ぶらぼフレンズ   作:とけるキャラメル

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かりゅうどのゆめ  げーるまんおにいさん (???)

やあ、君が新しい狩人かね
ようこそ、狩人の夢に。ただ一時とて、ここが君の「家」になる
私は……ゲールマン。君たち狩人の、助言者だ
今は何も分からないだろうが、難しく考えることはない
君は、ただ、フレンズを狩ればよい。それが、結局は君の目的にかなう
狩人とはそういうものだよ。直に慣れる…

この場所は、元々狩人の隠れ家だった
血によって、狩人の武器と、肉体を変質させる。狩人の業の工房だよ
もっとも、今は幾つかの器具は失われているがね
残っているものは、すべて自由に使うとよい
…君さえよければ、あの人形もね…


せいどうがい

 ラッキービースと名乗る珍獣は、ぼくに名前と行きたい場所を尋ねてきた。ビルゲンワースに行きたいと答えると、そのルートを検索するからその前にヤーナムについて説明を始めた。ヤーナムはいくつかの地方に別れ、それぞれのエリアに異なる特性を持った獣、狂人、上位者がいるという。話が長いのでぼくは聞き流して休むことにした。そのあいだサーバルちゃんが珍獣に向かってびっくりした、ボスは喋れたんだね、などと話しかけている。理由は分からないがサーバルちゃんは珍獣をボスと呼ぶようだ。しかし珍獣はサーバルちゃんに対し無視を続けるのだった。

 

 しばらくしてぼくが顔を上げると影が差すから、また獣か隙をうかがっていたな、食われはせんぞとノコギリ鉈を構えると、もう食べないって!と抗議された。またサーバルちゃんを敵と間違えてしまった。ぼくもまだ未熟だなと自嘲していると珍獣がまたしゃべり出した。サーバルちゃんはまた驚くのだが、相変わらず珍獣は彼女を無視し続ける。それにしても失礼な奴だ。

 ラッキービーストが言うには、ビルゲンワースは禁域の森にあり、途中聖堂街を通る必要があるという。ただとても危険なので、いまの実力、装備で行くのはおすすめできないそうだ。それに徒歩だと時間がかかるから、ジャパリ馬車に乗って移動しようと提案された。馬車がある場所までは歩いて二時間ほどだという。

 

 聖堂街を目指して再びぼくたちは薄汚い下水路へ足を運んだ。ヤーナム市街とはだいぶ様子が違うなと感心していると、下水路はガスが発生して熱帯雨林気候のようになっていると珍獣が説明する。色んな音が聞こえるよ。今日もフレンズと会えるかもしれないね、とサーバルちゃんは楽しそうに言うが、ぼくは凶暴なフレンズはごめんこうむりたいねと苦笑した。道中、下水の(はり)でぐうたらしている者や、うすらでかいフレンズ、土を舐めている狂人などと出くわした。止まったままぴくりとも動かないフレンズたちも多かったが、あれらは一体何だったのだろう。そうこうしているうちに地上に出た。

 

 階段を駆け上がると墓地が見えてきた。この墓地を越えれば、あとは楽な道だという。奥に見える階段を上り、門を開こうと力を込めるも全く動かない。どうしたものかと考えれば、ラッキービーストはなにやらほざきながら静止している。役立たずめ、と吐き捨てぼくとサーバルちゃんは辺りを見回すと、どこからかたのしー!と声が聞こえてきた。声のする方へ振り向けば、ひとりの少女が何度も斧を地に叩きつけていた。斧が振り下ろされるたびに腕がはね上がる。すでに事切れている相手を殴って何が楽しいのかと思えば、彼女はこちらに気づき近づいてきた。コツメカワウソと名乗る少女は今夜はよい狩り日和だね、と笑ってきた。狩りをするならいつも良い日だろうとぼくが返せばそれもそうかとまた笑った。

 門を開けたいのだがどうすればいいと尋ねると、それならジャガーちゃんが鍵を持っているから彼女を待て、いつ通るのかときけばさあ、一日二回くらいだという。しかたがないから皆で待っていると、カワウソがしきりに武器を変形させ始めた。楽しそう、私もやるとサーバルちゃんが斧を借りて何度もガチャガチャ鳴らすのが愉快だから、ぼくもつられてノコギリ鉈を変形させた。夢中で変形させていると、危うく通りがかったジャガーを見逃すところだった。

 

 

 

 

 ジャガーはネコ科では珍しく鍵が開けられるという。先に進めず困っている者のためにこの仕事をやっているのだそうだ。門を開けっ放しにしていれば、たちまち獣や狂人が押し寄せてくるだろうから、門番の責任は重大だ。

 進めるようになったとたん、珍獣は意気揚々と案内を再開した。そしてうち捨てられた馬車を見つけたが、あるのは本体のみで肝心の馬がいない。馬なら門の向こうで見たとジャガーが言うから引き返してみれば、案の定やせ細ってている。これでは馬車など引けないではないか。とはいえいくらヤーナムでも見て見ぬふりとは忍びない、馬ならせめて馬車のもとに戻してやろうと運ぶことになったが、やせ衰えた馬は自力で移動することなどできない。持ち上げようにも苦しそうにするから、皆が四苦八苦していると棺桶が目に入った。ぼくはこれで板を作ろう、そして縄をつけて引っ張れば馬を苦しめずに運べると提案した。試しにサーバルちゃんを乗せて引いてみればうまくいったものだから、すごいね、秘儀みたいと褒められてぼくは気分がいい。ようやく馬を馬車の前に運び終えたが、だからといって何か変わるものではない。

 馬車を前にした馬はいなないた。かと思うと急に黙るものだから、死んじゃった、寝ただけじゃないかと皆で話していると死んだと珍獣が断言した。仕方が無いから葬ってやろうかと提案すれば、珍獣はこともあろうに祭壇に捧げれば肉体の時間が巻き戻って生き返るのだとのたまう。生き返らせてまで鞭打とうとは冒涜的にも程がある。それに面倒だから先を急ごうと話をまとめた。ところで水銀弾が心許ないからどこか補充のあてはあるかと珍獣に質問すると、あそこの塔の屋上で補充できるよと答えられた。珍獣の視線をたどればそれは焼き払われた旧市街の方向だった。罹患者のフレンズたちが多数うろついており、気の狂った狩人も数名いるというからどうやっていくのだとぼくとサーバルちゃんは顔を見合わせた。




おどんのちかぼ  がすこいんおにいさん (やーなむ)

…どこもかしこも、フレンズばかりだ…
…貴様も、どうせそうなるのだろう?

…匂い立つなあ…
堪らぬ血で誘うものだ
えづくじゃあないか…
ハッハッハッ…
ハッ、ハハハッ
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