ついに二ヶ月の間が空きました。
今までなんだかんだで一ヶ月とかで済みましたが、二ヶ月空きました(白目)
テスト勉強が終わったら次のテスト勉強しましょうとか、アホらしいな。
ちょっと長くしたから許してね(*ノω・*)テヘ
でもホントにちょっとだから。
このままだと、もう四章で最終章ってことでいいかなって感じ。
予定では、これでクリスマス話は終わり。
あとクラスマッチと、夏祭りの二つをピックアップで上げます。
ということで、最短二話でこの作品は完結です。
予め言ってあったと思いますが、特にパッとした終わり方なわけでもないですからね。
では、本編どうぞ!
「え、えっと……じゃ、じゃあ、俺の部屋……泊まるか?」
彼女は、俯いたまま控えめに頷いた。
「色々と準備、してくるから……」
音葉はそのすぐ後に、逃げるようにして自分の部屋へと入っていった。
帰りたくない、という言葉とのちょっとした矛盾に、少し笑ってしまった。
泊まりたいなら、はっきりと言ってくれればいいのだが。
直接告げるのは恥ずかしい、という気持ちもわかるので、なんとも言えないのも事実。
自分の彼女が泊まる、というのは――そういうこと、なのだろうか。
しかし、まさかこんなことになるとは、想定していなかった。
いつかするのかとか、どんな感じなのか、期待したこともあった。
が、いざとなると、緊張でどうするべきかわからなくなる。
「……取り敢えず、一応ゴムだけ買っとくか」
買っておくだけ買えばいい。
しないならしないで、使わなければいいだけのこと。
呟いてから、音葉の部屋のドアが開いた。
考えていたことがことなだけに、心臓が跳ねる。
「私達、夕食、食べてないよね」
「あっ」
そう言われれば、夕食がまだだった。
気付いた途端に空腹感が押し寄せる。
「私は、コンビニとかでもいいけど」
「まあ俺も、別に構わない」
普通と同じように買い物をすると、夜中になってしまう。
そもそも、スーパーが開いているのかどうかも怪しい。
手近に、彼女の提案通り、コンビニで簡単に済ませる方がいいだろう。
という考えで、コンビニに来たものの。
弁当や惣菜を選らんだはいいが、ゴムの方をどうしよう。
今からドラッグストアや他のコンビニに行く時間はない。
行けたとしても、怪しまれる。
もしバレたら、期待していると思われるので却下。
となると、ここで買うしかないわけだ。
サイズは――Mでいいでしょ、適当に。多分標準だし。
かごに入れて、レジに持っていく。
隣の音葉が見つからないか、内心ヒヤヒヤしながら、心臓がバクバク。
なんだろうか、この心境。
どういうことだろうか、この状況。
音葉は特に変わった様子もなく、会計を終えた。
レシートを袋の中に入れて、外に出ると、肌寒い冷気を感じる。
大きく溜息を吐きそうになったのもつかの間。
「ねえねえ、誠君って何のお弁当にしたの?」
俺が持っているレジ袋に、手を伸ばした。
「い、いやいや!」
「えっ? ど、どうしたの?」
咄嗟に袋を遠ざけたはいいが。
それはまあ、こんなにも怪しまれたら問い詰められるのも無理はない。
「あ~、あれだ。えっと、食べる時に見せるから、それまで秘密だ、な?」
「……へぇ」
苦し紛れの言い訳が、俺の口から勝手に出てくる。
もう少しマシな言い訳ができなかったのかと、自分自身を叱ってやりたい。
「やっぱり外は寒いね。風邪ひかない内に、帰ろっか」
「へっ? あ、あぁ、そうだな」
追求されなかったことに、素っ頓狂な声をあげてしまう。
繋いだ手を引かれて、自宅へと。
バレてさえいなければ、もうどうでもいいか。
上着越しに感じた寒波が、その時だけ、一層冷たく感じた。
家に帰って、夕食が終わるまでに時間はあまりかからなかった。
調理の必要がないというのは、やはり手軽だ。
たまに利用する分には、便利なことこの上ない。
結局、音葉はもう一回自分の部屋に戻ってしまった。
