シルバーウィング   作:破壊神クルル

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26話

クラスの雑用係‥もとい、クラス代表を決めるクラス代表決定戦を行うにあたって、クラスメイトから推薦を受けた百秋。

男である彼がクラス代表になる事を好ましく見ない為、自ら立候補したセシリア。

そして、千冬が直々に推薦をして今回の騒動に巻き込まれたイヴ。

 

「生徒からの推薦ならともかく、教師が推薦するなんて聞いた事がありません。職権濫用ではないのですか?変な贔屓は要りません。撤回を要求します」

 

イヴは千冬からの推薦なんて認められないと言う。

 

「此処では私が法だ。それに言った筈だぞ、推薦、立候補した者は、辞退は出来ないと」

 

「そんな規則、校則などありませんが?それともこのクラスだけがIS学園の中から独立した組織なのですか?」

 

「屁理屈を言うな、小娘」

 

「小娘?まぁ、確かに先生の年齢からしたら私は小娘ですが‥‥」

 

イヴがそう言った瞬間、彼女の横を何かが物凄い速さで横切り、教室の後ろに何かが突き刺さった。

 

「‥‥」

 

イヴが後ろを振り返ると教室の壁に出席簿が突き刺さっていた。

 

「‥‥次は当てるぞ‥それに女性に対して年のことを言うとは随分と失礼な奴だな」

 

「ならば、撃ち落します。痛いのは嫌いなので、それに年齢に関しては事実でしょう?いくら世界最強のブリュンヒルデ様も不老不死ではない筈ですよ。それとも織斑先生、貴女はピーターパン症候群なんですか?永遠の十七歳なんですか?」

 

イヴがそこまで言うと再び教室を一筋の風が通る。

 

パシッ

 

そして、風を通るような音と共に何かをキャッチする音がしたと思ったら、イヴの手には出席簿があった。

千冬がイヴに投げたものをイヴはキャッチボールでもするかのようにそれを受け止めていた。

 

(どっからだしたんだ?)

 

後ろの壁には未だに出席簿が突き刺さったままである。

にも関わらず、千冬は何処からか二つ目の出席簿を取り出しイヴへと投げてきた。

 

「これは、お返しします」

 

三度教室内を風が通る。

 

パシッ

 

今度はイヴが千冬に向かって出席簿を投げ返す。

それを千冬は先程のイヴの様に手で受け止める。

イヴと千冬の間で論争が行われている中、クラスメイト達は、何故千冬が直々にイヴを推薦するのかざわついている。

 

「千冬様直々の推薦なんて‥‥」

 

「アインスさんって何者?」

 

「せ、先生、アインスさんって強いんですか?」

 

クラスメイトの一人が千冬にイヴの実力を尋ねる。

セシリアは自らをイギリスの代表候補生と名乗っており、百秋は世界初の男性操縦者と言うことで注目されているが、イヴに関しては何の情報がないので、クラスメイト達はてっきり自分らと同じ一般生徒だと思っていたのだが、

 

「ああ、強いぞ‥何せソイツは専用機を持っているからな」

 

ニヤッと軽々しくイヴが専用機持ちだとクラスに大々的に教える千冬。

まぁ、ISの実習が始まれば、嫌でもわかる事なのだが、なんだか自慢しているようで嫌だ。

あまり注目されたくはないのに千冬が言った事でクラスメイトが一斉に騒ぎ出す。

 

「ええっ!!アインスさんって専用機持ちなの!?」

 

「じゃあ、どこかの代表候補生なの!?」

 

「どんな機体なの!?」

 

「凄い!どこの企業のISなの!?」

 

「見せて見せて!」

 

「ま、まさか、貴女も専用機を持っていたなんて‥‥」

 

(ん?『も』?って事は、入学試験で私以外に専用機を持っていた人ってこの人だったんだ‥‥)

 

実技試験の時、案内をしていた教師が言っていた自分以外の専用機落ちがどんな人なのか気になったイヴであったが、意外と身近に居た。

 

(専用機?なんだ?そりゃ?)

