「んん…」人里近くの森。その中で一人の娘が目を覚ました。「あれ?ここは?私は確か…」娘は意識があったときの最後を巡らせる。「お前は神の声など聞いてはいないのだ!」「認めるのだ!!」
「そんな、私は…」「お前は火炙りの刑だ!」
炎の燃え盛る音がする。焼けているのは自分だ。「イエス様!イエス様!イエス様ぁ!!」………………
「火炙りの刑に処されて
私は死んだはず。なのに生きている。ここはオルレアンではなさそうなのに」娘は心に少し余裕ができたようで静かに過去のことを振り返る。
それにしても皆、勝手なものだ。私が頑張ってイギリス軍と戦ったというのに、平気で見限るものばかり、裏切り者め。裏切り者。
娘は自分の心の中に何かどす黒いものがメラメラと燃えているような感覚を覚えた。
まずいなと思ったがもうすでに消化しようのないものとなってしまっていた。
………………皆自分勝手、自分の都合の良いようにしか動かないクズばっか。私はもう利用されないぞ。
………………復讐してやりたい
娘はそう思うと歩き出した。
程なくして人里を見つけた。「誰か住んでいそうな所だわ。でも少し雰囲気が違うかも」人里は早朝のせいか誰もいなかった。ただ一人を除いて。
あーもう!朝から不快な思い
させんなっつの。ある程度したら元の世界に戻ってあのたこ焼き野郎に目にもの見せてやっからな!
川田走平であった。
「すみません!」娘は言葉が
通じるか不安になりながらは走平に話しかけた。この時には娘の中の怨念の炎のは縮小していた。娘は素朴な白い着物のような服を着ていて、ブーツを履いていた。「ん?誰君?」
「私はジャンヌ。ジャンヌダルク。ここがどこか知りたいのだけど」
ジャンヌ?外人さんかね。「ここは幻想郷だけど?君、もしかして外の世界の人?」「え?外?なんのこと?私はオルレアンという所に
住んでいたんだけど」「オルレアン?」「そう、オルレアン。フランスという国なんだけど」「あーあー。フランスねぇ」「知ってるの?」
「まぁね。美味いじゃん。フランス料理」「食べたことあるの?」「そりゃああるさ。今はそういうのも簡単な時代さ」「へぇ。あなたは
フランス人なの?」口ぶりからあの時から結構年月が経っているのかしら。とジャンヌは思う。「違うよ。日本人さ」「日本人?聞いた
ことないわね」よかった。取り敢えずイギリス人ではなさそう。「マジで?サムライとかニンジャとか知んないの?」
「なにそれ?食べ物かしら?」「違う違う!サムライってのは………」と走平は説明する。「へぇーかっこいいね!」
「だろ?今はもう銃刀法違反になるからサムライとかニンジャはもういないんだけどね」「残念だわそれは」「だよなぁ。
あ、君何か行き先みたいなのは決まってるの?」「いいえ、ここはどこか右も左もわからないのよ」「そうか。まずはここの事情とかを説明したいからここに詳しい奴に会いに行こうぜ」
「案内してくれるの?」「ああ」「ありがとう!ええっと…」ジャンヌは青年の名を呼ぼうとしたがまだ名前を教えてもらっていなかった。「ああ、まだ名乗ってなかったな。俺は川田走平。」
「川田走平ね。よろしく!」「おう、よろしくな」にしてもこの青年…人間とは違う気がする。神様の声とどこか似ているような…でもミカエル様ではないみたいだし、何者かしら。
そしてなぜ私は生き返ったのか。しかもあの日から随分と時が流れたみたいなのに………
続く