あの後すぐにコンビニへ向かったので、準備はお互いできていない。
風呂も早めに入って、部屋着に着替えた。
いつもなら、体が温まると、変に眠くなってしまう。
が、今日はいつもと訳が違う。
彼女が家に泊まりにくる、という人生の一大イベント。
これで一生に一度かもしれないのだ。そうならないように願いたいが。
眠気の一つすら襲ってくるはずもない。
ゴムも、一つ練習で使った。
というか、使い方が全くわからない。
学校の性教育どうなってんだよ、本当に。
確かに性関連で恥ずかしいことではある。
だが、いざこういう時が訪れると、真剣に困ってしまう。
現に俺が、ネットで使い方を確認しながら、四苦八苦していた。
付けにくいのなんの。
リビングで溜息を吐いた直後、突然にインターホンが鳴って、心臓が跳ねた。
こうも心臓に悪いことが続くと、精神的に疲れてくる。
ゴムの箱を急いで隠し、鍵を開けて、彼女を中に入れる。
ピンク色のふわふわもこもことした、女の子のパジャマのイメージそのままの姿だ。
「お風呂も入ってきちゃった。お邪魔しま~す」
「お~、女の子らしいというか、普通に可愛い」
「なに、その『普通に』って。ふふっ、ありがと」
「ああ。ホットココアとホットミルク、どっちがいい?」
「――えっ!? あ……じゃあ、ココアで。ありがと」
リビングに音葉を座らせて、キッチンにココアを注ぎにいった。
ものの数分ほどでできあがり、彼女の元へ持っていった。
息でココアを冷ましながら、彼女は尋ねる。
「誠君、ココア飲むんだね。ちょっと意外」
「ああ。パンを食べる時とかは一番合うと思うし、寝る前にもたまに飲む」
「……そうなんだ」
彼女はそれだけ言って、ココアを飲んでいく。
俺も音葉の隣に座って飲むが、どうにも様子がおかしい。
いつもなら笑顔で飲むのだろうが、今はどこか上の空だ。
そのまま無言の時間が五分ほど続き、ココアだけがなくなる。
ごちそうさま、と静かに呟いた彼女は、黙ってコップを洗い始める。
「そこに置いとけ。一緒に洗うから」
「大丈夫。誠君のも洗うから、置いといて」
「あ、あぁ。悪いな」
彼女は同じく、黙々と引き受けた洗い物をしている。
今日の遊園地での具合と、天と地ほどの差がある。
「なあ、どうしたんだ?」
たまらず、聞いてしまった。
この気分の変わり様は、何もないはずがない。
夜の短い時間で、何があったというのだろうか。
「なんでもないよ。それで、誠君はこの後、何かすることあるの?」
「えっ? いや、ないけど――」
「……じゃあ、少し早いけど、一緒に寝よっか」
洗い物を終えた彼女が、俺の手を優しく引く。
ベッドに着いてから、何となく気が付いた。
優しいのではなく、寂しく引いている、と。
力なく、何かにすがるように手を引いていたのだと。
彼女に抱かれながら、オレンジ色の電気が点いた部屋のベッドへ倒れ込む。
微笑む顔は、やはりどこか悲しげな雰囲気を纏っていた。
「こういうの、普通俺の方から誘うべきだと思うんだがな」
「ねえ。私のこと、好き?」
唐突に、前降りもなく尋ねられた。
俺の言葉を、遮ってまでも。
「今日言ったばっかだろ。好きだよ、好きに決まってる」
「……
どうして、だろうか。
つい数時間前は、俺が告白する度に頬を緩ませていたような彼女は。
自信がなく、多少疑念が入った質問をしている理由。
「おい。ホント、何があった。俺に非があるなら、謝るよ」
「そうじゃなくて……その、言いにくいんだけど、これ……」
そう言って、彼女がポケットから、気まずそうに出したのは。
確かに隠したはずの、ゴムの箱だった。
しかも、箱が揺れた時の音からして、中もそのまま入っている。
――はい?
「ちょ、ちょっ、おまっ、それっ!」
「ご、ごめんなさいっ! 探すつもりじゃなかったんだけど、リビングで見つけちゃって……」
隠すのが甘かったか?
