笑顔は太陽のごとく… 《用務員・長門編 完結済》 作:バスクランサー
シリーズはまだ続きます。
あと、オーバーキルって、書いてみると気持ちいいんですね(狂)
本編どうぞ。
「わぁ…」
呆気に取られたように、ウルトラマンエースを見上げるレイ。
「早く逃げろ!ここは、私が食い止める!」
エースはエレキングに戦いの構えを取る。
「フンッ!!」
「貴様、ヨクモ邪魔ヲシテクレタナ!ココデブッ倒シテヤル!!」
戦いが、始まったーーー
ーーーものの一瞬でエースはエレキングに駆け寄り、次々と拳を浴びせていく。対するエレキングはゼロ距離からの砲撃で対応しようとするものの、その動作をする暇さえも与えないほどの乱打がエレキングを襲う。
「ヌゥン!トォッ!」
しかしエレキングも、砲撃がダメなら、と口から三日月型の光線を至近距離でエースに命中させる。
「ウォッ!?」
吹き飛ばされるエース。しかし体勢をすぐに整え直し、再び向かっていく。
しかし、エレキングの堅固な装甲は、エースの打撃も本来の威力を発揮できず、思うようにいかない。加えて、暇さえ与えないと言っても、砲撃なども常にエースを狙っているのだ。そこで…
「フラッシュハンド!!」
両手を熱エネルギーで包み、元々の拳の威力をさらに高める技・フラッシュハンドを使い、エースは目にもとまらぬ速さでチョップを繰り返す。エレキングの装甲も、これほどまでの威力を防ぎきれはしない。たまらずダメージに後ずさるーーー
ーーー「長門さん!」
「おぉ、吹雪!」
戦いを見守る私とレイの所に、吹雪が来てくれた。あの子供を避難所へ送り、無事に親と合流させることができたらしい。
そして吹雪も、今私の目の前で起きていることに気づき、見上げる。エースとエレキングの、一進一退の攻防を。
「戦っているんですね…北斗さんが」
「あぁ。この世界を守るために…」ーーー
ーーーウルトラマンエースの異名の一つに、「光線技の名手」というものがある。ウルトラ兄弟、さらにその他のウルトラマンと比べても、使える光線技の数が群を抜いていることからだ。この戦いでも、その威力はいかんなく発揮されていく。
くさび形の光線を連続で撃つ「アロー光線」、右手先からの三日月型光線の「ムーン光線」、さらには両手からの「スター光線」…。次々と技が決まっていく。
「いけいけ、エース!」
「よし、いいぞっ!」
今のところ戦いを有利に進めていくエースに、避難所の町の人も興奮していく。
エレキングはこれはたまらんと思ったのか、なんとエースに向かってジャンプしてきた。のしかかり戦法か!?
「ムッ、フンッ!」
エースは身軽に側転でかわす。が、かわしたはずのエースの目の前に、突然襲いかかるものがあった!