 

(あ、あの出来損ないの分際で専用機持ちだと!?一体何処から専用機を‥‥)

 

クラスメイトが騒いでいる中、専用機の意味を知らない百秋は首を傾げて、専用機の意味を理解している箒はまるで親の仇を見る様にイヴを睨んでいた。

 

「さあ、この話は此処までだ。授業をするぞ!!山田先生、お願いします」

 

「はい。では、教科書の‥‥」

 

千冬は強引にクラス代表の話をしめ括り、授業を行った。

クラスメイトが騒ぐせいでイヴは代表選抜戦から辞退するチャンスを逃してしまった。

山田先生が教科書を開き、黒板にチョークで授業内容を書いている時、千冬は自らの手を見る。

 

(手が‥‥痺れている‥‥あの小娘、いったいどれほどの馬鹿力で投げた‥‥)

 

先程、イヴが投げ返してきた出席簿を受け止めた千冬の手は痺れていた。

腕力に自信のある自分の手を此処まで痺れさすなんて、一体どれほどの剛腕なのかとイヴをチラッと見る。

そのイヴは授業が始まったと言う事で教科書に目をやっている。

しかし、その深層心理の中では‥‥

 

『ハハハハハ‥‥なんか面白い事になっているみたいじゃないか、一夏。あの鼻持ちならないお嬢様に復讐対象の元弟‥狩り甲斐のある獲物じゃないか、なぁ一夏‥‥それにしてもあのブリュンヒルデ様はまた自分の家族を捨てるとはねぇ‥‥まぁ、それもお前が望んだ結果だ‥悪く思うなよ‥‥ククククク‥‥』

 

イヴの中に居る獣はニヤリと口を歪める。

そして凶暴な獣である自分に復讐相手の弟と言う餌を与えた千冬を蔑んだ。

 

そして、放課後‥‥

 

「えっと‥‥1030号室」

 

イヴが寮の自分の部屋が書かれた鍵を手に部屋を探していた。

 

(確か寮は相部屋なんだっけ?流石にあの男とは一緒じゃないと思うんだけど‥‥箒‥とも同じだとストレスが溜まりそう‥‥)

 

異性同士で相部屋なんてことはないだろうと思いつつ部屋を探す。

そして、お目当ての部屋を見つけてノックする。

すると中から「どうぞ」と返事した。

 

(あれ?この声‥‥)

 

中からの返事は聞いた事のある声だった。

イヴが扉を開けると‥‥

 

「お帰りなさい。ご飯にする?お風呂にする?それとも、ワ・タ・シ?」

 

「‥‥」

 

イヴの眼前にはフリルのついたエプロンだけを身に纏った楯無が居た。

彼女はイヴに食事にするか?お風呂に入るか?それとも楯無自身にするか?

を聞いてきた。

 

「‥‥じゃあ‥たっちゃん」

 

イヴは楯無を指さす。

 

「えっ?」

 

「たっちゃんのおっぱい‥‥ちょうだい」

 

楯無はイヴの驚く姿を見たかったのに、イヴはやはり驚くことなく楯無が出した三つの選択肢の中で『楯無』を選択する。

 

「えっ!?ちょっ、イヴちゃん?」

 

(し、しまった!!イヴちゃんにはこういうドッキリは通じなかった‥‥)

 

イヴは後ろ手にドアと鍵を閉める。

楯無は珍しく逃げ腰となるが、そんな彼女の体にイヴの髪の毛がまるで蜘蛛の糸の様に絡みつく。

 

「っ!?い、何時の間に!?」

 

自分の知らぬ間に体はイヴの髪の毛が絡みついていた。

 

「たっちゃん‥‥」

 

イヴが甘える様な声で楯無にすり寄って来る。

 

(ちょっ、イヴちゃん、それは本来お姉さんのポジなのに‥‥)

 

「お風呂が良い?それともベッド?」

 

