メリーさんの電話をヤンデレ風にアレンジしてみた感じです。ただそれだけ

※ヤンデレに寄せすぎて、メリーさんの原型が殆どありません

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タイトル詐欺とか言わないでください。お願い致します




メリーさんの電話  ヤンデレvr

 

 「やっば、携帯置きっぱだった」 

 

 夜のバイトを終えて、アパートに帰宅した俺は家に忘れてた携帯に留守電が入っているのに気が付いた、それにクローゼットも少し開いている。朝は急いでいたとはいえ、だらしない

 俺は携帯に手を伸ばした。するとそこには、

 

 『着信が4件あります』

 

 こんな時間に珍しい、というより最近になって携帯を替えた俺にとって連絡先にあるのはバイト先の店長くらいなものだ。4件も留守電を残す人が俺の電話番号を知るわけない。

 その時点で少しばかり嫌な感じはしていた。所謂、虫の知らせみたいなものだろうか

 俺の偶に働く第六感は、その度に身に降り注ぐ危険から助けてくれた事実があり、中々頼りになるもの

 

 ブルッ

 

 っと、その間にもまた電話が掛かってくる。危機を感じた俺はそれを敢えて取らずに留守電の方を先に確認した。気が引ける中、勇気を持って留守電を開くと、

 

 

 「―――ユウ君」

 

 想像した中で一番最悪の声がスマホ越しに聞こえてきた。

 優しく頬を擽るような声色は、彼女の艷やかな黒髪と此方を見据える双眼を想い起こさせるには十分過ぎる程だった

 

 彼女こと――小鳥遊芽梨花(たかなしめりか)。高校の同級生であり、俺と一年前から付き合っており、つい最近此方から縁を切った女性であり、有り体に言えば俺の“元”彼女である。

 

 とても良い彼女だった。

 何でも出来て、彼氏に尽くしてくれる最高の彼女だった。

 だけど、彼女の愛は俺には抱えきれぬ程に重かった

 

 昔話になるが、バレンタインデーに他の女の子からチョコを貰い告白をされた。その日帰ったら部屋に何故か芽梨花がいて、俺は左腕を彼女に刺された。包丁でずっぷりと

 彼女曰く、俺を奪われると思っての事らしい。恐怖を感じた。その日の彼女の泥沼の様な黒々とした瞳は今でも忘れない。忘れられない

 

 俺は、彼女の重すぎる愛に心身共に堪えきれず、念入りに計画を練り、逃げ出した

 家族にはこれから会えないかもと前置きを伝え、実家から遠く離れた田舎の町に引っ越して、ボロくさいアパートに細々と隠れながら暮らしていた。決して豊かな生活ではない。――でも、

 

 これで彼女の束縛から開放される。

 そう思えば憑き物が剥がれ、全てが晴れやかな気持ちになれた

 

 

 

 だったのに――、その筈だったのに―――。

 

 彼女は何故か俺の電話番号を知っていた

  

 

 必然肩が跳ね上がる。携帯を持っては小刻みに震え、部屋全体が急速に冷えるのが分かった

 

 『――私めりな。いま、コンビニの前にいるよ。直ぐ会いに行くからね』

 

 そこで1通目の留守電が切れた

 

 コンビニ?

 コンビニといえばここから1キロほど離れた場所にローソンがある。貧しい生活を強いられている俺としては、いつも有難く利用している場所である。

 だけど何でコンビニに?

 

 俺はバイト帰りのコートも脱がぬままスマホの画面を見詰める

 着信は今も鳴り響いているのも合わせて、あと4件

 

 俺は震える手で2番目の留守電を開いた

 

 『私はめりな。いまタバコ屋の前にいるよ』

 

 それは先程の「ユウ君」という名前呼びも無ければ、すごく簡素な物だった

 だからだろうか、2通目は余計に俺の背筋を凍らせた

 

 『タバコ屋』それは俺がコンビニに行く道にも実はあるのだ。

 看板が擦れており古臭いタバコ屋である。もう還暦が近づいたお婆ちゃんのやっている店。毎回通ると挨拶をしてくれる親しみのあるお婆ちゃんである。

 そのタバコ屋というワードが電話から聞こえてきたのだ、彼女は徐々に俺のアパートに近づいて‥‥‥

 

 偶然という可能性は、彼女が掛けているのだとするとほぼ零に近い

 俺は焦る思いで3件目、4件目と留守電を開いた

 

 『――めりな。いま、学校の前にいる――』

 

 『――な。いま、アパートの近――』

 

 ごくりと唾を飲み込んだ。

 4件目の留守電があったのがおよそ5分前

 そして、残る一件の電話がさっき届いたばかり、そして今も鳴り続けている

 

 ヤバイ、本格的にヤバイ。

 今電話に出れば彼女は何処にいると答えるだろうか、アパートの目の前?2階に続く階段の途中?

 違う、玄関前だ。ここまで留守電を俺に聞かせ、その間に音をたてずに俺の逃げてを封じる。

 

 ここまで用意周到に俺を囲い込んだらしい

 まんまと策に嵌った俺に、さぞご満悦な事だろう

 彼女の嬉々とした表情が見てとれる

 

 袋の鼠だ、逃げ場なんで何処にも無い。いや、窓から飛び降りるという選択肢を考えれば、あるにはあるが、この場所を彼女に見つかった時点で既に悪足掻きもいいところだ

 

 俺は残る覚悟を振り絞ってその電話に――――出た

 

 『―――ユウ君、めりなだよ。今、家の中に居るの。私を探してね、ユウ君―――‥‥』

 

 い‥えの‥‥‥な、か‥‥‥?

 

 はっと、して俺は勢い良く視線をクローゼットに向けた

 

 どうして気付かなかったのだろう

 ほんの僅かだが、明らかに、不自然に、飄々と開かれているクローゼットの隙間。

 そこから彼女が此方を覗き込んでいたのだろう

 彼女が既に家の中に居る事を何で考えなかったのだろうか

 

 ずっと、ずっと見られてた

 

 足が竦む、呼吸が荒い。

 このままクローゼットを開かないでいたい。そんな思いが脳裏を焼き付ける。でも開かないと彼女は昔みたいに俺の身体を刺すに違いない、いや、それ以上に苦しみを味合わされる筈だ

 重たい愛でまた俺を、息も出来ないほど苦しい世界に縛り付けるのだろう

 左腕の刺された傷が疼く。俺は震える足取りをクローゼットまで運び、警戒しながらノブに手を掛ける

 

 『―――正解はねぇ―』

 

 手に持った携帯から彼女の声が聞こえるが、耳に入らない。

 俺は思い切りクローゼットの扉を開けた

 

 そこに彼女は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       ――――――――居なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 『「貴方の後ろにいるよ」』

 

 携帯のスピーカーから聞こえる機械的な声と、俺の後ろから聞こえた、うなじを擦るようなその声に俺は動くことが出来ず

 

 『「愛してるよ――ユウ君」』

 

 彼女の温もりのある抱擁と、その刹那に全身を駆け巡った衝撃に、俺は気を失った

 

 

 

 


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