「あっ!!」
「尻尾!?」
エレキングの長い尻尾が、エースにいきなり巻きついてきた!ジャンプ攻撃をかわされエレキング本体も立ち上がり、長い尻尾がエースに巻きついて締め上げていく。
「ウゥッ…ウォォ…!」
さらにその長い尻尾を伝って、高圧電流がエースを痛めつけていく。
「まずい…!エースが危ない!」
私はたまらず、提督に通信を入れた。
「提督、提督!こちら長門!」
「長門か!こっちは今逃げ遅れた住民の救出活動中だが、どうした!?」
「エースが、ウルトラマンエースが危ない!」
「なんだって!?」
「エレキングの尻尾に締め上げられて、電流を浴びせられている!何か、何か奴に弱点はないのか!?」
「エレキングの弱点!?分かった、ちょっと待ってろ!!」
「出来るだけ早くしてくれ!今、エースのカラータイマーが点滅を始めた!」
ウルトラマンエース、その他多くのウルトラ戦士たちは、地球上ではエネルギーを急速に消耗する。カラータイマーが青から赤の点滅に変わると、戦闘可能時間が残り少ないという危険信号を意味する。
早くしてくれ、提督…!そう思っていると、通信機から提督の声が。
「長門、長門!!」
「提督か!」
「待たせたな、エレキングの弱点が分かった!」
「本当か!?」
「ああ!奴の角だ、角をねらえ!あいつの角は高性能レーダーの役割を果たしている!いくら深海棲艦と融合して強くなったとはいえ、そこを破壊すれば奴に大ダメージを与えられることは間違いない!」
「分かった!」
ーーーここで、過去の例を見てみよう。
エレキングは過去に地球に現れてウルトラセブンと戦った時、両角をエメリウム光線で破壊されて動きを止められた。また、ウルトラマンタロウが戦った再生エレキングも、角が元で再生を果たしたものだ。チームDASHと戦った個体も、両角を戦闘機ダッシュバードのミサイルとレーザーに砕かれて倒されている。エレキングにとって、角は重要部分中の重要部分であり、裏を返せば弱点なのだ。
そしてこの角が弱点というその法則は…深海棲艦と融合した、この個体にも当てはまっていたーーー
ーーー角が弱点と分かれば、そこをピンポイント攻撃するに限る。私は服のポケットから、あるものを取り出した。工廠組に頼んで、そしてこの間夕張にもらった、小型特殊端末だ。
「どうしたんですか、長門さん?それは…スマホ?」
「いや、厳密には違うな。」
私はスマホのように端末を操り、あるシステムを起動させた。
私が画面をタップすると、端末から光が放たれ、そして目の前にTACの大型火器…ビッグレーザー50が現れた。
「えええええええ!!な、長門さんそれ、ど、どうなっているんですか!?」
「ど、どこからそれを?」
「話はあとだ!!」
本当に話している場合ではない。私はすばやくビッグレーザー50を手に取り、そしてその銃口をエレキングへ、その角へと構える。
「エース…今助けるぞっ!」
私にとって、そして今隣にいる吹雪にとっては、ウルトラマンエースはとても思い入れのあるウルトラマンだった。かつて我々が心を痛めていたときに、立ち直るきっかけを、彼のある言葉がくれたのだ。
「頼むぞ…」
私は照準をとり、そして、今までの恩返しだと言わんばかりに、ビッグレーザー50のトリガーを引いた。
艦載機と違ってロックオンシステムはないし、また撃ち出されるのはレーザーなので基本やつの磁力操作の影響は受けない。ましてや今、ウルトラマンエースを締め上げることに最大限集中しているエレキングに、バリアーを張ることなど頭の片隅にさえなかった。
「当たれぇぇぇえええええ!」
長門の思いを乗せた、通常のレーザーの50倍の威力を誇る一筋の光はーーー
ーーー次の瞬間、エレキングの片角を完全に破壊していた。
「アアァァァァアア!!」
深海棲艦の声で、絶叫をあげるエレキング。やつの電流、締め上げる力は、一瞬だが確実に弱まった。
今だ!とエースは、自身の体から瞬間的に高熱を発する技・ボディスパークで尻尾の拘束から逃れた。
「キィィイイイイイ!!」
エレキングの咆哮とともに、再び締め上げんと、尻尾がエースに向かってくる。しかし、落ち着きを失った攻撃の軌道をエースは完全に見切っていた。
「トァァッ!」
大地を蹴って素早いジャンプ。攻撃をかわしつつ、空中高くで自身の身をひねり、そして伸びきった尻尾に向けて放つは…
「バーチカル・ギロチン!!」
両手を縦に大きく広げ、撃ち出された巨大な縦の光のカッターが、エレキングの尻尾を根元からぶった斬る!
さらにエレキングの正面に着地したエースは、間髪入れずに次の技を放った!
「ホリゾンタル・ギロチン!」
先程とは逆に、エースが両手を横に広げると、ホリゾンタルの名の通り、水平の光の刃が放たれ、そしてそれはエレキングの残っていた片角を、小気味よい音を響かせて斬り飛ばした!