楯無の耳元で甘く妖艶な声で場所を尋ねるイヴ。

 

「じゃ、じゃあ‥ベッドで‥‥」

 

そんな声を聞かされた楯無は顔を真っ赤にして答える。

 

「うん」

 

楯無をベッドに横たえ、イヴは楯無に抱き付いた。

楯無が身に纏っていたフリルのついたエプロンを捲るとそこからはエメラルドグリーンのビキニの水着が姿を現す。

 

「同じ女の子なのに隠さなくてもいいんじゃない?何度も見ているんだし」

 

「で、でもやっぱり、恥ずかしいのよ」

 

(い、イヴちゃんこういう時はかなり積極的なのね‥もし、男の子だったら私、妊娠しちゃっていたかも‥‥でも、それはそれで‥‥)

 

更識家の離れのお風呂で束とイヴの一件を見てちょっと恥ずかしい行為だと自覚した楯無。

それでも、イヴの為ならばと断れない楯無。

それと同時にもしもイヴが男の子だったらと思うと少し残念な気もした。

子供は好きな人との愛の結晶なのだから‥‥

 

楯無がゆっくりと胸につけていたビキニを取ろうとした時、

 

バキバキ‥‥

 

「うわぁぁぁ!!お、落ち着け箒!!」

 

廊下の外から大きな音と百秋の絶叫が聞こえてきた。

彼の大声のせいで折角の雰囲気が台無しだった。

何事かと思って廊下に出てみて見ると、其処には今の大声を聞いて野次馬が出来ていた。

そして彼の部屋と思われる部屋のドアには木刀が突き刺さっていた。

 

「お友達みたいだね。ボディランゲージで愛情示している」

 

(大方、あの獣が同室の女子に襲い掛かって返り討ちに合ったんじゃないかな)

 

イヴは百秋に冷ややかな視線を送って部屋に戻った。

部屋に戻ると楯無は制服に戻っていた。

完全に雰囲気を壊されたのとお腹もすいたので、楯無とイヴは食堂に行った。

 

「‥‥さっきの続きは後でね」

 

「えっ、ええ、いいわよ。イヴちゃん」

 

食堂に向かう途中、イヴは楯無にそっと耳元で囁いた。

食事が終わり、お風呂にて軽いスキンシップをした後、イヴと楯無は一緒に寝た。

一つのベッドに一緒に横になっている時、

 

「ねぇ、たっちゃん」

 

「ん?なに?イヴちゃん」

 

「今度、クラス代表を決める選抜戦をやる事になったの」

 

「ええ、知っているわ。二年生の方にもその話はきているから‥イヴちゃんも災難だったわね」

 

クラス内の件については流石の生徒会長でも対応は出来ない。

この件については楯無が止める権限もイヴを辞退させる権限も持ち合わせていなかった。

 

「それで、たっちゃんに頼みがあるんだけど‥‥」

 

「何かしら?」

 

「‥‥を用意して欲しいの」

 

「分かったわ。数日中に取り寄せてあげる」

 

「ありがとう‥たっちゃん」

 

楯無に礼を言った後、彼女の温もりを感じながらイヴは眠りについた。

 

 

翌朝

 

朝食の為、イヴと楯無が食堂へ来ると、

 

「なあ‥‥‥」

 

「‥‥‥」

 

「なあって、何時まで怒っているんだよ」

 

「‥‥怒ってなどいない」

 

「顔が不機嫌そうじゃん」

 

「生まれつきだ」

 

喧嘩中のバカップルみたいなやり取りをしていた百秋と箒の姿があった。

見つかって絡まれるのもめんどいので、イヴと楯無は反対側の席へと行った。

 

「おはよう、イヴイヴ」

 

「あっ、のほほんさん、おはよう」

 

其処に本音がやって来た。

そして、

 

「あっ‥‥」

 

「‥‥」

 

簪も居た。

 

「あっ、かんちゃ‥‥」

 

「本音、行こう」

 

