ティアマトが風邪を引いた…そういう話。風邪を引いたらゆっくり休みましょう。特に喉が痛んだら熱い甘酒を飲んで喉を潤しましょう(我が家の対策)。







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風邪引きました(´・_・`)








ティアマト「寒い」

1日目

 

 

「へくちっ」

「あー………大丈夫か?あんた」

ついに相対した人類悪…ビーストⅡことティアマト。だが…露出率の高すぎる肌は鳥肌になっており、顔は虚ろだった。ありゃアレだ。風邪だな。

「ぶっ殺すにゃ良い機会なんだけどよ……流石に可哀想だなありゃ」

モードレッドまでその姿に同情していた。Aとaで喋ろうとするも、これが掠れ喋れもしていない。

「ゴホッ…ゴホッ……」

立っているのもやっとなのか…苦しげに咳き込み、とうとう蹲ってしまった。

「はぁ…仕方ねぇか」

俺は、彼女目掛けて自分の上着を投げた。「なんのつもりだ?」とばかりに睨む彼女に俺は背を向けた。

「帰るぞ」

「ちょっ!?人理定礎ぶっ壊れる寸前の状況で何言ってんだよ!?」

「イベクエでも消化して自力を鍛える。今彼女に挑むのは危険だ」

「えぇ……」

そそくさと帰るその背中をティアマトはジッと見ていた。

 

 

2日目

 

 

「ほい、お粥。卵粥だから美味いと思うぞ。しっかり体力付けて、元気にならなきゃ。」

「分かった!お前バカだろ!?」

次の日来てもラフム達が心配そうにティアマトを眺めているだけで戦闘にすらならなかった。今回は栄養が付きそうな物を用意した。それに食らいつこうとしたラフムを威嚇して、ティアマトの口に運ぶ。

「美味いか?紅ジャケも取れたんだ。こいつも脂付いて美味いぞ〜?」

まぁ、俺からしてみれば「俺が作った飯を美味そうに食ってくれる人」という解釈だ。味わうように咀嚼する彼女は、たっぷり3分かけて飲み込んだ。口を開けて次を待っているようだ。

「おかわりか。ほら、たんとお食べ」

「餌付けされてんなぁ……」

 

 

3日目

 

 

「黒泥をベッドにして寝てるな」

「器用な事すんなぁ…」

また来てみると、学習したのか黒泥をベッドにして眠っている。が、俺を見つけた途端、虚ろな目に光が灯りワクワクとした顔で俺の到着を待っている。

「ははは!そんなに食いたいなら今日はもっと美味い飯を用意したぞ───おっと、一言言うが、ラフムになったら飯作れなくなっちまう。そうしたら困るのはアンタだ。OK?」

鍋を置こうとした途端、いきなり黒泥を飛ばそうとした為に俺は警告した。あくまで餌付けであって、配下になるつもりはないという意思表示だ。ぐぬぬ、という顔をしたが諦めて口を開けご飯を強請った。

「それでいい、今日は鶏団子スープだ。柔らかく煮込んであるから食べやすいぞ」

「♪」

美味しそうに食べる姿を見ればこっちも作った甲斐があったという物」

 

「&EDE<!」

「&EDE!」

 

ラフムの皆にも大盤振る舞い。美味そうに食ってくれているので満足だ。まぁ、ちゃんと味覚があるかは不安だけどな。

「うめぇ!やっぱぐだ男の騎士になって正解だったぜ」

「当たり前だろ?俺は料理が好きなんだからよ!」

そう胸を張った。

 

 

4日目

 

「だいぶ熱が下がったようだな」

「AaaaAAAAAAAAAAaaa///」

「完全に懐いてないか…?こいつ」

俺の来訪を察知した途端、ラフム共々横一列に並んで口を開けご飯を待っていた。すげぇシュールだ………。しかし、気付いたんだが俺が配下にならんが飯はやると言った辺りからケイオスタイドが目に見えて減ってる気がするんだが…こまケェこたァいいんだよ!飯を食わせて早く互いに万全の状態で挑みたいんだ。早く治ってくれ!

「今日はカレーだ…激ウマだぜぇ」

「遠足飯もいいゼェ…悪くない」

しかも、ラフムに限っては腕が爪から指になり、しっかりと動かせている。折角だし日本のカレーの食い方を学ばせるか。

「こうやって食うんだ。見てな」

カレーをよそった俺は、モードレッドを指差した。意味を察したモードレッドが美味そうにカレーを食べる。ラフム達も互いに顔を見合わせると真似して食べ始めた。満足そうだな。

「AaaaaaAaaAAAaaAaa♪」

ティアマトも満足してくれたようでなによりだ。

 

 

5日目

 

 

「…」

「ヘイヘイヘイ冗談じゃないぜ!いつの間にか泥が全部干上がってるんだが!?戦いは!?戦いはどうするんだよ!?」

いつものように飯を用意していつもの場所に来てみると…そこはただのペルシャ湾だった。ラフムの姿も…あの笑顔のティアマトの顔も……綺麗さっぱり無くなっていた。喜ぶギルガメッシュ陣営に反して、俺はどこか寂しさを感じていた。

「よし、炊き出しをしよう!」

「いいぜ、オレも付き合ってやるよ!」

そう言って俺は荷車を押して大量の鍋を運び始めた。主要都市を回って炊き出しをしよう。復興の役にも立つだろうと思いながら2人でタイヤを転がした…。

 

 

6日目

 

 

「えーと…全面対決が無くてなによりだった」

そのまま任務が終わり、カルデアに帰還した俺達だったが…やや煮え切らない気分だった。ティアマトは何故帰ったのか…何故戦う気を失ったのか…俺のやり方が間違っていたのか……理由は分からない。でも、いつかその答えに辿り着ける筈だ。

「マスター、今日の料理は?」

「今日は鶏団子スープだよ。春雨を入れたから栄養が付くぞ」

「AaAa♪」

「さて、これから飯ぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

「なんでティアマトがいるんだよぉおおおおおおおお!?」

ティアマトは笑顔で口を開けた。あの飯を強請るポーズだ。

「よし、腹いっぱい食わせてやるから待ってな」

俺はエプロンを纏うと食堂へと向かった…なんでここまで来れたんだ…?まぁ、いっか♪

 

 

7日目

 

 

「「へくちっ!?」」

「今度はアーサー王と円卓の騎士全員か……」

やれやれといった顔で俺は溜め息を吐いた…。




風邪を引いたら大量に汗を掻いて毒素を取るのが我が家の鉄則です。その後、大量の水で濾過して汗などで排出…それを繰り返せば自然治癒力で治せますよ(個人差あるので注意)


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