確かに、音葉がインターホンを鳴らして、慌てて隠した。
思いの外、目に付きやすい場所だったらしい。
「箱が開いてたから、誠君がキッチンにいる時に、もしかしたらって思って数を数えたら……一つ、なくなってて……」
そこまで言って、音葉の表情は今にも泣きそうな少女のようなそれになっていた。
耐えられない、と言わんばかりに、俺の服の袖を掴んだ。
涙目のまま、訴えかける。
「私って……やっぱり、魅力ないのかな?」
俺にだってわかる。
彼女が言いたいのは、浮気、というヤツだろう。
勿論と言うべきか、音葉とこういったことはただの一度もしたことがない。
なのに、何故これが俺の部屋に存在し、また使用されているのか。
「なるほどな。結局、俺の非だったってことか。お前はひどく悲しい勘違いをしてる」
できるだけ優しく、刺激しないように。
一つ一つの言葉選びを、いつも以上に慎重に。
「それ、買ったのはさっきコンビニに行った時だ。なくなってたのは、あ~……使い方がわからなかったから、試しに使っただけだ。誰かとそういうことをしたわけじゃない」
丁寧に、事実だけを述べる。
嘘なんて吐こうものなら、彼女の信用を失いかねない。
少々恥を伴おうと、正直に言うべきだ。
「ごめん。隠さずに言ってればよかったな」
「いや、私も、ごめんなさい。見たら、すごく心配になって……」
ほんの僅かに元気が戻った様子の彼女は、頬を緩ませた。
安心したのだろうか、笑みに余裕が見える。
微笑んだままで、音葉は呟く。
「本当に、よかった」
彼女は俺の頬へ手を添えた。
最低限の光が音葉の顔を照らす。
改めて顔を正面で捉えると、その美貌が恐ろしい。
可愛さと美しさを両立させた、一人の少女。
そんな女の子が、自分のベッドの上で座っている。
何の意識もせずに、俺は彼女に抱きついていた。
彼女が力を入れているはずもなく、自然と押し倒した形になった。
手に届く範囲に、音葉がいる。
それだけで、押し倒すだけの理由は十分だった。
「……ごめん。こんなタイミングで言うのもあれだが、すっげえ可愛い。綺麗だよ」
「わ~、それって照れ隠し?」
「いや、あれだ。その……もう寝よう」
「ふふっ、可愛いなあ。別にいいけど」
二人で横になった俺達は、顔を合わせた。
暗い場所でも、可愛さが衰えない。
それどころか、いつもにも増して可愛く見える気がする。
「――ねえ、誠」
抱き締められ、耳元で囁かれた。
背筋が冷えるような、いつもよりも妖艶な声だ。
自然と心臓の鼓動は速くなってしまう。
頭と耳の中で、張り付く。
高い声のはずなのに、どこかねっとりとしている。
それは、彼女が下の名前を呼び捨てたことでも察せるだろう。
「やっぱりこれ、私のために買ったの?」
忘れさせない、忘れたとは言わせない、というように箱を揺らす。
はぐらかした形となったが、結局これを買ったこと自体は問い詰められていない。
心のどこかでほっとしていた自分がいた。
「それは、だな……」
「別にいじめるつもりはないよ。ただ、ちゃんとこういうことも考えてくれてるんだなって」
「いざって時に困るからな。買うに越したことはないというかだな。避妊はしないと、俺じゃなくて音葉が一番困るだろ」
一番被害を受けるのは、女性側だ。
学生の内に妊娠したら、なおのこと。
責任が取り切れない以上、最初から責任を発生させないことに尽力するに限る。
「嬉しいよ。ありがとう」
「ありがとう、っつーか当然っつーか」
「私、いいよ?」
抱き締められるというよりも、押しつけられる。
体全体の密着率はさらに高まり、彼女の胸の膨らみは形を大きく変えた。
「まだ早いと思う。けど、誠がしたいなら、私……いいよ」
そして、彼女の声は――少し、震えがあった。
どう考えても、無理をしている。
