シルバーウィング   作:破壊神クルル

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45話

金色の球体から孵化した金色の竜はアリーナに居た教員部隊をあっという間に片付けてしまった。

そんな中、楯無はイヴを取り戻す為、果敢にも竜に戦いを挑んだ。

教員部隊が全滅した中で今アリーナに居る中で戦えるのは楯無の他に百秋と簪の二人だけだった。

しかし、百秋は金色の竜の強さにビビり完全に逃げ腰。

簪はイヴを助ける事が出来なかった事にショックを受けて現実逃避をしていた。

だが、シャルルの言葉によって戦意を取り戻した簪は姉が戦っているアリーナへと向かった。

そして姉と共に竜を追い詰めた。

だが、その代償もあり、姉のISは半壊し、搭乗者である姉自身も負傷した。

それでも戦果はあると思ったのだが、それは間違いで竜は未だに更識姉妹の前に立っていた。

 

「う、嘘‥でしょう?」

 

「そ、そんな‥‥」

 

絶望感が更識姉妹を襲う。

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

だが、竜の方もダメージはあるようで先程ミストルテインの槍をくらった部分には小さな罅が入っていた。

それでもダメージは楯無の方が大きい。

すると、竜の口元には火が見え始める。

あの強力な火球を食らったりしたら負傷してISが半壊している楯無は間違いなく死ぬ。

簪は楯無を守るかのように彼女をギュッと抱きしめる。

しかし、竜は火球を撃とうとはしない。

竜は口から火を吹くがそれは更識姉妹には向けられず自らを包み込む。

激しい炎に包まれる竜。

しかし、自身の炎は熱くないのか熱がる様子はない。

 

「一体何が‥‥」

 

更識姉妹にもピットに居る千冬達にも竜のこの行動は理解できなかった。

だが、それは直ぐに分かり、更なる絶望へと追いやる。

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

竜を包んでいた炎は形を変え、今度は炎を纏う大きな猛禽類の様な鳥の姿へと変わる。

 

「な、何アレ‥‥」

 

「ふ、不死鳥?」

 

更識姉妹は炎を纏う鳥を見て神話に登場する伝説の鳥を思い浮かべる。

竜の変化は当然ピットに居る千冬達も見ていた。

 

「な、なんだよ?アレ‥‥」

 

百秋は不死鳥の姿に言葉を失う。

それは千冬もシャルルも山田先生も同じで唖然としている。

 

「ま、まさか‥二次移行‥‥?」

 

竜の姿から不死鳥の姿に変えた事からシャルルが姿を変えたその可能性を示唆する。

 

「二次移行だと?VTシステムの状態でか‥‥?」

 

「そうとしか思えませんが‥‥」

 

「くっ‥VTシステムをまさか二次移行させるとは‥‥アイツはまさに本物の化け物だな‥‥」

 

千冬が忌々しそうに呟く。

だが、

 

「何言っているんですか?織斑先生」

 

シャルルがこの状況下にも関わらず冷静に千冬へと指摘する。

 

「なに?」

 

「あの姿‥‥モンスター(化け物)ではない‥‥神だ‥‥」

 

シャルルはジッと不死鳥となったVTシステム‥いや、イヴをジッと見ていた。

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

不死鳥は更識姉妹を見て威嚇するかのように鳴く。

どうやら、不死鳥は先程行った攻撃から更識姉妹を敵として認識した様だ。

 

「あっ‥‥あっ‥‥」

 

「‥‥」

 

更識姉妹は互いに互いを抱き合って震えている。

 

(か、勝てない‥‥あんなの相手にどうやって戦えばいいの?)

 

(たとえ、私の命が燃え尽きても簪ちゃんだけは‥‥)

 

絶望、不安、恐怖などのマイナスな感情が渦巻く中、

 

ナンジ、ミズカラノヘンカクヲノゾムカ?

 

「だ、誰?」

 

簪の脳内に突如男の声が聞こえた。

 

ヨリツヨイチカラヲホッスルカ?

