼女は、頬を緩ませた。

安心したのだろうか、笑みに余裕が見える。

微笑んだままで、音葉は呟く。

 

「本当に、よかった」

 

彼女は俺の頬へ手を添えた。

最低限の光が音葉の顔を照らす。

改めて顔を正面で捉えると、その美貌が恐ろしい。

 

可愛さと美しさを両立させた、一人の少女。

そんな女の子が、自分のベッドの上で座っている。

何の意識もせずに、俺は彼女に抱きついていた。

彼女が力を入れているはずもなく、自然と押し倒した形になった。

 

手に届く範囲に、音葉がいる。

それだけで、押し倒すだけの理由は十分だった。

 

「……ごめん。こんなタイミングで言うのもあれだが、すっげえ可愛い。綺麗だよ」

「わ~、それって照れ隠し?」

「いや、あれだ。その……もう寝よう」

「ふふっ、可愛いなあ。別にいいけど」

 

二人で横になった俺達は、顔を合わせた。

暗い場所でも、可愛さが衰えない。

それどころか、いつもにも増して可愛く見える気がする。

 

「――ねえ、誠」

 

抱き締められ、耳元で囁かれた。

背筋が冷えるような、いつもよりも妖艶な声だ。

自然と心臓の鼓動は速くなってしまう。

 

頭と耳の中で、張り付く。

高い声のはずなのに、どこかねっとりとしている。

それは、彼女が下の名前を呼び捨てたことでも察せるだろう。

 

「やっぱりこれ、私のために買ったの?」

 

忘れさせない、忘れたとは言わせない、というように箱を揺らす。

はぐらかした形となったが、結局これを買ったこと自体は問い詰められていない。

心のどこかでほっとしていた自分がいた。

 

「それは、だな……」

「別にいじめるつもりはないよ。ただ、ちゃんとこういうことも考えてくれてるんだなって」

「いざって時に困るからな。買うに越したことはないというかだな。避妊はしないと、俺じゃなくて音葉が一番困るだろ」

 

一番被害を受けるのは、女性側だ。

学生の内に妊娠したら、なおのこと。

責任が取り切れない以上、最初から責任を発生させないことに尽力するに限る。

 

「嬉しいよ。ありがとう」

「ありがとう、っつーか当然っつーか」

「私、いいよ?」

 

抱き締められるというよりも、押しつけられる。

体全体の密着率はさらに高まり、彼女の胸の膨らみは形を大きく変えた。

 

「まだ早いと思う。けど、誠がしたいなら、私……いいよ」

 

そして、彼女の声は――少し、震えがあった。

どう考えても、無理をしている。

 

俺が音葉に覆いかぶさって、彼女をじっと見つめた。

やはり、恐怖が募った彼女の手は小刻みに震えている。

 

「やっぱり、震えてんじゃねえかよ。無理なんかするもんじゃない」

「でも……」

「でもじゃない。このまましたって、互いに気を遣うだけだろ。今日はもう寝よう」

 

横になって、俺と音葉に布団をかけた。

俺だって、するのが嫌なわけではない。

ただ、今しても失敗することは目に見えている。

 

「ごめんね。でも私は……いつか、そういうこともできればなって思ってるよ」

 

そう言って、音葉が俺に正面から抱きついた時だった。

何か驚いたような顔をして、下を向いた。

大体、俺の腰のあたりを。

 

「あ~、その、悪い。嫌だったか」

「い、嫌じゃない! ただその、思ったより、大きくて……」

 

そんな反応をされても、どうすればいいのかわからない。

生理現象を抑えろなど、呼吸するなと言っているようなものだ。

 

「むしろ、私でこうなってくれてるんだって思うと、ちょっと嬉しい」

「なんつーか、できる彼女というか、女神みたいな彼女を持った俺は幸せすぎる」

「ふふっ、言い過ぎだよ」

 

笑顔を見せた後、俺の伸ばした右上に彼女は頭を乗せた。

猫がじゃれつくように、俺の腕に頬ずりを始める。

俗に言う腕枕というやつだ。なんだよ、この可愛い生き物。

 

「なんか、これ落ち着く」

「そうか。じゃ、このまま寝るか」

「腕、きつくない?」

「大丈夫だよ」

 

彼女は俺の腕で小さく、おやすみ、と呟いてから目を閉じた。

目を閉じた彼女というのも、また可憐な雰囲気を感じる。

 

静かに落ち着きを取り戻しつつある心臓に意識が残りながらも、俺も目を閉じた。

 

 

 

 

――ものの、三十分経っても寝付けない。

普段寝付きは悪い方ではないのだが、やはりいつもと状況が違うからだろうか。

隣はというと、寝息とは別の規則的な呼吸が続いていた。

 

「ねえ、誠君。もう寝た?」

 

聞き慣れた音葉の声が、静かに耳に入る。

今の今まで目を閉じていた俺が、問いに答えるために反応するのもおかしな話だ。

少しのからかいや様子見を兼ねて、狸寝入りを決め込んだ。

 

「……寝ちゃったか」

 

呟きが聞こえた後、俺の頭が撫でられた。

男らしくはないが、頭を撫でられる側も案外いい。

心地が良いというか、とても落ち着く。

 

一分もしない内に、彼女の独り言は始まった。

 

「私のこと、好きな人~? は~い」

 

腕枕に使っていない左腕を、布団の中から掴まれ、上げられた。

何が始まったのだろうか、と戸惑う俺をよそに、一人劇は続く。

 

「誠君のこと、好きな人~? は~い!」

 

少しの笑い声と共に、布団が擦れる音が聞こえた。

きっと、彼女が自身の腕を上げたのだろう。

小声ながらも、その言葉には確かな強さと自信があった。

 

――なんなんだ、このピュアな生き物は。

耐えられず、笑い声が出てしまった。

 

「く、くくっ……」

「えっ? あ、あ~! 起きてる!」

「いや、ごめんごめん。でも、ふふっ……」

 

様子見を始めたら、突然に可愛らしい寸劇が始まるのだ。

これが笑わずにいられるだろうか。

 

「……もう知らない」

「ごめんって、悪かったよ」

「知らないもん」

 

ああ、拗ねられてしまった。

背を向かれた音葉を、ゆっくりと引き寄せた。

おやすみ、と言うと、聞こえたのかわからないほどの大きさで、おやすみと返される。

 

小動物を腕の中に包んで、俺は瞼を閉じた。




ありがとうございました!

取り敢えず、避妊はちゃんとしようねっていう話。
責任取れないなら、最初から気を付けろよってね。
個人的に伝えたいことでした。ホントに。

私、シージをやってまして。PS4ですけどね。
FPSなんですけどね、まあ私の周りにやる人が少ないこと。てかいねえ。
読者のフォロワーさんと何度かパーティーでやってるんですけど、私入れて二人なんですよね()
寂しいぜ(´・ω・`)

ではでは!
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