簪は楯無の姿を見ると、顔を逸らして行ってしまう。

そんな簪を本音は急いで後を追っていく。

 

「あっ、ちょっと、かんちゃん‥イヴイヴ、また後でね」

 

「う、うん」

 

「‥‥」

 

本音と共に去っていく簪を寂しそうに見る楯無。

 

「たっちゃん?」

 

楯無の様子を見て心配そうに声をかけるイヴ。

 

「大丈夫よ、イヴちゃん。私は妹の事はまだ諦めていないから」

 

「たっちゃん‥‥」

 

「さあ、朝ご飯、食べちゃいましょう」

 

「う、うん」

 

朝食が終わり、食器を片付けていると、

 

「いつまで食べている! 食事は迅速に効率よく取れ! 遅刻したらグラウンド10週させるぞ!」

 

食堂に千冬の声が響く。

その途端、生徒たちは慌てて朝食を食べ始める。

千冬の脅し‥‥もとい注意のお陰か、遅刻する者は誰もいなかった。

尚この時、イヴは千冬が一年担当の寮長だと知った。

ただ、彼女の場合、教師よりも寮の管理人か学園の警備員の方が向いているのではないだろうかと思うイヴであった。

 

 

そして今日の朝礼が始まる。

 

「織斑、お前のISだが準備まで時間がかかる」

 

朝礼一発目に千冬は百秋の専用機について彼に現状を伝える。

 

「へ?」

 

しかし、当の本人は『何言っているの?』みたいな顔をする。

 

「予備機が無い。学園で専用機を用意するそうだ」

 

「?」

 

千冬が此処まで説明しているのにまだ理解できない。

だが、他のクラスメイト達は専用機と聞いてざわつく。

 

「せ、専用機!? 一年の、しかもこの時期に!?」

 

「つまりそれって政府からの支援が出ているってこと?」

 

「いいなぁ」

 

「私も早く専用機欲しいなぁ」

 

ISに無頓着な百秋は分かっていないが、ISのコアは全部で467機しかなく、開発者である束しか作れない上に、既に束はコアの製作を現在中止している。その為、各国、企業はそれぞれ割り当てられた限りあるコアを使ってISの研究・開発を行っている。

その限られた数の中で専用機と呼ばれるオーダーメイドのISを一機、個人で所有できると言う事は世界的にみてもかなりの特別待遇という事だ。

その事を分かってない百秋に千冬は教科書を音読させる。

それによって百秋も瞬時に専用機持ちの優位性を理解した。

 

「安心しましたわ。一応勝負は見えていますけど? 貴方が訓練機では流石にフェアではありませんものね」

 

セシリアが今度のクラス代表選抜戦で百秋も専用機を使用する事でお互い同じ土俵に立つことに対して百秋に絡んで来る。

 

(そんなに言うなら、互いに訓練機でやればいいのに‥あっ、でも私の場合、訓練機だと訓練機を壊しちゃうんだっけ?)

 

以前、束から言われたようにイヴでは訓練機の方がイヴのスペックに耐えられないらしい。

 

「お前も専用機を持っているのか?」

 

「あら、ご存じないのね。よろしいですわ、庶民の貴方に教えて差し上げましょう。 この私、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生……つまり、現時点で既に専用機を持っていますの‥世界でISは僅か467機。 つまり、その中でも専用機を持つ者は全人類60億超の中でも、エリート中のエリートなのですわ」

 

「467機?たった」

 

百秋はこの世界に存在するISが意外と少ないことに驚く。

ただし、イヴの専用機や束の研究所には無人機のISが存在しており、IS委員会が現在確認しているISコアの数は467個であるが、実際はもっと存在していた。

 

「本来、IS専用機は国家、企業に所属するパイロットにしか与えられない。だが、お前の場合は状況が状況なので、データ収集の目的で専用機が用意される。理解できたか?」

 

(モルモットのような扱いは気に食わないが、俺も選ばれた人間と言う訳か‥‥まぁ、それも当然の事だな。なんたって俺はあの織斑千冬の弟なんだからな)