 

簪の答えに対して男は無視するかのように引き続き簪に質問をぶつけてくる。

 

(力‥‥わ、私は‥‥)

 

ドウスル?

 

チカラヲノゾムカ?

 

ソレトモコノママデボンジンノママデイルカ?

 

(ほ、本当に力をくれるの?)

 

モチロンダ

 

(私は‥‥私は力を求める!!)

 

ソウカ‥‥

 

簪が男の声の誘いに乗ると、打鉄弐式の継ぎ目から黒いドロドロしたものがあふれ出てくる。

 

(こ、これはあの時のドロドロ!?)

 

「簪ちゃん!!」

 

(なんでVTシステムが簪ちゃんの機体に!?)

 

楯無が打鉄弐式の変化に気づいて簪に声をかける。

 

「お、お姉ちゃん!!」

 

すると更識姉妹は黒いドロドロに包まれてしまった。

 

 

「こ、此処は‥‥」

 

「何処なの?」

 

更識姉妹が気づいた時、辺りは真っ暗闇で二人はそこに呆然と立っていた。

 

ヨウコソオフタリサン。ココハ、ワレノセカイ‥『欲の間』ダ!!

 

「私達をどうするつもり?」

 

楯無が声の主に自分達をどうするのかを尋ねる。

相手の姿は見えないが、向こうからは自分達の姿がきっちりと見えている様だ。

 

モチロンワレノタメニヤクダッテモラウゾ

 

ドウヤラ、モウヒトリノワレガ、ベツノナニカニトリコマレテシマッタヨウダカラナ、ダッカンノタメ、キサマタチノニクタイ、キオク、ソノスベテヲイタダク

 

「誰が‥‥」

 

「アンタなんかに‥‥」

 

ホホホ、イキガッタトコロデムダナコトダ。コノセカイハワレノセカイ。

 

ユエニココデハワレガホウデアリ、ワレガゼッタイノシハイシャナノダ!!

 

男の声は随分と横暴な言動が目立つ。

 

ソレニケッカハソコノメガネノコムスメガノゾンダコトダ

 

「簪ちゃんが!?」

 

「‥‥」

 

楯無が簪を見ると、彼女は気まずそうな顔をする。

自分のせいでこうなってしまったのだから無理もない。

だが、

 

「‥‥確かに私は力を望んだ‥‥」

 

ソウダ。ユエニワレガサイキョウノチカラヲソナタタチニサズケ、ソノカラダヲワレガツカッテヤロウトイウノダ。

 

カンシャスルノダナ、キサマノヨウナチッポケナニンゲンガ、コノVTシステム・ブリュンヒルデノヤクニタテルノダカラナ、ハハハハハ‥‥

 

『そうわさせない(わ!)!』

 

ムッ?

 

VTシステムとは違う声‥‥女の人の声がすると簪と楯無のそれぞれ隣に女の人が現れた。

楯無の隣には更識姉妹の髪よりも薄い青‥水色の髪にドレスを着た女性が‥‥

簪の隣には着物袴の上に和風の鎧をまとった黒髪の女性が‥‥

 

ムッ?キサマラナニヤツ!?

 

突然の乱入者にVTシステムはびっくりしながらも二人の女性の正体を問う。

 

『ミステリアス・レイディ』

 

水色の髪にドレス姿の女性は楯無の愛機であるミステリアス・レイディと同じ名前を告げる。

そして、

 

『打鉄弐式』

 

黒髪の鎧姿の女性は簪の愛機と同じ名前を告げる。

 

「ミステリアス・レイディ‥打鉄弐式‥‥」

 

「どういう事なの?」

 

ソウカ、キサマラソノコムスメドモノコアジンカクダナ

 

VTシステムが言うにはこの二人の女性は更識姉妹のそれぞれの専用機のコア人格直だと言う。

 

「この人達が‥‥」

 

「私達のISのコア‥‥」

 

更識姉妹はあまりに非現実的な光景に本当なのか信じられなかった。

 

「本当に貴女、ミステリアス・レイディなの?」

 

はい。そうです。楯無お嬢様。

 