俺が音葉に覆いかぶさって、彼女をじっと見つめた。
やはり、恐怖が募った彼女の手は小刻みに震えている。
「やっぱり、震えてんじゃねえかよ。無理なんかするもんじゃない」
「でも……」
「でもじゃない。このまましたって、互いに気を遣うだけだろ。今日はもう寝よう」
横になって、俺と音葉に布団をかけた。
俺だって、するのが嫌なわけではない。
ただ、今しても失敗することは目に見えている。
「ごめんね。でも私は……いつか、そういうこともできればなって思ってるよ」
そう言って、音葉が俺に正面から抱きついた時だった。
何か驚いたような顔をして、下を向いた。
大体、俺の腰のあたりを。
「あ~、その、悪い。嫌だったか」
「い、嫌じゃない! ただその、思ったより、大きくて……」
そんな反応をされても、どうすればいいのかわからない。
生理現象を抑えろなど、呼吸するなと言っているようなものだ。
「むしろ、私でこうなってくれてるんだって思うと、ちょっと嬉しい」
「なんつーか、できる彼女というか、女神みたいな彼女を持った俺は幸せすぎる」
「ふふっ、言い過ぎだよ」
笑顔を見せた後、俺の伸ばした右上に彼女は頭を乗せた。
猫がじゃれつくように、俺の腕に頬ずりを始める。
俗に言う腕枕というやつだ。なんだよ、この可愛い生き物。
「なんか、これ落ち着く」
「そうか。じゃ、このまま寝るか」
「腕、きつくない?」
「大丈夫だよ」
彼女は俺の腕で小さく、おやすみ、と呟いてから目を閉じた。
目を閉じた彼女というのも、また可憐な雰囲気を感じる。
静かに落ち着きを取り戻しつつある心臓に意識が残りながらも、俺も目を閉じた。
――ものの、三十分経っても寝付けない。
普段寝付きは悪い方ではないのだが、やはりいつもと状況が違うからだろうか。
隣はというと、寝息とは別の規則的な呼吸が続いていた。
「ねえ、誠君。もう寝た?」
聞き慣れた音葉の声が、静かに耳に入る。
今の今まで目を閉じていた俺が、問いに答えるために反応するのもおかしな話だ。
少しのからかいや様子見を兼ねて、狸寝入りを決め込んだ。
「……寝ちゃったか」
呟きが聞こえた後、俺の頭が撫でられた。
男らしくはないが、頭を撫でられる側も案外いい。
心地が良いというか、とても落ち着く。
一分もしない内に、彼女の独り言は始まった。
「私のこと、好きな人~? は~い」
腕枕に使っていない左腕を、布団の中から掴まれ、上げられた。
何が始まったのだろうか、と戸惑う俺をよそに、一人劇は続く。
「誠君のこと、好きな人~? は~い!」
少しの笑い声と共に、布団が擦れる音が聞こえた。
きっと、彼女が自身の腕を上げたのだろう。
小声ながらも、その言葉には確かな強さと自信があった。
――なんなんだ、このピュアな生き物は。
耐えられず、笑い声が出てしまった。
「く、くくっ……」
「えっ? あ、あ~! 起きてる!」
「いや、ごめんごめん。でも、ふふっ……」
様子見を始めたら、突然に可愛らしい寸劇が始まるのだ。
これが笑わずにいられるだろうか。
「……もう知らない」
「ごめんって、悪かったよ」
「知らないもん」
ああ、拗ねられてしまった。
背を向かれた音葉を、ゆっくりと引き寄せた。
おやすみ、と言うと、聞こえたのかわからないほどの大きさで、おやすみと返される。
小動物を腕の中に包んで、俺は瞼を閉じた。
ありがとうございました!
取り敢えず、避妊はちゃんとしようねっていう話。
責任取れないなら、最初から気を付けろよってね。
個人的に伝えたいことでした。ホントに。
私、シージをやってまして。PS4ですけどね。
FPSなんですけどね、まあ私の周りにやる人が少ないこと。てかいねえ。
読者のフォロワーさんと何度かパーティーでやってるんですけど、私入れて二人なんですよね()
寂しいぜ(´・ω・`)
ではでは!