 

専用機が与えられると言う事で選民意識が再び芽生え出して来た百秋。

ただし、彼の存在のせいで、一人の代表候補生が専用機を手に入れる時間が大幅に遅れたことを千冬も彼も知らなかった。

 

そんな中、

 

「あのっ、先生。気になったんですが、もしかして篠ノ之さんって、篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」

 

ISコアから束の名前が出て来て、その束と箒の苗字が同じな事に気づいたクラスメイトの一人が千冬に質問する。

 

「そうだ。 篠ノ之はあいつの妹だ」

 

此処で束と箒の関係を暴露する千冬。

 

「ええええーっ! す、すごい! このクラスは有名人の身内が二人も居たの!?」

 

「ねぇねぇ、篠ノ之博士ってどんな人!?やっぱり天才なの!?」

 

「篠ノ之さんも天才だったりする!?今度ISの操縦教えてよ!」

 

授業中でありながら箒に群がるクラスメイト達。

 

すると、

 

「あの人は関係ない!」

 

突然大声で箒が叫んだ。

箒の大声に唖然とする女子生徒たち。

 

「‥‥大声を出して済まない。 だが、私はあの人じゃない。 教えられるようなことは何もない」

 

そう言って、窓の外に顔を向ける箒。

困惑しながら席に戻る生徒達。

 

(あれ?箒と束さんってそんなに仲悪かったっけ?)

 

百秋は昔の事を思い出す。

彼の脳裏の浮かぶ束は箒と仲が悪い以前にあまり関わり合いを持っていなかったイメージがある。

姉妹なのだが、会話や挨拶はおろか、一緒に居る時間も少なかった。

大抵、束と一緒に居たのはあの疫病神である一夏だった。

なんで束が実の妹である箒よりも一夏と過ごしているのかが謎であった。

 

「さて、授業を始めるぞ。 山田先生、号令を‥‥」

 

「は、はい!」

 

山田先生は困惑しつつも授業を始めた。

そんな二人の教師の姿を見て、

 

(何故、この二人は止めなかったんだ?)

 

イヴは何故この教師二人が騒ぎを収めなかったのかが不思議だった。

千冬や山田先生はクラスメイトが騒いでいる中、注意せず、箒が大声を上げる事で騒ぎが収まったのだから‥‥。

そして授業が終わり、休み時間になると‥‥

 

「千冬姉」

 

百秋は教室から出る千冬を追いかけた。

 

「織斑先生だ」

 

「お、織斑先生」

 

「なんだ?」

 

「さっき、言っていた専用機の事で確か昨日あのアインスって奴も専用機を持っているって言ってけど、アイツも何処かの国の代表候補生なのか?」

 

「いや、アイツは代表候補生でもなければどの企業にも属していない」

 

「じゃあ、何で専用機を持っているのさ」

 

「さあな」

 

「『さあな』って‥‥本当にアイツは専用機を持っているの?」

 

「ああ、実技試験の時、奴は自分の専用機を使用していた」

 

「専用機を持っているのに、国家、代表候補生でもなく、企業に所属していない‥‥もしかして、どっかで盗んできたんじゃないの?」

 

「私もそう思った‥だが、これまで世界各国で強奪されたISに奴が使用していたISは無かった」

 

未知なるISを使うイヴ(一夏)に少し不安になる百秋。

 

「大丈夫だ。お前は私の弟だ。あんな連中に負けるわけがない」

 

「そ、そうだよな」

 

世界最強の姉にそう言われてちょっとは自信を取り戻した百秋。

千冬は百秋の為に用意されているISには絶対の自信があった。

何しろあの専用機には自分が現役時代に使用していた絶対無敵の装備があるのだから‥‥しかもそれは自分が現役時代のものよりも改良されている。

例え相手があの化け物でもISのエネルギーをすべてを消滅させる攻撃ならば、負ける筈がないと千冬はそう思っていた。


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