「打鉄弐式なの?あの時、私に起動プログラムを教えてくれた‥‥」

 

はい。こうして人の姿としてお見せするのは初めてですが、私は打鉄弐式です。

 

「でも、どうしてコア人格が‥‥」

 

彼女のおかげです。

 

あの人の力で私達はこうしてお嬢様方の前に人として現れる事が出来ました。

 

「彼女?」

 

「あの人?」

 

更識姉妹がコア人格の言葉に首を傾げると、二人の前に蛍の光のような小さな光が出現しやがてそれは幾つも現れて形を形成していく。

そして現れたのは‥‥

 

「「イヴちゃん!?」」

 

表情は無いがそこに現れたのは紛れもなくイヴだった。

 

(ナ、ナゼアノコムスメガココニ‥‥?)

 

VTシステムは何故自分の世界にイヴが居るのか理解できなかったが、自分が簪の中に入り込んだ時のことを思い出した。

 

(マ、マサカアノトキ、コノコムスメノイシキガワレニキセイシテイタトデモイウノカ!?)

 

元々ラウラの体を乗っ取ったVTシステムはイヴのナノマシンによって分離を余儀なくされた。

そしてその分離した一部が簪の打鉄弐式へと入り込んだのだが、その時に入り込んだ一部のVTシステムの中にもイヴのナノマシンが存在していたのだ。

バハムートは二人のISの人格コアを二人の前に呼び出したのだった。

 

簪お嬢様‥お嬢様は何故この者の誘いに乗ったのです?

 

打鉄弐式は簪に何故VTシステムの誘いに乗ったのかを尋ねる。

 

「今の私だけの力ではイヴを取り戻せないから‥‥」

 

だから、最強の力などと言うまやかしの誘いに乗ったのですか?

 

「それは違う」

 

違う?どう違うのですか?

 

「私が求めたのは最強の力なんかじゃない‥‥イヴを助ける事の出来る程度の力‥‥大切なモノを守るための力!!それだけで私は十分よ!!」

 

「簪ちゃん‥‥」

 

フン、マモルテイドノチカラダト?

 

ソンナモノハナンノヤクニモタタヌワ!!

 

コノヨヲウゴカスノハチカラダ!!

 

アットウテキナチカラコソスベテナノダ!!

 

サア、オシャベリハココマデダ!!キサマタチノニクタイヲイタダクゾ!!

 

VTシステムが更識姉妹の体を狙い二人に迫り、ミステリアス・レイディと打鉄弐式が更識姉妹を守るかのように二人の前に立つ。

 

ドケ、ガラクタドモガ!!

 

VTシステムはミステリアス・レイディと打鉄弐式を倒してでも更識姉妹の体を狙ってきたが、更識姉妹、ミステリアス・レイディと打鉄弐式の前にイヴが立つと迫って来るVTシステムの前に手をかざすとVTシステムの動きが止まる。

 

グォッ‥‥ナ、ナンダト‥‥

 

「イヴ!?」

 

「イヴちゃん!?」

 

グッ‥‥ムシケラノブンザイデ‥‥コノワレニタテツクキカ!?

 

『その虫けらの指一本触れなれない貴様は虫けら以下の存在だな‥』

 

此処で初めてイヴが口を開いた。

 

ナンダト!?

 

『劣化コピーが‥‥貴様こそ、二人の強さの糧になれ!!』

 

グォォォォォォ‥‥

 

VTシステムは光の粒子となり、ミステリアス・レイディと打鉄弐式の中へと吸収されて行った。

 

「イヴちゃん?」

 

「イヴ」

 

更識姉妹がイヴに恐る恐る声をかける。

 

『私はイヴであってイヴではありません』

 

「どういう事?」

 

『私はバハムートの中にあるイヴの残留思念です‥‥VTシステムをボーデヴィッヒさんから排除する時、その中に入ったナノマシンの残留思念がこうしてイヴの体を構成しているだけに過ぎません‥‥VTシステムが消えた今、この空間もやがて消滅するでしょう‥‥』

 