もうバリアーも、締め上げ攻撃も出来ない。今こそ、奴を倒すチャンスだ。
「提督!」
「あぁ、分かっているさ!」
そして数秒後、提督の力強い声が通信機から響いた。
「艦隊に告ぐ!
総員、ウルトラマンエースを援護せよ!
繰り返す!総員、ウルトラマンエースを援護せよっ!!」
「「「「了解!!」」」」
角と尻尾を失いながらも、エレキングはまだこちらに向かってくる。しかし、エースの正義の鉄拳が、町への進入を許さない。さらに、
「今までの鬱憤、晴らさせてもらうデース!」
「バリアーのないお前なんか、弱すぎるんだっっ!」
「全機、突撃!ウルトラマンエースの援護に回ってください!」
一度エレキングが攻撃をしようとすれば、それを察知した艦娘たちからの弾幕が襲いかかる。残りエネルギーの少ないエースを、少しでも有利な状況にしよう、誰もがそう胸に抱いていた。さらにはエース、彼女たちを支える町の人たちの声援。
「頑張れ!そこだ!」
「頼む!やっちまえー!」
その声援は、エースに、艦隊に大きな力を与えた。
「マルチ・ギロチン!!」
エースの異名は複数存在する。先述の「光線技の名手」の他、有名なものでは「ギロチン王子」なるものもある。エースの使う光線技の中でも、特に威力が高いのが、斬首死刑の「ギロチン」と名につく切断技シリーズで、この異名はここから来ている。どんなに頑丈な相手でも、ギロチン技を喰らえば、命中した部分がたちまち斬られてしまうのだ。
このマルチ・ギロチンも、言うまでもなく強力なギロチン技の1つ。小型十字型の光のナイフが、エースの頭部、両手先、みぞおちの辺りから計4つ放たれる。正確な狙いのもと、光のナイフはエレキングに命中し、その身の装甲、そして胴回りと手の砲台艤装を全て剥ぎ取ってしまった。
「クゥッ!オノレェェェエエエエ!!」
激昴するエレキングは、自身の力を全て口に集め、最大パワーで三日月型光線を放つ構えに入った。しかし、その隙を逃すような艦娘たちではない。
「今だ!ウラー!」
「やっつけちゃうんだからっ!」
「砕け散れっ…!」
無数の砲弾が、エレキングの口へと撃たれる。エネルギーをためにためているエレキングの口に、これが命中したらどうなるか。
パンパンに膨らませたゴム風船に針を指すことをイメージすればいい。過去の実戦例には、Xioのワタル隊員が、攻撃のタメ動作最中のグリーザに、スペースマスケッティを突っ込ませたことがある。
もうお分かりだろう。
命中した砲弾は、まず口の中でもどこでもぶち当たって爆発する。そしてそれが、ためられた膨大なエネルギーと反応を起こし…
ズドーーーン!!
それをも巻き込む大爆発を起こした。当然口の中はボロボロ、もう光線を撃てるわけがない。
つまり、今この爆発をもって、エレキングは完璧に丸腰になった。しかし、エースは容赦など一切しない。
「エースリフター!」
エレキングを掴むやいなや両手で担ぎあげ、上空高々と投げ飛ばす。そして…
「サーキュラー・ギロチン!」
左右の腕で描いて作った、X字形の光の刃が勢いよく放たれ、上空のエレキングに命中。たちまちその刃によって、エレキングの体は四分割されてしまった。しかし、卑劣かつ強力な相手に関しては、エースはその破片さえ残すことを許さない。
体を腕とともに左後方に大きく捻り、戻す反動で両腕をL字型に組む。今、全ての艦娘たちの攻撃とともに、エースの最も得意とする、とどめの破壊光線が放たれる!
「メタリウム光線!!」
空を彩る、鮮やかな七色の光の筋。まるで流れ星のような砲弾をまといながら、エレキングに一直線に命中したそれは、1発でその体の破片全てを焼き尽くし…
ドカァァァアアーーーン!!!
轟音とともに、勝利を示す花火を打ち上げたのであったーーー
今回も読んで頂きありがとうございます!
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また次回お会いしましょう!