「さっきミステリアス・レイディと打鉄弐式にVTシステムが入って行ったみたいだけど大丈夫なの?」

 

『問題ありません。奴にもう人の体を乗っ取る力は残ってはおらず、ミステリアス・レイディと打鉄弐式の二機をパワーアップさせる糧にしました‥‥さあ、元の世界へ戻りなさい‥‥そして、現実世界の私を救ってください‥‥』

 

イヴがそう語ると暗闇に光が差し、この真っ暗な空間が崩壊していく‥‥

 

 

ピットでは、更識姉妹がVTシステムに取り込まれいよいよ手詰まりとなる。

 

「まさか、更識姉妹が‥‥くっ、肝心な時に役に立たん奴等だ」

 

千冬はVTシステムに取り込まれた更識姉妹を役立たずだと罵る。

不死鳥はVTシステムに飲まれた更識姉妹に興味が失せたのかピットに居る千冬達に狙いをつける。

ピットの射出口からピット内に居る千冬達を睨みつける不死鳥。

そして、不死鳥がピット内に居る者達を焼き殺そうとしたその時、VTシステムの黒い球体が割れる。

すると、そこには取り込まれた筈の更識姉妹の姿があった。

しかも纏っていたミステリアス・レイディと打鉄弐式の形がVTシステムに飲み込まれる前と形が異なっていた。

 

「ISの形が変わっている!?」

 

「ま、まさか、アイツらも二次移行したと言うのか?VTシステムに取り込まれていたのに‥‥なぜ‥‥」

 

千冬にしてはVTシステムに取り込まれた更識姉妹が無事な姿でVTシステムを破り、しかも取り込まれている中、纏っていたISが二次移行していたのだから驚愕するに十分な事だった。

二次移行した、ミステリアス・レイディはイヴのIS同様、どことなく竜を意識した様な作りになり、打鉄弐式は装甲の部分が増した甲冑を意識した様な作りとなっていた。

ISは二次移行したが、肝心の不死鳥を倒す手立ては思いつかない。

このままでは折角二次移行しても無駄になってしまう。

その時、簪が不死鳥の向こう側のアリーナの床に雪片が落ちているのを見つけた。

 

(そう言えば、さっき織斑先生が‥‥)

 

簪は不死鳥がまだ卵の時にこの不死鳥も元をただせばISだと言っていた事を思い出す。

そして、ラウラを助ける時、千冬モドキと戦っていた時、イヴが雪片を使っている事も思い出した。

百秋は確かに雪片にロックをかけていたと言うがそのロックがかかっていた筈の雪片をイヴは百秋でないのにも使っていた。

もしかして、イヴは雪片に何か細工をしたのかもしれない。

それか本当に百秋が雪片のロックをかけ忘れていたのかもしれない。

いずれにしても零落白夜が使えればあの不死鳥と言えど倒せるかもしれない。

でも、もしかしたらイヴだからこそ使えたのかもしれない。

イヴも元をただせば織斑家の人間。

あの雪片の最初の所有者はブリュンヒルデこと織斑千冬で、雪片は彼女をモンド・グロッソで優勝に導いた剣。

そして百秋は現在その剣の後継者。

それは彼が織斑千冬の弟だから、後を継いだ。

でも、イヴも織斑の血を半分継いでいる。

雪片はもしかして織斑の血を判別しているのかもしれない。

イヴと違い自分達は更識の家の子‥当然雪片に選ばれている訳ではない。

だが、此処は賭けるしかない。

 

「お姉ちゃん‥‥」

 

「なに?簪ちゃん」

 

「一つ手が‥‥」

 

「なに?」

 

簪は楯無がアリーナに来る前、イヴが雪片を使っていた事を手早く話した。

雪片の能力については楯無も知っているし、先程ピット内での千冬の話も聞いていた。

確かに雪片の零落白夜が使えればあの不死鳥を倒す事も出来るかもしれない。

だが、自分達に雪片が使えるかわからない。

なにより使えるとしてもその肝心な雪片は不死鳥の向こう側に落ちている。

雪片を取りに行くには不死鳥の目を他に移す必要がある。

 

「‥‥簪ちゃん」

 

「なに?」

 

「今回はイヴちゃんを救う役‥貴女に譲ってあげるわ」

 

「えっ?」

 

「私があの鳥の注意を引くから貴女はその隙に雪片を拾いなさい」

 

「で、でもお姉ちゃんの方がダメージが‥‥」

 

「平気よ、ISのダメージは二次移行して回復したみたいだから」

 

「で、でも‥‥」

 

「言ったでしょう?姉ちゃんは不死身だって‥‥それに簪ちゃんもヒーローになるんでしょう?」

 

「‥‥」

 

「いいわね?簪ちゃん」

 

楯無は簪の返答を聞く前に不死鳥へと向かって行く。

そして蒼流旋についているガトリング砲で不死鳥を撃つ。

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

不死鳥の注意が自分に向いたと知ると楯無は簪と雪片の方向とは別後方へと飛んでいく。

そしてその後ろを不死鳥は追いかけて行く。

 

(今だ!!)

 

楯無と不死鳥との距離が自分と雪片から離れたのを見計らって雪片を取りに行く。

そして雪片を手にとって瞬間、不死鳥が簪の動きに気づき、彼女に向けて火球を放つ。

 

「簪ちゃん!!」

 

「っ!?」

 

楯無の声に気づいた時、目の前に巨大な火球が自分目掛けて迫って来る。

 

「くっ」

 

簪は反射的に雪片を構える。

 

(雪片‥お願い‥今だけ‥今だけは私に力を貸して!!)

 

祈る様に心の中で雪片に声をかけて。

 

「零落白夜‥‥発動!!」

 

簪が雪片に打鉄弐式のシールドエネルギーの一部を流す。

すると、零落白夜が発動して不死鳥の火球を真っ二つにした。

 

「や、やった」

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

火球が防がれたのを見た不死鳥はターゲットを楯無から簪へと移す。

自分に向かってくる不死鳥の姿に簪は逃げ腰になりそうだが、

 

大丈夫です‥簪お嬢様。

 

「打鉄弐式?」

 

ヒーローは必ず勝つのですから、自信を持って下さい。

 

脳内に打鉄弐式の声が聞こえる。

 

「打鉄弐式‥うん‥そうだね!!行くよ!!打鉄弐式!!」

 

打鉄弐式に鼓舞されて簪は雪片を手に握りしめて不死鳥へと向かって行く。

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

「はぁぁぁぁー!!」

 

簪と不死鳥が交差する。

ただ交差した途端、不死鳥の風圧で姿勢制御を失う簪。

 

「うっ‥うわぁぁ」

 

「簪ちゃん!!」

 

墜落しそうになった簪を間一髪、楯無が支えてくれた。

 

「ふ、不死鳥は!?」

 

「まだ無事みたい‥残念ながら‥‥」

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

「‥‥お姉ちゃん」

 

「何かしら?」

 

「‥‥悔しいけど、私ひとりじゃイヴを救えない‥協力して」

 

簪は楯無の顔をジッと見つめる。

 

「簪ちゃん‥‥ええ、分かったわ!!」

 

楯無は簪の握る雪片に自らの手を置く。

 

「行くわよ‥簪ちゃん」

 

「ええ、絶対にイヴを助け出す!!」

 

「「勝負!!」」

 

「□□□□□□□□□□□―――!!!!」

 

「「はぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

雪片を握った更識姉妹と不死鳥が互いにその距離をどんどん詰めていく。

アリーナに居る者達はその光景を見ていた‥‥。

勝者は一体どちらになるのか固唾を飲んで‥‥。




※今回VTシステムを吸収した状態のイヴは遊戯王のラーの翼神竜-不死鳥(ゴッドフェニックス)。
楯無のミステリアス・レイディの二次移行の形状は最弱無敗の神装機竜の登場キャラクター クルルシファーのファフニール。
簪の打鉄弐式の二次移行の形状は最弱無敗の神装機竜の登場キャラクター ヘイズのニーズヘッグ。
の形状をイメージしてください。

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